初登場は『スーパーマリオブラザーズ』。
ストーリーは
「クッパ率いるカメ一族にキノコ王国が滅ぼされ、住人のキノコ達もクッパの魔法で レンガやツクシに変えられてしまった。
ピーチ姫ならこの魔法を解く事が出来るが、彼女もクッパに攫われてしまった。
この話を聞いたマリオはクッパの行いに激怒し、ピーチ救出を決意した」
というもの。
この『スーパーマリオブラザーズ』は2009年に『Wii Sports』に抜かれるまで、全世界で最も販売数の多いゲームソフトであった
(ただし『Wii Sports』は海外ではWii本体に同梱されておりその数もカウントしているので、
単独での売り上げトップは相変わらず『マリオ』がトップである)。
それほどの人気ソフトであるので勿論シリーズ化したが、
攫われたピーチを救出するというお約束が出来上がった結果、ピーチが攫われる理由付けが希薄になったものと思われる。
『スーパーマリオUSA』(海外版の『スーパーマリオブラザーズ2』)では部下のキノピオ共々プレイヤーキャラに昇格(クッパは退場)。
この作品でスカートによる空中水平移動の術を会得する。
元々この作品は日本で『夢工場ドキドキパニック』というフジテレビと任天堂のタイアップ商品を、
海外で発売する際にプレイヤーキャラクター4名をマリオファミリーに置き換えたものであり、
空中浮遊も主人公の母(元キャラクター)の仕様を受け継いだものである。
そして『USA』はまさかのマリオによる夢オチ。
ただし『USA』は夢の国サブコンが舞台であり、「4人が同じ夢を見て、夢で見たものと同じ世界で冒険する」というものなので、ループオチとも取れる。
『スーパーマリオRPG』では冒頭でこそ攫われヒロインキャラとしてクッパに誘拐されてしまったものの、
旅の途中でマリオと再会してからは、共に パーティメンバーとして戦う事を決意。
この作品で初めて パラソルによる低速落下を披露した。 どんな体重してんだアンタ。
技だけ見ると回復技を複数持ち、攻撃技は一つしかないのでサポート要員なのだが、
フライパンだの ビンタだのでモンスターを引っ叩きまくり、アグレッシブに大暴れしている印象が強いかもしれない。
またピーチの回復技の「みんなげんきになあれ」は「消費FP4(フラワーポイント、最大値は99)、全体五割以上回復&状態異常回復」
とチートクラスの性能である上、ピーチ自体素早さが二番目に早いため 最強の回復役としても大暴れしていた。
ちなみにこのゲームにおけるピーチは大器晩成型、即ち最初は弱いがレベルアップによる能力の伸びが高いタイプであり、
Lv20に達したあたりでフライパンを与えてやると、その攻撃力は 最強装備のクッパをも凌ぐほどにもなる。
一応補足しておくと、マリオを除いた 他の四人は基礎攻撃力が高いほど武器が弱くなる傾向があり、
クッパに至ってはピーチの最強武器の半分以下の攻撃力の武器しかないのが原因なのだが…。
回復要因のお約束として魔防がメンバーで最も高いが、何故か体力もやたら高い。
バランス振り同士だと クッパに次ぐ体力の持ち主。もちろんマリオより上。
要するに最強の魔法壁かつ最強の回復役かつ最強クラスの物理アタッカーという化け物である。
一応、マリオはパーティ中最強の攻撃力と理論上最強の特殊技「 スーパージャンプ」、ぶっ壊れ性能の専用アクセサリー「ジャンパースカーフ」があり、
ジーノはピーチに迫る攻撃力と最終的にトップになる防御力に加え、
味方の攻撃力1.5倍&受けるダメージ半減というインチキ技「ジーノウェーブ」の使い手と負けず劣らずぶっ飛んでいる。
クッパも何だかんだで体力だけはあるため、完全にピーチに劣っているというわけではない。
しかし最初に仲間になる マロに関しては殆ど喰われてしまっている。 クッパも大分怪しいが
余談だが、同作に登場するボスキャラ・ベロ~ム(2戦目)が生み出す偽者のピーチに マロの「なにかんがえてるの」で心を覗くと、
「美しいって、つみよねぇ~~。」なんて事を考えているのが分かる。
…… ナルシスト?(あくまで偽者なので本物もイコールと言う訳ではないだろうが)
以上のように『RPG』では圧倒的戦闘力を見せた物の、後の作品では基本的に「戦闘力は皆無」であるように描写されている。
ちなみにコミックボンボンに掲載された漫画版『スーパーマリオ』シリーズではマリオと組んで冒険している事も多いが、
こちらではギャグを飛ばしつつもマリオに匹敵する戦闘力を誇っているかのような描写が多い。
ルイージですら主役が貰える世の中である為、当然『スーパープリンセスピーチ』で主役をゲット。 *1
女の涙を武器にする(水分的な意味で)など、天然ぶりに磨きが掛かってますますはっちゃけてきた。
また、この作品で雑食傘「カッサー」が登場。下僕 ヨッシーを改造した姿だとか様々な噂が流れたが、真実はいつも 闇の中である。
凄く便利そうなのに、1回出演で使い捨てにされてしまった。
どこぞのゲーム誌に連載されていたスープリ漫画では、天然に磨きが掛かっておりとても可愛らしいが、詳細はもはや 闇の中である。
なおこの作品ではピーチ姫の扱いがあやふやになっており、クッパがピーチ姫に対してただの侵入者のような扱いをしている所を見るに、
この作品でのみ「ピーチ=さらわれキャラ」という設定が無いのかもしれない。
そしてこの作品でもルイージの扱いは相変わらず…というかピーチ姫にすら名前を忘れ去られていた。 緑のオッサンを助けた!?
尤も、「主演作品が作られる=ネタキャラとして確立する」という図式が成り立っているため、
「助けるべきか弱く美しい姫」を務める彼女にとっては死活問題であったと取れる。
結果、続編は出ないしロゼッタという新キャラが登場するしで「ヒロイン」から「その他マリオファミリー」への降格が危ぶまれる。
まぁ遥か以前にメインヒロインを務めた デイジーがファミリー専用キャラに留まっているあたり、杞憂ではあろうが。
むしろロゼッタこそせっかく珍しい人間キャラクターとして登場出来たのに、しばらくはただの解説キャラ位にしか扱われていなかったため、
彼女やその他の女性がメインヒロインの位置を奪うのは、逆に相当難しいと思われる。
そもそも「主演作品が作られる=ネタキャラとして確立する」という図式の元になっているようなワリオ、ルイージ、クッパの3人は、
主演作品が出来た頃には既に公式でネタ扱いされていた連中であり、
遥か以前に主役を飾ったヨッシー、キノピオ(『ワリオの森』というパズルゲームにて)が主役取得以後もそれまで通りの活躍をしているため、
前述の図式そのものが在って無いようなものである。
といってもマリオと同じく明確なキャラクター設定はされておらず、作品によって様々な性格として描かれており、
『ペーパーマリオ』シリーズでは攫われた身でありながら監禁用の部屋を抜け出し、
少しでもマリオの助けになろうと敵のアジトを探り回って情報収集をするという、かなり行動的且つ気丈なキャラとして描かれていた。
兵士が大量に見張りをしている中、ライトの光を潜りながら、兵士の何気ない会話などから情報収集をする様は、
本当にお姫様であるのかを疑ってしまうほどであった。
本人も自覚はしているようで、マリオに対し「私ももう少しお姫様らしくするべきかしら?」と尋ねたりしていた。 ちなみにマリオは普通に頷いていた。
『マリオ&ルイージRPG』ではマリオが病気で倒れてしまい、頼みの綱のルイージは薬草のある洞窟にいる魔物にビビり、
震え上がって動けなくなったため、最初は「マリオのためですものね?」などと諭していたのだが、
業を煮やしたのか最終的に 「い く わ よ ね?」と明らかにルイージを脅していた。
結果としてルイージは兄を助けたい想いと ピーチ姫に対する恐怖から、嫌がる身体を精神力でねじ伏せ歩き出す事に成功した。
そしてWiiUで発売された『スーパーマリオ3Dワールド』では、マリオ、ルイージ、青キノピオ、そしてクリア後に合流するロゼッタと共に、
クッパに襲われたようせいの国を救う冒険に参加。
『USA』でも使っていた空中浮遊能力が現実でも使える事が明らかとなり、初心者救済用キャラとしての側面も持つ。
また、浮遊能力を駆使したショートカットで、TAでもジャンプが高く慣性を維持しやすいルイージ、足が速くネコ縛りでは最速のキノピオと、
それぞれの個性を生かし活躍する。 今度の赤ルイージはお留守番!
また上記『3Dワールド』で変身した、ピンクの猫の着ぐるみに身を包んだ姿である「ネコピーチ」(の人形)が、
後に任天堂の公式ホームページで展開されているゲーム紹介動画番組『ニャニャニャ!ネコマリオタイム』にて、
同じく猫の着ぐるみ姿の「ネコマリオ」(の人形)と一緒に司会進行役として登場している。
解説者としてゲームを紹介したりと場をまとめているのだが、時折マリオを攻めたり毒舌キャラが目立っている。
「嘘でしょ!?」が口癖で、番組内で最低1回は(多少強引に)使用されている事から、
本動画のネコピーチの代名詞的な台詞になっている。
ちなみに毎度毎度さらわれ過ぎな事については『スマブラX』にて スネークが、
「さらわれない様に城の警備を強化した方がいい」と真っ当な意見を無線会話で発言している
(会話相手のメイ・リンから「 夢が無い」とは言われたが。実際に一部作品ではそうする事で防げたであろう例も幾らか見られた)。
ただしクッパのさらい方も年々レベルが上がっており、警備の強化で対応出来ないものも多くなってきている。
例えば『RPG』や『サンシャイン』だと警備の手薄な外出中を狙われたり、酷い時には 城ごと地上げして拉致という強行策を用いられる事もあった。
ハリウッドによる実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』では 登場しない。
デイジーはまだいいとして、 レディ(本作ではダニエラ・ポリーン・ベルダッチ)まで出ているのに。
むしろ、よく当時既に覚えている人も少なかったであろうレディに目を付けたな……
ただし本作は「地上でアメリカ人として育てられたデイジー(そしてデイジーと間違えられたダニエラ)が魔界帝国にさらわれてしまう」
というストーリーである。
当時のピーチは前述の通り海外でトードストールと呼ばれており、これではアメリカ人の名前として不自然である。
デイジーの父親はキノコにされてしまっていたことから、「トードストールがアメリカでデイジーと名付けられた」とも解釈出来る。
余談だが、その後のGB版『ドンキーコング』のエンディングでは、
「マリオがキノコを食べて大きくなる」という『スーパーマリオブラザーズ』を思わせる描写があったので、
「マリオがドンキーコングと恋人ポリーンをひたすら追いかけて辿り着いた最終ステージの先、
コングの故郷近辺にキノコ王国があり、マリオはそこで ピーチに出会って乗り換えてしまった」
……という宮本茂氏によるインタビューが存在した(ただし冗談混じりなため、公式設定かは定かではない)。
上記ではピーチをネタっぽく解説しているが、念のためフォローしておくと、
スタービーンズを目覚めさせられる唯一の人物人物であったり
(スタービーンズは「清らかな心を持つ者の歌声」のみで目覚める)、
カゲの女王復活のために必要な「穢れなき魂を持つ美しい女性」として肉体を利用されたり等々、
共通して使われる設定では「優しい心の持ち主である」という事の方が多い。
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