能師の妻


あらすじ

 昭和四十×年、東京都中央区銀座六丁目の工事現場から発見された右大腿部ならびに頸部の人骨は、人為的な切断の跡がみられることと、百年近く前のものと推定されたために、一時期マスコミの話題になった。発見された場所が、日本一の繁華街と言える銀座通りに近かったこともニュース性に加味された。大通りから少し奥まっており、昼間は車の音を遠くに、森閑とさえしているのだが、夜になると、四丁目交差点の近代的なネオンがすぐ近くに見える場所である。

明治22年、若き能楽師・藤生貢は義母の深沢篠によって殺害され、その死体はバラバラに解体され埋められた。死の三日前、亡父の遺志を継ぎ見事な『井筒』を舞ったという貢と、貢に虐待のごとき苛烈な稽古をつけたという篠。能の歴史からは忘れ去られ、犯罪史に名を残した母子の異常な関係の裏にあった真実とは……。

登場人物

    • 外枠の語り手。能楽の研究者。
  • 藤生信雅
    • 藤生流の能楽師。火事で長男と妻を失い、貢に藤生流を継がせようと篠を娶る。
  • 深沢篠
    • 信雅に嫁いだ深沢流の能楽師。貢に虐待のごとき稽古をつける。
  • 藤生貢
    • 信雅の次男。内面に底知れぬ空虚を抱えた少年。
  • 多加
    • 女中。

解題

(スタブ)

各種ランキング順位


関連作品


名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2018年07月06日 02:08