*ダウンタウン熱血べーすぼーる物語 【だうんたうんねっけつべーすぼーるものがたり】 |ジャンル|スポーツ(野球)|#amazon(B000068HK0)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|12MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|テクノスジャパン|~| |発売日|1993年12月17日|~| |定価|9,600円(税抜)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|なし|~| |ポイント|ダウンタウンシリーズとスポーツシリーズの融合&br()ハチャメチャ度は若干控えめ&br()野球ゲームとして見るとクソゲー|~| |>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 くにおくんシリーズの一つ。主人公はくにおではなく、『ダウンタウン熱血行進曲』で登場した後輩の「すがた」。~ 一応タイトルの通りダウンタウンシリーズに分類されるが、ジャンルはスポーツであり過去スポーツシリーズからの出演者もいて、ごちゃ混ぜ感が強い。~ ゲーム内容はおなじみの、乱闘が許されるスポーツゲームとなっている。~ 一人用のストーリーモードの他、一人または二人用の練習試合モードがある。 **ストーリー 優勝候補の熱血高校野球部はまさかの初戦敗退を喫し、ショックのあまり野球部は解散。病弱な野球部マネージャー・「りか」はショックで入院してしまった。 そんな中、藤堂グループ主催の「熱血野球大会」が開催されることになった。~ もちろん今回も『[[熱血行進曲>ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会]]』や『[[熱血新記録>びっくり熱血新記録! はるかなる金メダル]]』のときと同じく裏で「とうどう」が糸を引いており、くにおが野球をやったことがないことを知って野球で彼を叩きのめそうとする策略であった。~ 熱血高校二年の「すがた」はキャプテンとしてこの大会で優勝し「りか」を元気付け、あわよくばハートをゲットしようとチームを結成する。~ しかし急遽参加させた監督はスポーツ音痴、頼りのくにおは用事で欠場、さらに恋敵・元野球部主将の「たちばな」がメンバーに加わるという三重苦を背負ってしまう。果たして「すがた」率いる熱血高校チームは優勝できるのか…。 #region(参加高校と主な選手) ※太字は過去作からのメンバー -熱血高校 --元々あった野球部(『[[ホッケー部>いけいけ! 熱血ホッケー部 すべってころんで大乱闘]]』の対戦相手として登場)は先の大会でまさかの初戦敗退を喫して解散してしまっていたため、すがたによって急遽結成されたチーム。 ---''すがた'':キャプテンとエース兼任。飛び抜けた実力はないが、全体的に平均以上の能力で持ち前の根性で粘りのプレーを見せる。必殺技は「きあい球」とおなじみ「爆弾パンチ」。 ---''ななせ'':すがたの親友。パワーはすがたよりも上。ポジションはショートで、必殺技はおなじみ「ダブルチョップ」と打球を止める「はたきおとす」。 ---''いちじょう'':パワーはないが足が速くバントがうまいスイッチヒッター。熱血行進曲からの1年生トリオの中で唯一スタメンかつ十分な能力を持ち、ストーリーにも登場するなど何かと優遇されている。必殺技は「うまいバント」 ---''たかみね'':もともと格闘を得意とするためか攻撃力や肩はいいが、総合能力はチーム内で下位クラス。「きあい打」を持つ代打要員。 ---''もりもと'':熱血行進曲での武器投げ覚醒バグの再現なのか、球威こそあるがノーコンのリリーフ要員。肩や球種は豊富だったりする。炎の左サイドスロー投手。 ---''あかい'':『ホッケー部』でキーパーとして参加していた元野球部員で、唯一の続投組。実力はそこそこ。打撃力はあるが肩が悪くファーストしか守れない。ピッチングはかなりのもの。 ---たちばな:元野球部主将で、すがたの恋敵。実力はかなりのものだが野球を辞めざるをえなかったある事情を抱えながら参戦する。デフォルトでは野手だが投手としても同じ球種のクイック有りと無しを使い分ける本格派。必殺技は「ドライブ打」(打球が外野前で落ちてヒット量産)。 ---''くにお'':おなじみ主人公だが、今回は用事で欠場しており、ゲーム後半からの参戦となる。野球経験はないが、持ち前の運動神経でどこのポジションもこなす。必殺技は「ナッツ」「マッハキック」「ばくねつ打」「根性打3」。 ---にった:足が遅く守備も下手だが高い打撃力をもつ代打要員兼ナックルを操るリリーフ。 ---かざまつり:いちじょうに並ぶ俊足選手。ミートやバントは高い。右アンダースローの投手だが球が軽い。 -花園高校 --くにおのライバル「りき」がいる高校。大運動会のときと同じく、りきの号令で集められたメンバーが中心。パワーはあるが足の遅い選手が多い。『りきの友情』という専用のアイテムを持つ。 ---''りき'':チームのキャプテン。野球経験はないが試合が進むたびに強力な打法を覚える。能力的には従来作通りパワーに優れ機動力に劣る。必殺技は「アッパー」「マッハパンチ」「ばくねつ打」「根性打3」。 ---''わしお'':数少ない野球経験者で、副キャプテン兼エースに抜擢される。打撃もクリーンナップを張れるが、四番はりきに譲る。 ---''よしの'':過去作同様にチームの貴重なスピード要員。本来は吹奏楽部員であり攻撃面で劣るのもそのまま。スイッチヒッター。 ---''さおとめ'':よしのに次いで足が速い。必殺技は代名詞の「オーラパンチ」に加え「オーラ打」「オーラ球」を備えた爽やかな実力者。 ---''まえだ'':打撃・格闘ともに頼れるパワーキャラ。一方守備面や機動力はいまいち。 ---''しみず'':熱血行進曲で見せたハリケーンクラッシュを意識したのか、ミート力が高い。 -宝陵高校 --熱血行進曲の連合チームのキャプテン「ごうだ」が率いる高校。控えが6人もおり各選手の能力も守備要員・打撃要員など役割がはっきりとしているが、ポジションの限定された選手が多くピッチャーの人数は3人だけ、更に各ピッチャーには欠点があり、守備位置のやりくりが難しい。 ---むらさき:豪田の妹に惚れて、いいところを見せようとエース兼キャプテンとして出場。剣道の達人で、必殺技は「飛翔斬り」「ブレードシュート」。両投両打だが、ストーリーモードでは左投左打で登場する。 ---''ごうだ'':むらさきが勝手に出場を決めたため助っ人として参加、バッテリーを組む。曲がった事が嫌いなので直球しか投げない。必殺技は「頭突きスペシャル」「根性打2」「剛速球」。 ---つじどう:むらさき、ごうだに次ぐ実力者。地味な存在ながら何気に必殺守備や必殺走塁が充実している。パワーでは紫より上。 ---たけだ:パワーのあるスイッチヒッターだが守備が下手+弱肩でファーストしか守れないため控えにいる。代打の切り札。 ---なかにし:パワーのあるファースト。守備や肩はダメ。 ---だて:1番を打つ外野手。パワーがありつじどうに匹敵する強打者。 -谷花高校 --熱血行進曲の連合チームの副キャプテン「ごだい」が率いる高校。野球部がないためサッカー部員で構成されており、全体的に走力に優れる一方で控えは1人しかいない。打撃力はごだい以外当てにならず、守備も下手なため正直不遇なチーム。 ---''ごだい'':走攻守全てにおいて強く、特に木刀の達人なだけあって打撃力はくにお・りきに匹敵する。必殺技は「棒術スペシャル」。 ---よこお:野球経験者で、変化球を得意とする。打撃はミート力こそあるがパワーがない。 ---みさわ:能力に特筆するところはないが、他選手と比べても特にライナー性の打球が出やすい特徴を持った選手。 ---さかもと:能力はかなり低いが、9つある球種が全てクイックモーションという一風変わったリリーフ投手。 -白鷹工業高校 --熱血行進曲の連合チームの三番手「にしむら」が率いる高校。参戦校では唯一の男子校だが選手の層は薄く、打撃力はやや高いが守備能力は低く、さらに根性のある選手が1人だけとかなり不利。なお、マネージャーとチアガールの2人は姉妹校の「白鷹女子高」から来た本物の女性。 ---''にしむら'':体力はあるが足が遅い、パワーはあるがミートが下手、球威はあるがノーコンと一長一短のキャプテン。必殺技は「ため打法」。全キャラ中ぶっちぎりのパワーNo.1。 ---''さわぐち'':西村の舎弟で、共に『[[熱血物語>ダウンタウン熱血物語]]』から登場している古参。特徴は西村のほぼ反対。体力がなく本来リリーフだが、他にピッチャーがいないのでエースにされている。 ---''ねだち'':『[[時代劇>ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!]]』のボス「はんしろう」として登場したキャラ。打力と体力はあるが他能力は全選手でも最低クラスという厳しい選手。 ---けんどう:にしむらに次ぐパワー、しかも唯一の根性あり選手というチームにとって貴重な5番打者。 ---おうじ:走攻守そろった謎の強キャラ。根性以外は平均以上の力をもつ。 -霧雨実業高校 --風のように現れた謎の高校。実力は未知数とされているが実質的には投手が2人しかいない、絶対的強打者がいない、根性がないなど弱点が多い。 ---かざおか:チームの主将で実力者だが、エース級の投手であるにも拘らず風とともにしか現れないため最初はベンチにいる。必殺打法「ハリケーン」は風を操り、凡フライをスタンドへ運んでしまう。 ---あおた:能力はリリーフクラスだが先発を任される。左のサイドスローでモーションやコースが見切りにくい。球威と体力のなさが弱点。 ---かんぬき:4番と同等のパワーを持ち守備力も悪くない他、一応投手能力が平均レベルにはあるので、いざという時は登板できなくもない。 ---おぐま:4番を担う強打者だが、なぜがデフォルトではポジション適性が無いのに捕手を任されている。 -冷峰学園 --ダブルドラゴン兄弟の兄、「服部竜一」が率いる学園。「藤堂護」は選手ではなく監督として指揮を取る。ダブルドラゴン兄弟に冷峰四天王の4人、そして「おにづか」「はやさか」「おとなし」と過去作から続投のレギュラー勢9人は全員必殺技持ちに加え高い能力を持つ。その一方で控えは2人しかおらず、数合わせ程度の能力でろくな必殺技も無く当てにならない。 ---''りゅういち'':キャプテンでエース。ほぼ完璧な実力だが投球モーションがとても長く、盗塁されやすい。必殺技は「龍怒咆哮波」「龍牙撃魔砲」「龍尾嵐風脚」「爆魔龍神脚」。左打左投。 ---''りゅうじ'':副キャプテン。兄と遜色ない実力を持つ。必殺技は「降魔龍晶波」「龍牙撃魔砲」「龍尾嵐風脚」「天殺龍神拳」。右打右投。 ---''こばやし'':冷峰四天王のヘッド。他の高校ならキャプテンクラスの実力者。ななせと同じ必殺チョップを使える((行進曲における「マッハチョップ」の代わり。))ほか、必殺打法に「プライド」を持つ。 ---''もちづき'':冷峰四天王の一人。最速級の足の速さもさることながら、打球を長時間滞空させる必殺技「たたきつけ」を持ち、出塁率は非常に高い。スイッチヒッター。必殺技「ニトロアタック」((高速移動→攻撃で、無理矢理でも盗塁を決められる))を持つ。 ---''おにづか'':冷峰学園の元生徒会長。パワー自慢の捕手で、必殺打法「強打」は高確率でホームランか危険なゴロ。 ---''きのした'':冷峰四天王の1人。野球は未経験のようで能力は平凡だが、難易度難しいでエクスカリバー持ち、にしむら並みのパワーヒッターに化ける。 -明暗高校 --『[[熱血物語>ダウンタウン熱血物語]]』でラスボスを務めた「やまだ」が率いる高校。キャッチャー山田、ピッチャー里中、サード岩鬼…と、[[どこかの高校>水島新司の大甲子園]]を彷彿とさせるチーム。 ---''やまだ'':かつて冷峰学園を牛耳った、「悪の大ボスのやまだ」その人。実力は確かだがセコい。必殺技は「ミラクル打法((スイングすると必ず打撃妨害で出塁できる))」「ぶっつけ」((打者に向けて飛び高確率で死球))。 ---さとなか:アンダースローでクイック投法が得意、しかも変化球投手で非常に打ちにくい。必殺技は「ホップ」。 ---いわき:山田に匹敵する強打者。「悪球打ち」の元ネタと対照的にトップクラスのミート力を持つ。必殺技は「パワー」。 ---とのやま:高いミート力と守備力に加え、投球コースの高さに関係なく打つ「すくい上げ」打法を持つ。%%一方で「白鳥の湖」は無い。%% ---きだ:能力は全て低レベルだが、投球では「気合球」打撃では「気合打」を持ち、気力が切れるまでは侮れない。 -黒龍山学院 --メンバーが9人しかおらずピッチャーも1人という、背水の陣で挑んでくるチーム。しかし全員高水準の能力に根性・必殺技持ちと侮れない。(ほぼ全員根性打2を使う) ---むらた:マサカリ投法を得意とする、実在選手を元にしたようなたった1人の投手。球威も変化球もバツグン。とてつもない体力を持ち、1人だけでもスタミナ切れは滅多にしない。必殺技は「ドライブ」。ボールが轟音を上げて落ちる速球。 ---やざわ:走攻守バランスのいい4番打者。一応チーム内で2番目に投手能力が高いので、緊急時は彼が頼みの綱となる。 ---マイク:数少ない全米チーム以外での外国籍選手。チーム1の打撃力を持つ。なぜか日本語の野次が効いてしまう。 ---つるぎ:やざわ、マイクに次ぐ強打者。2人と同じく強力な打法の「根性打2」を使う。 -夢園商業高校 --男子よりも女子が多い高校でモブの応援生徒が女子だらけ、チームにも女子選手が2人いる((この2人に気力を回復させるアイテム(いやらし本・ノーカットの本)を使うと逆に気力が下がってしまう))。突出した点は無いが全体的に高い能力を持ちポジションも融通が利く選手が多く、投手をこなせる選手が7人もいるなど選手層が充実している。 ---だいもんじ:主将。最高クラスのパワーを含めレギュラー級の実力はあるがベンチに控えている。 ---さわむら:男顔負けの実力を持つ凄腕女子ピッチャー。制球力は全キャラNo.1。左アンダースローで変化球も多く打ち崩しにくいが、体力がないのが弱点。必殺技は「ブレーキ」「超カーブ」に加えあらゆる強打者を封じる「みちこボール」。野手としてもミートが高く脚も速いため邪魔にはならない。スタミナ切れを待つのが良策。 ---まゆづき:走攻守全てに優れ、全ポジションをこなし投手としてもエース級という日本人選手としては屈指のハイスペックの持ち主。投手としても優秀だが球がやや軽い。「超速球」を投げる。 ---はせがわ:走攻守にバランスのとれた捕手。 投打ともにカーブのスペシャリストで、打撃では変化球を打つと打力のあがる「カーブキラー」投球では「超カーブ」を持つ。 ---よいち:まゆづきと同等の実力を誇る。走攻守全てに優れ、スイッチヒッターでもある。脚も速く肩も強いホームラン連発の強打者。 ---そらち:もう一人の女性選手。守備のスペシャリストで全ポジションで抜群の守備を見せリリーフもこなすが、必殺技が少なくパワーは最低クラス。 ---キム:俊足の外野手。肩も強くホームランも狙える。外国人だが野次が効く。 -愛然商業高校 --基本能力は打撃がかなり劣り守備に優れるといったチームだが、多くの選手が「ラッキー打」「いのり」という運任せな必殺技を持ち、特に様々な場面で使える「いのり」が通じた時にはイレギュラーや暴投、''打球をグローブに吸い寄せる''((成功すればホームラン確実の打球でも取れる))、''走者の動きを止める''など想定外の事態を引き起こす。 ---かみや:高い守備力を持つ変化球投手で、投球時に使う必殺技「いのり」投法はあらゆる強打者を封じてしまう。 ---おおぐろ:4番、主将ではあるが他チームの4番より打撃力が大きく劣る。一方で守備時には「いのり」(送球・キャッチ)が使えるので脅威。 ---かみやま:全ポジション守れて比較的高い能力を持つもう一人のエースピッチャー。「いのり」がキャッチしか使えないのが欠点。 ---あいだ:打撃力はかなり低いが「いのり」打法が使えるため、決まればホームランを打つこともある。 -服部学園 --ダブルドラゴン兄弟の父が理事長を務める忍者養成学園。『[[サッカー編>熱血高校ドッジボール部 サッカー編]]』にも対戦相手として登場した。総じて守備・走力に優れるが投手は2人しかいない。ほぼ全員が「忍打」という強力なバスターを使う。 ---つげ:チームの主将であるが、その実力を隠すため最初はベンチにいる。服部兄弟と同じ「旋風脚」を使える唯一の選手。投手としては「雷撃カーブ」をもつ。 ---さなだ:エースピッチャーで、手裏剣投法に驚かされるが、慣れれば打ちやすい。左右どちらの手から放たれるかわからない「忍投法左」「忍投法右」を使い分ける(野球のルールではボーク)。望月兄弟と並ぶ俊足。キレの良い変化球が持ち味。 ---もちづき:冷峰のもちづきの弟。パワーは兄に及ばないが足の速さは同等。必殺技も同じく「たたきつけ」。 「ニトロアタック」は使えない。 ---にのくるわ:望月兄弟と同じく最速の足を持つ上、低いパワーを「強打」で底上げして戦う。 -全米チーム --どう見ても一つの高校ではない謎のチーム。熱血新記録のオクラホマポジションにあたり、決勝シードされている。 ---ランス:一応主将。だがチームのほぼ全員がキャプテンクラスの実力なため、逆に目立たない。とはいえ打撃、守備の両面でほぼ完璧な実力を持つ。必殺球は「超速球」「剛速球」、必殺打法は「パワー」。 ---テューク:エースピッチャー。必殺技は「超速球」「らいげきカーブ」「ブレーキ」「パワー」「ドライブ」と5種類も持つがモーションが普通なので見切りやすい。強打者を前にするとおびえる。むしろ必殺球が多すぎて通常球が少なく使いづらい。 9番ピッチャーなので打撃では目立たないが、強打持ちなのでホームランされかねない。 ---ゴーファー:強肩強打の外野手だがピッチャーをやらせるとバグ球(Sぼう球)を投げられる。激しいタックルを多用する。 ---フラッシュ:7番打者であり存在感はあまりないが、実は全選手中最強のパワーを誇る強打者。 ---ブレッド:守備は下手、弱肩だが高い打力のファースト。 ---スライダー:名前の通り五種類のスライダーを操るリリーフ。 ---デニー:四種類のシンカーを操るリリーフ。打力もまずます。 #endregion **システム -ルールは野球に準ずるが、もちろんくにおくんシリーズなので普通の野球では禁止の暴行や野次((発売当時、暴行はまだしも選手・応援団が後年(禁止化が定着した21世紀)から見ればひどく野次りあう描写は少年野球漫画等でも珍しくなかった))などの行為が認められている。 --最初に、投球時は投手が投げる球種・打者が使用する打法を選ぶ。この画面では投手・打者の体力表示および使える投法(打法)のリストが表示される。 ---投手((このゲームではすべての選手をマウンドに上げられる))はキャラにより2~9種類の球種を持つ。基本的な「ストレート」「カーブ」「フォーク」などの他、「たてカーブ」「ナチュラルスライダー」など特殊な変化球があり、これらはS~Dのランクが名前の前に、もしくは変化量が名前の後に付けられている(「Aストレート」「カーブ4」など)。~ Qが付く球種はクイックモーションであり、同名の球種よりも投球モーションが素早くなり打者のタイミングを狂わせたり盗塁対策に使える。~ 必殺投法には打者の目前で一瞬止まる「ブレーキ」や物凄い速さの直球「超速球」などがありさらに一部のキャラは固有の必殺投法が使用できる。~ 一球ごとに体力を消費し、変化球や必殺投法は気力も消費する。強力な必殺投法は消費量が大きい傾向にある。~ なお投手は選択画面にてマウンドの立ち位置を左右に移動できる。 ---打者はキャラにより最大9種類の打法を持つ。基本となる「ノーマルスイング」「バント」の他、打球のコースを決める「ころがすスイング(ゴロ)」「打ち上げスイング(フライ)」、打力が上がるが途中でバットを止められない「フルスイング」などの打ち方もある。バント系は「バント」に加え「スクイズ」「セーフティバント」「バスター」と4種類用意されている。~ 必殺打法には「根性打」「うまいバント」など出塁率を上げやすい打法や純粋に打撃力を増す「パワー」「強打」、打った打球が戻り捕球しにくくなる「ドライブ打」などがある。~ こちらも気力を消費し一部の選手は固有の必殺打法を持つ。 ---両投げ投手及びスイッチヒッターは投法(打法)選択画面でLRで左右を切り替えられる。 --双方が使う投法(打法)を選択したら一般的な野球ゲーム同様キャッチャーの位置とミットの高さ及びバッターボックスの立ち位置を変えつつ投球する。投げる前であれば選択画面に戻って投法(打法)を変更してもよい。 --打った場合、画面が切り替わり守備に移る。画面は上段に「はせべ」による実況・中段左寄りに試合画面・右側にスコアとレーダー画面・下段に操作中の選手データが表示されている。~ 打球がフライまたはライナーならボールをズームアップした映像(この間にレーダーを見ながら走者・野手のセミオート移動が可能)、ゴロもしくは落下する直前でフィールドが映りセミオートで捕球操作、以降送球など守備行為を行う。~ ボールや守備・走塁の状況は逐一「はせべ」が実況してくれるので状況が分からなくなることはない。 ---守備時にもキャラにより必殺キャッチ・必殺送球を使用可能。どんな打球も止める「はたきおとす」「からだでとめる」や、肩力以上のスピードで送球する「速球」「スピード」などがある。 ---強打者や必殺打法による打球は「きけんなゴロ」「つうれつなライナー」などになることがあり、普通に捕球しようとするとボールの勢いで最初に触れた野手が吹っ飛ばされる。これらはタイミングよくダイビングキャッチするか必殺キャッチを使うと防げる。 ---ダイビングキャッチでフェンスに激突した場合、稀にケガをすることがある。アイテム「キューキューばこ」で治療しない限り、一部能力が低下する。 ---野球に不慣れな選手が多いという設定どおり、他の野球ゲームに比べてエラーがかなり多い。イレギュラーや返球時の暴投も当然のように起きる。 --ベース上でのクロスプレーは守備側がタッチアウトを狙い、走者側はそれをかわして進塁を狙うという構図になる。他の野球ゲームと違って、走者が絶対的に不利ということはない。 ---走者は何もしない(走り抜ける)・ジャンプ・スライディング・(ジャンプからの)攻撃(必殺技)を使い分け、守備側はそれに応じて上段・中段・下段・必殺タッチまたはジャンプでの回避を使い分ける。 ---タッチが成功してもボールを落としてしまうとアウトにならない。ただし、吹っ飛ばされてもボールを落としさえしなければアウトになる。 ---フォースアウトになる場面で必殺技を出していた場合、必殺技のモーションが終わるまでは選手がフィールドに残るため、クロスプレーの場合は早めに必殺技を出しておくとアウトになった上で塁上の野手に技をヒットさせることができる。 ---うまくやれば何度もスライディングをヒットさせ体力を削ったり、スライディングをジャンプでかわしてかっこよく空中送球といったプレイもできる。 --タイムを掛けた場合、選手交代や能力確認の他にアイテムの使用・着脱ができる。さらに本作独自要素として、合計4回まで選手を1人選び味方の体力気力を回復する「気合入れ」または相手の気力を減らし一時的に能力を下げる「野次」が使える。これらは根性のあるなしで成功率が変わる他、全米チームに対する野次は''日本語が通じないので効果がない。((夢園のキム、黒龍山のマイクの2人は外国籍選手だが野次が効く。))''%%しかし必殺打法では平然となめんなよ!といった日本語を喋ったりする%% --これを繰り返し、ストーリーモードでは1試合9イニング、全12試合を勝ち抜いていく。コールドゲームは5回10点差、7回7点差となっている。 --ストーリーモードで試合に勝つと、3つの箱から1つ選びアイテムを獲得できる。アイテムは選手個人ごとの装備品・一回使い切りの回復アイテムなどがあり次の試合から使用可能。 --試合ごとに球審が発表されるが、実は4人の球審それぞれに癖(打者有利な判定の球審・投手有利な判定の球審など)があり、そこも考える必要がある。 #region(ストーリーモードの流れ。ネタバレを含みます) オープニングでは病院を抜け出してきた元野球部マネージャー・りかと恋人でもある元主将・たちばなとのやり取り、すがた・ななせ・くにおの大会前のやり取りの後、開会式でのこうのすけ(とうどうの父親)の挨拶と続く。 -まず前半戦として6校(花園・宝陵・谷花・白鷹・霧雨・冷峰)と戦う。 -その後中間デモとしてすがた・ななせが今後の試合の対策に悩んでいるところにいちじょうが現れ、オープニングで「しばらく留守にする」と言い欠場していたくにおが帰ってきたことを知らせる。以降後半戦からはくにおが加入する。 --くにおは走攻守全てがトップクラスの能力に加え試合が進むにつれ強力な必殺打法を使えるようになり、名実ともにチームの大黒柱として後半戦の熱血を支える。 -後半戦は残る6校(愛然・夢園・明暗・黒龍山・服部・全米)と戦い、全てに勝利することで優勝となる。 #endregion **評価点 -キャラクター設定が非常に細かい。シリーズファンには嬉しい。 --普通の野球ゲームではあまり見かけない「パンチ力」「キック力」「根性」など珍しいパラメータが目白押し。これによりシリーズキャラによくある「喧嘩は強いがスポーツは下手」「喧嘩は弱いが根性はある」などの個性を上手に表現している。 ---適正ポジション以外につかせると能力がダウンしたり、根性のある選手はピンチ時に能力が上がる。一応適正が無くても能力の高さや試合状況からやむをえずにコンバートしても運用次第ではなんとかなることも多い。 ---性格を反映して投手時に使える球種が全て直球の「ごうだ」、必殺技でデッドボールや打撃妨害を誘発するセコい技を使う「やまだ」など、キャラの個性が色濃く出ている。 --根性のないピッチャーが強打者と対峙すると震え上がる演出が入ったり、ピンチを三振で切り抜けるとガッツポーズをとったりと非常に生き生きとしている。 --一部キャラクターは往年の必殺技を使用できる。くにおの「マッハキック」、ごうだの「頭突きスペシャル」、もちづきの「ニトロアタック」など。 #region(パラメータについて大まかな解説) -本作では全てのキャラクターがどのポジションにも配置できるために同じパラメータ項目が設定されている。ただしゲーム上では以下のように''大まかな文言でのみ表現''され、一部マスクデータも存在する。 --ゲーム上で確認できるのは「体力・気力」「ポジション」「バッティング」「ピッチング」「守備」「肩(肩力)」「足(走力)」「根性」及び投法・打法のみ。これに加えてマスクデータは上記パラメータの細分化したものや「手技・足技・忍耐力」や各場面で使える必殺技がある。 ---ポジションの適正は万能の「オールマイティー」以外は「ないや(がいや)がとくい」「○○(ポジション名)はまもれる(まもれない)」「おもに○○」と表記される。全ての選手は適性に関係なく任意のポジションに配置することができるが適性外だと能力が低下する。 ---バッティングは「クリーンナップレベル」「バントはうまい」「パワーはある」などの表記がされるが、内部パラメータ的には明確な基準がない((解析されていないマスクデータが影響している可能性もある))ので例えば同じ数値でも選手により表示される文言が異なる場合がある(例:霧雨のかんぬきとおおおかはパワー・ミートともに同じ数値だが、前者が「クリーンナップレベル」・後者が「ふつう」表記となっている)。 ---ピッチングは「エースクラス」「リリーフクラス」「とくいではない」などの表記がされるが、バッティング同様能力が同じでも表示される文言は選手により異なる場合がある。 ---守備は「バツグン」「ゴロ(フライ)がうまい」「そこそこ」「へた」、肩・足は「きょうけん(はやい)」「まあまあ」「わるい(おそい)」の表記。こちらはある程度基準に沿って表記されている。上記の内ピッチングを除き共通して「ふつう」も設定されている。 ---根性は「ある」「ふつう」「ない」の3段階。 ---マスクデータの内手技・足技は従来作と同様パンチ・キックの攻撃力、忍耐力は防御力であり、本作における直接的な打撃攻撃で戦う際のパラメータとなる。これ以外にもはっきりしていないデータが存在するとされる。 -これらの組み合わせにより、150人以上いるキャラクターの個性とチームの特色・強さを上手く表現している。 --後述する通り、能力バランスは決して良いものではないが。 #endregion -ゲーム中で確認出来るキャラのデータではそれぞれのキャラのフルネームを見る事が出来る。 --それまでの作品ではキャラクターはくにおとりきを除いては姓で呼ばれる事がほとんどで、フルネームは説明書を除いて確認する事が出来なかったため、本作によって多くのキャラのフルネームがファンに浸透したと言える。 ---大半を占める本作だけのオリジナルキャラも全てにフルネームが設定されている。オリジナルキャラの中にはこれまでのシリーズと同様、テクノスジャパン及び本作のスタッフの名前が流用されているキャラも多い。 --例外として「くにお」のみ苗字が無いが、モチーフとなったテクノスジャパン社長の「瀧邦夫」ではないらしい。これは「くにおの苗字はファンで想像して欲しい」というもので、以後のシリーズでも同様の設定になっている。 --なお、「りき」に関しては『熱血硬派くにおくん』では「雲雀(ひばり)力」であったが、本作では「りき」の苗字は「さめじま」となっており、ファンの間でも長らく「鮫島力」が正式名として通っていたが、近年ではくにおと同様に苗字が無くなっている。 -キャラがとても多い --従来のシリーズ作品で登場していた主な面子は一通り登場。それまでのシリーズでは「熱血」「花園」「冷峰」以外のキャラは「各校連合」としてまとめられる事が多かったが、本作では「ごうだ」「ごだい」「にしむら&さわぐち」がそれぞれの出身校の選手として登場している。 --『時代劇』の変名「はんしろう」でしか登場していなかった白鷹の「ねだち(根立)」といったマイナーなキャラも漏れなく網羅している。「そのかわ」も出身高校(千里台)は未参戦だがオープニングとゲーム中盤のムービーで登場。 ---未登場なのは「かみじょう&やまもと」「くまだ」「はやみ」「まつど(時代劇の「にざえもん」役を務めた冷峰学園の生徒)」、そして「ひろし」「こうじ」「げんえい」「まさ」といったドッジボール部やサッカー部の面々くらい。 --「ももぞの」「きりしま」といった女性キャラはマネージャーやチェンジ時のデモに登場するチアガールとして登場している。なお、モブの応援生徒は基本的に全校流用(全米チームでも全く同じ顔)だが、夢園のみ専用の女子生徒達になっている。 ---チアガールは相手チームにホームランを打たれると怒ったり、あまりにも点差がつくと泣き出したり呆然としたりと芸が細かい。 --本作で増えた設定やキャラクターは花園の「いしやま(石山)」や霧雨の「かざおか(風岡)」といった一部キャラが「[[熱血物語ex>ダウンタウン熱血物語ex]]」のストーリー中や設定で言及されたり、「むらさき」「つげ」が『熱血時代劇』で再登場を果たすなど、以降のシリーズでも継承されている。 -必殺技の演出がとてもカッコいい。 --特に投法・打法は見ていて派手なものが多い。 ---投手の利き腕側の大外から猛スピードで大きく弧を描きストライクゾーンへ収まる「超カーブ」に消える魔球のごとき速さから突然目の前で止まり空振りを誘う「ブレーキ」、打者は炎をまといながらフルスイングする「ばくねつ打」や熱血行進曲の技を再現したごだいの「ぼうじゅつスペシャル」など動きや演出が優れている。 -見せ場のクロスプレイでは駆け引きを楽しめる。 --シリーズおなじみの格闘戦が繰り広げられる場面であり、そこに野球の要素が加わりこれまでとは違う戦いとなる。 ---野手のタッチを読みギリギリまで引き付けてからジャンプキックで急襲する。爆弾パンチなど攻撃しつつ一定距離を高速移動できる技で安全に手早くベースに飛び込む。またはタッチアウトは承知の上で早めに必殺技を出しダウンを狙いゲッツーを防ごうとする、それを見た守備側が技を喰らってボールを落とすリスクを避けジャンプで回避するなどといった駆け引きが生まれる。 -対戦バランス変更可 --今作もチームによって強さのばらつきがあるが、練習試合モードではチームレベルを7段階に設定できる。 ---強いチームのレベルを下げることで戦力差を縮めたり、あえて高くしてハンデをつけたりもできる。 -豊富なBGM --各高校の攻撃時に専用BGM(ストーリーモードの決勝戦でまた別の曲が流れる)が流れ、チャンス時・満塁時・9回裏で負けている時などでは緊張感のあるBGMに切り替わる。 ---エンディングでは&b(){熱血高校の}校歌斉唱がある。さすがにコーラスは入っていないので自分で歌おう。 **賛否両論点 -ヒッティングから補球するまで、守備がセミオート。送球とタッチ以外はほぼ操作する必要がない。 --自力で操作しようにも画面が狭く、ボールとの距離感をつかみにくい。レーダーはあるが、ボールの高さまではわからない。 ---ダイビングキャッチもできるが失敗しやすく、失敗すると起き上がるのに時間がかかる。一方で必殺キャッチのない選手が「きけんなゴロ」を吹っ飛ばされずにキャッチするにはダイビングするしかないため、ハイリスクハイリターンな要素となっている。 --野球ゲームにありがちな、打った瞬間にボールの落下地点を予測して動くCPUのインチキ守備と変わらない動きをしてくれるので、公平とも言える。 ---ただし本作はエラーが発生しやすいため、CPUが落下点に余裕で間に合ったとしても安心はできない。 --普通の野球ゲームに慣れていない人でも遊びやすいが、慣れている人にとっては物足りない。 -一部キャラクターグラフィック --基本的にFC時代に忠実だが、''ダブドラ兄弟こと「りゅういち」「りゅうじ」はこれまでの黒髪リーゼント&糸目グラフィックから一変し、公式イラストに近い金髪&茶髪の美形キャラ''として書かれている。 --ダブドラ兄弟といえば黒髪に細目キャラのイメージが強いためかこのデザイン変更は賛否両論だったようで、以降のシリーズでは再度従来の顔に戻されている。 -ストーリーモードの描写不足 #region(ネタバレを含みます) -設定では熱血野球大会はとうどうの「くにおを経験のない野球で倒す」という思惑により開催されたとされているが、彼の目的である肝心のくにおが開催当初に欠場するため後半戦まで登場しない。その上冷峰は前半戦の最後の相手であるため、とうどう(冷峰)はくにおと戦うことなく敗退することとなる。 -一応本作の主役はすがたであるため、とうどうがメインストーリーに絡まなくても問題はないのだが(本作のライバルポジションは恋敵のたちばな)、これまでの作品と異なりデモシーンでとうどうが一切登場しないこともありこの点は消化不良となってしまっている。~ #endregion **問題点 -投球時の球種・バッティング時の打法を選ぶときのカーソルが非表示なため、今どれを選んでいるのかわからなくなることがある。 --二人対戦時に相手に行動を読まれないための仕様ならわかるのだが、一人プレイでもこの仕様である。 ---実はL・R・Yを同時押しするとカーソルが表示されるのだが、説明書にも記載されていない裏技扱い。 -通常ストーリーモードは熱血高校しか行えないが、L・R・セレクトを押しながらXを押すと高校名が順番に変化し他の高校でもプレイできるようになる。これも裏技扱い。 --1度操作すれば練習試合も全チーム選択できるようになる。逆に言えばこのコマンドを知らないとセーブデータの進行度に合わせたチームしか選択できず、全米チームはこのコマンドでしか出せない。 --他校のストーリーモードはほとんどのストーリーがカットされており、試合前のマネージャーのセリフくらいしか変わる部分がない。校歌斉唱もない。 ---宝陵や明暗など、ストーリー的に面白そうなチームもあるのにほとんどカットなのは残念。 -CPUの采配や操作が下手 --絶対にメンバーチェンジをしない。キャプテンがベンチにいるチームでも一切出してこない。 ---これにより、霧雨・夢園・服部はチームの主力となるキャプテンがベンチスタートとなる関係上戦力が低下する。他のメンバーも強力な夢園・服部はそこまででもないが、霧雨はキャプテンのワンマンチームと言える戦力のため、ただでさえ弱小チームなのに弱さに拍車をかけている。 ---意図的にベース上を往復し攻撃を繰り返し当てるなどして体力をゼロにしても、アイテムや「気合入れ」での回復を行い、尽きたらそのまま続投させる。 --必殺投球は本来強打者や決め球に使うものだが、そういう使い方をしない。 --塁間でランナーを挟んでもすぐに送球してしまい、なかなかクロスプレイをしてこない。送球の隙をつけば無限走塁できてしまう。 --ホームスチールを行うとキャッチャーが一切動かないので、確実に得点できてしまう。 -過去作に比べて爽快感が減った --クロスプレイ以外に乱闘要素がなく、クロスプレイの発生頻度もそう多くないので盛り上がりに欠ける。 --乱闘や相手を吹っ飛ばした時の「ドカッ!」といった効果音がなくなってしまった。 -ゲームバランスを悪化させる仕様が多い --左投手は球威が高めに補正される上、左投手対左打者の勝負になると打球が能力に比して不自然なまでに飛ばなくなる。 ---このためストーリーモードでは、CPUがメンバーチェンジをしない仕様と相まってデフォルトで左投手を先発にしているチームには苦戦しがちになる。強力な左投手が先発の冷峰・夢園との試合が辛いのはもちろんだが、弱小チームの霧雨はこの恩恵(?)を受けたことにより投手としては見劣りするはずのあおたを打ち崩すのに苦戦しがちになり結果的にバランスを向上させている。 ---熱血高校の長打を期待できる選手の多く(すがた、たちばな、あかい、にった)が左打席というのも拍車をかけている。 --打法で「フルスイング」など「振った時打力アップ」の効果を持つものは、投球モーションに入るまでに繰り返し使うと効果が重複する。 ---具体的には「フルスイングを選び素振りする」→「キャンセルし選択画面に戻る」→「フルスイングを選び…」を繰り返すだけで打力がガンガン上昇し誰でもホームランを狙える。 ただし相手が投球モーションに入るとただの空振りになるためやめ時は選ばないといけない。 -チーム間のバランスははっきり言って悪い。 --オクラホマ的立ち位置であり反則的な戦力の全米チームを除いても、チームごとの格差はかなり大きい。評価点でレベル設定について記述したが、レベルを高くしてもアイテムが与えられるだけでごく一部の選手の持つ必殺技の数が変わる以外に基本能力は一切変化しない。 ---つまりアイテムで強化して戦力を底上げするしかないが、最大のレベル7でも回復アイテム5個に装備品が5個だけ。スタメン全員を強化することはできない。 --主に操作することになる熱血高校は、くにお以外にこれといった強打者がいない。一応ホームランを狙える中距離打者は6人ほどいるが、くにおがいない間は地味なプレイを強いられる。 ---対してこの手のシリーズで前半のライバルとして設定されることが多い花園高校は、正直かなり強い。先述の通り「りきのゆうじょう」があるため必殺技を使える回数が他チームよりも多い上、投手を務められる選手が超エースの「わしお」を筆頭に非常に多い。脚が遅めという欠点はあるものの長打力を持つ選手が「りき」はもちろんのこと、「わしお」「さおとめ」「まえだ」など他にも意外といるので打撃面でも油断できない。 --その他のチームもゲーム外でのハンデ(選手の選出制限や野次の回数など)も設定しないと互角にはならない。 #region(主な強チーム) -服部学園 --総じて走力が高いため、打撃力は低いがバント連打やゴロを打てば容易に出塁できる。スタメンの内3人は全キャラ中最速の走力でもあり、かつ全員守備能力も高めで必殺技も守備走塁のどの場面でもフルに使えるなど基本スペックが高い。欠点と言えば打撃力の低さの他に、まともに投手を任せられるのが2人しかいないことだが、打たせて取れば良い。 -夢園商業高校 --走攻守全てにおいて高い水準でバランスが取れ、かつポジションの自由度も高いため取れる戦術が幅広い。服部のような突出した強さはないがホームランバッターは6人程おり、加えて投手も13人中7人が適正持ち、うち4人がエースクラスで必殺投法を4人とも持っているという充実振り。攻撃重視・守備重視のいずれのオーダーも可能な極めて安定した戦力のチーム。あえて弱点をあげるなら、先述の通り女性選手には気力回復アイテムが使えないことぐらい。 #endregion #region(主な弱チーム) -以下の3校はいずれも「ホームランバッターが1~3名しかいない」「守備力または肩力が総じて低い」「根性のある選手が極端に少ない」「控えが弱い」といった弱点を抱えており、特にホームランバッターが少ないのは打高投低のバランスの本作ではかなり不利を招く。この3校が対人戦で上位チームにガチで勝つのは厳しい。 -谷花高校 --走力こそ比較的高めだが、他に特に優れた点が無いため同じ特徴を持つ服部の完全下位互換である。「ごだい」は確かに強いが、それだけでは…。 -白鷹高校 --打撃に優れるチームだが、本作の仕様では明らかに脅威と言えるのは「にしむら」と「けんどう」ぐらいしかおらず、こちらが球威に優れる投手を起用すればこの2人以外は大体抑えられる。むしろ守備・肩・足の全体的な低さが大きな弱点であり、投手も「さわぐち」をエース扱いしなければならないほど水準の高い者がいないため、はっきりいってボロボロ。打撃だけでカバーするのは厳しい。 -霧雨実業 --キャプテンかざおかのワンマンチームであるが、かざおか自身も他のキャプテンと比べるとやや能力が見劣りする。他の選手は守備に優れるあおた、打撃に優れ守備も平均的なかんぬき・おおおかを除けば頼れる特徴のない選手ばかりで弱点が多い。 #endregion -アイテムのバランスが悪い --主に打力・ミート力を上げるバット、守備力・制球力を上げるグローブ、走力・脚力を上げるシューズ、体力・気力を回復させる消耗品に分けられる。どれが手に入るかは全くのランダム。 --種類が多い割に手に入れるチャンスは勝利時に1個だけで、1度のプレーで11個しか獲得できない。過去作のようにショップで購入や2周目引継ぎといった要素もない。 --バットとシューズはいくつあっても困らないが、グローブはあまり必要ではない。消耗品も体力の低いピッチャー以外にはほぼ必要ない。 --「バント時のみミート力アップ」「ピッチャーのみコントロールが良くなる」など限定時にしか効果を発揮しないものもあり、それらは相当使いにくい。 --肩を強くするアイテムは無いため、肩力の低い選手の多い白鷹や宝陵は弱点を補うことができない。 ---その一方で「誰でも打力とミート力が最高になる」「誰でも走力が最高になる」というチートじみたアイテムもあり、バランスが悪い。 --アイテムは1人につき1個しか装備できない。攻撃時にバット、守備時にグローブに変えることも可能だが、手間がかかる。 ---バットやシューズは打者全員で使い回しができてしまう。誰でも能力最高になるアイテムを使いまわした日には…。 -コールドゲームの点差が少ない --打高投低のバランスなので得点がガンガン入るが、5回で10点差、7回以降は7点差でコールドが成立してしまう。 ---その気になれば逆転できる点差なのに、有無を言わさず試合終了させられる。 ---さらに後述のバグもあって非常に「コールドで終了」が起きやすい。 -ゲーム進行に影響を与えるバグが多い --デッドボールになると、なぜかバッター(被害者)ではなく&b(){ピッチャー(加害者)の体力が減る}。 ---バッターは痛そうな顔をするのに体力が減らず、ピッチャーは無表情のまま体力が減るというおかしな挙動になる。普通の野球ゲームなら加害者にペナルティとも思えるが、これは熱血シリーズである。 ---バッターには危険球を避ける専用アクションが用意されているが、避けるくらいならわざと当たるほうが良いので使う機会がない。 ---明暗高校の「やまだ」の必殺投球「ぶっつけ」が、単なる自爆技になってしまっている。 --ジャンプと同時に進塁や攻撃コマンドを行う、またはボールを持った選手がベースを踏んだ瞬間にジャンプすると、空中に浮遊したまま降りなくなってしまうことがある。 --投手時に球種が2種類しかなく内1つが必殺投法のキャラは、気力が0になると球種が異常に増えほぼ全ての球種が使用できるようになる。ただしバグ表示または空欄の投法を選択するとフリーズする。 --''5回以降の裏2アウトでランナーがいる時に三振すると、なぜか点差に関係なく(同点でも)コールドゲームになってしまう。'' ---無限走塁やホームスチールは自重できるが、これは野球という競技において頻出する場面であるため回避のしようがない。 **総評 ダウンタウンシリーズファンにもスポーツシリーズファンにも楽しめるよう作られており、キャラクターの個性を継承・発展させ一堂に集合した本作はくにおくんファンにはおすすめできる。~ しかし野球ゲームとしての出来は投法(打法)選択の導入や必殺技による駆け引きなど独自性を見出すもいずれも粗が多くイマイチで、強制コールドゲームなど野球のルールを揺るがす回避不能のバグもあり、普通にフルイニング遊べるクオリティすら成せていない。野球ゲームとしてはクソゲーと言われても仕方ないと言える。~ もう少し内容を煮詰めてバグも修正されていれば良作も狙えただけに、つくづく惜しいゲームである。 ---- **余談 -2025年4年24日発売のオムニバスソフト『テクノス ザ・ワールド くにおくん & アーケードコレクション』に本作が収録されている。 -かつて2000年代後半には熱心なファン達によりネット対戦の大会が行われていたことがアーカイブで現在も確認できる。 --ネット対戦そのものは当時から言ってもグレーな話題なので深く触れないが、注目したいのはそこで設定されたチーム間のバランスを取るためのローカルルール(ハンデキャップ)で、いかに本作がガチ対戦においてバランスが悪かったかがうかがえる。 #region(その一例) -5イニング制(強制コールド回避のため)。 -左投手の登板を原則禁止(霧雨・谷花・白鷹は可、相手が全米の場合は「さわむら」以外誰でも登板可)。 -指定リストに載っている強打者または「エクスカリバー(打力大幅アップ)」装備選手を四死球にした場合無条件で得点を与える。 -投手の必殺投法は打者1人に対し1回、打者の必殺打法は1打席2回まで(一部チームは回数増加のハンデが付く)。 -「ばくねつ打」「にとろあたっく」など一部の強力な必殺は使用禁止。 -レベル設定とアイテムの使用はチームごとに制限が異なる。 -インフィールドフライの状況が発生した場合、手動でそのように取り扱う(打者走者をアウトにする)。 -野次は霧雨・谷花・白鷹が相手の場合禁止(この3チーム同士でも禁止、全米は全面禁止)。 -冷峰は「りゅういち・りゅうじ」の一方と「こばやし・おにづか・もちづき」のいずれかの合計2人の出場を禁止、もしくは「りゅういち・りゅうじ」両方の出場禁止とし、空いた枠に控えの「くにたち」「ごとう」を入れる。「もちづき」は盗塁禁止。 -服部は「さなだ・もちづき・にのくるわ・さだ」から2人出場禁止。「つげ」の登板禁止。盗塁・必殺走塁の使用禁止。 -全米は投手が「デニー」で強制、「スライダー・テューク・トリー」の3人を必ず野手起用する。「ライアン」は盗塁禁止。 …など、非常に細かく設定されていた。 #endregion() --これを踏まえたゲームバランス是正を図ったパッチファイルまで存在し、それを使った大会も行われたようである。こちらでは上記ハンデの内の選手の選出や登板制限などが大幅に緩和されていた。