ジュラキュール・ミホーク

登録日:2012/03/09 Fri 10:58:25
更新日:2025/10/25 Sat 17:52:05
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3月9日生まれ 3月生まれ 43歳 CROSS GUILD ONE PIECE ONE PIECE大海賊 ONE PIECE登場人物項目 うお座 イケオジ インフレについていったキャラ クロスギルド ゲーム コメント欄ログ化項目 ジュラキュール・ミホーク ナイスミドル ミホーク ロロノア・ゾロの師匠 ワンピース ワンマンアーミー 一匹狼 七武海 世界最強の剣士 全世界人気投票30位 初登場がクリーク編~ローグタウン編終了まで 剣士 剣豪 四皇最高幹部 大物 小物界の大物←だいたいバギーのせい 師匠 意外と料理上手 懸賞金30億越え 掛川裕彦 武装色の覇気 気まぐれ 海兵狩り 海賊 王下七武海 略奪を許可された海賊 私掠船 自由人 見聞色の覇気 農家 青野武 静かに暮らしたい 非能力者 鷹の目 鷹の目のミホーク





おれは 先幾年月でも

この最強の座にて貴様を待つ!!

猛ける己が心力挿してこの剣を超えてみよ!!!


このおれを越えてみよロロノア!!!



ジュラキュール・ミホークとは、漫画『ONE PIECE』の登場人物。



【プロフィール】

本名・ジュラキュール・ミホーク
異名:鷹の目のミホーク、世界最強の剣士、海兵狩り
CV:青野武→掛川裕彦
演:スティーヴン・ウォード
所属:王下七武海CROSSGUILD(クロスギルド)最高幹部
懸賞金額:元懸賞金額不明(七武海当時)→35億9000万ベリー(クロスギルド結成後)
覇気武装色見聞色
年齢:41歳→43歳
誕生日:3月9日(フランキーシャンクスと同日)
星座:魚座
身長:198cm
血液型:S型(現実だとO型)
出身地:不明
初登場:単行本6巻・第50話・『己々が路』
最上大業物12工・黒刀「夜」、クロス型の仕込み刀
好物:赤ワイン
船:棺船


【概要】

世界政府公認の海賊である王下七武海の一角。
作中で最も早い段階で登場した七武海にして世界最強の剣士である。
上記の通り初期での登場にも関わらず、現時点に至るまで傷を負った描写はなし。

黒い羽付き帽に派手な模様が両袖と裏地にあしらわれた黒いロングコートを素肌に直接着用。
つまり裸コートなナイスミドル。
また愛刀の「夜」は最上大業物12工のひと振り=世界屈指の名刀にして自ら「世界最強の黒刀」と称するシロモノであり、到底腰には差せないので背中に担いでいる。
ちなみに刀には鞘は無く、コートに付けられた留め具に直接通している。

威風堂々たる佇まいは威圧感を与え、瞳はまるで鷹のように鋭いことから「鷹の目」の異名を持つ。
七武海の中では小柄な方だが、他が異常に大きすぎるだけ。
バスケットゴール並みの3メートルクラス、くまモリアだと2階建ての家くらいはあるだろう。
というかよくよく考えるとミホークの背丈でも並みの人は見上げるような高さだ。
平気で2~3メートル越えが出てくる背丈率といい、モブに至るまでの女性陣の異常なボンキュッボン率の高さといい、いろんな意味で人間離れした人間もザラにいる*1ことといい、一体どうなっておるのかこの世界……。


【人物】

◆世界最強の剣士

冷静沈着で気まぐれ、大人しそうだが実は好戦的で売られたケンカは買うタイプ。
後述の通りヒマつぶしという理由だけで1つの海賊団を殲滅させようとした。
まあ闘いがイヤでは世界一の剣豪なんて務まりませんな。

やはりというか常日頃から「世界最強の剣士」の称号を欲する血気盛んな挑戦者剣士がよく来るため、絶対の自信と格下相手ゆえの余裕・若干の呆れからか傲慢な態度を取ることも多い。
しかし認めた相手には敬意を払い、多少なりとも本腰入れて相手する義理堅さや懐の深さを兼ね備える。
普段は仏頂面のポーカーフェイスだが、覚悟を見せたロロノア・ゾロやルフィには笑みをこぼしたり大笑いしたりすることも。
自分を捕まえるために来た海軍の艦隊を前にして不敵の笑みを浮かべる面も。

◆一匹狼

七武海という立場にありながら、世界政府から召集された場合も呼び掛けに応じることは滅多になく、己の気の向くままに剣を奮っては海賊を狩り、根城としている偉大なる航路・クライガナ島シッケアール王国跡地にある古城に時々帰る気ままな生活を送っている。

世界政府からは「最も招集に応じない七武海」と見られているが、実際の所他のメンバーがあまりに不真面目だったり陰でヤバい事やっていたり革命軍内通者だったりするため、かつてのジンベエゲッコー・モリアと並んで一番まともに七武海の仕事をしていた可能性が高い。
七武海在籍中の作中の明確な犯罪行為は、賞金首ロロノア・ゾロに稽古をつけていたことぐらいだろうか。
政府の立場的にはかなりのやらかしというのは秘密に…。
とはいえ、初登場時には今まさに民間船を襲おうとしているクリークを放置して帰ったりしているため、やはり興が乗らなければ基本的にやる気はないタイプ。
そもそもほぼ壊滅状態に追い込んだ懸賞金2000万程度の弱小海賊を暇つぶしの為に偉大なる航路を離れて東の海に行って追い回した挙句、とどめを刺さずに放置する時点で七武海として怠慢および職務放棄と言われても仕方ない。
頂上戦争では、「赤髪海賊団との戦いは協定の範囲外」として離脱しているので、「協定の範囲内なら一応約束は守るが、それ以外の戦いは気分次第」と言ったところか。
強者以外への興味関心は薄いが、所構わず喧嘩を売るような戦闘狂からはほど遠く、むしろミホークにとっての益を示しつつちゃんと道理を通せば話が通じないタイプではない。
積極的に社会に関わる気が薄いだけで、曲者揃いの七武海の中では割とまともな感性の持ち主と言えなくもない。

七武海に所属しているものの、海賊旗を掲げているわけでも海賊団を率いている描写はなし。
ビブルカードによれば、気の向くままに剣の挑戦をしていたため海賊扱いな様子で、七武海に入る前は一応海軍に追われる身だった様子。
またクロスギルド結成の経緯が語られた第1058話では、ミホークの昔の異名が「海兵狩り」であった事が判明している。
読者の間では「若い頃は強敵を探して海賊だけでなく海兵も襲っていたのか」「海軍とは過去に何か因縁でもあったのか」など様々な推察がされている。
その後、108巻のSBSにおいて少しだがその過去に関して言及が為された。
原文そのままに引用すると「ミホークは海兵を恨む様な過去と、大きな裏切りにあってきた人なんです。だから、孤独という意味で人を信用しないクロコダイルと“同類”ですし、もう人生に疲れちゃってるトコあります。七武海は少なくとも海兵に追われないという意味では平穏なので加入したんだと思います。…が、その居場所も失ってしまった今、バギーの影に隠れる事を思いついたのです。」とのこと。
少なくとも海兵に対して良い過去はなく、かつ喩えプライドが傷付くような事で怒り心頭になろうが、わざわざバギーの影に隠れることすら許容してしまうような過去があるのは事実であるらしい。

航海士がいるわけでもなく、小さな一人用の棺船で単身偉大なる航路・新世界を難なく自由気ままに航海し続けてきたのだから、単純な強さのみならず航海能力も一流と言えよう。
方向音痴の誰かさんでは無理な芸当である。
他にはエースや青雉なども単身でグランドラインを渡る離れ業を見せているが、彼らの乗り物は悪魔の実の能力を活かしたものである。
何かしら移動に役立つ悪魔の実の能力を隠し持っているのでもない限り、彼らと比較しても航海能力は上と言えそうである。

◆シャンクスとの関係

"四皇"赤髪のシャンクスとは旧知の仲でかつて互角の闘いを繰り広げたライバルでもあり、二人の決闘は伝説と謳われたほど。
しかしシャンクスが利き腕の左腕を失って以降は「片腕を失った貴様と今更決着を付ける気などない」と語っている。
とはいっても仲が悪いわけではなく、ルフィが賞金首になったことをわざわざ新世界にいるシャンクスに伝えに行くなど、現在は飲み仲間のような関係となっている。

◆生活スタイル

世界一の大剣豪ながら、農作業が趣味だったり、料理が得意だったり、意外と庶民的で家庭的な一面も持つ。
農業に関しても凶暴で好戦的なヒューマンドリルを農夫化させてしまうという離れ業をしている。
料理に関しても腕前はペローナが絶賛するレベルらしい(刃物の扱いの技量は作中随一なので料理が得意でも不思議ではないのだが)。

シッケアール王国跡地を旅立つ際は、持って行く本と酒を選んでおり、ゾロと同じくお酒を、特にワインを好んでいる様子。

本人曰く、「四皇にならず、平穏を望む」とのこと。
海賊王を目指すような野心は無い様子。
ただ、野心や肩書きへの執着心は薄いが、自分の「世界最強の剣士」という立場へのプライドはあるためか、「バギーの下についた」と世間に誤解された時は流石に激怒している。


【戦闘能力】

世界一の称号は伊達ではなく、愛刀一本であらゆるものをぶった斬る
ファンからは「七武海最強」の呼び声も多い。

柔の剣もやはり世界一で、初登場時には銃弾の弾道を黒刀の切っ先でそっと変えるという離れ業を見せている。
初代「グランドバトル」ではスモーカーと勝負し勝った際には彼から「なんて柔らかい太刀筋だ」と称されていた。

ある意味『ONE PIECE』という作品の戦闘力インフレの遅さを象徴するようなキャラであり、一番初めに登場した七武海ながらワノ国編までその実力の底を見せていない。
かつてシャンクスとライバルであり、海軍本部からは「剣技ならばシャンクスを上回る」と評されるなど、その全力は四皇級。
シャンクスが30億の賞金首にしてまがりなりにも四皇ビッグマムを陥落させたユースタス・キッドすらキラーごと一撃KOさせたことを考えると、何回も互角に渡りあった事実がどれだけ凄いかよくわかる。
そら語り草にも伝説にもなるわ…。

実力的には海軍本部大将に準ずる者がほとんどの七武海の中でもその本気は別格といえる。
当然見聞色と武装色の覇気を高レベルで使いこなすことができる。

一切の部下を引き連れていないにもかかわらず「他の海賊への抑止力たりうる」と海軍に判断されたこと自体がイレギュラー極まりない事態であり*2、少なくとも海軍の認識としては「ミホーク1人=大海賊団相当」に匹敵するレベルの戦闘力・影響力であるということを示唆している(これは初登場時に1人でクリークの大船団を壊滅させたことからも、決して海軍の過大評価ではないとわかる)。
七武海は単純に「強ければ選ばれる」というものではなく、他の海賊や民衆への影響力も考慮して選出される制度だが、ミホークに限って言えばただその剣の腕一つで、他の強豪海賊たちを抑止しうる存在と判断されたのだろう。

悪魔の実の能力の有無についてはハッキリとは明言されていないが、少なくとも作中で描写されている限りでは使っていない(ガレオン船斬りを見たクリークが「悪魔の実の能力だ」と言っているシーンはあるが、これは修業を積んだゾロでも可能なので、クリークの早合点でしかないと考えるのが妥当だろう)。
現在のところ海水や海楼石に触れたシーンはなく、能力の有無を断言できる場面はないが、ゲーム版での落水ダメージなどは一応非能力者扱いである。
七武海廃止後に始動したミホーク型のパシフィスタ「S-ホーク」は、S-スネークやS-ベアと違ってスパスパの実という他者の能力を有しているが……?

黒刀」は武装色の覇気“硬化”の末に「刀が“成る”もの」とワノ国編にて語られており、「夜」以外では剣豪リューマの「秋水」のみ確認されている。
この黒刀がミホークの手で“成った”ものなのかは現状不明。
稽古中のゾロに対し「全ての刀剣は“黒刀”に成り得る」と発言しているので、彼が実際に黒刀に成る様を見た・いずれかの剣を黒刀に成らせた事は確実と思われるが。

なお、頂上決戦開幕の試しの一振りはダイヤモンド・ジョズに受け止められたが、ミホークがダイヤモンドを切断できるのかは不明。
これはミホークが闇雲に全力を出さない主義である上、相手が多くて全力を出しにくい乱戦であったことにも起因する。

「鷹の目」の名に恥じず動体視力も世界一の剣士に相応しく超一級品で、マリンフォード頂上戦争で彼と相対したルフィがギア2で逃げに徹した際も事も無げに捉えていた。
ルフィが明確に戦闘を嫌がった数少ない相手でもある。
一方のミホークも、ルフィの真の驚異は「戦闘力」ではない部分(後の緑牛の言葉を借りるなら「影響力」か)にあると即座に分析し、「この海で最も恐るべき能力を持っている」と評している。
物事を他者の情報に流されずその目で冷静に分析する洞察力も流石のレベル。

第50話、単行本第6巻と非常に早い登場ながら未だ傷を負った描写は皆無。
まさに世界一の称号に偽りなし。


【武器】

ミホークが常に背中に背負っている十字架型の黒刀。
最上大業物の一振り。
ちなみに宗教描写の関係で海外版では鍔の長さが短くなっている(武器としてはこっちの方が妥当そうだが)。
単純に刀として見ても相当大振りな刀だが、ミホークの常識の埒外の剣技により自身の腕のように扱い、数百メートル離れた氷山も一刀両断する異様な切れ味と射程を発揮する。
ミホークは服を掛けるハンガー代わりにしたり、時々扱いが雑。

  • ペンダント型のナイフ
ミホークが首から下げている十字架型のペンダントの中に仕込まれたナイフ。
特に銘などはない本当に単なるナイフだと思われる。
十字架の長い部分に刃が仕込まれており、刃渡りは精々中指の長さ程度。
当然、柄は十字架の短い部分になるので、力を込めて握る事など適わず親指と人差し指だけで保持せざるを得ない。
常人からすると、戦闘用途では武器どころか暗器としての用いるのも困難と言える代物。
日常用途でも果物の皮むきかペーパーナイフとしての運用が精々であり、実際にミホークは扉絵でたこ焼きを食べる際の爪楊枝代わりに用いている描写もある。
しかし、こんな玩具みたいなナイフでもミホークの超絶技量にかかれば、当時のゾロの必殺技である「鬼斬り」を一突きで容易く止め、三刀流による猛攻をほぼ微動だにせず捌き切る芸当が可能。
要はミホークが「夜」を抜くに値しない"弱き者"を相手取るときに用いる、舐めプ用の武器なのだ。
当然ながら、こんなもので容易くあしらわれてしまった相手剣士のプライドを抉る切れ味は、ある意味「夜」以上
実際、このナイフ1本で三刀流を圧倒されたゾロは、へし折れそうになる己の心を奮い立たせるのに必死になるあまり、緒戦では半狂乱に陥ってしまった程である。
ゲームなどではミホークの弱攻撃用武器として使われることが多い。


【来歴】

◆過去

本編登場以前の詳しい動向は不明。
海賊王ゴールド・ロジャー処刑の日に見物人の一人としてローグタウンにいたのが唯一の過去描写である。
帽子と「夜」は無いものの基本的な服装はこの頃には確立している。

若かりし頃は「海兵狩り」として有名だったことがクロコダイルから語られている。

七武海入りした理由はハッキリとは語られていないが、おそらく「海兵に追われるのが鬱陶しい」とか、そんぐらいの理由だろう、多分。
ミホークは自分から約束を違えるようなことは基本しないので、「ミホークが海軍を襲わない代わりに海軍もミホークを追わない」という落とし所は双方にとって有益だったのかもしれない。

左腕があった頃のシャンクスとの決闘の日々は、伝説として世界に轟いた。

◆東の海編

バラティエ編

「井の中の吠えし蛙よ、世の広さを知るがいい」

暇を持て余し海を流離っていたところ、東の海から偉大なる航路へ乗り出して間もない首領クリーク率いる海賊団と遭遇。
東の海の覇者と謳われ、団員5000人・海賊船50隻からなる彼の強力な海賊艦隊"ヒマつぶし"と称してたった1人で相手取り、ほぼ壊滅状態に追い込んだ。
急な嵐の襲来によって首領クリーク含む海賊団主力を乗せた旗艦は取り逃してしまうが、興を咲かす強者との戦いに飢える彼が不味い雑魚を何千人狩ろうと満足するハズもなく、最も旨味が詰まっているであろう旗艦への追撃を開始。
東の海まで逃げ帰り、再起のため海上レストラン「バラティエ」を襲撃しようとしていたクリークの元へ追い付き、旗艦の巨大ガレオン船を一刀両断するド派手な本編初登場を決める。

ここでバラティエに滞在中だった麦わらの一味と初接触となり、"世界一の剣豪になる"野望のためミホークを追い求めていたロロノア・ゾロから一騎打ちを申し込まれる。
すでに剣士としての力量差を理解しながら、それでも己に挑まんとするゾロの勇気が心力の強さ故なのか、はたまた無知故の慢心からなのか見極めるべく、ミホークは決闘を受け入れる。
「こんなに早く会えるとは考えてなかった」と意気込むゾロに対し、ミホークは早く出会えたところでお前は己の未熟さに打ちのめされるだけだし、そんな未熟者と戦っても俺はちっとも楽しくないという意味を込めて「無益」と一蹴。
ゾロの力量の程度をすでに見抜いていたミホークは、黒刀を抜くまでもない相手と判断し、首にかけていたクロスの仕込み刀を抜く。

「あいにく、これ以下の刃物は持ち合わせていないのだ」

玩具のような小刀を向け舐め切った態度を見せるミホークに激昂したゾロは初っ端から大技「鬼斬り」で斬りかかるも、ミホークは小刀の一突きで技の発動を封殺。
この現実を受け入れられず、半ば狂乱状態に陥ったゾロの剛腕で振るわれる三刀の連撃を、小刀1本で悉く打ち破る圧倒的な実力差・格の違いを見せつける。
あまりに高く厚い世界の壁を突き付けられながら、それでも絶望しそうになる己の心を必死に奮い立たせ戦うゾロの姿に、ミホークは彼が決して譲れぬ何かを背負って戦っている事を看破。

「何を背負う、強さの果てに何を望む…弱き者よ」

果たしてゾロの背負いしモノが真に強き心力へと結びついているか否かを見極めるべく、ミホークはゾロの技の隙を突いて小刀をその胸に突き立てる。
心臓の手前まで刃を喰い込ませ、もうひと押しするだけでゾロの命を取れる状況に追い込むが、ここで冷静さを取り戻したゾロは決して自ら後ろに身を退こうとはせず。
何故退かぬのかと問いかけるミホークに、ゾロはここで退いて自ら敗北の道を選び命を拾うくらいなら死んだ方がマシと言い切る。
文字通り死を目の前に突きつけられても己が信念のため一歩も退かぬゾロの覚悟と意志の強さを汲み取ったミホークは、自ら小刀を引き抜き鞘に納める。

「覚えておく、久しく見ぬ”強き者“よ」
「そして剣士たる礼儀をもって世界最強のこの黒刀で沈めてやる」

ゾロの心力の強さが口先だけでない真のものである事を認めたミホークは、剣士としての敬意を示すべく、ついに背中の黒刀を抜く。
対して絶体絶命の状況に変わりはないゾロは当時の最強技「三刀流奥義・三千世界」を繰り出し、ミホークを迎え撃つ。
互いの刃が交錯する瞬間、その太刀捌きにミホークは一瞬戦慄を覚えるも地力の差は覆しがたく、ゾロの奥義を難なく打ち破り両手の二刀を完全に破壊。
ミホークは最期の一撃を加えるべく黒刀を再び振りかぶるが、敗北の事実を受け入れたゾロは残った刀を納刀し、敢えてミホークに向き直りその身を投げ出す。
土壇場でのゾロの行為を訝しがるミホークであったが…

「背中の傷は、剣士の恥だ」
「見事」

最期の瞬間まで剣士の誇りに殉じようとするゾロの心意気を、ミホークは笑みと共に称賛し、彼の望み通り正面から一撃で斬り伏せた。
が、瀕死の重傷は与えたものの「貴様が死ぬにはまだ早い」として、とどめは刺さず。
そして項目冒頭の言葉をゾロに投げかけ、いつか倒しに来いと鼓舞かつ激励を飛ばした。
ちなみにこの時、ゾロの助太刀に入りたい気持ちを必死に抑えて決闘を最後まで見守ったルフィに対しても「よくぞ見届けた」とその心意気を認めている。
更にゾロが血と悔し涙に濡れながらも「二度と敗けねェから」とルフィに約束する姿を見て、その確かな絆に強い笑みも浮かべている。

こうして思わぬ強き者との出会いに大いに満足したミホークはその場を去ろうとするが、そこへ本来の標的であった首領クリークが懲りずに絡んでくる。
だが、すでにクリークへの関心そのものを失っていたミホークは、呆れた一瞥だけ残して退散。偉大なる航路へと帰っていった。

アーロンパーク編

「こんな島でキャンプとは…………呑気な男だ…」

アーロン一味を撃破し、名実ともに東の海最強の海賊となったルフィの手配書を入手したミホークは、とある海賊が野営中の小さな島へと上陸。
島の海岸で慌てふためく下っ端共をひと睨みし、奥地に陣取る船長と幹部達の元へ赴く。

「よぅ"鷹の目"、こりゃ珍客だ。俺は今、気分が悪ィんだが…勝負でもしにきたか?」
「フン…片腕の貴様と今さら決着をつけようなどとは思わん」

かつてミホークと互角に戦った事が示唆されるこの男こそ、赤髪海賊団の大頭"赤髪のシャンクス"であった。
ミホークがシャンクスの元へ訪れたのは、無論戦う為でなく、ある"確認"をする為。
己が興味を抱いた海賊・麦わらのルフィが、かつてシャンクスが語って聞かせた「面白いガキ」と同一人物か知りたかったのである。
ミホークから手配書を見せられ、ルフィが海賊として海へ出た事を知ったシャンクスと赤髪海賊団の面々は大喜びでを開催。
「鷹の目、お前も飲んでけ!!な!!」と、ミホークも宴会に巻き込まれるのだった。


◆偉大なる航路編

ジャヤ編


「つまらぬ言い合いが聞こえるな、おれは来る場所を間違えたかな?」
「”海軍本部“に”七武海“……対峙する勢力同志ではその”円卓“もあまり意味を成さん様だな」

王下七武海の一角サー・クロコダイルを撃破した事で、いよいよ麦わらの一味を無視できなくなった世界政府は、クロコダイル後任の七武海の選定と麦わらの一味の情報を共有すべく、残り6人の七武海メンバー全員に聖地マリ―ジョアへと召集をかける。
が、所詮身勝手な海賊であるため基本的に無視を決め込まれる事が多く、6人中2来ただけで"想像以上"海軍元帥センゴクから皮肉られる中、意外な3人目として現れたのがミホークであった。
海軍や他の七武海メンバーからも招集には最も応じないと見なされていた男の登場には、センゴクすら驚きを隠せぬ様子だった。

とはいえ「麦わらの一味が議題に上がったから来ただけで元々来る気はなかった」としており、その言葉通り会議も口出しせずに傍観しただけであった。

マリンフォード頂上戦争編


「さて運命よ…あの次世代の申し子の命ここまでか」
「あるいは…」

「この黒刀よりどう逃がす………!!!」

クロコダイルの後任に収まった新人七武海マーシャル・D・ティーチが拿捕したポートガス・D・エースの処刑を巡って、四皇の一角にして当時世界最強の海賊「白ひげ海賊団」と世界政府間における大規模な戦争が勃発。
戦いに先立ち、世界政府は保有戦力である海軍はもちろんの事、王下七武海全員にも強制招集をかける。
平時の招集とは異なり拒否すれば七武海の権限剝奪が確定する"厳命"ということもあり、ミホークも戦争へ参戦。
海軍の大要塞マリンフォードの最前線に他の七武海メンバー共々陣取り、対局のカギを握ることとなる。

「推し量るだけだ…近く見えるあの男と我々の本当の距離を…」

海中からマリンフォード湾内へ白ひげ海賊団の海賊船モビーディック号が侵入し、いよいよ開戦
船の船首に堂々と仁王立ちする"白ひげ"こと船長のエドワード・ニューゲートを視認したミホークは背中の黒刀を抜く。
そして当時"世界最強"と謳われた白ひげの強さ、"その本当の距離"が如何なるものか推し量るべく、白ひげに向けて飛ぶ斬撃を放つ。
氷結したマリンフォード湾内の海面を叩き割りながら強烈な斬波が白ひげへ迫るが、モビーディック号に到達する直前で白ひげ海賊団3番隊隊長"ダイヤモンド"・ジョズに受け止められ届かず。
ミホークも試し斬り目的で放ったとはいえ、世界一の斬撃を容易く防ぐ白ひげ海賊団の層の厚さをまざまざと見せつけられる形となった。

その後は進軍を開始した白ひげ海賊団を迎え撃つべく海兵や他の七武海共々湾内に降り立ち、乱戦に傾れ込む。
次々と押し寄せる海賊達相手に剣を振るっていた最中、突如として空から軍艦が湾内へと落下。
海面に叩きつけられバラバラになった軍艦から這い出してきたのは、ジンベエやクロコダイルといった元七武海メンバー含めインペルダウンの囚人達を引き連れたモンキー・D・ルフィであった。

「話題に事欠かん男だ…"麦わら"」

どよめく戦場に反してミホークは早くからルフィの秘めたる力の大きさを感じ取ってきた故か、突然現れて戦場を引っかきまわす"台風の目"と化したルフィにもまったく動じず、センゴクから「革命家ドラゴンの息子」である事をカミングアウトされても「今更、何も驚きはない」と平静を保っていた。
だが、ここは戦場。兄であるエースの救出という白ひげ海賊団と目的を同じくしていたルフィは、当然それを阻止する側にあるミホークの明確な敵。
エースの囚われた処刑台に向かって突っ走るルフィの前に、ミホークが立ちはだかるのも必然であった。

「悪いが赤髪…この力、慎みはせぬぞ」

かつてのライバルに詫びつつ、一切の手加減抜きで戦う事を決意しルフィの行く手を遮るミホーク。
対するルフィも、バラティエでのゾロとの決闘を見てミホークの異常な強さを十分理解していた。
エースの処刑が始まる前に何としても処刑台へと到達せねばならない切迫した状況もあり、「あんな強ェのと戦ってる場合じゃねぇ!!!」とミホークとの戦闘を回避し、すり抜ける事を即決。
エニエスロビー編にて習得した目にも留まらぬ高速移動術"剃"の技量を用いてミホークの眼前から姿を消し、周囲の戦いに身を潜めて突破を試みようとする。
数多の海賊と海兵でごった返す乱戦の渦中に紛れたルフィを見つけ出すのは、さしものミホークも困難と思われたが……

「射程範囲だ」

なんとミホークは高速移動して消えたルフィの居所を即座に看破。
乱戦中の人だかりの隙間を縫うように飛ぶ斬撃で、ルフィだけを斬りつけるという離れ業により捉える。
斬撃を喰らったルフィは、傷は浅くも予想もしなかった不意打ちを受けた事で転倒。
そこへ割って入ってきたかつてミホークに挑んだ因縁のあるというニューカマーコンビを一薙ぎで瞬殺しつつ迫るミホークに、ルフィは迎撃のパンチを打ち込もうとするが、打とうとした瞬間にカウンターで腕を斬り落とされる光景が脳内に過った事で、パンチを自ら地面に逸らせて攻撃を無理矢理中断。

「意外に冷静じゃないか…」

その様子を見ていたミホークはルフィの優れた戦闘センスを評価するも、さりとて攻撃の手を緩める気はなく、ルフィの眼前に迫り黒刀を横薙ぎに一振り。
それをブリッジ回避で躱すルフィだが、仰け反った視線の先で起こった現象に戦慄。
ルフィの回避した斬撃が、数キロ先にある山のように巨大な氷壁*3を横一閃に両断し、宙に浮かせていたからである。
何気なく振るった斬撃の余波だけで途方もない大破壊を引き起こす凄まじい光景には、周囲で乱戦中だった一部の海兵・海賊までもが目を見張り、一瞬戦いの手が止まった程。
ミホークと初めて遭遇した無名の駆け出し海賊だったあの頃より、数多の強敵との激闘を重ね、同格の七武海を2も撃破し、今や3億もの賞金を懸けられる大海賊となったルフィ。
だが、それでも尚ミホークは未だ次元の違う実力を誇るバケモノである事が明白になった瞬間であった。

「さァどうする!!!」
「兄から遠のく一方だぞ!!!」

蛇のように変幻自在な斬撃を次々と繰り出すミホークに対し、紙一重で回避し続けるしか打つ手が無く、膠着した状況に歯咬みするルフィ。
だがその最中、ふと頭上で旋風に巻き上げられる道化のバギーを見つけたルフィは、腕を伸ばしてバギーを捕まえると、なんとミホークの前に身代わりとして突き出す奇策"ゴムゴムの身代わり"を実行。
両断されても粉微塵にされても元通りなバラバラの実の能力者であるバギーを盾にして、ミホークの射程からの離脱を試みる。
バギーの反撃も一蹴し、脱兎のごとく駆け抜けていくルフィを逃さず追撃をかけようとするミホークであったが、そこへ白ひげ海賊団1番隊隊長マルコの呼びかけを受けた5番隊隊長を務める二刀流の剣士"花剣のビスタ"が横槍に入る。
流石に世界最強の海賊団の幹部剣士相手ではミホークも一蹴とはゆかず、鍔迫り合いとなった隙にルフィはミホークの戦闘領域を突破する。

ここまでの戦闘経緯を踏まえたミホークは、能力や技ではなく、その場にいる者達を次々と自分の味方につける資質こそルフィの持つこの海で最も恐るべき力であると評するに至った。

ルフィを取り逃がした後も暫くは花剣のビスタと戦闘を続けていたミホークだが、海賊達を湾内に封じ込める海軍の作戦が開始され、湾頭へ回り込んだパシフィスタ軍団による挟撃が始まる。

「勝負は預けよう――ビスタ」
「互いにその方が利点がありそうだな!!」

このまま湾内に留まるのは危険と判断したミホークは、ビスタにこの場では勝負を預ける事を提案。
ビスタもミホークと戦う事が目的ではなかったので提案に乗り、互いに身を引いた。

戦争もいよいよ佳境へと突入し、マリンフォード湾内から処刑台前広場へと主戦場が移る中、ミホークは処刑台へひた走るルフィを再び急襲。
するとそこへ、海軍の思惑通りになる事を望まぬサー・クロコダイルの命を受けたダズ・ボーネスがルフィとの間に割って入り、ミホークの飛ばした斬撃を受け止める。
ダズは全身を鋼鉄硬度の刃物にできるスパスパの実の能力者であったが、彼を知っていたミホークはニ撃目で鋼鉄の肉体を容易く斬り伏せ、三度ルフィへと迫る。
だが今度はダズに命令を飛ばした元七武海のクロコダイル本人が、入れ替わるようにミホークを迎撃。
またもや第三者の横槍でルフィを取り逃がす形となった。

その後はルフィを巡り合う事もなく海賊達と戦い続けていたようだが、その最中、突如としてシャンクス率いる四皇・赤髪海賊団が戦場に現れる。
シャンクスがその場にいる全勢力に戦闘の停止を要求すると、ミホークは「赤髪海賊団との戦闘は協定の範囲外」として、いち早く戦場に背を向ける。
実際、この戦争前にミホークが承諾したのは白ひげ海賊団との戦闘のみであり、事前の想定通りとはいかなかったにせよエース&白ひげ両名の死亡というこの戦争の絶対目標はすで達していた状況。
にも関わらず、このままなし崩し的に赤髪海賊団との戦いにもつれ込むようなら自分はもう海軍に手を貸さないという姿勢を鮮明にし、戦争終結を後押しした。


頂上戦争後


(不器用な奴め)
(…お前の様な男がプライドを捨てる時は必ず)
(誰かの為だと決まっている)

マリンフォード頂上戦争の終結後、根城のシッケアール王国へ戻るとバーソロミュー・くまに飛ばされてきたゾロとペローナ勝手に住み着いていた
地味にここで初めて帽子を取った姿が見られる。

自分に師事を仰ぐゾロに対し最初は、ヒューマンドリル(後述)にすら勝てず頭を下げる様を侮蔑するが、実は既にゾロはヒューマンドリルを全て倒していたことや「ミホークを超えるため」といいつつ頭を下げる彼の心意気(仲間のために己のプライドを捨てるという、野心に勝るものを見つけたこと)を知り、普段は仏頂面な彼には珍しく大笑いしつつも満面の笑顔を浮かべてゾロに稽古をつけることを承諾。

以後二年間、若造とゴースト娘とオッサンの奇妙な同居生活を送る。
また、ゲッコー・モリアの死が報じられ涙を流すペローナに対し、その信憑性に疑問を呈していた。
後にミホークの疑義は的を得ていたものと判明する。

因みにアニメ版では引き伸ばしの兼ね合いでルフィ・エース・サボの出会いからルフィが海へ出るまでを描いた回想編が終わった次の回にて、原作では描かれなかった世界中に散った麦わらの一味が新聞を通じて頂上戦争が起こった事やエースの死、そしてルフィの現状を各々が知るオリジナルストーリーが割り込んでいる。
ここでは戻ったばかりのミホークがゾロに「ルフィの目の前でエースが死んだ」と伝える場面(一味ではゾロだけが新聞ではなく現場にいた人間から事情を知らされた)、ルフィが一味ではない人物達とマリンフォードに現れた事情をミホークが理解する場面がある。

◆新世界編

二年後の新世界編では世界最強の剣士から農家のオヤジに転職
ペローナと共にクライガナに棲む物真似ヒヒ「ヒューマンドリル」を従え、クライガナの開拓に勤しんでいる模様。
ヒューマンドリル達は人々の戦争を見続けた結果、剣術を覚えた獰猛なサルたち(前述の2年前ゾロも、群れを相手取った後はボロボロだったほどでミホークもその実力は認めている)だったが、彼らに農業を覚えさせて気性を穏やかにさせるという離れ業をサラっとなしている。

ワノ国編


「気をつけて行け」

第一幕終了後、一方の世界情勢編にて再び登場。
拠点のシッケアール王国跡地で元・王下七武海モリア生存の新聞を見て泣いて喜んだペローナをあやしていた*4
モリアに再びついていく為、跡地を去ろうとするペローナに対し無碍にせず別れの挨拶を告げつつ、今出ていくことは賢明だと諭し、「レヴェリーにて“妙な議題”が出ている…」と世界情勢を危惧していた。


「武者ぶるいがする……」
「久しぶりだな……追われる立場に戻るのは……フフ」

第二幕終了後、先々から噂されていた王下七武海制度撤廃の実現に伴い、称号剥奪。
海軍が現七武海の海賊の面々に向けて討伐軍を派遣し拿捕を開始した中、当該人物として狙われる。
しかしそんな状況でも不敵な笑みを浮かべて「武者震いがする」と余裕を見せた。
並みの戦力で物量作戦を仕掛けたところでまず通じないだろうに、海軍にはどんな作戦があるのだろうか、と読者から思われていたが……


「ちょうど今海軍に島を取り囲まれてる」
「面倒だが拠点を移さねばならない」

第三幕の決戦後、新たに四皇となったバギーが設立した新会社「クロスギルド」にクロコダイルと共に参入していることが判明。

クライガナ島を海軍に包囲されても余裕綽々で引っ越しの準備をしていた所へクロコダイルから電話が入り、自分と組めば海軍は勿論誰もが無視できぬ組織が出来上がると誘われる。
この時クロコダイルに「誰も信用しないお前はおれと同類」と言われたことに思う所があったのか、誘いを承諾。
なお海軍の包囲はあっさり突破し、新世界に到着した模様。

四皇赤髪のシャンクスを上回る剣術を危険視され、個人でありながら新四皇のルフィ達をも超える懸賞金を懸けられる。
懸賞金発表時点で組織のトップに立っていないにもかかわらず30億を超えている唯一の人物。
世間ではバギーの部下にクロコダイルとミホークがなったと言われているのに対し、それを聞いたゾロはミホークは人の下に付くタイプではないと疑問に思っていたが…


「ゴメンで「四皇」に成り上がる男はお前が最初で最後だろう」
「死んでもらわねば示しはつかんな…」

ワノ国編終幕後に明かされた真相は、バギーの部下が勝手に二人を部下扱いしたビラを作り、瞬く間に世界中に流してしまったというもの。
流石のミホークもこれには気分を害したようで本来格下には抜かないはずの夜を使ってまで「死んで貰わねば示しはつかんな…」とまで言うほど怒りを露わにしている。
尤もこれは四皇の座を持っていかれたことではなく、この程度の男の「下」に付いたかのように扱われたことに対してだろう。

二人揃ってバギーを斬撃や刺突が効かないのでタコ殴りにし、バギー必死の命乞いも「無理な相談だ」とバッサリ切り捨てていたが、そこでふと「平穏な暮らしが望みの自分が四皇になるよりはバギーを四皇にして、矢面に立たせる方が都合がいい。その気になればいつでも消せる」と思い付く。
クロコダイルにそう提案してみた所、向こうも表裏の顔の使い分けの利点を熟知していた事もあってこれをあっさり承諾。
スケープゴートにする形でクロコダイル共々形式上とはいえバギーがトップとして立つことを認めた。

海賊船がバギーを模したデザインになり、バギーをシメるトラブルこそあったが、海兵狩りもTボーンを討ち取るくらいには実績を挙げ順風満帆な成果をクロコダイルと話し合う。
しかし海賊活動をビジネスとしてしか捉えていないクロコダイルと平穏しか求めないミホークに対し、しびれを切らしたバギーがクロスギルド構成員に対し、夢を追う海賊としてのあり方を演説。
ボコって止めようとするも夢の一瞬のために命を省みなかったバギーのワンピース争奪宣言によりクロスギルドの構成員を焚き付けた。
よもや実力がこの程度の存在に「この海で最も恐るべき能力」を見せつけられる羽目になるとは…


【実写版でのミホーク】

2023年にNetflixで配信された実写ドラマにも登場。
演じているのは南アフリカ出身の俳優、スティーヴン・ウォード。
精悍な顔つきのナイスミドルで、俳優としては無名に近いが、その容姿の原作再現度の高さはファンの間でも評判になった。
ちなみに日本語吹き替え声優は、アニメ版と同様に掛川裕彦氏が担当している。

◆ストーリー中での活躍

王下七武海の一角という点は原作通りであるが、今作ではガープ中将の知り合いというオリジナル設定が付与されている。


第1話冒頭のゴールド・ロジャー処刑のシーンにて、群衆の中に若い頃の彼と思われる人物がすでに見られる。


本格登場するのは第5話から。
東の海でルフィを追撃中に反撃を喰らって軍艦が損傷し、丸2日は海上で身動きできなくなってしまったガープ中将。
近海の海軍支部に救援を要請するコビーの提案を拒否し、ルフィを自ら捕らえる事に拘るガープは電伝虫で内密にミホークへと連絡を取る。

「何か用かな、ガープ中将」

その時ミホークはとある島にて、クリーク海賊団相手に"ヒマつぶし"という名の激戦を繰り広げている真っ最中だった。
砲弾が雨あられと降り注ぐ中、巨大な黒刀「夜」を軽々と振り回して次々に襲い掛かる海賊達を易々と斬り払い、沖合から砲撃を加える海賊船を飛ぶ斬撃で真っ二つにするなど、圧倒的な戦闘力で蹴散らす。
ついに元締めの首領クリークと対決し、彼の猪口才な戦法もまったく寄せ付けず、ウーツ鋼の鎧ごとバッサリ斬り捨て討ち取った
ちなみにクリーク海賊団と事を構えたのは「昼寝の邪魔をされた」のが理由であった事が明確にされた。*5
ガープとの通話に戻ったミホークは、「ルフィを生け捕りにして連れてくる」事を要請される。
まったく無名の海賊気取りの若造を生かして捕えてこいという、七武海を担ぎ出すにはあまりに程度の低い依頼にも思えるが、ミホークは「面白そうだ」と要請を受諾。
この事からガープはこれまでもミホークの興を咲かすにたる強敵の討伐を度々要請していたと見られ、彼にとってガープの依頼にはある種の信頼もあった事が伺える。
ミホークはクリーク海賊団を滅ぼしたその足で、東の海のサンバス海域へと入る。

ルフィの手掛かりを得るべくサンバス海域の海上レストラン「バラティエ」の酒場スペースにて情報収集していたところ、酒に酔ってルフィの事を饒舌に語るウソップを見つけ接近。
ルフィがこのバラティエにいる事を知ったミホークはウソップの飲み友達という体で一味の元へ赴くが、そこに居合わせたゾロから決闘を申し込まれる*6
決闘を受け入れたミホークは明朝、バラティエ入口前の桟橋広場にてゾロとの一騎打ちと相成った。
なお、本来の目的であったルフィとはここで初めて対面しており、「海軍がこんな小物一匹捕らえるのに俺を遣わすとは驚きだ」と侮りつつも、麦わら帽子を見て「その帽子は悪くない」旧知の誰かとの関係を匂わせる発言もしている。

決闘の流れそのものは概ね原作通り。
最終的にゾロを黒刀で斬り伏せ敗北に追い込むも、その強い心力を見込んで成長を期待し命は取らず*7
ガープから捕えてこいと要請されていたルフィに対しても、海賊王になる強い想いを聞いた事で「面白い奴が増えるのも悪くない」と見逃す事にするのだった。


第6話では、事後報告のためガープ中将の軍艦へと来訪。
ガープの執務室でデスクの上に黒刀と足を投げ出しながら大胆不敵に待っており、ルフィについて「逃がしてやる事にした」と伝える。
当然ガープから命令不履行だと咎められるが、それに対しミホークはあくまで個人的な知り合いの頼みをヒマつぶしに聞いたに過ぎず、命令に従った覚えはないというスタンスを露わにし、同じ政府側に属していても七武海は海軍の下働きに甘んじるような連中ではない事が視聴者へ明確に示される形となった。
ガープに「あの小僧が偉大なる航路でどう化けるのか見てみたい」「楽しみだ、お前の孫が大秘宝を見つけるかもしれん」と挑発的な言葉を残し、軍艦を去って行った。


シーズン1最終話にも登場。
原作通り、アーロン撃破により3000万ベリーの賞金を懸けられたルフィの手配書を持って赤髪のシャンクスの元へと赴く。

「オイ野郎共、王下七武海がわざわざお出ましだ…少しは敬え」

二日酔いで気怠げに軽口を叩くシャンクスとは裏腹に、仲間達は警戒感を露わにする。
ミホークが手配書を取り出そうと懐に手を入れた時にはヤソップとラッキー・ルウは即座に応戦できるように手をかけるなど、あくまで敵同士であるという両者の線引きが明確になっている。
だが、ルフィの手配書を見せると一気に和やかな雰囲気となり、シャンクスは二日酔いにも関わらずの開始を宣言。
シャンクスに「お前も飲んでけ」と誘われたミホークは「一杯くらいなら付き合おう」と乗るのだった。


【ゲーム作品でのミホーク】

初出は「From TV animation ONE PIECE グランドバトル!」と古参。
同作でシャンクスと共にバランスブレイカーだったのを皮切りに、プレイヤーキャラとして登場すると大抵隠しキャラで強キャラになる。

ゲームボーイ&カラー共通ソフト「From TV Animation ONE PIECE 幻のグランドライン冒険記」も例外ではなく、最強クラスの耐性と能力を持ち、銃の攻撃をすべて回避する能力まで持つ。
…だが、入手方法は、


通信対戦で100回負ける。

正直無理がある。
ちなみにライバルのシャンクスは100回勝利。



【余談】

担当声優の交代

2010年5月に担当声優の青野武が病気のため全ての役を降板せざるを得なくなり(その後2012年4月に永眠)、ミホーク役はフォクシー一味のハンバーグやロズワード聖役の掛川裕彦が引き継いだ(つまり友蔵から戸川先生へバトンタッチされた形に)。

年齢的な問題もあり青野のおじいちゃんボイスはミホークには合わない等との意見もしばしば聞かれ、交代したこと自体は成功だったとする声もあった。
が、少なからず馴染んだ声の変更を残念がる人も多かったし、また、好敵手とされるシャンクス役の池田秀一と並んで、見劣りしない威厳やプレッシャーを誇示できる声優はそう多くないため、このキャスティング自体が元々妥当とする評価もある。
少なくとも「こりゃ勝てない」と思わせる強さを表現できる演技ができる人、という点では一目でわかる分適任ではあった。

人気投票

14位→13位(564票)→8位(1744票)→12位(743票)と出番がなくとも上位に食い込む、流石大剣豪。

“吸血鬼”と“竜”

ジュラキュールの綴りはDraculeで、吸血鬼伝説で知られるドラキュラ公(Dracula)/ヴラド・ツェペシュの綴りとよく似ている。
  • 黒衣を纏った出で立ち
  • 十字架状の愛刀「夜」とネックレス
  • 乗るのは棺
と、実際に吸血鬼がモチーフであろう部分は枚挙に暇がない。

もっとも、実際に人間ではないと思われるような描写はない。
吸血鬼という種族がこの世界において実在するかも不明である。
一応ゲーム作品限定だが、「バットバットの実:モデル“バンパイア”」という悪魔の実は登場しているので、実在するかはともかく伝承としては「吸血鬼」は認識されているものと思われる。
ゲーム版限定のパトリック•レッドフィールドは海賊マークは一応あるが、いまだにミホークは海賊マークは作られていない。
ドレークのようなドクロ以外のモチーフすらない。
理由は明かされていない。

なお、ドラキュラは吸血鬼の異名として扱われがちだが、 そもそもドラキュラという名前に吸血鬼(ヴァンパイア)の意味は含まれていない。
多くの人が思い浮かべる『ドラキュラ伯爵』のイメージは、あくまでアイルランドの小説家ブラム・ストーカーが書いた『吸血鬼ドラキュラ』の影響を受けて後世に作られたものである。

ドラキュラ伝説のモデルとなったヴラド3世が治めたワラキア公国(現ルーマニア)において、 「ドラクル(Drăcule)」とは「(Dragon)」を意味する言葉である。
ヴラド2世は「ドラクル公(竜公)」という異名で知られ、そのドラクル公の息子である事から、ヴラド3世自身もドラクルへ眷族を暗示する「~a」を付けて「ドラクレア(Drăculea)」と呼ばれるようになったのである。

ところでワンピースにおいて竜といえば、ある特別な血族の存在も浮かび上がってくるが……?


ワッハッハッハッハッハッハッハッハッ…おれの項目の追記・修正を狙うWiki篭もりをおれの手で育てろと言うのか!?


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最終更新:2025年10月25日 17:52

*1 流石に一般人の身長に関してはなんらおかしくないが、160cm強の女性でもシークレットシューズを履く為平均身長は現実より高めの様子

*2 くまも部下を引き連れていないが、彼の場合は事情が特殊。

*3 白ひげが起こした大津波を大将青キジが瞬間的に凍結させて出来た氷山。

*4 ミホーク本人曰く、お茶目にも料理も作ってあげていたらしい。

*5 原作では、あくまでゼフの例え話として挙げられた理由に過ぎない。

*6 ちなみにルフィはタダ飯食らいの罰として、厨房で皿洗いさせられてたので不在。

*7 だが受けた傷は無視できぬ深さであり、ゾロは一時生死の境を彷徨う危険な状態に陥った。