Batman: Arkham Shadow
【ばっとまん あーかむ しゃどう】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | Meta Quest 3 | 
| 発売元 | Oculus Studios | 
| 開発元 | Camouflaj | 
| 発売日 | 2024年10月21日 | 
| 定価 | 7,800円(税込) | 
| レーティング | IACR:16+ | 
| 備考 | 「The Game Awards 2024」Best VR/AR Game受賞 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | VRで体験できる『バットマン:アーカム』 『アーカム』の良さをそのままVRに
 全体的にVRに慣れた人向けのゲーム
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| バットマンシリーズ | 
 
概要
Meta社のVRヘッドセット「Meta Quest 3」の独占タイトルとして発表された、VR専用ゲーム。
DCコミックスのヒーロー『バットマン』を原作とし、『バットマン:アーカム』シリーズの一つとなる。
『アーカム』シリーズの中での本作の時系列は『バットマン:アーカム・ビギンズ』と『バットマン:アーカム・アサイラム』の中間とのこと。
開発は『アーカム』シリーズを開発してきた「Rocksteady Studios」ではなく、過去に『マーベルアイアンマン VR』などを手掛けたこともある「Camouflaj」が担当している。
特徴
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基本操作
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左コントローラーのスティックで移動、右コントローラーのスティックで方向転換。
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左コントローラーのスティックを押し込むことでダッシュ/回避が可能。右コントローラーのスティックを押し込むとしゃがむことができる。
 
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Aボタンを押すことで「グラップルガン」で、特定のポイントに登ることができる。敵に対しても使用可能。
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胸に手をやり、グリップボタンを押すことで、「バットラング」を使用可能。投てき武器として使える他、遠くのスイッチを押したり、紐を切ったりすることも可能。
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左手の内側に手をやり、グリップボタンを押すことで、「発煙弾」が使用可能。ステルスの際に敵の目を眩ませるのに使用する。
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顔の横に手をやり、トリガーボタンを押すことで「捜査ビジョン」が使える。先へ進む道を調べたり、壁の向こうの敵を視認したりできる。
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左右のトリガーボタンを同時に押し、両手を広げることでマントを広げて滑空ができる。
 
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戦闘
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敵との戦闘では、グリップボタンとトリガーボタンの両方を押すことで拳を握り、パンチなどの格闘で戦う。
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敵を殴る際には黄色いガイドが表示され、その通りに殴ることでコンボを繋いだり、特殊な技を出すことができる。
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その他、後ろから敵を絞めて落とす、マントを当ててスタンさせるなどのアクションも可能。
 
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ステルス
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バットマンのスーツは銃弾に耐えられる設計ではないため、銃を装備した敵は基本的にステルスで倒すことになる。
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前述した発煙弾やバットラングといった装備を活用して、敵に気付かれないように倒していく。
 
評価点
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戦闘の面白さ・完成度の高さ
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『アーカム』シリーズの良さを引き継ぎながらも、VRゲームとしても上手く作り込まれている。
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バトルにおいては、基本的に肉弾戦となるが、それをVRにしっかりと落とし込むことに成功している。
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とりわけ敵を殴る際の感触は良好で、パンチを繰り出す際はある程度敵をホーミングした上で前進するため、近接戦闘があるVRアクションにありがちな、敵に攻撃を当てづらい・攻撃している感覚が薄いという不満点を見事に解消している。
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敵を殴る際も、黄色いガイドで殴る場所が表示されるため、それに従って攻撃をするだけでも、十分楽しめる。
 
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VRに限らず一人称視点のゲームでは、視覚外からの敵の攻撃がストレスになりやすいが、本作においては視覚外からの敵の攻撃も「ノールック・カウンター」として、アイコンが表示され、左右にパンチを繰り出すだけで対処が可能となっている。
 
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『アーカム』シリーズの評価点でもあるバットマンの原作再現も良好
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「グラップルガン」「バットラング」といった装備・武器もしっかりと用意されており、VRで操作するだけでも、バットマンになりきることができる。
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マントを広げて滑空するアクションもある他、一部のエリアで映る自分の影がちゃんとバットマンのシルエットになっているなど、没入感を高めてくれる要素も。
 
賛否両論点
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全体的にVRに慣れた人向けのゲームであること
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前述したように、ゲーム自体の完成度は高いのだが、VRアクションという特性上、前後左右に激しく動くゲームであるため、VR初心者や三半規管の弱い人だと、かなり苦しい内容となっている。
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一応、移動する際や急に動く際に視野を狭めてVR酔いを起こしにくくするオプションもあるのだが、戦闘中に激しく動く際にも視野が狭まってしまうので、バトルが戦いづらくなってしまう。
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また、部屋の広さにも注意が必要。戦闘時は特にコントローラーを動かすため、壁や物が近いとコントローラーをぶつけかねない。そのため、プレイする際は、ある程度のスペースを確保すること。
 
問題点
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日本語ローカライズがやや手薄
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まず、日本語吹き替えが無い。普通の洋ゲーなら珍しくはないが、VRゲームという特性上、英語音声で字幕を読むタイプのVRゲームは、人によっては没入感を削がれる可能性もある。
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V1.2.0のアップデートで日本語ボイスを含んだ多言語ボイスがダウンロードできるようになった。
 
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そして、その日本語字幕も改行がおかしかったり、変なところで区切れたりするので、少し読みづらい。この点も没入感を地味に阻害する。
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アップデートで追加された日本語ボイスについても、字幕と食い違っていたり、一部ボイスが日本語じゃなくなる場面があるなど、完璧なローカライズというわけでもない。
 
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また、一部の謎解きが字幕表示されないため、英語が苦手なプレイヤーだと謎解きで詰まってしまう可能性もある。
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例として、とある扉を開けるために必要な3桁のキーコードを入力する場面があるのだが、ヒントがしれっと壁に「COUNT DOWN」と書かれているだけなので、人によっては答えに気付きにくい。
 
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誤訳というわけではないが、段差を登ったり越えたりするアクションが「マント」と表記されていたりと、日本人には伝わりづらい表現も。
 
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回避が少し出しづらい
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ハンドガンを装備した敵の攻撃は、回避で避ける必要があるのだが、その入力方法が、「左コントローラーのスティックを避ける方向に倒しながら押し込む」というものなので、慣れないと咄嗟に回避が出しにくい。
 
総評
あの『バットマン:アーカム』をVRにしっかりと落とし込むことに成功した良作VRゲーム。
Questのゲームとしては7,800円と、珍しくフルプライスであるが、それに見合ったVR体験を与えてくれるのは、間違いないだろう。
現状、Quest3専売であるため、Quest3ユーザーしか遊ぶことができないが、VRでバットマンとなりゴッサムを体験したい方は、是非とも本作の購入をおすすめしたい。
余談
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「The Game Awards 2024」において、「Best VR/AR Game」を受賞した。
最終更新:2025年02月11日 05:13