「判定不一致修正依頼」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。
依頼内容は「賛否両論判定における『良く見て良作』及び『悪く見てクソゲー』の根拠が乏しい点の修正」です。
Nour: Play with Your Food
【ぬーる ぷれいうぃずゆあふーど】
| ジャンル | フードアートシミュレーター |  | 
| 対応機種 | Windows,Mac OS(Steam/Epic Games Store) プレイステーション5
 プレイステーション4
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| メディア | ダウンロード専売 | 
| 発売元 | Panic | 
| 開発元 | Terrifying Jellyfish | 
| 発売日 | 2023年9月12日 | 
| 定価 | 【Steam/PS5/PS4】1,980円(税込) 【Epic】1,460円(税込)
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| レーティング | IARC:3+ | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | 賛否両論 | 
| 怪作 | 
| ポイント | 食べ物で遊ぶゲーム(?) ゲームというより芸術作品?
 芸術的&実験的過ぎる内容に賛否
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概要
米国オレゴン州ポートランドのゲームパブリッシャーPanicからリリースされたTerrifying Jellyfish開発のインディーゲーム。
タイトルに「Play with Your Food」とあるように、「食べ物で遊ぶ」というコンセプトで作られており、アート的な演出が多用されているのが特徴。
特徴
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基本的なゲーム内容(PS5版で説明)
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スティック、方向キー、ボタンを入力することによって、食べ物を召喚するなどのアクションを起こすことができる。
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召喚できる場所はある程度は決まっているが、ボタンをホールドしながらLスティックで召喚できる場所を移動させることが可能。
 
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R2トリガーを押すことでマグネットで召喚した食べ物を引き寄せることが可能。
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L3を押すことで、召喚する食べ物の動きに変化を起こすことができる「呪文」を使用可能。
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R3を押すことで、ガスバーナーやナイフなどの「キッチンツール」を使用可能。
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Rスティックでカメラ操作。Rスティックを下に入力することで画面からフェードアウトしていき、最終的にステージから離脱することができる。
 
怪作要素
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芸術性を重視した作風。
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「食べ物で遊ぶ」というコンセプトで作られた本作だが、第一に明確な目的や目標が提示されない上に、スコアやストーリーなども廃されている。
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一応、特定条件を満たすことによりトロフィーが入手できるため、これを目標にできなくもないが。
 
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ジャンルこそシミュレーションに分類されるが、プレイヤーが既に配置されている食べ物や食器などに干渉できることは少なく、基本的には食べ物や食材を召喚することしかできない。
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しかも、ボタンを連打するなどして、食べ物を大量に召喚すると画面が虹色に変化していき、サイケデリックな状態となる。その絵面は一見ゲームのプレイ画面とは思えず、仮にプレイ動画で該当シーンだけを見たら、動画が編集されているのかと疑ってしまう程。
 
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明確な条件は不明だが、ゲームをしばらくプレイしていくとクラゲが出現することがある。しかし、このクラゲがゲームにどのような影響を及ぼすのか、そもそもどういう存在なのか、などの情報がゲーム内で一切説明されないため、プレイヤーはただただ困惑する羽目に。
 
評価点
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前述した芸術的な演出は感性が合うのであれば楽しむことができる。
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グラフィックや音楽のクオリティはそれなりに高く、ビジュアル・デザイン面に関して言えば決して評価が悪いわけではない。
 
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PS5版はDualSenseの機能を活かした演出が入っており、没入感を高めている。
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ハプティックフィードバックとアダプティブトリガーが活用されており、芸術的な演出への没入感の向上に一役買っている。
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コントローラーから音が鳴ったり、ある場面ではタッチパッドを使用するなど、サードパーティー発売のインディーゲーでありながら、DualSenseの機能をフル活用しているのは、素直に評価できる。
 
賛否両論点
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とにかく実験的過ぎるゲーム内容
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まず「食べ物で遊ぶ」という内容に偽りはないのだが、その方向性がゲーム的ではない。
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基本的にステージに入った後に何をすればいいのか明示されない。あらゆるボタンを押して試行錯誤しないと、リアクションすら見れないことも。
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例えるなら、「ハイスコアやエンディングを見ることを目指す」ような「遊ぶ」ではなく、「幼児が興味そのままおもちゃを弄繰り回す」という感じの「遊ぶ」である。
 
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裏を返せば、ゲーム性が殆どない分、ビギナーユーザーでも遊びやすい内容とも言える。
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ボタンや方向キーをガチャガチャ押すだけでもとりあえず楽しめるのは、他のゲームではあまり見られない特徴とも言える。
 
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良くも悪くも、初代PS/PS2初期時代に稀に見られた前衛的な奇ゲーを連想させる内容であり、「一種のアート」「雰囲気ゲー」として受け入れられるか、「こんなのゲームじゃない」と切り捨てるかは、人それぞれの感性次第。
 
問題点
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シミュレーションとしてはリアリティーがあまりない。
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一応、シミュレーションというジャンルに分類される本作だが、リアリティーに関してはかなり微妙。
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例えば、ガスバーナーで食べ物を焼いても黒く焦げるだけで燃えたりしない、食べ物をナイフで切った際の断面が黒くなっているなど。
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上記はまだマシで、モノで叩いたりしても当たり判定すらなくすり抜けることもある。
 
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前述した通り、芸術性を重視した作風である上に、あくまでもインディーゲームであるため、リアリズムを求めるのもお門違いとも言えなくもないが。
 
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ボリュームが少なめ
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定価が約2,000円近くする本作であるが、それに対してボリュームはやや控えめ。
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具体的にはトロコンなどを目指さない場合、プレイヤーにもよるが1時間程度でエンディングに辿り着いてしまう可能性も。
 
総評
食べ物を使って遊ぶという宣伝文句に反して、ゲーム性は殆ど存在せず、演出もアート的で目的も明示されない、というあまりにも実験的すぎる内容故に、ゲームとしては評価不能と言っても過言ではないレベル。
その一方で、アート的な演出やグラフィックに魅力を感じ、プレイヤーから積極的な試行錯誤を行えるのであれば、本作を存分に楽しむことができる可能性はある。
とにかく人を選ぶゲームであるため、購入を検討する際は決して万人受けするゲームではないと理解した上で考えるべきだろう。
最終更新:2023年12月21日 13:37