あらすじ
女の手首から、血は小指を伝い、川へと流れ落ちていた、絶え間なく流れる血は、川面と、橋の欄干に崩れている女の手首とを一条の赤い糸で繋いでいる。もう大分以前に、女の愛した男の命が流れていった川である。
今夜、女は死んだ男の後を追うために、この橋に立ち、手首を剃刀で切ったのだった。
大正期の小劇団「佳人座」の劇作家・絹川幹蔵は、女優・川路鴇子との異形の愛そのものを題材にした舞台『傀儡有情』で大評判を取る中、突如自害した。そして鴇子も絹川の四十九日に後を追う。なぜ絹川は成功の最中に自害したのか? 二人の愛の裏にあった真実とは……。
登場人物
- 私(片桐撩二)
- 絹川幹蔵
- 川路鴇子(津田タミ)
- 津田謙三
- 津田タミの夫。名の知られた詩人だったが、病床に伏している。
- 浦上フミ
解題
(スタブ)
各種ランキング順位
収録アンソロジー
- ミステリー文学資料館編『恋は罪つくり 恋愛ミステリー傑作選』(2005年、光文社文庫)
関連作品
- 対となる作品
- 『宵待草夜情』収録作
- 俳優・女優テーマの作品
最終更新:2018年07月06日 02:09