Real Car Driving Simulator & Parking 2022 Games
【りある かー どらいびんぐ しみゅれーたー あんど ぱーきんぐ つーさうざんどとぅえんてぃーつー げーむ】
| ジャンル | ドライブシミュレーター |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch | 
| メディア | ダウンロード専売 | 
| 発売元 | INSTAMARKETINGANDGAME→PublishMe | 
| 開発元 | INSTAMARKETINGANDGAME Brandpremium?
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| 発売日 | 2022年6月30日 | 
| 定価(税込) | 1,399円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 1箇所・オートセーブ方式 | 
| レーティング | IARC:16+ | 
| 備考 | 日本語非対応 TVモード非対応
 2023年1月20日に配信停止
 同年2月9日付で配信再開
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| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 作りかけの『GTA』フォロワー 暗い話題を呼んだスクショ詐欺
 修正後も疑惑満載
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概要
インディーズパブリッシャーのINSTAMARKETING & GAMEが配信したオープンワールドのシミュレーターゲーム。
3人称視点で車を運転するだけでなく、車から降りてアバターを操作する事もできる。
システム
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ゲーム内通貨(以下、rxと表記)を貯め、全27車種の車を購入・カスタマイズしていく。
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rxを消費し、エンジン・ブレーキ・ハンドリングの3項目をそれぞれ最大5回アップグレード可能。
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タイヤ・ボディーカラー・リアスポイラー・エアインテーク(ルーフ)をカスタマイズ可能。
    
    
        | + | 車種表 | 
| 車種 | 推測されるモチーフ | 必要rx |  
| rxで購入する車 |  
| VELOSTER | ヒュンダイ・ヴェロスター | ゲーム開始時から所持 |  
| CIVIC VI | ホンダ・シビック | 20000 |  
| WRANGLER | ジープ・ラングラー | 33000 |  
| PG207 | プジョー207 | 39000 |  
| SCIROCCO GTX | フォルクスワーゲン・シロッコR | 41000 |  
| CHARGER | ダッジ・チャージャー | 86000 |  
| E36 | BMW・3シリーズ | 93000 |  
| CIVIC TYPE-R MUGEN | ホンダ・無限シビック タイプRユーロ | 10900 |  
| TT | アウディ・TT | 113000 |  
| IS | サイオン・FR-S(トヨタ・86) | 155000 |  
| SKYLINE GT-R | 日産・スカイラインGT-R(R34) | 185000 |  
| LANCER | 三菱・ランサーエボリューションX | 305000 |  
| IMPREZA | スバル・インプレッサ | 320000 |  
| G35 | 日産・スカイラインクーペ | 380000 |  
| CL 500 4MATIC | メルセデス・ベンツCLクラス | 410000 |  
| RS6 | アウディ・RS6アバント | 500000 |  
| CAYENNE | ポルシェ・カイエン | 545000 |  
| E63 AMG | メルセデス・ベンツAMG E63 | 575000 |  
| M5 F10 | BMW・M5(F10) | 590000 |  
| AMG GT | メルセデス・ベンツAMG GT | 605000 |  
| PANAMERA | ポルシェ・パナメーラ | 620000 |  
| LFA | レクサス・LFA | 785000 |  
| GTR-50 | 日産・GT-R(R35) | 995000 |  
| F12BERLINETTA | フェラーリ・F12ベルリネッタ | 1040000 |  
| CMARO | シボレー・カマロ | 125000 |  
| HURACAN | ランボルギーニ・ウラカン | 1340000 |  
| CHIRONN | ブガッティ・ヴェイロンスーパースポーツ | 1430000 |  |  
 
 
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アバターは性別とスキンを選択可能。初期状態では男性アバター1種のみだが、rxを支払いスキンを購入できる。
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用意されているアバターは男性が16種、女性は5種。
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プレイヤーレベルのような機能があり、経験値が貯まっていく。
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アバターの疲労・空腹もそれぞれrxで回復できる。
 
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車を選択し、「CAREER」と「FREE PLAY」のどちらかのモードをプレイしていく。
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「CAREER」は1つずつクリアしていく全25回のミッション集で、クリアする度にrxと経験値を獲得できる。1分以内に黄色の枠内に駐車すればクリアとなる。
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走行中に少しでも衝突するとゲームオーバーとなる。
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早くクリアすると獲得額も上昇し、星1~3の3段階で記録される。
 
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「FREE PLAY」ではフィールド上を自由に走行できる。
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スタート地点を5つの場所から選択できるが、フィールドは一つに繋がっている。
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その内「CITY」には特定の場所を100~200km/hで通過するやり込み要素がある。
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探索中は時間経過で車のガソリンが減少、アバターの疲労と空腹が進行していく。
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フィールド上にはファストフード店やガソリンスタンドが設置されており、プレイヤーが購入できないNPC用の車が走行していたり、プレイヤーと被らないスキンのアバターがNPCとして歩行している。各店舗ではメニュー画面と同じく300rxで疲労等を回復できる。
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このモードでは車から降りてアバターを操作する事もできる。銃を装備しており、ショットガン・ハンドガン・スナイパーライフルの3種が使用可能。しゃがみ・ローリング・ジャンプといったTPS風の操作が可能。
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また、『GTA』を意識しているのか、走行している車の強奪や、NPCの轢殺・銃殺が可能。
 
 
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乗車時は左スティックでハンドル、右スティックを前に倒してアクセルの操作。Lがブレーキで、画面をタッチすると視点調整・ポーズ・降車を行える。
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CAREERではDレンジからRレンジに切り替えるスタンダードなAT操作で、FREE PLAYでは右スティックを前後に倒しての走行となる。
 
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降車時は左スティックで移動、右スティックで視点調整。
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十字ボタンの右で銃の変更、Lでリロード。
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Xでしゃがみ、Xを2回押すとローリングで、Yでジャンプ。
 
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買い切り・オフライン専用作品にもかかわらず、ログインボーナスが存在する。
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6日間の報酬(rxとスキン)がループする。特定の条件で車が入手できる。
 
問題点
薄いParking要素
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1分以内に完了するミッションが25回あるのみで、慣れればすぐにオールクリアできてしまう。
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残るは1人プレイ専用のFREE PLAYのみとなってしまう。価格相応のボリュームとは言えないだろう。
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また、5つ目のミッションのみ極端に難しい事もマイナスに作用している。残る20ミッションが簡単に思えてしまうため、順番が良くないと言えるだろう。
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5つ目のミッション以外は全て星3クリアが容易だが、5つ目だけは判定が厳しくゲームオーバーになりやすい。
 
 
苦痛過ぎるrxの仕様
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本作の稼ぎ要素はほとんどミッションの周回のみとなっているが、獲得額はミッションの難易度に関わらず一律でクリア時間に準拠している。
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そのため、数秒でクリアできる1つ目のミッション(前進して駐車するだけ)をひたすら繰り返すしかなくなる。
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1回あたりの獲得額は約1050rx程。最高額のCHIRONNを購入するまでに約1400回は繰り返す事になる。車をコレクションするゲームのはずがプレイ時間の大半を苦行に割く事になってしまう。
 
不具合や形骸化しているシステムの数々
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やっとの思いでCHIRONNを購入しても、フィールド上に最高速度を発揮できる環境が全く無い。
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公道ならば無理もないが、TRACK(サーキット)ですら最高時速を発揮できないのは悲しい。真っ直ぐなコースは距離が足りず、最高速度に到達できない(無論、コーナーのあるコースでは曲がりきれない)。
 
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フィールドの読み込みが追い付かず、FREE PLAY開始時は車が出現した途端に路面から抜けて奈落の底へ落ちてしまう(読み込みが完了するとリスポーンされる)。
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FREE PLAYのCITYにはCAREERの地下駐車場と同じ駐車場が設置されているが、ここでも処理落ちにより路面から操作している車が抜けてしまい、初期位置にリスポーンされてしまう。
 
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NPCの車の運転が下手。高速道路すら20~30km/hでのんびりと走行し、ETC付近で玉突き事故を頻発させ、終いには出現する位置が一車線分ズレている事まである。
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ETCの真上に出現し、落下の衝撃でタイヤが外れかけている車がそこそこの頻度で見られるのだから、リアルもへったくれも無い。
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街中には事故を起こしたNPCが溢れており、走行中の車を強奪したは良いものの、既に壊れていたなんて事も。
 
 
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タッチ操作で視点を調整しても、一定の速度が出るとリセットされてしまう。これによって視点調整が効果を発揮する場面がスクショの撮影程度しか無くなり、結果としてTVモード非対応となっている意味も薄くなっている。
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『GTA』フォロワーのオープンワールドと考えると聞こえは良いが、銃の必要性は全く無い。銃に絡めたミッションも無ければ、(バグが無い限りは)照準も無いため狙って当てるだけで難しい。
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NPCを銃殺(轢殺)した際のモーションはその場で消滅するか、某ゲッダンのように手足がめちゃくちゃになって大暴れをするかの2種。前者はともかく、後者についてはバグだとすれば杜撰としか言えない上、意図的であれば悪趣味が過ぎる、理解不能なモーションである。
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強奪した車を銃で撃つと爆発するというシステムこそあるものの、やはり何の意味も無さない。全300発の銃弾の半分近くを使ってようやく1台破壊できる程度の半端な破壊力も謎。
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警察のような存在もペナルティも無いため、犯罪要素は取って付けたようになっている。
 
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フィールドは描画距離の関係上通過した場所とその周辺しか読み込まれないが、一度でも読み込まれた場所はメニューに戻るまで描画され続けてしまうため、フィールド全体を一気に探索する事はできず、全体の半分程で操作もままならない程に処理落ちしてしまう。
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ガソリンスタンドでrxを支払ってもガソリンが補給されないバグがある。
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ガソリンスタンド以外でも常に補給できるため、もはやガソリンスタンドに行く意味は無い。
 
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ログインボーナスの画面には説明文も併記されているが、白い背景に縁取り無しの白い文字で書かれているため読めない。
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どうやら単なる6日間連続ログインでは車は入手できないようだが、仕様の詳細は不明。
 
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アバターの疲労・空腹の状態はハリボテのようなもので、放置していても何ら問題無い。
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全27車種中、CMAROのみスペックに対して価格が一桁少なくなっている(恐らく打ち間違い)。
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NPCの車は常に逆光気味で、反射の強いプレイヤーの車と並べるとかなり浮く。
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リアスポイラーとエアインテークは一度付けると外せなくなる。
評価点
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自由に運転できるオープンワールドのドライブゲームはSwitchでは希少。
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フィールド自体には見るべきところも多く、問題点に無理矢理目を瞑れば楽しめる場所もある。
 
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全体の評価を覆すには至らないが、フィールドの広さとバラエティに富んだ店舗のデザインは評価できる。
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ハンバーガー・ドーナツ店は実在するドライブスルー店舗に近い形をしている。
 
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車のモデリングは悪くない。
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どの車も実在する車種に似ているため、スポイラーの装着やボディカラーの変更で再現してみようというモチベーションは湧く。
 
総評
とにかく内容が薄く作業的な作品。
定価相応のボリュームを誇るのはフィールドの広さくらいで、一周する頃には飽きがきてしまう。
しかし、最大の問題点は下記の商法だろう。販売ページに留まらないその疑惑の数々が、急増しているインディーゲームの負の側面をあらわにした。
記憶に留めておくべき作品かもしれない。
余談
スクリーンショット詐欺
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e-shopの販売ページに掲載されたスクリーンショットは、実際のグラフィックとはかけ離れた非常に美麗なものだった(リンク)。
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同時期から、複数のインディーズパブリッシャーによって同系統の手口で大量の作品が配信されていった。
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スクショのクオリティで購入を判断する層からすれば、並のアセットフリップよりも悪質と言える。
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必然的にユーザーは動画投稿サイトでプレイ動画を確認する事になるのだが、そこにこれらの作品の問題点があった。
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というのも、スクショ詐欺を行った作品のほとんどに当てはまる共通点として「TVモード非対応」という点が挙げられる。TVで映せないだけでも録画の難易度は大きく増すため、ごく一部のユーザーが細々と情報を発信する程度であった。
 
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しかし、WebサイトのGame*Sparkが取り上げ、任天堂に報告(リンク)をすると状況は一変。本作を含む一部の作品の配信は一時停止され、再開時にはスクショが修正されていた。
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修正前の画像はオマージュ元の『Grand Theft Auto V』にMODを入れて撮影された画像の可能性が高い(車や一部看板のテクスチャ等は書き換えられているが)。
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また、修正前の画像はiOS向けに2022年2月から配信されていた『Car Driving School Sim 2022 +』(リンク)のApp Storeでの画像と一致する(本作は海外のe-shopを含めてもこの作品から4ヶ月ほど遅れて配信されている)。
 
 
尚も残る疑惑の数々
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しかし、本作にはさらなる疑惑が残っている。
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本作のロード中の画面には『Car Parking Multiplayer』というタイトルが表示されるのだが、このタイトルは本作とは無関係なolzhassというデベロッパーがAndroid/iOS/Switchで配信している作品と合致する。
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ここまでならば偶然の一致で済むのだが、あろう事かゲーム内のフィールドまで一致してしまっている。
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この『Car Parking Multiplayer』のフィールドのアセットは一部箇所を除いて非売品なのだが……
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さらに駐車ミッションの一部の内容も酷似している。本作はオフラインのソロプレイ専用作品であり、「Multiplayer」と記す必要性は考えられないため、非常に怪しい。
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本作の開発元は販売ページでは明記されていないが、購入するとINSTAMARKETING & GAME以外に「Brandpremium」という名義も確認できる。
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2021年まで『Car World Parking Online Multiplayer』をAndroid向けに無料配信していた「Premium Brand」と同一のグループと推測できるが、真相は闇の中。
 
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e-shopの本作のサムネイル画像は、海外のレンタカー事業の会社のホームページ(リンク)の画像を元にしたと思われる。
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画像を比較するとナンバープレートが塗りつぶされている事が分かる。許可を取って使用している事を願う。
 
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販売ページ修正後のスクリーンショットにも新たな問題がある。
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「MAKE A POLICE」という機能や、rxを増やす課金要素とも受け取れるショッピングカートのマークが表示されているのだが、これらの表示も真っ赤な嘘。
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外見ではなく機能を誇張するようになり、方向性を変化させたといえる。
 
 
その他
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2023年11月1日に発売元が変更された。
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2023年11月30日現在、INSTAMARKETING & GAMEのホームページのドメインも売り払われてしまっている。
 
最終更新:2025年03月22日 04:21