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SDガンダムワールド ガチャポン戦士4 ニュータイプストーリー - (2021/08/26 (木) 12:30:10) の編集履歴(バックアップ)


SDガンダムワールド ガチャポン戦士4 ニュータイプストーリー

【えすでぃーがんだむわーるど がちゃぽんせんしふぉー にゅーたいぷすとーりー】

ジャンル ウォー・シミュレーション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 ユタカ
開発元 ゲームアーツ
ビッツラボラトリー
発売日 1991年12月21日
定価 8,500円
判定 なし
SDガンダムシリーズリンク


概要

SDガンダムのウォーシミュレーションゲーム第4作。
SDガンダムワールドの、アクション要素が取り除かれ戦略SLGとなった『ガチャポン戦士3 英雄戦記』の続編であり、新たに追加された一人プレイ専用の連続シナリオである『キャンペーン』と、従来通り1~2人で遊べる単体シナリオ『SDガンダム』、一人プレイ専用の単体シナリオ『SD戦国伝』『SD外伝』の計4つのシナリオモードから成る。
ノーマルはF91、戦国伝は天下統一編まで、外伝は円卓の騎士編までの作品が新たに参戦。
基本的なルールは一般的な戦略SLGで、フェーズ或いはターンの間に自軍のユニットを動かし、敵軍を撃破するというもの。攻撃は敵ユニットのいるマスへ自軍ユニットを移動させる事で行われ、全ての敵ユニットを撃破するか敵の本拠地(ガチャポリス)を自軍ユニットで占領する事で勝利となる。

特徴

  • 基本的なシステムは前作を踏襲しつつ、いくつか変更が加えられている。
    • 1部隊が4機編成になった。
    • コマンドバトルはネームド機同士がぶつかり合った場合のみ発生。
    • ユニットコマンドの多様化。
  • シナリオモード『SDガンダム』では、プレイヤーは最初に使用する軍勢、初期軍資金、行動可能ユニット数、無名パイロットの初期レベルなどを選択する。この後に青軍(原作で主人公側、連邦・エゥーゴ・ロンドベル等)→赤軍(原作で敵側、ジオン・ティターンズ・ΖΖアクシズ・ネオジオン・クロスボーン等)→特定MAPで黄軍(青軍の友軍または第三勢力、連邦・Ζアクシズ等)の順番でターンを進めていく。
  • 前作及び本作の特徴として、ユニットの生産が挙げられる。これは自軍の占領下にある生産基地(ガチャベース)で行われ、シナリオ毎に用意された幾つかの部隊構成を軍資金によって購入するもので、実行した直後に生産が完了する(生産完了までにインターバルが不要)という特徴がある。ただし生産が完了した直後のユニットは行動済みであるため、1ターン内に生産可能数はガチャベース1個につき1部隊まで。
  • 戦闘によって損耗した部隊は戦艦や特定の自軍占領下の基地などのマスで待機する事で回復・補給を受ける。このうち残存機のHPは1ターンで全回復するため、一巡するまでにマス上で耐え切れるなら長期的な保持が可能。
  • 部隊ユニットは固定・無名パイロット共に共通のレベルを持ち、敵を撃破する毎に経験値を得て成長する。倒した敵パイロットのレベルが高いほど得られる経験値が多くなる。固定パイロット(ネームド)はレベルの他に固有のボーナス補正を持っており、同じレベルでも無名パイロットに比べて性能が高くなるよう設定されている。
  • その他前作からの変更点
    • 1部隊の構成機数が5機から4機へ。描写数の減少により処理落ちや描写欠けが改善されている。
    • 遠距離攻撃の仕様変更。『ビーム』『ミサイル』『ファンネル』『HML』等区分けされ、うちHML以外は行動済みフラグが立たなくなった。即ち攻撃後の移動が可能であり、実質複数回攻撃が可能になっている。
    • 変形の追加。変形可能ユニットは、変形中は移動コストが最小になる他、移動後に『追加移動』を行える。大幅な移動力アップになるが、追加移動では敵ユニットマスへの移動(直接攻撃)や占領(占領可能マスへの移動、自軍占領下であっても×)ができない。また、コマンドバトル時に格闘ができなくなる。
    • ユニット同士の攻撃は互いに射撃を1度ずつ交わすのみになり、コマンドバトルはネームド同士の部隊の戦闘専用となった。戦闘のテンポは早まったものの、無名パイロット部隊の格闘性能の形骸化など難点もある。
    • 新規ユニットとしては原作から『機動戦士ガンダムF91』の機体と『SD戦国伝 天下統一編』まで、『SDガンダム外伝 円卓の騎士編』までの戦国伝・外伝のキャラクターが追加されている。
    • シナリオによって生産可能ユニットが固定され、初代ガンダムシナリオでνガンダムを生産といった事はできなくなった。
    • コマンドバトルの格闘・射撃の仕様変更。前作の格闘は撃破すれば再行動・失敗すれば反撃という仕様だったが、本作ではユニットごとにパラメータとして格闘と射撃の攻撃力が設定されている。
      • 一般的なMSユニットのパラメータは全て射撃>格闘に設定されているが、射撃はユニットの射撃値の50~100%で変動、格闘はユニットの格闘値がそのままダメージとなるため、乱数次第で射撃威力が格闘を下回る事もある。また、格闘はネームド同士のコマンドバトル専用のコマンドであり、この戦闘のみ攻撃ダメージに機体防御力や地形防御力が影響しないため、純粋に「敵HPよりこちらの格闘値が上回っている」なら格闘を選ぶ、といった形で使い分けられる。
      • HP最大値が250まで増加。
  • ゲーム中途のセーブ可。
  • BGMが豪華で良質。前作のように「形勢が不利・有利」での変化はなくなったが、代わりに大別したマップ用に専用のBGM・戦闘BGMが増加しており、中でもSDガンダムシナリオ及びキャンペーン最終章である逆襲のシャア編は人気高い。
  • ZOCの概念はないが、敵ユニットのいる箇所を通過しての移動は不可。

評価点

  • シナリオモードとは別にキャンペーンモードを搭載。『機動戦士ガンダム』から『逆襲のシャア』までの原作アニメの各場面を再現した全35ステージを順にクリアしていくもので、パイロットのレベルなどが継承されていく。
    • 当時のガンダムのシミュレーションゲームは対戦を主眼においているものが多く、原作のストーリーを追っていくシミュレーションゲームは珍しかった。
    • 原作通りに(撃破された時に)自軍パイロットが死亡する場合もある。逆に言えば原作で死亡したパイロットも撃破されなければ最後まで使い続ける事が可能である。
    • ゲームバランスの原作再現度も高い。
      • 初期のアムロは一般兵以下のレベルであるが、ステージを進めるごとに強くなっていき最終的にはシャア以上の強さになるという原作の雰囲気を良く再現できている。
      • また、本作のシャア専用ザクは前作や他のガンダムゲームでよく見られる強力な補正がかけられてガンダムに匹敵する性能という事はなく、ガンダムの攻撃が一撃でも命中すれば即死確定というリアルな性能である。
      • 前作ではエースパイロットや機体でも運が悪ければ一般兵に簡単に落とされていたが、本作では補正により原作さながらの無双状態になる。
    • また、ユニットの配置も原作を意識したと思われるものが随所にある。
      • ベルファストステージで部隊を一時除隊していたカイが一番後ろに配置されていて戦闘に参加するまで時間がかかる、ジャブローステージで原作でシャアに撃破されたジムがシャアの前に配置されているなど。
    • 余談だが、妙にマニアックな所がある。
      • グラナダ編を再現しており、小説版のキャラであるクスコ・アルも登場。
      • ア・バオア・クー攻防戦で味方黄軍内にヘンケンがいる。
      • パイロットもマニアック。シアン、シン(マツナガにあらず)など。
      • ΖΖ編では小説版の展開を取り入れており、ロンメルの部隊にマシュマー、ゲモン、ヤザンが登場する、アムロがシュツルムディアスに乗って現れるといった展開がある。シュツルムディアスが原作のように敵として出現するマップは存在しないため、ほぼこのためだけに用意されたと言っていいだろう。
  • これまでの青軍、赤軍の他に第三勢力として黄軍が登場。ΖやΖΖの終盤の様な三つ巴の再現が可能となった。
    • 青軍と黄軍又は赤軍と黄軍が同盟関係にある場合もある。そのため、第三勢力の存在しない1stにおいても、ホワイトベースの所属する部隊をプレイアブルキャラクターとして青軍、それ以外の連邦軍を味方側のNPCとして黄軍とするなど演出面でも利用されている。
      • キャンペーンモードにおけるΖ編の最後は自然と原作さながらの三つ巴の戦いとなり、コロニーレーザー(グリプス2)の奪い合いも行われるため、非常に熱い展開となっている
  • 前作からユニット(機体)が多数追加され、原作の再現度が上がった。
    • 前作ではアムロの乗機はア・バオア・クーに至るまで一貫して性能の低いガンダムであり、明らかにシャアに比べて不利だったが、本作では途中から「MC(マグネットコーティング)ガンダム」にパワーアップし性能が追いついている。
    • 前作では時代を無視してアーガマやレウルーラが代役として一年戦争のシナリオに登場するなど、違和感がある部分が多かったが、本作ではおおむね原作通りの設定になっている。
      • ティターンズカラーの「ガンダムMk-II」や黒リックディアスなど色違いのバリエーションも追加。これでようやくΖ編の初期シナリオが「しろい!?ガンダム」という無理のあるシナリオ名ではなくなった。
    • 前作ではΖ編のシナリオであろうが「連邦VSジオン」という構成になっていたが、ちゃんと原作通りに「エゥーゴVSティターンズ」と表現されるようになっている。
  • BGMの評価は全体的に高い。
    • 特にΖΖステージと逆襲のシャアステージのBGMは今作のBGMの中でも屈指の人気を誇る。
      • ただし、ΖΖの原作はコメディ色の強い作品なので、逆シャアステージに次いでシリアス調なBGMは原作のイメージと合っていないという声もある*1
    • また、戦闘BGMはコマンドバトルが始まると同時にサビが流れるように作られているため、ネームド機同士の戦いを盛り上げるのに役立っている。

賛否両論点

シナリオモードでは前作から生産コストが改善された以外、勢力間のバランスはあまり変わっていない。
シナリオごとに有利不利が激しく、対戦はもちろん片方をCOMにしてもかなり難易度に差がある。
以下に詳細を記載するが、言い換えれば不利な側で遊ぶ事で難易度調整も可能な事と、元々大味なゲームバランスなので、よっぽど公平な対人戦に拘らなければそこまで大きな問題点というほどではない。

  • ファースト時代のマップは赤軍が有利になっており、初期戦力はもちろん間接攻撃可能なユニットが多い事とドム/リック・ドム/ゲルググなど量産機の性能が高い事、ギレンやキシリアのザンジバル、ドズルのビグザムの異様な強さが赤軍の有利さを後押しする。
    ファースト時代マップのうち、ア・バオア・クーマップでは青軍は貴重なネームドであるカイとハヤトの搭乗機がなぜかジムになっているため完全に戦力不足*2。生産ありの場合、ぼやぼやしていると赤軍に四方のコロニーが奪われてビグザムの生産が加速し、最終的に悪夢のような光景になる。 ifとしては面白いが
    余談だが、このマップではケーラがこっそりジムキャノンで青軍に配置されている。
  • Z時代のマップでは打って変わって青軍が圧倒的に有利になっている。アムロ・カミーユ・クワトロという最上級の補正付きネームドが高レベル*3で初期配置され、しかもカミーユのZとクワトロの百式はHML持ち、アムロのディジェもミサイル持ちと凶悪な間接攻撃が目白押し。ブライトとヘンケンの艦船も悪くない。一方で赤軍はネームドの中間層こそ厚いものの青軍のネームドには太刀打ちできず、ヤザンだろうがロザミアだろうがネームドのHMLに晒されればあっさり落とされてしまう。唯一パイロット補正で並ぶシロッコのジオは間接攻撃を持っていない為、玉砕覚悟で直接戦闘を挑むより他にない。一応、ジオは間接攻撃が無い分、Zやキュベレイといった他軍のエースユニットよりも機体性能が上であるため、無傷で直接戦闘に持ち込む事が出来れば有利ではある。持ち込む事が出来ればだが。黄軍に関してはハマーンのワンマンチームなのでさらに厳しい。間接攻撃のファンネルは格下相手では圧倒的に強く、百式やディジェにとっても無視できない威力なのだが、肝心のZやジオは防御力が非常に高くダメージがほぼ相殺されてしまうため、結局直接戦闘を挑むより他なく、先述した通りジオ相手では機体性能が劣るため直接戦闘は不利であり、Zに至っては直接戦闘に持ち込む事自体が困難であり、無傷で持ち込めてやっと互角である。生産ありで後述する軍資金バグを使えば戦力差は覆るが、この場合は戦略も何もない作業になる。
  • ZZ時代はHMLのガンダムチームvsファンネルの量産型キュベレイという構図になりやすいが、総合的には青軍が有利な塩梅。キャンペーンと異なり赤軍のニーとランスのレベルが異様に低く設定されている上、マップが最終局面であるためか本編に登場した有力なネームドがほとんど残っていない。さらに青軍のZに対し赤軍のキュベレイ系は生産コストで2倍以上の差があり*4、生産ありの場合資金源の推移からもジリ貧になりがち。一応ジュドーとハマーンの勝敗がそのまま反映される趣にはなっているが、それでも展開力で上回る青軍に対しハマーン一人で戦場を駆けずり回るのは少々つらい。また、ZZはHMLを持つ上に機体性能もジオ以上であるため、ジュドーとハマーンの勝敗自体がジュドーにとってかなり有利である。
  • 逆シャア時代は再び赤軍が圧倒的有利に。クエス*5のαアジールがバランスを崩している他、ギュネイ・レズンに対し青軍のケーラの負担も大きい(ハサウェイはレベルも補正も貧弱)。またαアジール自体も大型ユニット中最強と言って差し支えなく、ビーム・ファンネルをそれぞれ使用した後に移動かHML、つまり1ターンで3回攻撃というハチャメチャな制圧力を持っている。
    なお量産機の性能は赤軍が有利*6だが、これに関してはどちらにせよネームドには太刀打ちできないのであまり影響しない。
  • F91時代も引き続き赤軍有利。原作同様に青軍の量産機は致命的に弱い上、生産ありだとデナン・ゲーやデナン・ゾンが安価すぎるため簡単に蹂躙されてしまう。そしてネームドがシーブックのワンマンであるため赤軍のドレル・ザビーネが二手に分かれると迂闊にガチャポリスから離れる事ができない。セシリーのビギナギナが黄軍となっており、青軍と同盟ではあるが自由に動かせないのも青軍不利の原因の一つ。

問題点

  • 通称『格闘バグ』
    • MA・戦艦などの4列を占有する巨大ユニットは射撃による攻撃しか行えないが、パラメータでは非常に高い格闘値が設定されている。
      そして巨大ユニットのダメージ計算では、なぜか参照される射撃値と格闘値が時折入れ替わるために、格闘値が参照されると突然猛烈な攻撃力を発揮し、多少のレベル差はものともせず敵を叩き落してしまう。
    • 発生するタイミングや法則は現在でも解明されていないが、プレイヤーの間では一度入れ替わると数戦はそれが続くという体感的感想が多い。
    • ただし、通称ではあるもののバグかどうかは断定できない。青軍の艦船や、赤軍でも下級の艦船は射撃値が非常に低く、格闘バグが起こらなければ戦力として役に立たないため、意図的な仕様である可能性もある。
      • たとえば彼我のレベル差がない場合、ホワイトベースの射撃値は15しかなく、これはザクやジムのHPと一緒で、命中しても撃墜が覚束ない。グフ(HP20)やハイゴッグ(HP18)に対してはどう命中しようが一撃では撃墜できないし、射撃値12のサラミスやムサイに至ってはジム・ザクすら満足に倒せないのである。これらのMSに対し、高出力な砲撃の直撃を表現していると考えれば一概に悪いバグとは言い切れない。
      • また、MA・戦艦同士のコマンドバトルでは必ず格闘値でダメージ計算が行われるので、巨大なユニット同士の戦闘では長所でもある*7。他にも、MAや戦艦は当り判定が4ヵ所あるため遠距離攻撃に対して弱く、HML(ハイパーメガランチャー)やファンネルなどの強力な遠距離攻撃を撃たれ続けるとあっさり沈んでしまうため、結果的にバランスが取れていると言えなくも無い。
    • この格闘バグが洒落で済まされない問題点として挙げられるのは、「ダメージのオーバーフロー」と、キャンペーンで敵側に登場する「艦船に乗ったエースパイロット」の存在。
      • オーバーフローは後述するが、シロッコやハマーンが指揮する戦艦や強化人間が操るサイコガンダムなどは、持ち前のレベルの高さによって高い回避率・高い命中率でやたらと粘り強く、その分だけ格闘状態で攻撃される可能性が高い。おまけに格闘状態でなくともレベル補正で攻撃力がアップしている上、旗艦として通常射撃値も優遇されているため、もはや直接戦闘では手に負えない。ネームド同士の戦闘ではオーバーフローが起こらない事も凶悪さに拍車をかける。
      • 連邦ではブライト・レビル・ヘンケン・カイ・ハヤトあたりが強力だが、こちらは搭乗する艦船の性能がやや低いのと、ハマーン・シロッコのような化け物じみたパイロット補正を持たないためバランスを崩壊させるほどではない。
  • ダメージのオーバーフロー。
    • ネームド同士の戦闘以外ではダメージ計算の値が最大値127でループしてしまうため、レベル差・武器攻撃力差が一定値を越えると0~1ダメージしか与えられなくなる。前述した戦艦・MAの格闘はこの現象が起きやすく、低レベルのザコユニットに囲まれて身動きができなくなるという事態が往々にして発生する。
      • ダメージの増減はレベル差1につき±2。青軍所属の艦船は逆襲のシャア時代になって漸くラーカイラム(格闘120)がレベル差4で発生するが、赤軍所属に至ってはファーストから既にビグザム(格闘150)、Ζ時代ではドゴスギア(格闘150)・サイコガンダム(格闘150)と、格闘バグの最中は無名パイロット機に対してダメージが皆無。次点もジュピトリス(格闘120)・グワダン(格闘120)でこれもレベル差4で発生する。
      • 余談だが、青軍は他軍の旗艦に比べパラメータに見劣りする傾向があり、かえってオーバーフローを免れて格闘バグの恩恵を受けやすいという面もある。
        ちなみに、アーガマの格闘値100はレベル差14でオーバーフローするが、シナリオでアーガマに搭乗するブライトは丁度LV14で、相手が「がくとへい(LV1)」*8でもオーバーフローはぎりぎり発生しない。
        さらに同シナリオの黄軍のグワダン(格闘120)のパイロットはミネバ(LV8)で、デフォルト設定の「せいきへい(Lv4)」が相手だと格闘バグで丁度オーバーフローが発生するレベル差となっている。赤軍のジュピトリス(格闘120)のパイロットは固定でエース(Lv10)であり、こちらも同様である。サイコガンダムやドゴスギアに関してはレベルに関係なくオーバーフロー圏内。青軍のアーガマと比べると意図的かと思えるほど興味深い。
    • 巨大ユニットに限らず、間接攻撃のHMLも基本攻撃力80あるため、シナリオのクワトロ(LV25)が「がくとへい(LV1)」に対して撃つと丁度発生する。
    • 関連して、コマンドバトル時に「防御」を選択しHPが回復した時、255を超えるとオーバーフローでHPが一桁に落ちる。ぴったり256になると撃沈。普通のプレイではまず起こらないが。
  • バランス関連
    • 遠距離攻撃が非常に強力で、これのあるユニットとないユニットの性能差が激しい*9。一応ある程度まではバランスが取られているが、特にファンネル*10やHMLを持つ機体に強力なネームドが搭乗すると無双に拍車がかかる。
      • 中でもHMLの射程は7と極めて長く、コロニーレーザー(射程6)よりも長い。コロニーレーザーはパイロットもユニットの性能も関係なく必中必殺なので、そのあたりでゲームとしてバランスを取るためとはいえ、さすがにこれは違和感がある。
  • 一部のネームド無双
    • 触って楽しい、ぶつけて楽しいSLGではあるが、プレイヤー対戦を突き詰めていくと全てのバランスはネームドの存在に拠るところが大きい。
      • ネームド同士の戦闘では攻撃力にレベル差が考慮されなくなる特徴があり*11、言い換えれば補正やレベルの高いネームドを倒すには同クラス前後のネームドをぶつけるしかない。つまり有力なネームドが脱落した場合、ほぼそのままゲームの決着となってしまう。
      • 前述したバランスに関連するが、『逆襲のシャア』シナリオでは最終的にアムロ・ケーラvsシャア・クェス・ギュネイで相手を制した側の、もっと言えばアムロかシャアどちらか生き残った側の勝利であり、その後は戦艦による低確率の直撃を期待する以外に取る手段がなくなる。原作でも名無しパイロットは陣営問わず一山いくらというレベルで撃墜されていたので、リアルと言えばリアルと言えなくもない。
      • 『ポケットの中の戦争』では戦艦が登場しない上、アレックス・ケンプファー共に高い防御力を持つため一般兵ではダメージが通らない。加えて青軍はネームドがクリス只一人な上、ろくな味方がいないためガチャポリスから離れる事が出来ない。かといって赤軍もネームドによるクリスの撃破に失敗すると誰もクリスにダメージを与えられなくなり、手も足も出ずに詰む。原作のグレイファントム隊の無能っぷりと、サイクロプス隊の悲壮感を再現しているのでリアルと言えば(ry
  • 黄軍のバグ
    • 第三勢力として新登場したこの軍勢はバグにより軍資金が永遠に減らない。従って生産ユニットのない一部のMAPを除き高級機の大量生産が可能になってしまう*12
    • 初代ガンダム系のマップで黄軍がガンダムやホワイトベースを量産し始めると、もはや無意味な物量の消耗戦となる。
  • コマンドのバグ
    • シナリオのオプションに存在する「コマンド」は、1ターンでユニットを行動させられる回数を設定できるのだが、行動したはずなのに減らないバグが幾つか存在する。
    • 例としてはプレイヤーが艦船が移動→搭載MS発進で2回分コマンドを消費するのに対し、COMはこれを1回分しか消費しない。
    • 関連してCOMの特定の「さくせん」下では変形時の追加移動中に攻撃を行う。もちろんコマンド消費は1。
    • プレイヤー側では変形時の追加移動をキャンセルするとコマンドを消費しない*13。つまり変形ユニットなら通常移動の範囲内でコマンドを無視して展開できる。
  • シナリオモードにおける原作設定の改変
    • 戦国伝の風林火山編では闇将軍が本来の復活闇将軍ではなく、武者七人衆編時の姿で登場する。
    • 天下統一編において同一人物が同シナリオ内に何の脈絡もなく複数人登場している。具体的には初代大将軍と鳳凰頑駄無(シナリオ6・10)、四代目大将軍と新荒烈駆主(シナリオ10)、龍将・飛将と龍飛*14(シナリオ8)。また原作では最終決戦まで登場しない二・三代目大将軍が中盤にあたるシナリオ7~9で登場している(7に二代目、8・9に三代目)が、その代わりになぜか初代大将軍が前身の鳳凰に戻ってしまっている。各シナリオはあくまでも1話完結でありゲーム内でストーリーの説明もされないため、そのシナリオだけを見れば大きな問題はないように見えるが、全体として見ると原作と比較して整合性の取れない展開となってしまっている。
    • 戦国伝のシナリオ10のタイトルは「けっせん!あなはいむじょう」で、マップも城風となっているが、原作に登場したのは「悪無覇域夢山(あなはいむざん)」である。
    • Ζガンダムの第47話「宇宙の渦(そらのうず)」を元にしたと思われるシナリオのタイトルが「うちゅうのうず」となっている。
  • セーブデータが1枠しか取れていないため「友達等との対人戦」と「キャンペーンモード攻略」の両立が難しい。
    • 前作は必ず1つのマップ内で完結できたのでさほど問題ではなかったが本作は長丁場の「キャンペーンモード」を攻略している時に、単独シナリオのデータを保存してしまうとパーになる。
    • 単独シナリオでの対人戦をノーセーブで一気にやり切るなら問題ないが、これはこれで前作の1シナリオとあまり変わらないボリュームがあるので難しい。特に小学生など低年齢層では、まず忍耐が続かないため途中セーブはほぼ必須。
  • 登場キャラクター関連
    • 一部ユニットのグラフィックが入れ替わっている。説明書にも記載されているデザートザクとマリンザクに関してはマイナー機体であり登場マップも少ないため影響は比較的少ないが、これ以外に新荒烈駆主と雷頑駄無、三代目大将軍と四代目大将軍(天下統一編のみ、風林火山編の三代目大将軍は本来のグラフィックで表示されている)の間でも生じている。こちらはいずれも主要キャラクター同士のため致命的なミスとなってしまっている。特に新荒烈駆主=四代目大将軍は戦国伝の全シナリオを通しての主人公であるにもかかわらずその多くでバグの犠牲になっている。
    • 一部のキャラクターは字数制限により名前が途中で切れてしまっている。ハードの制約上やむを得ないことではあるが、円卓の騎士編に登場する獣騎士ベルガ・ダラスは中点を省略して「ベルガダラス」と表記されているにもかかわらず、元ネタのF91編では「ベルガ・ダラ」となっており、同一モチーフでありながらゲーム内で表記に一貫性がない部分が見られる。また皇騎士ガンダムは単に「ガンダム」というあまりにも大雑把な表記になっている。
    • 天馬ホワイトベースが本来登場しないはずの円卓の騎士編にまで登場している。戦艦系ユニットが登場しないためのバランス調整と思われるが、円卓の騎士編ではなぜか攻撃力が射撃・格闘ともに0となっている。
  • その他
    • コロニーレーザーの演出が強化されたが、スキップできないため何度も行われると冗長に。
    • 直接戦闘は相手のユニット上に乗り込む形で行うため、戦闘終了後に双方のユニットが残っている場合は片方が周囲8マスのいずれかに押し出される。ここで周囲を他のユニットで囲んでおくと、行き場を失うためか爆発音とともに攻撃を仕掛けたユニットが無条件で沈む。イケイケで押していたらこの仕打ちなんて事もあるので仰天すること必至。もちろん敵も同じなので、狭い通路に殺到する中にシャアが突っ込んできて爆散しているなんて事もある。やっぱり仰天必至。
      • 余談だが、コマンドバトルで「離脱」を選択した場合はその側が押し出されるため、この場合は離脱側が爆散。また、「離脱」を一度成功させると、以後何らかのコマンドバトルが発生するまで他の戦闘でも「押し出されるフラグ」のままになり、今度は攻め込まれた側が次々と沈む。なかなか目にできる状況ではないが。
    • キリマンジャロなど移動不能な箇所の多いマップでは、COMがそれを考慮せず目標に移動しようとする為、プレイヤーのユニットが近づかないと(場合によっては近付いても)まともに動かない。
    • F91編はキャンペーンモードでは登場しない上にBGMが初代ガンダムの使いまわしである。あくまでおまけ的な扱いにとどまっている
    • 箱イラストには『SDガンダム』からはガンダムF91、『外伝』からは皇騎士ガンダムと各シリーズの主人公が描かれている一方、『戦国伝』を代表して描かれているのはなぜか主人公の武者荒烈駆主ではなく脇役の武者風雷主*15。荒烈駆主は前述のバグを含め散々な扱いである。

総評

見た目こそ前作から変化していないものの、部隊運用やコマンドバトルの変更により別物と言えるシステムに仕上がった。ファミコン時代の戦略SLGとしてはそれなりで魅力もあり、プレイヤー対戦を除けば十分に楽しめる完成度を持つ。
本格的な戦略SLGには遠いものの、ガンダムゲーの後続の礎となった作品の一つと言える。


余談

  • 当時はOVA作品として『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』が存在したが、まだ未完結だった。
    • そのため、同作のコウ・ウラキやアナベル・ガトー、ガンダム試作機(GP系)やノイエ・ジールなどは次作まで待たなければならなくなった(半年後発売のSFCソフトの『スーパーガチャポンワールド SDガンダムX』でも未登場)。