Theft Ride Legacy
【せふと らいど れがしー】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch | 
| 発売・開発元 | Prison Games | 
| 発売日 | 2023年6月13日 | 
| 定価 | 2,599円(税込) | 
| プレイ人数 | 1〜2人 | 
| レーティング | IARC:3+(3歳以上対象) | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 完全にボッタクリレベルのボリューム 非現実的な癖に爽快感0
 バイク降りて歩いた方が絶対早い
 | 
 
概要
バイクに乗って強盗に奪い取られたお宝を取り返そう、というコンセプトの3Dアクションゲーム。
ただし、プレイ中に強盗と遭遇する機会は1秒もない
。
システム
- 
最初に挑戦するレベルを選ぶ。選択できるレベルは前のレベルをクリアすることで開放される。
- 
ステージ内の規定の箇所にお宝が配置されるので、バイクを操作してゲットする。制限時間内に全て回収したらレベルクリア。
問題点
商品失格レベルの定価に対するボリュームの薄さ
- 
2500円クラスのダウンロードゲームと言えば、超大作とまではいかずともそれなりのやりごたえが求められて然るべきなのだが、本作は
プレイできるステージがたったの1種類しかなく、レベルも追加コンテンツなしだとたったの12しかない。
つまり、同じステージでお宝の配置と数が異なるものが12あるだけである。
- 
後述のように操作性が致命的に悪いため、一つ一つのレベルクリアには無駄に手間がかかるが、それでも5分程度でほとんどのレベルはクリア可能。下手すれば1時間程度で全レベルをクリアできてしまう。なお、時間切れ以外のゲームオーバー要因は一切なし。強盗による妨害とか、マシン大破でのゲームオーバーなど本当に一切ない。
- 
制限時間の設定は非常にヌルく、まともにプレイすればまずゲームオーバーになることはない。本作の難易度を上げているのは後述の操作性の悪さとステージの意地悪さだけである。
- 
プレイヤーとなるバイクも1種類しかなく、ルールも1種類と、とにかく遊びの幅が異様なまでに狭い。
 
- 
一応はクリアタイムの更新が目的になるが、なんと
クリアタイムの記録機能がどこにもない
。早くクリアするとレベルごとに最大3つの☆が登録されるだけで、具体的なクリアタイムは一切記録されないのである。
- 
エクストラミッションパックが699円で配信されているが、中身は
通常ステージと全く同じ
で単にお宝の配置が異なるものが4レベル追加されるだけ。新しいステージとまではいかずとも、ルール違いなどの工夫も一切見られない。
 
ゲームデザインと噛み合っていない操作性の悪さとステージ構造のストレス感
- 
プレイヤーがバイクでお宝を集めるのが目的、となれば期待されるのは主に「爽快感あふれるハイスピードアクション」「道路に散らばるお宝を次々と回収していくアクション」だろうが、
そのような要素は本作には微塵もない
。
- 
まず本作のステージは大体300メートル四方の
非常にごちゃついた廃墟
。そもそもバイクを乗り回すにはあまりにも狭すぎる上、物が多くて動線が頻繁に切れている。
- 
お宝の位置はレーダーで表示されるが、直線距離では近く見えても、障害物でたどり着けない、という箇所がやたらと多く頻繁に遠回りを強いられるのがストレスになる。
- 
そして、そんな廃墟の物陰や
建物の階段の上
にお宝はばらまかれている。バイクのスピード感は全く要求されていない隠し場所である。
 
- 
更に、本作のバイクはかなり操作性が悪い癖に狭い箇所での切り返しが要求される場面がしばしばありとにかくいらつく。
- 
特に階段登りが鬼門。「前輪を上げる」アクションを駆使すれば登れないことはないが、そもそも登り口が狭すぎてまともに切り返すことも困難である。
 
- 
小さな段差すらまともに乗り越えられない光景を見てプレイヤーは気づくはずである。
どう考えてもバイク降りて探した方が早くね?
と。
- 
狭くて障害物だらけの廃墟でお宝探し、というゲームデザインにバイクを使わせる必然性がまるで感じられないのである。「現実ではできない体験をゲームでやろう」というのは確かにゲームに求められる要素であるが、本作の場合無駄に爽快感のない地味なゲームデザインであり、そのような需要を満たしているとも言い難い。結果的にバイクは単なる重石と化している。
 
 
爽快感のない演出の数々
- 
高所からバイクごと転落しても、高速で障害物に激突しても
ノーダメージでそのまま元の体勢に復帰
。悲鳴を上げず復帰モーションもまともに作られていないので、どこか起き上がりこぼし的な無機質さと不気味さすら感じられてしまう。
- 
現実ではありえない無茶苦茶なアクションができる……というのは評価点と言えなくもないが、
単純にダメージモーションを作る手間を削っただけ
だろう。
 
- 
お宝はどれも非常に小さく、取っても効果音すら鳴らない。獲得の爽快感はゼロ。
- 
お宝ごとに価値が設定されているが、全部取らないとレベルクリアにはならないので一人プレイでは何の意味もない。二人プレイでのみ、獲得したお宝の合計スコアで勝敗が決まるが、遠くからではお宝の価値はわからないので「あのお宝の方が価値があるから優先して回収しよう」というような戦略性に繋がっていない。
 
- 
BGMは雰囲気そのものは悪くないが、ワンループが短い上
一曲しか用意されていない
ため、すぐに飽きること請け合い。
評価点
ない
。強いて挙げるにしても、グラフィックがそこそこのクオリティであることぐらいか。
- 
オブジェクトに挟まったりして進行不能になっても、ワンボタンで走行可能な箇所に復帰する機能が用意されているのは数少ない良心かもしれない。
- 
ただ、戻される場所は「それまでに走った道の中で最新の戻れる箇所」と機械的に決められているため、下手するとかなり戻されるが……。
 
総評
そもそも何を思ってこのゲームをデザインしたのか?
その根本的なところに極めて大きな疑問が残る一作。
たとえクソゲーと呼ばれる作品であろうが、何かしら「こんな体験を提供してプレイヤーを楽しませたい」という制作側の意図は伝わってくるものだろうが、本作の場合「廃墟をバイクで走り回ってお宝を集める」という体験を楽しませよう、という意図がまるで感じられないのである。
制作側の熱量のようなものも全くなく、単なる手抜きクソゲーとしか言えない代物。
最終更新:2024年01月07日 16:51