【ざ・ほーど】
ジャンル | シミュレーション | ![]() |
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対応機種 |
3DO interactive multiplayer セガサターン |
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発売元 |
【3DO】バイス 【SS】BMGビクター |
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開発元 | クリスタル・ダイナミックス | ||
発売日 |
【3DO】1994年7月23日 【SS】1996年3月8日 |
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定価 |
【3DO】8,800円 (税別) 【SS】5,800円 (税別) |
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プレイ人数 | 1人 | ||
レーティング | 【SS】セガ審査:全年齢 | ||
備考 | PC移植あり(MS-DOS/FM TOWNS) | ||
判定 | 良作 | ||
ポイント |
クリスタル・ダイナミックス初期の代表作 童話的な世界で領地を守るタワーディフェンス かけ出し領主になってほぼワンオペで民を守ろう 取っ付きやすいが難易度は高い |
3DO初期に発売された、領地経営シミュレーションゲーム。
ゲームソフトが少なかった初期の3DOには珍しく、戦略的要素のあるソフトとして受け入れられた。
後にPCとセガサターンにも移植されている。
ジャンルとしてはいわゆる「タワーディフェンス」に相当する。
ただし今作はその語源とされる『War Craft III』(2002年)のMODより昔に作られており、より正確には「数あるタワーディフェンスゲームの源流のひとつ」と言える。
近い時期の似たゲームとしては、『アクトレイザー』のクリエイションモードが引き合いに出されやすい(こちらは後のリメイク版が本格的にタワーディフェンス化した)。
開発元のクリスタル・ダイナミックスには、3DOの技術開発に携わったメンバーが所属していた。
このため同社は3DO市場においてエレクトロニック・アーツと並ぶ主力企業となり、多くのソフトを送り出している。
代表作としては翌年の『ゲックス』が筆頭だが、それ以外にも『サムライショーダウン』『スターコントロールII(*1)』といった他社タイトルの移植も手掛けていた。
物語の舞台は、雄大な自然が広がるフランツポワンキー王国。
主人公のチャンシーは、牛に育てられた貧しい青年。その日もまた談笑する貴族たちの給仕として、右へ左へあわただしく働いていた。
宴が盛り上がるなか、国王ウィンスラップは肉をのどに詰まらせてしまう。だが周囲の貴族は魔大臣クロナスの自慢話に夢中で誰も気づかない。ただひとり国王の危機に気付いたチャンシーは、彼の腹を思いきり締め上げ、肉を喉から吐き出させるのであった。
突然の出来事に、王に暴力をふるったと誤解を受けるチャンシー。大臣は彼をひっとらえるよう命じたが、国王が事情を正直に話し、事なきを得た。
こうして偶然にも命の恩人となったチャンシーは、国王から聖剣グリムスワッカーを与えられ、広大な土地を有する領主となった。
しかし野心家の大臣にとって、成り上がりのチャンシーは気に入らない存在。あの手この手で彼の地位をおとしめようと画策する。
時を同じくして、チャンシーの領地には次々と、赤い化け物ホードが村を荒らしにやってきた。奴らを野放しにすれば領地は壊滅する。チャンシーはこの大軍を殲滅し、民を守り抜かなければならない。
果たしてチャンシー卿は、領地を守り抜いて立派な勇者になれるのだろうか?
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土地の発展とバトルの楽しさがいっぺんに味わえる一作。
敵であるホードの襲撃は中々に容赦ないが、プレイヤー側にも尖った対抗手段が多数隠されており、アイテムの強さを見出すことで対抗できるバランスとなっている。
一見敵わない群勢さえも、知恵を絞れば豪快に退けることができ、その先に大きな達成感を味わうことができる。
「タワーディフェンス」確立前の作品でありながらその評価は高く、コメディタッチな世界観に惹かれたプレイヤーにも、歯応えのあるシミュレーションを求めるプレイヤーにもおすすめの一本である。
SLG未経験者には厳しい部分もあるが、サターン版にはチートコマンドも用意されているので、不安な人はそちらに頼るのもアリ。
*1 果てしなく広大な宇宙を探索する、PC向けのオープンワールド型SLG。海外であらゆる賞を総なめした名作で、「3DOの最高傑作」と称されることも少なくない。2023年秋現在はSteamでも配信中で、有志の翻訳パッチを使えば日本でも容易に遊ぶことができる。ちなみに3DO版は公式に日本語ローカライズされた唯一のバージョンである。