爆笑!!人生劇場2

【ばくしょうじんせいげきじょうつー】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 3MbitROMカートリッジ
発売元 タイトー
開発元 シー・ラボ
ココナッツジャパン
発売日 1991年3月22日
定価 5,900円(税別)
プレイ人数 1~4人
判定 良作
ポイント 雰囲気が明るくなりシリーズの形を決定づけた
人数固定がなくなりサクッと遊べるように
爆笑!!人生劇場シリーズ


概要

  • 前作から1年後に出た続編で、子供から老年までの人生を歩み金持ちを目指すのは同じだが下請けの為か雰囲気がガラッと変わっている。シリーズおなじみのタイトルロゴも今作から登場。

ゲーム内容

  • 基本は前作同様サイコロを振って進んでいくが、進行方向がほぼ左方向に固定になった。
    • 能力も前作同様知力、体力、つきの3種類だが、能力の高さによって成否が変わるイベントはほぼ固定イベントのみとなった。
  • 本作では最初に人間とCPUの人数を設定するため、少人数でのプレイやCPUとのタイマンも可能になった。
    • 本作のCPUは名前、性別、顔がすべて固定されていて男女それぞれ4人ずつおり、プレイヤーの選択によって変化することはなく誰が出てくるかは完全にランダム。
  • キャラメイクでは名前、性別、血液型、顔(頭、前髪、目元、口元)を設定し、終わるとゲーム開始となる。
  • 最初は幼児から始まり、小学校、中学校、高校と進み、高校卒業後に花の都へ移動し大人編へと進んでいく。高校卒業までは1つのマップで、卒業後からは別のマップとなる。高校入学時に顔が大人の物に変化するのは前作と同じで今作では中年、そして退職後にもそれぞれ変化する。
    • 高校卒業前に進路の選択があり、進学か就職かを選ぶ。今作にもインターハイ等が存在するが勝っても就職先の選択肢に出やすくなるだけで優遇されて就くことはできない。
  • 行く先のマスには、良いイベントが起こるマスや悪いイベントが起こるマスなどいろいろあり、アイテムが手に入ったりもする。
+ マスの種類
  • 白マス
    • 何も書かれていない白いマスで、日常中心の良悪さまざまなイベントが起こる。なかには悪いイベントばかりが並んでいる場所もあったり、前作ではなかった致命的なイベントが起こるマスもある。
  • ゴールドマス
    • 給料等収入が発生するマスで、オーバーする目でも必ず止まる。イベント後に目が残っていればその分進める。今作からは高校生までのお小遣いはなくなった。
    • 大人編以降ではピッタリ止まるとボーナスとなり通常の倍額がもらえるのは前作と同じ。
      • イベントの積み重ねによってはこのマスでも出世するようになった。
  • 鉛筆マス
    • 高校編まであるマスで、知力関係のイベントが起こる。
  • 鉄アレイマス
    • 高校編まであるマスで、体力関係のイベントが起こる
  • 月マス
    • 高校編まであるマスで、つき関係のイベントが起こる。
  • 一時停止マス
    • 入学・卒業などの節目にある黄色い進入禁止のマスで、ピッタリでなくても必ず止まる。
    • イベントの後、目が余っていればそのまま進める。
  • 強制停止マス
    • 高校卒業、定年退職などの大きな節目にある赤い進入禁止のマス。
    • 目が余っていても必ず止まり、それ以上は進めない。
  • 黄色い星マス
    • 大人編の最初の強制停止マス(大学入試または最後の就職チャンス)までは受験勉強と就職活動、大学では就職活動、そのあとは転職、職業交換が発生する。
    • 転職の選択肢と職業交換の場所は決まっており、ランダム性はない。職業の交換先も自動で決められる。
  • 赤い星マス
    • 仕事が成功し、出世ができるマス。
      • 出世するとレベルが上がり、給料が上がる。最高ランクになったあとは意味がないように思えるが、ヘマしたときに降格しづらくなる効果がある。
  • 青い星マス
    • 仕事でヘマをしてしまうマス。ヘマをしても能力が上がることがあり、いいイベントと勘違いしやすい。
    • ヘマをすると前作ではなかったランクダウンも発生する。最低ランクでランクダウンが発生すると仕事を首になり、フリーターになってしまう。
  • ハートマス
    • 恋愛イベントが発生し、ハートが増減する。人によってデートスポットに好き嫌いはなく、上がり方は固定。
    • 小学生時代から存在し、ハートを少し上げておける。
  • 株マス
    • 1株100万円で株を買える。本作では3つの銘柄が存在し、それぞれが変動する。株を持った状態で止まるとニュースで株価の報告*1があった後、買い増しができる。

カジノマス

  • 老後のギャンブルコースに登場するマスで、マスによってスロットマシンか競馬に挑戦できる。勝てれば大きな収入が得られる。
  • ゴール
    • ゴールすると着順によってボーナスが入り、財産が計算される。全員ゴールすれば終了で順位とその後の人生が簡単に発表される。
  • 支出により所持金が足りなくなった場合、高校生までは所持金がマイナスにならない代わりに働いて返済することになり1回休みになる。
    • 高校卒業後は所持金がマイナスになり借金を背負うようになる。前作同様利息を取られることはない。

評価点

  • 短時間でサクッと遊べる手軽さ。
    • 本作からは少人数でのプレイが可能になり、マップも短めなので少ない時間で楽しめるようになっている。
    • ミニゲームがどれも短時間で終わるようになり、他のプレイヤーを待たせることもなくなった。
  • 全般的に明るくなった雰囲気。
    • 神様や酔っ払いなどもデフォルメされてファンシーな雰囲気になり、親しみやすくなった。
  • 結婚にちょっと待ったコールをかけられるのが面白い。
    • 誰かが結婚した時にIIコンのマイクでちょっと待ったコールがかけられる。成功すると結婚は取りやめになりハートが-5される。失敗すると掛けた方のつきが-3され、そのまま結婚成立となる。
    • 成功率は低いのだが、コールをかけると失敗しても相手に届くお祝い金が半分になるという効果もあるので、これを目当てに掛けるという手もある。
  • イベントも豊富な別マップ。
    • 本作では竜宮城、宇宙、刑務所にそれぞれ別マップが用意されていて専用のイベントも豊富。
  • 龍宮城にはおとひめさん(おとまろくん)、宇宙にはぱぴこさん(ぱぴおくん)というそれぞれレア恋人が存在し、付き合って結婚できる。
    • おとひめさんは龍宮中で告白されるか惚れ薬を買うイベントでハートが上がり、地上に戻ってからデートしてハートを増やして結婚するという流れになる。恋人になると頭の飾りがなくなり普通の人になる。
    • ぱぴこさんは独身の時に宇宙で出会い、すでにデートできる期間は過ぎていて結婚難民になっている状態のため即結婚となる。見た目はギョッとするが、ステータス画面を見ると結婚式の時とはまるで違うかなり可愛い顔になっている。ぱぴおくんのほうも顔は変わるが頭がそのままなので少し不気味さが残っている。
  • 刑務所は音楽が悲しく、イベントも相応の物である。
    • 普通に出所するか保釈金を払った場合は職業がフリーターになってしまう。老後のギャンブルコースで入れられた場合は年金が激減してしまう。
    • 脱獄に成功すれば職業はそのままになる。
  • ミニゲームは充実。
    • 本作にも玉入れ、ダイビング、酔っ払いふみふみなどのミニゲームがたくさんあり、いろいろ楽しめる。
    • 二人対戦用のミニゲームが増えて実力勝負になった。また全員参加の黒ひげ危機一髪もある。
    • 前作のアルカノイドに続き、本作では簡略化されてはいるがインベーダーをプレイできる。
  • 悲壮感のある別れの曲
    • 恋人と別れることになった時や、先述の刑務所マップで流れる曲が(一歩間違えればトラウマレベルの)悲壮感を感じさせるもので、場面に合う良曲になっている。

賛否両論点

  • 定年退職後のスロットマシンが簡単すぎる。
    • 本作にも定年退職後にスロットマシンがあるのだが、前作の物とは打って変わって簡単になりすぎている。
    • リールの回転が遅いうえに完全に狙って止められるため、慣れれば簡単に神様を揃えることができてしまう。しかも払い戻しがおかしく、最大の300万掛けて神様を揃えた場合神様は10倍なので3000万のはずがどういう訳か4000万増える。
      • そのためか、今作ではスロットマシンをプレイできるマスが少なめになっている。
    • のちにシリーズ恒例となるさよちゃんのゲスト出演はこのスロットのリールの目が最初である。

問題点

  • 出世街道コースが全然ラッキーじゃない。
    • 中盤から終盤にかけて出世街道コースとノーマルコースの分岐があるのだが、出世街道コースが厳しい。
    • 出世街道コースの後半には「突然会社が潰れる(フリーターか泥棒のどちらかを選ばされる)」、「預かったお金を横領(+1000万と引き換えに退職金がもらえなくなる)」という凶悪なバッドイベントがあり、片方だけでも大打撃になってしまう。
    • ノーマルコースの方は職業交換以外に凶悪なイベントはなく、こちらのほうが安心できる。
      • ここだけはどちらのコースに進むのか神様に決めてもらうのだが「やった 出世街道コース」「残念 ノーマルコース」というメッセージが出るが実際はノーマルコースの方がラッキーまであるくらい。
  • 恋愛相手に明らかなハズレがいる。
    • のぶこさん と ひろしくん がそれで他に比べるといかにもハズレという顔をしている。
    • 結婚後のイベントに差はないものの損をした気分になる。またこのゲームは子供がいないと終盤で大損する*2ので、妥協相手としてはマシ。
    • 実は未婚で進めた時のみ発生する、竹やぶで子供を拾うイベントのマスに止まれれば、ギャンブルコースのマイナスイベントをひとつ潰す*3ことができてお得だったりもする。
  • ミニゲームのインベーダーの合格点が厳しい。
    • インベーダーはインベーダーを撃つとコインが落ちてきてそれを取ると1点で、インベーダーを5体撃つたびに出るUFOを撃つとコインが3枚出るというものだが、最初にいる20体とUFO4体をすべて打ってコインを取って32点なのに対し合格点が45点以上と高い。
    • 落ちてきたコインは地面について一定時間で消えるし、UFOを撃ってもキャラオーバーで出ないこともあるしで安定せず、インベーダーは弾をこれでもかと乱射するため一気に撃ちにくく、20体目のインベーダーを撃った瞬間に次の20体が出るため不意に被弾しやすい。時間制限もあるためゆっくり攻めることもできない。
  • マイクがないとクリアできない&参加できないイベントがある
    • カラオケ、高校で応援団に入れられ根性を見せるイベント、上述のちょっと待ったコール、など、マイクがないと失敗してしまう&参加できない。
    • 特に高校での根性イベントは必ず起こる上に失敗し、体力が確実に減ってしまう

総評

  • 前作の問題点をほぼ解決し、ボードゲームとして大きくパワーアップした作品。
  • タイトルのロゴやイベントなどの雰囲気が明るくなり、今後の方向性を決定づけた良作である。

余談

  • 本作にはサウンドテストが存在する。
    • コマンドはゲームのイベントでも表示されるタイトルでA、B、A、B、A……ではなく、
      タイトルで上、下、上、下、A、B、右、左、右、左、セレクト、セレクト、A、B、セレクト、セレクト、上、右、下、左と入力するというかなり長い物である。
    • 入力するとタイトル画面の右下に数字が表れ、上下で選曲するが同じ数字に曲と効果音の両方が入っておりAで曲、Bで効果音を再生できる。
  • 竜宮城のおとひめさん(おとまろくん)と付き合うことになるイベントは彼らから地上に行きたいと告白される*4ものと惚れ薬を買うものとがあり、告白される方は彼らが他のプレイヤーと結婚した後は発生しなくなるのだが、惚れ薬の方は彼らが結婚した後でも発生してハートが上がり、地上に戻った後デートできればそのまま結婚できてしまい二人以上のプレイヤーが同時におとひめさん(おとまろくん)と結婚するというとんでもない事態になる。
  • 本作の転職画面では転職雑誌が表示されるのだが、表記はDUDAとなっており元ネタのDODA(デューダ)より本物っぽく見える。
最終更新:2023年12月15日 02:17

*1 複数人が株を持っていれば、全員に配当や負債がある

*2 退職時にシルバーマンションに押し込められて退職金の半分を取られる。

*3 隠し子が現れてお金を取られるイベントが、拾った子供が実はかぐや姫で月に帰ることになり金銀財宝をもらえるイベントになる。

*4 この場合はその場で地上に戻ることになる。