Pitfall!

【ぴっとふぉーる】

ジャンル アクション
対応機種 ATARI2600
発売・開発元 Activision
発売日 1982年4月20日
プレイ人数 1人
判定 良作
ピットフォールシリーズ


概要

ATARI2600でリリースされたサードパーティー製による2Dアクションゲーム。
本作の開発・発売元はアタリではなく、開発者に対する待遇の悪さからアタリ社から退社した4人の開発者が1979年に立ち上げた、後に『Call of Duty』などで有名になる「アクティビジョン」である。
それまでのATARI2600ソフトは、全てアタリ社が介入・販売しており、いわゆるサードパーティーというものは無く、アクティビジョンが史上初のサードパーティーということになる。


特徴

  • 2Dのアクションゲーム。
    • エリアごとに地上と地下の二つの道があり、穴に落ちて地下に移動したり、はしごで上って地上に戻ることができる。
    • 画面スクロールはせず、画面の端に移動することで別のエリアに移動する。
    • 20分の制限時間内に、敵や障害物を避けつつ、宝などのアイテムを入手してハイスコアを目指すのが目的。
    • 初期スコアは2000で、宝を入手することによってスコアが増加する。
    • 残機は2つあり、一部の敵に当たるなどして、ミスをすると残機が減る。3回ミスをするとゲームオーバー。
    • また、地下への穴に落ちたり丸太に当たるなどすると、残機は減らないがスコアが減少する。
  • 基本操作
    • レバーで左右移動及びはしごの上り下り、ボタンでジャンプができる。敵への攻撃手段はない。

評価点

  • ATARI2600としてはかなり良質なグラフィック
    • まず、ATARI2600はお世辞にも性能の高いゲーム機ではない。性能で言えばファミコンよりも劣り、グラフィックも単色で描かれるのは当たり前、アイテムやボールはもちろん、作品によっては操作キャラですら単なる四角形で描画されていたこともあったぐらい。
    • だが、本作の操作キャラの主人公は3色の色使いで「人間」だとはっきりわかるように描かれている他、敵であるワニやサソリなども一目でそれだとわかるようになっている。アイテムも金塊や$袋などがちゃんと描き込まれており、当時としてはかなり良質な部類に入る。
    • 背景にも木が生えており、ジャングルの中を冒険していることが視覚的に理解できる。
  • 広大なマップ
    • 画面スクロールこそしないものの、エリアの数は255画面分も用意されており、かなり広く作られている。
    • 同じくジャンプアクションである『ドンキーコング』でも、1画面の中を進むという構成だったことを考えると、かなり革新的であった。
    • 当時のカセット容量は4Kbiteと非常に少ない中で、ここまでのエリア数を確保できたことは、見事と言うべきだろう。

問題点

  • ワニのギミックがシビア
    • 一部のエリアでは、3匹のワニが池におり、ワニの上を渡って通らなければならない箇所があるのだが、それがかなりシビア。
    • 具体的には、ワニが口を閉じている間にワニの上に乗らなくてはならないのだが、3匹のワニが同時に口を開閉するため、渡れるタイミングがかなり短い。
    • 一応、ワニの頭に乗れば口が開いていてもミスにならないのだが、2~3ドット程度の広さしかないので、どのみち難しい。
  • BGMは無い
    • 当時のATARI2600のゲームでは珍しいことではないが、人によっては物足りなさを感じるかもしれない。
    • 続編の『II』では、BGMが流れるようになった。

総評

1982年というビデオゲーム黎明期に、家庭用ゲーム機で高品質な、2Dのジャンプアクションゲームを作り上げたことは、賞賛に値する。
本作の大ヒットによりアタリ以外のサードパーティー製のソフトが活性化し、ビデオゲーム業界における一大ブームと、アタリショックを引き起こすことになるのだが、それはまた別のお話。


余談

  • 完成度の高さは売上にも反映され、ATARI2600のゲームでは『パックマン』に次ぐ、第2位の売上(400万本)を記録した。
  • インテレビジョン、MSX、コレコビジョン、コモドール64などにも移植されている。
  • 本作が有名なせいで誤解されやすいが、アクティビジョンが最初に発売・開発したゲームではない。
    • アクティビジョンは、本作以前に『Kaboom!』(1981年)など、ATARI2600対応ソフトを発売している。
最終更新:2025年05月20日 06:54