ガールズタンクバトル
【がーるずたんくばとる】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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Nintendo Switch
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発売・開発元
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トローゼ
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発売日
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2021年8月26日
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定価
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1,300円(税込)
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レーティング
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IARC:12+(12歳以上対象)
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判定
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なし
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ポイント
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美少女要素が薄い
ただし、ゲームとしては普通に遊べる
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概要
元々、スマホ向けに配信されていた『Tank Block Blast』に美少女イラストを付け足して買い切りゲームとした作品。
基本プレイ無料・課金でダイヤ購入という一般的なスマホゲーのシステムである『Tank Block Blast』とは異なり、課金要素はもちろんなく、ダイヤは通常プレイで獲得できるようになっている。
美少女イラストが追加されたのに伴い、簡単なストーリーも追加されたが、
ゲーム内で語られることは一切ない
ので、あまり気にする必要はない。
システム
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美少女たちが四次元世界に落ちてしまったので戦車を使って生き残りを賭けて争い合う……というシビアなストーリーがある
らしい
が、その辺りのシナリオに関してはシステムには全く反映はされていない。
キューブが襲いかかる異様な世界観だけは四次元世界という説得力がある。
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操作自体は極めてシンプル。左スティックで戦車の移動、右スティックで砲塔の旋回及び射撃。これだけである。
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メイン射撃以外の地雷やタレット、手裏剣やドローンなどのオプションは原則自動で放たれる。
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本作の敵……敵なのかどうかイマイチよくわからないが、破壊対象は「数字が書かれたキューブ」。
なぜ数字の書かれた箱がプレイヤーである戦車と敵対しているのかの説明は一切なく、キャラクター性も皆無なのでなんとも言えない異様な世界観となっている。
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この敵に関してはなぜかゲーム内でも呼称が定まっておらず、「敵」「キューブ」「ボックス」などと呼ばれている。以下この記事内では「敵」で統一する。
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書かれた数字はそのまま敵の体力であり、0にすると大きい敵は2つの一回り小さな敵に分裂する。最小サイズの敵の体力を0にすると破壊できる。
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敵の攻撃は基本体当たりのみ。ボス敵に関しては特殊な攻撃をしてくることもある。戦車の体力が0になるとゲームオーバーである。
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通常ステージは、基本10の「ウェーブ」で構成されている。
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通常のウェーブは最初から何体かの敵が配置されており、全ての敵を破壊するとウェーブクリア。10ウェーブ目はボス戦となっており、ボスが次々と新しい敵を召喚してくるので攻撃をかいくぐりながらボスの撃破を目指す。
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ウェーブクリアごとに、3つのスキルから一つの新しいスキルを獲得できる。このため、ウェーブ進行に伴いどんどん戦車は強化されていく。獲得したスキルはステージクリアかゲームオーバーでリセットされる。
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チャレンジモードは5ウェーブしかない代わりに、最初からいくらかのスキルを持った状態で始まる。初期スキルはダイヤを払って再抽選できる。
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ステージ進行に伴い、敵はどんどん強化されていくため、それに合わせて自分の戦車も強化してく必要がある。ステージクリアで「ゴールド」「ダイヤ」「歯車」が手に入り、これを消費して戦車を強化できる。
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ゴールドは戦車の基本性能強化に用いる。体力、攻撃力、獲得ゴールド倍率を強化可能。
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ダイヤを支払うことで、新しい戦車を購入できる。基本性能は全車両共有であり、戦車ごとの違いは初期スキルのみ。
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また、戦車は2台まで補助戦車としてメイン戦車のオプションとして装備可能。「汎用スキル」を持つ戦車を補助に入れた場合、そのスキルはメイン戦車の初期スキルとして適用される。
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歯車はガチャ形式でランダムな恒久的能力強化を行うことができる。抽選するたびに必要な歯車の個数は増える。
評価点
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大量の敵を強化された戦車でぶちのめす、という単純なゲームシステムがシンプルに楽しい。
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強化された戦車は四方八方に主砲を撒き散らし、地雷やドローンを大量にばらまき、バリアで敵の接触を拒み、
手裏剣や火炎魔法や雷撃魔法をぶっ放す
「戦車ってなんだっけ……?」という破壊兵器と化すため、これでバリバリ敵をなぎ倒すのは地味に中毒性がある。
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登場する敵は極めてシンプルな造形だが、それだけに大量に画面内を飛び回っても処理落ちなどは一切起きない。
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ボス敵に関しては意外と個性豊かなメンツが揃っており、単純に体当たりしてきたり、障害物を召喚してきたり、ビームを四方に放ってきたり、電車のように連結して進撃してきたりと色々なパターンがあるため飽きさせない。
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カスタマイズ性が高く、プレイするたびにスキルの組み合わせも変わるため新鮮味がある。一種のローグライクゲームに近いとも言える。
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メインの戦車とサブの戦車の組み合わせで、様々な戦略を構築可能。シンプルなシステムではあるが、お気に入りの戦車を見つける楽しみがある。
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スキルの提示はランダムであり、全く同じスキルの組み合わせにはまずならないため、「このスキルでどう攻略すればいいのだろう?」という考えを組み立てていく必要もある。
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スキルは主砲を強化するものだけでなく、オプションを装備するもの、被ダメージ時に性能を一時強化するもの、バリアなど多彩に揃えられている。
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単純に攻撃範囲が広ければいい、というものでもなく、敵を分裂させすぎると予想外の場所から体当たりを喰らうため意外と奥深い。
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ゲームオーバーになっても、その時点までのゴールドは獲得できるため、アクションが苦手でも気長にやればクリアはできるようになっている。
問題点
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美少女要素の少なさ
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「ガールズタンクバトル」というタイトルからして美少女ゲームであることを売りにしているように見えるが、
その方面の需要には一切応えていない
。
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規定数ステージをクリアすると、美少女イラストのご褒美があるのだが、
全部でたったの8枚しかない
。しかも、そのうち1枚はタイトル画面。1枚はタイトル画面の文字なし差分。2枚はタイトル画面の女の子を単独で切り取って適当な背景を付けただけの代物で、
ご褒美と言えるものは実質4枚だけ
。ゲーム中操作する戦車には美少女の「び」の字もなく、美少女ゲーとはとても言えない。
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そもそも、本作にはまともなストーリーがなくキャラクターの背景設定どころか
名前すら明かされていない
有り様なので、ろくに感情移入などできようはずがない。
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なお、イラスト自体は漫画家の緒方てい氏が描いているもので、クオリティ自体は安定して高い。12歳以上対象となっているレーティングに沿ったお色気も感じられるものに仕上がっている。
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チャレンジモードの難易度及び報酬が釣り合っていない。
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チャレンジモードはステージ進行に伴い、自動的に敵が強化されていくのだが、その度合がかなり極端。自機の強化に対してとても釣り合っているとは言えず、ある程度進行したチャレンジモードの難易度は鬼畜気味。
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そして、この高難易度なチャレンジモードが歯車の安定した入手源となるため、強化のためには避けて通れないのだが、必要数がどんどん跳ね上がっていく割に、強化があまり実感できないためモチベーションが上がりにくい。ガチャ形式なので狙った能力を強化しづらいのも難点。
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ある程度やり込むと途端に目的意識が薄れる。
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本作にはストーリーもエンディングもないため、
一応ご褒美であろう美少女イラストを最後まで開放できる35ステージ目までクリアすると、ほぼ目的がなくなってしまう。以降は最強の戦車を作ることが目的になるだろうが、ここまで来ると新しい敵やスキル、戦車が登場するわけでもないので、ダレやすい。
総評
いかにも「ミリタリー+美少女」という昨今の流行に乗っかったように見せかけてその実全然乗れていない一作。
ただ、その点に目をつぶればゲーム自体はシンプルながらツインスティックシューターとして十分楽しめる内容になっており、美少女イラストもオマケと思えばクオリティは高いのであって困るものでもない。
シンプルすぎる内容であるため、やりこみという観点から見るとやや物足りないところはあるが……。
余談
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配信開始当初のレーティングは「IARC:3+(3歳以上対象)」であったが、2021年9月28日に現在のものへと変更された。
最終更新:2024年01月23日 11:02