ミルキィモ~ダッシュ!
【みるきぃもーだっしゅ】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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RedDeerGames
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開発元
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Moon Games
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配信開始日
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2022年11月17日
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定価
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885円(税込)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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IARC:3+
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判定
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怪作
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備考
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有料追加コンテンツあり
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ポイント
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乳牛がミルクをまき散らすアクションゲーム ジェットの如くミルク噴射 コンプリートが極めて困難な乳牛集め
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概要
ポーランドのゲームメーカーであるRedDeerGamesが発売、Moon Games開発によるダウンロード専売ソフト。
Android / iOSで無料配信されている『That's a cow』の移植作。
ジャンルは『チャリ走シリーズ』と同様の、自動で前進する系の横スクロールアクションゲーム。グラフィックはポリゴン描写だが、ゲームとしては完全2Dのアクション。
「お乳からミルクをまき散らす乳牛」を操作してゴールを目指す設定。…変な意味じゃなくて本当にそういう設定なのでご了承を。
「通常版」「拡張版」「デラックス版」「究極版」といったバージョンアップ商法がされているが、ここでは通常版メインの表記を行う。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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全100ステージを順々に攻略していく。ステージセレクト制。オールクリアするとステージのランダム選択も行える。
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プレイヤーとなる乳牛は最大で24匹存在し、好きなものを選択できる(性能差はなし)。ほとんどの乳牛は先にクレーンゲームで入手する必要あり(下記)。
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操作体系
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自動で右に前進する乳牛を操作する。すべて「お乳からミルクを噴射する」系の操作で、敵にミルクをぶっかけるとダメージをあたえる効果がある。
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アナログスティック左+噴射ボタン押しっぱなしで前方へとミルク噴射。噴射中は乳牛の移動スピードが減速。前方に対する攻撃手段にもなる。
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噴射ボタン押しっぱなしで下方向へとミルク噴射。噴射中は垂直ジャンプが行えるが、その最中は特有の浮遊力が発生。下方向に対する攻撃手段にもなる。
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アナログスティック右+噴射ボタン押しっぱなしで後方へとミルク噴射。噴射中は乳牛の移動スピードが加速。後方に対する攻撃手段にもなる。
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ミルク発射中はミルクゲージが減少し、枯渇するとすべての操作が効かなくなる。操作しない状態で乳牛を地面に着かせるか、青リンゴ取得でゲージ回復。
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アイテムと仕掛けについて
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ステージ内には以下のアイテムや仕掛け等が存在する。そのうち3種類のアイテム・仕掛けはステージクリアのランク獲得に関わる。
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アイテムと仕掛けの一覧
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ステージクリアのランクに関わるアイテム・仕掛け
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コイン
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アイテムの一種で大量に配置されている。一定のコインを取得した状態でステージクリアすると1段階のランク獲得。
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青リンゴ
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アイテムの一種で1~2箇所に配置されている。すべて取得した状態でステージクリアすると1段階のランク獲得。 取得するとミルクゲージが全快する効果もある。
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敵
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矢を放ちながら乳牛に襲い掛かってくる敵。一定の敵を倒した状態でステージクリアすると1段階のランク獲得。 ミルクをぶっかけるか、落とし穴に落とす事で倒せる。亜種型として「浮遊する敵」「耐久度の高い巨大敵」も登場。
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その他のアイテム・仕掛け
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矢
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敵や砲台が放ってくる攻撃物。乳牛がこれに触れるとダメージ。ミルクぶっかけで消滅。なお敵や砲台に直接触れてもダメージはない。
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赤い壁
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破壊不可能なダメージ対象物。乳牛がこれに触れるとダメージ。派生物として「丸い赤ブロック」もあり、これも触れるとダメージ。
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砲台
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矢を大量発射する砲台。ミルクをぶっかけると砲台の元を断つ事ができる。
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丸いブロック
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乳牛の体当たりやミルク噴射等で転がせるブロック。「乳牛の足場として」「敵にぶつけて落とし穴に落とす」などの利用方法あり。
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ガラス
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乳牛の体当たりやミルク噴射等の衝撃で割れるガラス。中にコインや青リンゴが入っている「丸いガラスブロック」も存在。
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矢印
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アイテムの一種。矢印の方向へと乳牛を一時的な猛ダッシュをさせる効果。連続配置されている場合が多い。
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落とし穴
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乳牛が地形のない場所に足を踏み外すと、落とし穴転落による即ミス。逆に敵を落とし穴にはめて倒す事もできる。
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ゴールポイント
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ステージの右奥にあるゴールポイント。乳牛をここに通過させるとステージクリア。必ずジャンプ中に通過させる必要あり。
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その他にも「上側と中央の通路が利用できる筒の通路」や「ミルク噴射で丸いブロックが落ちてくるブロックの挟まった壁」などの仕掛けも登場。
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ステージクリアとミス条件について
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ステージの右奥にあるゴールポイントまで乳牛を移動させればクリア。
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各ステージは原則として右方向のみの強制スクロールで、一部ステージでは上方向のスクロールも発生するが、ゴールポイントは必ず右奥に設置されている。
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乳牛の動きを止める操作はないが、乳牛をスクロールとブロック等に挟ませると一時的な停止ができる。この方法で操作の仕切り直しが行える場面もある。
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クリア後は3段階のランクがステージ別で記録される。ランクの獲得には「コインの取得数」「青リンゴの取得数」「倒した敵の数」が関わる。
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3ポイントのライフ制で、乳牛が矢や赤い壁に接触すると1ポイントダメージ。ライフ全消滅か落とし穴に転落するとミス。ミス後はステージ最初からのやり直し。
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クレーンゲームについて
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ランクの累計が一定まで達するか、現実時間で1時間経過する度に、クレーンゲームが1回プレイできる。
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景品として「パッケージ詰めされた乳牛」が大量にランダム設置されており、入手した乳牛は次回から使用可能となる。ノーマル16匹+レア8匹が存在。
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必ず何かの乳牛が入手できるが、入手済の乳牛を再入手しても事実上のはずれとなってしまう。またレア乳牛はクレーンゲームに登場する事自体が滅多にない。
評価点
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分かりやすい操作でミルク噴射
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基本は「減速」「ジャンプ」「加速」のミルク噴射のみが操作対象であり、分かりやすい操作でプレイできる。
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ミルクの噴射感覚に若干のクセはあるが、複雑さは全くなく早期に慣れてくるもの。初期ステージにはチュートリアルの解説がある。
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慣れてくると「ミルク噴射でジェットの如くジャンプ等を行う」「敵に目掛けてミルクをぶっかける」という新感覚な操作が楽しめる。
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しかしミルクゲージのよる噴射制限があるため、ただ闇雲に噴射するだけではクリアにたどり着けない。意外にもゲームとしては真面目に作られている。
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難易度は全体的に低めで、ステージ構造が短い事もあってとんとん拍子にクリアできやすい。
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一部に仕掛けの配置が意地悪なステージはあるものの、何回もプレイすれば対処が分かってくるレベル。テンポも軽快そのものでプレイがだれにくい。
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ぷるぷるとした乳牛が可愛い
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「ふわふわのぬいぐるみボディ」「謎のぷるぷる感で目と体が揺れる」「お乳からミルクを大噴出」といった個性的な容姿や動きを見せる乳牛が可愛らしい。
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「ダメージ等の衝撃を受けると身に着けていた装備がもげる」「矢に触れるとステージが終わるまで刺さったまま」という演出が凝っているのも見所。
問題点
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ステージバリエーションはあまり多くない
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ステージ数はそこそこ豊富ではあるものの、そのバリエーションはあまり多いものではなく、似たような構造のステージに遭遇しやすい。
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ネタ切れなのか「ステージ開始から10秒ほどでクリア」「前に見たステージの微妙な焼き直し」といったステージもあり、部分的に手抜きさを感じさせる。
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乳牛集めのコンプリートが困難
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本作の乳牛集めはクレーンゲームで行う事になるが、相当な運がないとまず集まらないといっていい。
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入手済の乳牛が何度でも設置されるため、なかなか目的の乳牛に巡り合えないのが困りもの。非入手の乳牛に対する補正というものが全くかかっていない。
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最大の問題として「レアの乳牛が滅多に登場しない」というのがきつい。10回以上クレーンゲームをプレイしても姿を見せない事も珍しくない。
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しかも「クレーンゲームの誤操作で他の乳牛を入手してしまう」「入手したはいいがダブりの乳牛だった」という悲惨な結果もあり得る。
怪作ポイント
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ミルク噴射のオンパレード
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本作の怪作たる所以はやはり「とにかくミルク噴射しすぎ」という点にある。
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乳牛のお乳のキャパシティを大きく超えたミルクを大量噴射する様が豪快そのものであり、画面内が常にミルクまみれというカオスな状況に。
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「お乳のミルクの噴射力でジャンプ等を行う」という設定からして怪作感満載。「なぜ乳牛が主役を務めているのか」なんて疑問は些細な問題である。
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敵にミルクをぶっかけると「ミルクまみれでピクリとも動かなくなる」現象が軽くホラーで怖い。ミルクに何の成分が含まれているのかが気になるところ。
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ノーマルの乳牛のミルクの色は白だが、レアの乳牛のミルクは緑だったり黒だったりと、よりおかしい事に。抹茶ミルクとコーヒーミルクなのだろうか?
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ステージクリアするとコルクの蓋を開けた様な効果音と共に、乳牛が仰向けで「勝利のミルク噴射」を行う。最後まで自重しない噴射なのであった。
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ミルク噴射に目がいってしまいがちだが、乳牛や敵が終始無表情なのも怪作ポイント。無表情の乳牛がミルクをまき散らす世界がここにある。
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ほんわかと気だるさ満載のBGM
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ミルク噴射のインパクトもさる事ながら、妙にほんわかと気だるい感じのBGMが狂気感を引き立てている。
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この辺は言葉に表現しにくが、明らかに普通のゲームの雰囲気ではない。BGM自体はなかなかの良曲なのだが、本作の怪作要素との調和が変な方向で合っている。
総評
「乳牛をミルク噴射で操作する」という奇抜な設定ながらも、アクションゲームとしては遊びやすい内容で、さくっとプレイしやすいお手軽さを持つ一作といえる。
しかしながら「何から何までミルクまみれ」という奇抜すぎる設定故に、ネタ扱いされやすい一面もある。
最終更新:2023年06月14日 17:42