ザンボット3







 全長:60m
 重量:700t
 出力:3000万馬力

「ザンボット・コンビネーション!」「ワン!」

「ツー!」「スリー!」

+ 担当声優
  • 神勝平
大山のぶ代
アニメ本編
坂本千夏
『スーパーロボット大戦』シリーズ

  • 神江宇宙太
森功至
アニメ本編
古川登志夫
アニメ本編(第10話~第14話)、『スーパーロボット大戦』シリーズ(『Z』以降)
神奈延年
『スーパーロボット大戦IMPACT』、『スーパーロボット大戦A PORTABLE』

  • 神北恵子
松尾佳子
アニメ本編

勝平はあのドラえもんの大山女史が演じている事でネタにされがちだが、
元々この手の少年キャラを主に演じており(かの『サザエさん』のカツオの初代声優でもある)、
ドラえもんの方も初期の演技はむしろ勝平をはじめとしたそういったキャラに近い演技であった。
『スパロボ』にはドラえもんのイメージを守るために出演を断ったと(他にも後述もするストーリーのハードさから再演に躊躇したとも)されるが、
ドラえもん降板後の2015年に認知症を発症。闘病の末、2024年に他界されたため、オリジナルキャストによる収録はついぞ叶えられず終いとなっている。
え、最近声をよく聞く?それは声がそっくりで話題になった一般人の方ですよ…

ちなみに代役の坂本女史だが、大山女史とは「のらくろ」の声優という共通点もあり(大山女史が昭和45年の、坂本女史が昭和62年のアニメ版)、
そこからの起用ではとする説もないではない。なおのらくろは犬である
また何の因果か、坂本女史もドラえもんと同じ機械仕掛けの猫(ただしロボットではなくタイトル通りサイボーグ)、
サイボーグクロちゃん」を演じていたりもする。

宇宙太役の森氏も「当時の声はもう出せない」として辞退したとも言われているが、こちらは噂の域を出ない。
古川氏は本来勝平の(パイロットではなく不良としての)ライバルキャラ・香月真吾の担当であり、他にガイゾックのバレターというキャラも兼役していた
(昔のアニメでは兼役はままある事であるが。『ガンダム』でもカイさん以外のキャラを色々やってたし)。
そこから森氏が出演できなくなった(ちなみにバイク事故だったとされるが、これも詳細不明)時のピンチヒッターとして起用されたのは、
ある種自然な流れとも言えるだろうか。
『スパロボ』シリーズで初の声付き参戦となった『IMPACT』では何故か神奈氏が起用されているが
(同氏は後に『A』の主人公の一人アクセル・アルマーの声も担当している)、
そこから『Z』からは古川氏に交代しているのは『デッドオアアライブ』のジャン・リーを思い起こす人もいるかもしれない。ジャンの場合順序が逆だけど
なお古川氏が起用に至ったのは、『Z』にて同時参戦している『戦闘メカザブングル』での担当キャラ・ブルメの収録も行ったからだともされている
(スパロボで同じ声優のキャラの音声をついでで録るのは割とよくある事で、上述の真吾とバレターも中断メッセージ用に音声収録されている)。

1977年に放送されたサンライズ制作・富野由悠季監督のロボットアニメ『無敵超人ザンボット3』の主人公機。
名前の由来は「3+ロボット」。「ザンボット3」としての登場は第3話からであり、それまでは分離状態で戦っていた。
ウルティメイトフォースゼロ焼き鳥ロボット戦士とは関係無いし、
波打ち際を濡れない様に行く合体メカでもない(合体前が「サンゴッド1・2・3」で、必然的に「3」が余る合体後が「サンゴッドV」)。

200年前、侵略者ガイゾックに滅ぼされ地球に落ち延びたビアル星人の移民船「キング・ビアル」の内部に保管されていた彼らの遺産。
移民船含めて150年前に一時避難先の宇宙ステーションで建造され、ビアル星人の末裔である「神ファミリー」に代々受け継がれてきた。
「ザンバード(ザンボ・エース)」「ザンブル」「ザンベース」の3機が合体する事で完成し、イオンエンジンによって動く。
本来はキング・ビアルの艦載砲であるイオン砲を使用できるだけの出力を生み出しているため、かなりの高出力である事が分かる。
冒頭の台詞の合体時の号令は3人がそれぞれコールし、
第15話と第20話以降は神勝平の飼犬で秋田犬の「千代錦」が「ワン!」のコール(別に喋る犬とかではないので普通に犬の鳴き声)を担当している。
合体時のメイン操縦はザンバードで、サブコントロールはザンブルとザンベースで行う。

搭乗するのはいずれも10代前半の子供達であるが、睡眠学習により操縦方法をマスターしており、
第20話で防衛軍の兵士達が付け焼刃の練習をして挑んだ際には動かす事こそできたが、
四角四面な戦闘しか行えなかったせいでメカブーストから手玉に取られていた事から鑑みても、
勝平達の操縦技術は非常に優秀で睡眠学習の質も極めて高い。
ただこの睡眠学習は、勝平達から戦闘の恐怖心を取り去る事にも使われており
自らの子供達洗脳して少年兵に仕立てて戦わせているという、倫理的に問題な構図も描かれている
(ただし状況的に仕方ないうえ、大人達も勝平達を守る為に命を張っているので、富野作品としてはこれでも子想いな方だったりするのが恐ろしい)。

装甲材質は不明であるが、かなりの防御力を誇り、機体が損壊したのは劇中でたった2回のみである。
それほど離れていない地点でパーツの全てが水爆で構成されたアンモスガーが核爆発を起こしてもほとんどダメージが無く、
本作の敵組織である謎の宇宙人集団「ガイゾック」の土偶型巨大戦闘要塞「バンドック」のミサイルを一身に受けて、
ワイヤーによる拘束から脱するという奇策を果たした後でも普通に戦闘可能な程。
バンドックとの最終決戦では機体は中破したが、ザンバードを強制的にパージし、ザンブルとザンベースが特攻をかけた。

ちなみに移民船キング・ビアル自体も当初は「ビアルI世」「ビアルII世」「ビアルIII世」の三隻に分離しており、
ザンボットの拠点として三体のマシンを神家・神江家・神北家の分家がそれぞれ管理していた。
終盤、宇宙に逃れたバンドック追撃に際し三隻は集結、真の姿「キング・ビアル」に合体して最終決戦に臨んだ。

+ 各パイロット詳細
余談だが、ザンボットのパイロットを始めとする「神ファミリー」が着用するスーツは、
後にキャラクターデザイン担当の安彦良和氏が監督を務めた『クラッシャージョウ』に転用されている。

神勝平

本作の主人公。
「神ファミリー」のうち、静岡・駿河湾沿いの港で漁師をしている神家の次男で12歳の少年。
戦闘時にはザンバードに乗り込み、ザンボット3のメイン操縦も担当する。
パイロットスーツはショートパンツにタイツ、色は赤。

小柄だがスポーツ万能で、バイクを乗り回す不良少年だが、
曲がった事が大嫌いで、困った人を放っておけない正義感の強い性格。
搭乗者3人の中で最年少という事もあり、やや子供っぽい面が強調されていたが、
ライバルの香月真吾との対立と和解、さらに大勢の人達や友人知人の戦死を目の当たりにしながらも、
戦いの中で人間として戦士として着実に成長してゆく。
身内に年長者が多い事から何かと反発する姿が目立つ一方、年下の子供に対する面倒見の良さも発揮しており、
従弟妹や香月の妹からも慕われている。
どんな状況でも危険を省みず、人々を救おうとする姿から神ファミリー全体を奮起させる場面も多く、
次第に理解を示し、命懸けでガイゾックとの戦いに協力する者も増えていった。

最終話では宇宙太と恵子が特攻死した後、ザンボエースでバンドックの内部に突入。
そこに潜んでいたガイゾックの真の支配者「コンピュータードール第8号」と対峙し、
ガイゾックがビアル星を滅ぼし、地球を襲ってきた理由を聞かされ、更に守るべき人々から迫害を受けながらも戦う事の無意味さを説かれる*1

「憎しみ合い、嘘を吐き合い、我が儘な考え。
 まして、仲間同士が殺し合うような生き物が、良いとは言えぬ。
 宇宙の静かな平和を破壊する。
 我は、そのような生き物を掃除する為に、ガイゾックによって造られた……」

第8号の言葉に対し、「そんな事はない!みんないい人ばっかりだ!」と反論するが、
死闘の末に家族をも失ってきた勝平には第8号の言葉が重く突き刺さり、次第に言い返せなくなっていく。
直後に蓄積された戦闘のダメージからバンドックは崩壊を始め、勝平を乗せたまま大気圏に突入するが、
ビアルI世の犠牲と引き換えに脱出し、勝利の喜びに浸る間もないまま地球に帰還。

「爺ちゃん…父ちゃん…婆ちゃん…
 俺達、やったよね…?ちゃんと戦ったんだよね…?
 宇宙太…恵子…一兄ちゃん……」

「俺達ゃ、つまらない事なんかしなかったよな…?
 なあ…?なあ、アキ……」

そこで待っていた香月やブスペアのミチ、先に脱出させられた母や親戚といった神ファミリーの生き残り、
そして普段から勝平を目の敵にしていたにもかかわらず、ぬけぬけと現れた警察署長を含む和解した人々に迎え入れられる姿で幕を閉じた。

神江宇宙太

第2話で初登場した、神ファミリーのうち東京に暮らす神江家の長男でザンブルを操る15歳の少年。
髪の色は茶色で、左目は前髪で隠れている。
パイロットスーツは他の隊員と同じスラックス型で、色は青。

一見キザで斜に構えた風も見せるが、理知的で温かみもある性格。
勝平とは序盤にしばしば衝突する事もあったが、すぐに打ち解け、チームの参謀役になる。
幼い弟妹には兄として優しく接する一方、
家族の安否ばかり気にする母やその尻に敷かれがちな父には複雑な感情を抱いており、家族関係が良好な勝平を羨む一面も。
最終話の戦闘においてガイゾックの幻術で同士討ちをさせられた際、
神一家が発掘・管理する移動要塞「ビアルI世」の攻撃をコクピット周辺に受けて重傷を負う。
その直後のバンドックとの戦いで更にザンボット3の両手と右足を失うに至り、動力を司る自分のセクションに致命的損害を受け、
攻撃力・機動力・出力のほとんどを失ったザンボット3での戦闘継続はもはや不可能と判断。
勝平に突破口を開かせるため恵子に懇願し、ザンバードのみをドッキングアウトさせ、
彼女の操縦によってザンブル・ザンベースのみで共にバンドックに特攻。
勝平の名を叫びながら短い生涯を終えた。

神北恵子

宇宙太と同じく第2話で初登場した、神ファミリーのうち信州で牧場を営む神北家の長女で14歳の少女。
髪型は赤いリボンで束ねた金髪のポニーテールで瞳は青く、乗馬とアーチェリーが得意。
信州の自然の中で育った、大らかでやや気の強い少女。
常に気丈に振る舞う一方、自分達の戦いが周囲から理解されない事に悩んだり、
ガイゾックの攻撃で両親を亡くした友人達から迫害を受け、深く傷付いたりする繊細な一面も見せている
(友人達も後に恵子が命懸けで戦う姿を見た事で反省し、最終的に和解を果たした)。
第12話で誕生日を迎えるが、よりにもよってガイゾックの司令官「キラー・ザ・ブッチャー」と同じ日だった。

ザンベースに乗り、ザンボ・エースの支援、ならびに索敵などをこなす。
戦闘態勢に入ると生脚にブルマースタイルのパイロットスーツ姿となる。色は緑。
第12話では赤の振り袖姿を、第15話では薄緑のビキニ姿も披露している。
当初は黒髪でパイロットスーツもピンク色のスカートの設定だったが髪は金髪となり、
より女の子らしさをアピールするために戦闘服も変更された。
最終話で勝平に突破口を開かせるべく宇宙太と共にバンドックに特攻し、
両親に別れの言葉を残して短い生涯を終える。

祖父の兵左衛門は対ガイゾックの総指揮官を務める神ファミリーの長老的存在。
劇中ではビアルI世で指揮を執る姿が多く、物語開始時点で神家に馴染んでいる事から勝平にも「爺ちゃん」と呼ばれている。
次回予告も(ナレーターとしてではなくキャラ個人の視点から)担当しており、
毎回の締めとなる下記の「さて、どう戦い抜くかな?」も兵左衛門の発言である。

+ 構成機体
  • ザンバード(ザンボ・エース)
勝平が搭乗する高速戦闘機で、ザンボット3の頭部、胴体中央部となる。
頭頂高30m(ザンボ・エース時)、重量250t。
単独でロボット「ザンボ・エース」に変形できる。中黒を入れるのが正式表記らしいが、省略されがちである
変形のコールは「エースチェンジ」、逆にバードに戻る時は「バードチェンジ」。

コクピットは副座式で、ザンバード時の機首、ザンボ・エース時の爪先にあり、
左に勝平(第1話など例外あり)、右に千代錦が乗る。
ザンボ・エースへ変形時には勝平の席がエース時の頭部へと移動。
最終話ではこの構造が災いし、千代錦までもがバンドックの防衛システムにコクピットを破壊され、命を落とす事になった。

+ 武装・必殺武器
  • バードガン
コクピット上部に収納されている50mmバルカン砲で、左右2門ある。
バード、エース時どちらでも使用可能。

  • トレンブルホーン
音波兵器。
尾翼中央から露出し展開する(ザンバード時のみ使用)。

  • ザンボマグナム
ザンボエース用のオプションである拳銃。ちなみに主役ロボが銃を手にして戦うのはこれが初だとされる
(内蔵式ならアトムの尻にもマシンガンがある。また主役以外ならジェノバM9が銃を手にしている)。
ホルスター自体はホルスター・ジェット(ホルスター付ガンベルト)と呼ばれ単体飛行可能で、ビアルI世またはザンベースから射出される。
それをガンベルトのように腰に装着し、ホルスターから銃を引き抜いて射撃する。

なお、エースが静止状態で敵が正面にいる場合、自動照準で狙いをつける。
ホルスターにはザンボマグナム用の予備弾倉や様々なオプションパーツがセットされている。
ロングバレルやストック、スコープを装着して狙撃用のライフルとして使用したり、
連射用のドラムマガジンを弾倉部に追加したり、更にはメカブーストにトドメを刺す事さえ可能な46cmグレネードランチャーも存在するが、
これがあるとザンボット3の活躍が減るため、物語の中盤になってからは出番が失われた。
一方で、次作の『無敵鋼人ダイターン3』でも(人間用だが)似たギミックが採用されている(こちらはトランクに入った状態で飛んでくる)。

余談だが、発射時のSEは後にガンダムのビームライフルに流用されている。

  • ザンブル
宇宙太が搭乗する重戦車で、ザンボット3の胴体・腕部となる。
全長14m(クラッシャードリルセット時、20m)、全高10m。
飛行も可能で劇中では移動距離の都合で専ら飛行していた。
コクピット部は比較的下部にあり、合体時にはザンベースのコクピットの下に収まる。

+ 武装・特殊装備
  • アームパンチ
射出される手首で、合体時も使用できる。

  • クラッシャードリル
機体前部、ザンベースとの合体面から飛び出す巨大ドリル。

  • ビッグミサイル
機体前部、ザンベースとの合体面から飛び出す巨大ミサイル。

  • ビッグキャノン
機体中央からせり出す大砲。

  • ブルミサイル
前部サイロから発射する連装ミサイル。
アームパンチ同様、合体時にも使用できるが、単体時では未使用。

  • ザンベース
恵子が搭乗する偵察支援メカで、ザンボット3の脚部となる。全長35m、全高9m。
バックパックが付いており、合体時には外れて移動し、ザンブルのキャタピラを覆う形で背部に装着される。

ビアルI世同様にザンボエース用の武器・ザンボマグナムを搭載・射出する。
合体時の腰部両脇には後述のレゴンを装備。
降着装置は車輪とキャタピラ(合体時の足のウラ)の併用である。
なお、コクピットの外観はともかく、内部デザインはザンブルと共通している。

+ 武装・必殺武器
  • ベースミサイル
バックパックから発射するミサイル。

  • ベースレーザー
コクピット付近から発射するレーザー砲。

  • ベースヒート
機体の上部から発射する熱戦砲。
「ベースファイアー」と呼ばれた事もある。

  • レゴン
カメラを内蔵した偵察メカ。
メカ・ブーストの弱点を調べる際に威力を発揮し、合体時にも使用できる。
同型のものがビアルI世にも搭載されている。

+ 武装・必殺武器
  • ザンボットグラップ
(サイ。無論ではなく彼女の使う武器)をモチーフとした手持ち武器で、本来のサイ同様に二振り一組として振るう。
よく誤解されるが十手ではない。

敵を斬るまたは刺し、更には投げつけて戦うのが基本だが、これだけではメカブーストに致命傷を与えられず、
多くの場合後述するカッター、ブローといった武器に変化させる。
後部にはバーニアが仕組まれている他、手首の付け根付近に収納されている刃だけを出して使用する事も可能。
スパロボではグラフィッカーへの労力削減のため、カッターやブローとの連携技「グラップコンビネーション」として採用される機会も多い。

  • ザンボットカッター
二振りのザンボットグラップを柄の部分で合わせ、片方の刃を伸長させた刀。
もう一方は柄に収納され、これを使用した技に「ザンボット十文字斬り」がある。

日本刀のように刀身に反りがある場合とグラップの刃部分の延長という具合になったりとデザインと画に若干の混乱があり、
玩具の場合でもどちらか一方のデザインで製品化されている。
また、後述のムーンアタック以外でメカブーストを倒した数少ない武器でもある。

  • ザンボットブロー
第4話で初使用。
上と同じにザンボットグラップを合わせ、柄を伸長させた槍。
使用回数はザンボットカッターより多い。
長さはザンボット3と同程度だが各話の演出によっては非常に短く描かれる事もある。

中央の刃は直線的だが、同じ理由で反りがある回がしばしばある。
メカブーストを刺し貫いて行動不能にする威力も発揮した。

  • ザンボットバスター
第6話にて同乗していた勝平の父・源五郎の指示で初使用。
膝に装備されている(ザンベースの状態では存在せず、合体後に出現)十字手裏剣型の投擲武器で、突端は下記のバスターミサイル。
毎回のタイトルコールで投げていたのもこの武器。

基本的に手にとって投げるが、第15話では接続部から直接発射したり手に持って相手を殴ったりしている。
なお、オープニングの絵コンテでは「バウザー」と誤記されている。

  • バスターミサイル
膝に装備したまま発射されるザンボットバスターのミサイル。投げて当てた時に爆発せんのだろうか
回転する事で連射が可能だが、劇中では「ザンボットバスター」と呼び間違えている事が多い。

  • ブルミサイル
腰に内蔵されている連装式大型ミサイル。
バスターミサイルと同時発射される場合もある。
初使用は第5話で、名称コールされない唯一の武器だったが、
例外的に第21話で宇宙太が単に「ミサイル!」と叫んで発射している。

  • アームパンチ
所謂ロケットパンチで、手首のみが発射される
ザンブル時の武器だが、ザンボットが使用したのは第13話と第17話で、17話ではグラップを持ったままで発射。
ホーミング機能を備えていると思われ、敵を正面だけでなく、背部からも攻撃した。
ちなみに、スコープドッグにも同名の武装があるが、あちらは拳を打ち付ける際に炸薬の力で伸縮させ威力を上乗せするものであり無関係。

  • ザンボットムーンアタック
「勝平、敵の弱点がわかったわ!」
「ムーン・アタックで一気にやっつけろ、勝平!」
「わかった!ザンボット・ムーンアタァァァァァック!!」

第4話で初使用。
額の三日月から放つ必殺技
三日月形のエネルギー弾が分身して対象を取り囲み、一点集中攻撃を行う。
フルムーンアタックそんなもの、ウチにはないよ…

エネルギーチャージする暇さえあればいつでも撃てる上、連続使用も可能。
非常に強力な分、一発限りである事が多かった当時のロボットアニメの必殺技において、この点は斬新だった。
必殺技ではあるものの、第8話ではメカブーストの一機「ガルチャック」の反射材によってはね返されてしまい、
その後もムーンアタックを中和できる光線を使用するメカブーストが何度か出現した事やバンドック(頭部)には効かなかった為に苦戦は免れなかった。
なお、三日月の破壊エネルギーは敵を貫いた後も持続する。

発射時のポーズは「右腕(平手)を水平に伸ばし、左腕は水平から曲げて三日月に左平手を添える」と「左手を三日月に添えずに垂直に構える」と、
OPラストカット及びアイキャッチで放つ左手と右足を前に突き出した合体完了時のポーズで放つ(第18話)の三種類が存在している。

  • イオン砲
「エネルギー回路、MCR回路に直結!」
「シンクロトロン密度8.75!」
「バイオニックコンデンサー、全段直結!吹っ飛びやがれえぇぇぇ!!」

キング・ビアルの武装を流用したもの。第22話で使用。
回路の接続変更とエネルギーチャージが必要で、高エネルギーを消費する為、
発射後の戦闘行動にも支障が出る恐れがあり、あくまで緊急の措置である。
劇中ではビアルII世とビアルIII世が敵に特攻した事で失われ、残されたビアルI世単体での使用が不可能となった為、
勝平の兄・一太郎が予備のイオン砲をザンボットのエネルギー回路と接続し、出力不足を補う形での使用を提案。
そのまま勝平達が上記のシークエンスに従いながらザンボット用に調整したイオン砲を発射、
ムーンアタックさえ効かなかったバンドック(頭部)を見事撃ち抜いた。
その後の最終戦闘ではエネルギー不足でムーンアタックが使えなかった事や恵子の発言から一度使用すると、
他の高エネルギー武器が使用可能になるまでエネルギーチャージに時間が掛かる模様。
スパロボではキング・ビアルが未参戦である場合が多いので、基本的にザンボットの武器として採用されている。

(以上、Wikipedia及びスーパーロボット大戦Wikiより引用・改変)

+ 『無敵超人ザンボット3』という作品について
機動戦士ガンダム』などで知られる富野由悠季氏が監督を務め、
日本サンライズ(現・バンダイナムコフィルムワークス)が手掛けたオリジナル作品第1作目
(これ以前も東北新社や東映の下請けで『勇者ライディーン』や長浜ロマンロボシリーズを制作していたが、これを機に自社で企画制作を始めている)。
主役ロボのザンボット3には3機合体のロボットという以外に、
「サンライズのロボット」という社運を懸けたと思われるもう1つの意味が込められている。
主人公にしか扱えないスーパーロボットで地球を襲う悪の宇宙人と戦う」というスーパーロボット作品のテンプレとも言えるストーリーなのだが、
その一方で、
などといったハードな展開が数多く存在し、戦いの惨たらしさや「勧善懲悪」が定番であったロボットアニメ界へ疑問を投げかけるような内容から、
今でも語りぐさとなっている作品である。
特に人間爆弾となった事で一度は死を覚悟したものの、迫りくる死の恐怖に耐えきれず泣き喚きながら爆死するシーンはトラウマもの。

とにかくそれまでのロボットアニメのベースにあった「犠牲はありながら正義の戦いは報われる」路線から大きく逸脱し、
あまつさえ敵方から突き付けられる主人公サイドの行動に対する疑問に、価値観をグシャグシャにされたまま解答を示せないほど勝平たちを翻弄した苛烈なドラマ性は、
最終話まで先行視聴したスポンサー社員やTV局関係者が、エンドロールの場面で一様に青ざめた表情で言葉を失っていたと伝えられるぐらいに(当時としては)強烈なインパクトを残したのは間違いない。
ややあって「これ本当に子供向けに放映するんですか……」と小声で口に出した人もいるとかなんとか。
一方、上記のハードな展開の数々とは裏腹に最終的には和解した人々に迎え入れられる等と、決してバッドエンド一辺倒の作品ではない
ただし監督曰く当初は「宇宙人の生き残りである勝平を始末しに来た」という展開も考えていたとか。流石は「黒冨野」代表作

また、神ファミリー自身の提案で政府にザンボット3の設計図が譲渡され、劇中で正式に主役ロボの量産計画が進められた初の作品でもある
グレートマジンガーの量産は桜田吾作氏の漫画版だけだし、物語での扱いも所謂ニセモノ展開の亜種でしかなかった)。
しかし、残念ながら量産型ザンボットの完成は最終決戦に間に合わなかった。
完成したらしたで「お前達は用済み」と仲間割れ展開を冨野監督がするかしないかと言えば凄くしそうなのである意味良かったかも知れない
なお、後年に発売されたメモリアルボックスには、緑色に塗装された量産型ザンボットと思われるイラストが収録されていたとか。

影響を受けた芸能人も多く、俳優の上川隆也氏は『しゃべくり007』にゲスト出演した際に本作のプレゼンを行い、
「ヒーローがヒーローでいられなくなる物語」と前置きしながらも、その魅力を力説する姿からネットでも大きな話題を呼んだ。

ロボットアニメにおいて和風の要素を取り入れた初の主人公機でもあり、
日本古来の兜をモチーフにした頭部は伊達政宗が装備していた三日月の装飾が元になっているとされ、胴体も陣羽織を彷彿とさせる。
これは本作が当初、戦国時代を舞台にしたアニメとして企画されていた事の名残と言われている。
敵の母艦にしてラスボスの「バンドック」が四つ足の遮光器土偶としか表現できない異形の要塞なのもそのせいかも知れない。
デザインにはかなりの時間を要し、当時メカマンに勤めていた大河原邦男氏や藤原良二氏、キャラデザ担当の安彦良和氏等、
当時のデザイナーが総動員された。
中でも頭部デザインは実に32種も検討されていた。
最終的には安彦氏の手でまとめられ、『超電磁ロボ コン・バトラーV』等で知られる長浜忠夫氏の言葉を借り、
美容整形と例えられる位に評価されている。
円柱や角柱を手足に使っていた当時のロボットアニメにおいて、手足に角を落として厚みを付け、胴体にも段差を付ける事で、
合体メカである事が分かりやすくなっている。その分、線が多い事からアニメーター泣かせでもあったとか。
後のガンダムにも影響を与えたという指摘もあり、銃を初めて武器にしたザンボエースから着想を得て、
ガンダムの初期タイトルが「ガンボーイ」になったとも言われている。
また、合体前のザンボエース単体でも変形できるのは、それまで合体ロボか変形ロボの二種だった当時のロボットアニメにおいて斬新な物だった。
ボルテスVよりも少ない3体合体という点も受けたらしく、単体でも変形できるザンボエースで遊べ、物足りなくなったら2体買い足すという売れ方だった。
当時クローバーが発売した玩具はスーパーカーブームの時代でありながらもヒットし、関東では玩具CM付きで再放送が行われた程。
ちなみにクローバーは本作で初めてキャラクター玩具を扱っている。これも当時としては異例だったとか。
アニメ第1話

+ 『スーパーロボット大戦』シリーズへの参戦
『スパロボ』では『第4次』から参戦。
全体的には原作終了後のいるだけ参戦が多く、シナリオの再現率もやや低めの傾向にあるが、
原作でも強いトラウマ案件であった人間爆弾のシナリオ再現は初参戦時から行われている。
上述の担当声優の箇所でも述べた通り原作での勝平の声優である大山女史が出演を断った為、
各参戦主人公とオリジナル勢のみ限定ながら初のボイス付きとなったPS移植版の『第4次S』においても声なしの措置が取られ
(なお当時はサブパイロットが喋る演出も不採用だったので、宇宙太達も同じく声なし)、
サターンでのリメイクになる『F』で作品自体不参戦にされて以降はニンテンドウ64の『64』、GBAの『A』『R』等、
声なしスパロボにのみの参戦がしばらく続いていたが、『IMPACT』で代役解禁という形で声付きスパロボ参戦を果たすに至っている。

後番組であるダイターン3とは共演も多く、合体攻撃が用意される事も少なからずある。

「用意はいいかい、君たち?」

「おう!いつでも大丈夫だぜ!」

特に『Z』シリーズでは大きくスポットが当てられている。
初代『Z』ではキング・ビアルが初参戦(かつ2024年現在でも唯一ユニットとして使用可能)し、
戦闘で発生した難民や神ファミリーへの迫害しかも序盤で描写されたのが差別描写に定評のあるコズミック・イラ世界
人間爆弾に第8号からの問答など原作再現率が随一の高さを誇っており、
原作終了後の参戦となる『第2次Z』では次々番組である『無敵ロボ トライダーG7』と初共演し合体攻撃も登場。
『第3次Z』ではコンピュータードールの設定が掘り下げられ同型機が大量に登場するそしてしれっと占領されていたガバール星など、
大胆なクロスオーバーが展開されている。

ストーリーを忠実に再現しすぎると勝平がザンバード(ザンボエース)1機で戦わざるを得ないので、
原作終了後設定でも3人揃ってでの参戦となる場合がほとんど。
数少ない例外として、『R』の序盤では宇宙太達の犠牲に加え、第8号を取り逃してしまった事から未来世界でガイゾックが復活し、
唯一生き残った勝平も戦場から離れていたため、神ファミリーでガイゾックに対抗できる者が誰一人いないという原作に輪をかけた最悪の展開を迎えてしまう
(尤も『R』のオリジナル主人公一同がタイムスリップで過去に飛んだ事で、この最悪の未来を変える事になるのではあるが)。

性能面では勝平のパイロット能力があまり高くない傾向にあり(睡眠学習の設定を一夜漬けみたいに思われたのだろうか。
一応『A』では原作再現の一環として連邦兵がザンボットに乗るもののあっさりやっつけられて勝平達に交代するというイベントもあるのだが)、
その上合体ロボでは少なめの3人というパイロット(=精神コマンド要員)の人数に加え、
原作での堅牢さとは裏腹に装甲があまり高くなく、参戦初期は勝平の射撃値が低いので最強武器のイオン砲を上手く活かせず、
更にスーパー系のボスキラーなら必需レベルの(敵機撃墜時の獲得資金が倍になる)「幸運」を3人とも覚えないという辛い仕様を持たされていた
(これに関しては「持っていたら(原作からの)イメージに合わないから」である事が当時の攻略本にて明らかにされている)。
後には他のユニットに「幸運」がかかる「祝福」が登場したり(恵子が覚える場合もあり、自分でザンボットに使うという事も可能)、
原作で生き残れた勝平が「幸運」を覚えたりもするのでこの辺は解消されている。
+ が、こんな扱いも…
『A PORTABLE』(前述の『A』のPSP移植版)では、
勝平のエースボーナスが「「幸運」を使うと追加で「不屈」(ダメージを一度だけ極小にする)もかかる」というもので、
一見普通にオマケされてメリットしかないようなのだが、ステータス画面でそれぞれの頭文字が並んで「不幸」になるというネタが仕込まれてしまった。
流石にあんまりなネタだったからか、これ以降のエースボーナス採用作では別のものになっている
(ステータス画面の精神効果欄も「不」「幸」が並ばないようにされている。
 ……代わりに他パイロットの精神習得順が「不屈」「幸運」にされたりはするが)。

共演率の高いダイターン3との合体攻撃の採用率も高いが、勝平の能力が及ばない所もあり逆説的にダイターンの火力強化要員みたいになってしまいがちである
(というか合体攻撃初採用の『64』だとザンボット自体がGBソフトの『リンクバトラー』と64GBパックで連動させると追加参戦する
 という今でいうDLCみたいな隠し要素だったりした。ちなみにガンダムF91等も同様の扱い)。
『第3次Z』や『V』では勝平の特殊スキルに「反骨心」(パイロット能力の内「技量」が敵より低いと攻撃力等が上がる)が実装され、
更にカスタムボーナスにより、夜間または宇宙マップ限定でムーンアタックが必ずクリティカルになるなど、
低めの能力を補う措置が取られたりしている。『第3次Z』だとバグで機能しないようだが…

+ 戦闘デモ
『64』版
『IMPACT』版
『AP』版
『Z』版
『第2次Z破界篇』版
『第2次Z破界篇』版撃墜シーン
『第2次Z再世篇』版
『第2次Z再世篇』版撃墜シーン
『第3次Z天獄編』版
『V』版


「さて、どう戦い抜くかな?」


MUGENにおけるザンボット3

Gino Sodano氏による3Dモデルを使用して作られたものが存在。ボイスは外国語。
同氏製作のコンプゲー『THE WAR』用のキャラだが、MUGEN1.1専用キャラとして単体での使用も可能。
Kon-El from Partinico氏のグレンダイザーを素体としており、構成ファイル名が改変元のままだったり、
改変元から流用していると思しき技があるなどの面影が残っているが、性能自体は差別化されている。

ザンボットカッターやザンボットムーンアタック、イオン砲、
ザンバードが単身でザンボマグナムを放つなど、原作の技や演出が一通り搭載されている他、
突進技や合体前の分身が3体集合してビームを発射する技も所持している。
なお、元々巨体のロボット達が殴り合うコンプゲー用のキャラ故か、攻撃のリーチ・判定共に強烈。
改変元と同様に、一般的なサイズのキャラよりも巨大キャラと戦わせた方が良いだろう。
コンプゲー紹介動画(ザンボット3の出番は27:13から)


「さて、どう戦い抜くかな?
 へへ…聞いてくれたかい、爺ちゃん?
 俺、立派になっただろ…?」*2

出場大会

  • 「[大会] [ザンボット3]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
なお、第8号を演じた渡部猛氏は手塚治虫氏の『海のトリトン』(冨野氏もアニメ版に参加している)における敵対勢力、ポセイドン族の長老役も演じている。
ポセイドン族はトリトン族を迫害していたり地上の支配を目論んでいるかのように見えたが、実は広大な海で平和に暮らしたかっただけであり、
トリトン族がそんなポセイドン族を滅ぼしたという点から、本作における第8号と似たような役どころであった。
勧善懲悪の逆転劇はこの頃から考えられていた模様。

*2
こちらは『第3次Z』で収録された中断メッセージで、勝平の視点でナレーションが行われる形となっている。
シリーズ通しての長い戦いで成長した事を窺わせると同時に、
偶然にも本作発売前に逝去された平左衛門役の永井一郎氏へと向けた言葉ともとれる、深いメッセージとなっている。


最終更新:2025年02月01日 20:10