スーパーガチャポンワールド SDガンダムX

【すーぱーがちゃぽんわーるど えすでぃーがんだむえっくす】

ジャンル シミュレーション
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 バンダイ
開発元 ベック
発売日 【SFC】1992年9月18日
【Switch】2018年12月6日
定価 【SFC】9,500円(税別)
【Switch】850円(税別)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 2個
判定 良作
SDガンダムシリーズリンク


概要

  • FC『ガチャポン戦士2 カプセル戦記』の流れをくむ、アクションバトルを特徴とするシミュレーションゲーム。
    • 参戦作品はファースト、Ζ、ΖΖ、逆襲のシャア、F91、0080。

ゲームシステム

  • プレイヤーは最初に使用する軍勢、敵軍、ターン数、行動可能ユニット数、初期資金、初期TEC(後述)を選択。
    • 選べる軍勢は連邦(含エゥーゴ)、ティターンズ、ネオジオン(ファーストとグレミー軍と逆シャア軍)、ジオン(いわゆるアクシズ)、クロスボーンの五つ。自軍、敵軍それぞれ4つまで選ぶことができるが、敵味方両方に同じ軍勢を入れることはできない。片方に4つ入れるともう片方は必然的に残った1つになる
  • 次にメインマップとなる宇宙面(8種)を選択。宇宙面にはそれぞれ決められた数の惑星と衛星があり、これらは宇宙面と相互に行き来ができるサブマップとなっている。それら惑星面(12種)、衛星面(6種)を選択してゲームスタート。
    • マップは六角形のいわゆるHEXタイプで、ZOCの概念も取り入れられている。
  • マップには工場、コロニーまたは都市、打ち上げ施設、コロニーレーザーがあり、戦艦以外のユニットで占領可能。
    • 工場では最大四機まで新ユニットを生産することができ、この時生産可能なユニットの種類は選んだ軍勢によって決まる。また、戦艦を工場に入れるとドック入りして修理できる。
    • 工場を占領し続けると毎ターン隠しパラメータが増加し、一定数に達するとTECレベルが上昇。生産可能ユニットの種類が増え、既存ユニットの生産費用も安くなる。最大5まで上昇。
    • コロニーおよび都市を占領すると毎ターン収入が入り、工場での生産に使えるようになる。
    • 自軍の打ち上げ施設に戦艦を置くと、宇宙に打ち上げることができる。
    • コロニーレーザーは六方向に発射可能で、射線上にいたユニットは全て破壊される。発射は自ターンに方向を選択し、次の自ターン最初に発射。
      • 惑星や衛星から打ち上がってきた戦艦も射程に入っていれば当然破壊される(搭載ユニットも含めて逃げることは不可能)。このことを忘れて射程に入らなければいいと油断していると痛い目を見る。
      • 宇宙を完全に占拠し、コロニーレーザーの射程内にある惑星や衛星に敵ユニットを閉じ込めた場合は守備が極めて容易になる。
  • 敵ユニットと隣接すると戦闘を始めることができる。
    • 戦闘は2Dサイドビューアクションで行われる。この戦闘には攻撃される対象と隣接している全てのユニットが参加するため、敵味方あわせて最大7機での戦闘が可能。
    • プレイヤーは攻撃を仕掛けた(または仕掛けられた)機体を操縦、僚機はCPUが担当。全てCPUに任せることもできる。
    • 制限時間に達するか、どちらかが全滅すれば戦闘終了。ちなみに相撃ちで両方全滅もあったりする。
    • 相手が戦艦だった場合は、オートの撃ちあいとなり性能や地形効果でHPの増減が決定される。また戦艦は遠距離攻撃が可能で、対艦以外は一方的に攻撃できる。
    • パイロットの概念は無いが、何度も戦闘を重ねたユニットはランクが上昇し、能力がアップする。
  • どちらかの勢力が全滅するか、規定ターン数に達すると終了。ターンオーバーの場合は占領地域の多さで勝敗が決まる。
  • 中途セーブ可。
  • 容量の都合なのか、軍ごとの固有名が使われていない。
    • たとえば戦艦「サラミス」について、原作のティターンズには「サチワヌ」と呼ばれる同型艦が存在しているが、本作ではそちらの名前が使われず、連邦の「サラミス」と同名の色違いという扱い。

各軍の特徴

  • 条件で特徴が大きく変わるので、前提としてTEC1、初期費用0で始めた場合について述べる。
    用語として「量産機=ジムやザクなどの脇役、低コスト機」「高級機=ガンダムやキュベレイ、サザビーなどの主役・ライバル機や試作高性能機」を表している。
+ 連邦

連邦

  • 初期ユニットは可もなく不可もなく。ジム・ネモが頼りないのでガンダム頼りになる。
  • ガンダム系ユニットが強く、その他が弱い傾向にあるが、ガンダムは高級機なため
    序盤は頼りないジム・ネモでなんとか乗り切るしかない。
    • TEC2で作れるΖガンダムは、単機で惑星や衛星に降下できる唯一のユニット。
      パラシュート部隊のような使い方ができ、ベースのそばに降下しようものなら一気に形勢をひっくり返すことも。
    • TEC3で作れるΖΖガンダムは全ユニット(大型ユニット除く)中で最高の対艦能力を誇る。
      このあたりから他勢力に比べて優位に立てるようになっていく。
    • TEC5で作れるF91はどこをとっても高性能な機体。バランスもよく最強ユニットと評されることも多い。
    • 大型MAは作れない。別に気になる欠点ではないが。戦艦は可もなく不可もなく、といったところ。
    • TEC4でもTEC5でも解禁ユニットが存在する唯一の勢力でもある。
      クロスボーンはTEC5だけしか居ないし、他3つの勢力はTEC4だけしか居ない。
+ ネオジオン

ネオジオン

  • 初期ユニットは弱め。その上戦艦の性能の関係で初期ユニット数が他勢力より少なく、序盤最も辛い勢力。
    • TEC1では上位のエルメスが生産に2ターンかかる上使いにくいので、
      ゲルググしか頼れるユニットがいない。幸い長刀が強力なのでそれなりに戦えるが。
    • TEC3で作れるバウとドーベンウルフがかなり強く使い勝手もいい。
      宇宙専用ではあるが、TEC2で作れるジオングも値は張るものの強力。
    • 一方それ以外のユニットは使い勝手がいまいち。
      ファンネル搭載機が多いが、問題点の項目にある通り本作のファンネルはかなり微妙な武装なため 実質武装が3つしか無いような状態で戦わざるを得なくなる。
    • 大型ユニットはクロスボーンのラフレシアを除けば最強クラスが揃っている。
+ ティターンズ

ティターンズ

  • 初期ユニットは強め。最弱のハイザックですらかなり使える他、エース機であるガルバルディβも頭ひとつ抜けた性能をしている。
    戦艦の移動力が高いのもゲーム開始直後の陣取り合戦で有利。
    • TEC2ではガブスレイが猛威を振るう。1Tで製造出来て移動力13を誇るのはガブスレイのみで、クロスボーンですら12、他勢力は11がやっと。
      本作は数で押しつぶす作戦が非常に強力なため、1Tで製造出来る強力な機体は有り難い。
    • TEC3のパラス・アテネは1Tで製造出来る割に武装が強力で対艦能力も高い。
      重武装という扱いからか、戦闘中のスピードや移動力などが下級ユニット並に低いため、高機動なガブスレイと使い分けが重要になる。
      • 上記2機のおかげで、数の暴力を最も行使しやすい勢力となっている。
    • TEC4で登場するジオはかなり強いユニット。資金に余裕が出来さえすればこちらに乗り換えて押していける。
    • 大型ユニットはサイコガンダムのみ。
+ アクシズ

ジオン(アクシズ)

  • 初期ユニットは強め。しかし戦艦の移動力が低いため、陣取り合戦では遅れを取りがち。
    ガザCやガ・ゾウムは可変機で戦闘での主導権がとりやすく、ミサイル搭載のため初心者でも扱いやすい。
    • TEC2で製造可能なジャムル・フィンは、サーベルがなく宇宙専用であるなど欠点もあるものの、
      同期のユニットと比べて1ランク上の性能を持っており強力。
      移動力も16あり、これはTEC5のF91やビギナギナと並んで全ユニット中1位。
    • TEC4で登場するゲーマルクはファンネル搭載機のため性能がいまいち。
      以降解禁されるユニットが無いため、最後までTEC3のユニットを中心に戦うことになる。
      結果資金はダダあまりしているのに作るユニットは低ランクユニットばかりという悲しい事態に…
    • 水中・地上用ユニットのカプールは砂漠以外でのクロー・ミサイルが強力。
      特に水中での実力は随一で、F91すら返り討ちに出来る。
    • 大型ユニットはサイコガンダムMK-IIとビグザム。*1
    • グワダンは最強の耐久力と搭載力を持つ戦艦であるが、ゲーム内唯一の製造に4ターンかかるユニットで、コストも全ユニット中最高。
      移動力が他の最上位戦艦と比べると多少低いこともあり、ロマンユニットに近い。
+ クロスボーン・バンガード

クロスボーン・バンガード

  • 初期ユニットは文句なしの最強。
    戦艦は他勢力の上位戦艦並、搭載機も一番弱いデナンゾンですらガンダムを遥かに凌ぐ性能を持っている。
  • 基本どのユニットも強いため、適当に製造しているだけでもなんとかなってしまう。
    アクシズ同様カプールを擁しているため、地上での戦いでも優位に立てる。
  • 弱点としてこの陣営は安価で作れるユニットが存在せず*2、その上宇宙ではデナン系以外のモビルスーツの完成に2ターン以上かかるため物量戦は苦手。
    そのため他勢力のように雑魚ユニットを使い潰したり、特攻気味に運用すること戦法は取りにくい。
    • 宇宙・衛星用の大型ユニットであるラフレシアは、大型ユニットの中では最強格。
      尤もTEC5で生産できるビギナギナも連邦のF91と双璧をなす強機体であり、そちらを量産する方が大抵は良い結果を生むが。
    • 戦艦もコストこそ高いがその分、火力、機動力、射程のすべてが他勢力と比べて優遇されている。
      特に最上位戦艦であるザムス・ガルの火力はより高コストなグワダンすら上回る。
      機動力に関しても移動力14の戦艦を保有するのはこの勢力だけ。
    • 生産出来るユニットの種類が他の勢力より少ないことや、
      似たようなコンセプトのユニットが多く変形ユニットやファンネル持ちなどが存在しないことなど、
      「使う楽しさ」という点では他勢力に劣りがち。

評価点

  • 宇宙・惑星・衛星の多元マップによるゲームプレイの広がり。自然とあちこちに前線ができあがり、戦力や資金の割り振りにいい意味で頭を悩ませることに。
    • 軍勢が一度に複数選べるのも魅力。例えばティターンズで他全軍を撃破したり、連邦・ジオンの連合軍を結成してみたりと色々楽しめる。
    • プレイするたびに、ちょっとした脳内戦記ができあがるといっても過言ではないだろう。
  • そして最大のポイントであるアクションバトル。これにより、ともすれば冗長になりがちなシミュレーションにほどよい緊張感がもたらされる。
    • アクションの腕次第だが、下級ユニットで上級ユニットを倒したり、1対多に勝ったりと不利な状況を打破できる点も魅力。
    • 『カプセル戦記』では1対1のみだったバトルが最大7機まで参加可能になり、武器も3種から4種に増加。多数の機体が画面狭しと戦う様は、より戦争ゲームとしての臨場感を高めてくれる。
    • ユニットと地形の相性も旧作と比較して大きい。相性が悪い地形で戦うと上級ユニットといえども恐ろしく弱くなるので、これを利用して状況を打破することも可能。
  • BGMも良質。特に戦闘時は地形ごとに異なった曲が用意されており、バトルの盛り上げに一役買っている。
  • グラフィックも当時としては文句無いレベルにある。
  • カーソルの高速移動や、特定ユニットに直接ジャンプできるなど、操作面も充実。

賛否両論点

  • CPUの思考がいまいち。
    • ユニット生産に計画性がまったく無く、どうでもいいところで高額ユニットを製造して資金を浪費し、肝心な前線にまでまわってこないというような事態が多発。
      • 砂漠のど真ん中でズゴックやカプール等の水中用上級ユニットを大量生産し、砂漠を出る前に殲滅されることも。ほかの地上地形だと恐ろしく強いのに。
      • 出撃できないユニットを生産する(宇宙でカプールを生産する等)ような馬鹿な真似はしないが、地球に降下する戦艦に宇宙専用MSを搭載したり、宇宙に上がる戦艦に地上専用MSを搭載したりはする。
    • ハンデとしてCPUの初期資金と初期TECを増やしたくなるところだが、なぜかどちらも中途半端な値までしか上げられない。そのせっかく増やした初期資金も、意味もなく戦艦とMAを製造してあっという間に浪費してしまう。
      • この問題点をある程度解決できるのが「CPUをクロスボーン軍のみにする」方法である。
    • ゲームに大きく支障が出る程酷いわけではなく、むしろゲームが成り立つレベルのポンコツ具合というのはCPUとしては大変優秀でもある。CPUが常に最適解を選び続けると生半可なプレイヤーでは太刀打ち出来ず、かといって適当に突っ込むだけで勝てては面白みにかけるからである。なのでそこそこの強さを持ちつつも敢えて弱点を晒すのもCPUとしては重要であり、「CPUが雑魚MSを生産したタイミングで敵基地に強襲をかける」「CPUの資金が尽きるまで耐え、尽きたところを反撃する」といった駆け引きに繋がる。先述されている通りCPUをクロスボーンのみの軍にすることである程度解決も出来るため、ゲームの相手としての完成度はそう悪くない。
    • 局所的には生産拠点になっているベースの周りに多数のユニットを団子にしたり、ユニットの数をそろえてから隙のある地点に進出したり、味方に有利な地形に敵を引きずり込んで袋だたきにしたり(特に水中で多数のカプールと戦わされるときつい)と意外に頭がいい行動をとる場面があり、特に終盤攻めあぐねることも。
      • バトルアクションは割合強めに設定されているうえ、画面に表示されていないところから正確に狙撃してくる(プレイヤーがこれをやるのはかなり難しい)ので、その意味では初級・中級プレイヤーを相手にするよりはるかにきつい。アクションが苦手だと全く抵抗できないままCPUに機体を破壊されることも多い。
      • ただ、マップが広くて移動制限が多く、輸送・補給などの戦略が重要となってくるこのゲームではもう一段上の思考がほしかった。
  • 戦艦に何でも搭載できる仕様。
    • 戦艦に搭載できる機体の数は戦艦ごとに異なる*3が、搭載できる機体の大きさは考慮されておらず、原作だと100m超の大きさを誇る超大型モビルアーマーであるαアジールなども自由に搭載できてしまう。
      • 本作では大型機の搭載ができないとハマる原因になる(前述したαアジールは宇宙専用なので、知らずに地上で作った場合、戦艦に乗せられない仕様だと出せなくなり、生産枠を永遠に圧迫する)ので、仕方がない面もある。
      • ガンダム作品としてはシュールな違和感を覚える人もいるが、SDなのでそこまで大きさにはこだわらないということなのかもしれない。
      • ちなみに、FCの『ガチャポン戦士3』、『ガチャポン戦士4』ではそういった大型系は戦艦に搭載できなかった*4

問題点

  • ファンネルを破壊されるとHPが減るという仕様のため、ファンネル系の機体がイマイチなものに。
    ファンネル機を多く有するネオジオンは非常に扱いづらい勢力となってしまっている。
  • 多くの機体に搭載されているバルカン砲は、短射程な上に威力も低いので使い道に乏しく死に武装化している。
    元々3つしか武装がないのに、その上更に1枠をバルカンで使ってしまっているジムはおそらく本作最弱のユニット。
  • 大型ユニットのほとんどは性能がイマイチで、製造ターンや製造コストに見合った強さがあるとは言いがたい。1ターンで生産できるユニットの方がはるかに使える。
    中でもビグザムは非常に鈍く、威力こそ高いものの溜め必須なメガ粒子砲系が主力な上に、即発できる武器の威力がイマイチでとりわけ使いにくい。
    • 大型機ゆえに被弾しやすいが、その割にHPが低く、同時期に購入出来るユニットと大差ない。
      防御力は高めに設定されているが、それも被弾し易さをカバー出来るほどではない。
      火力に関しても攻撃範囲は優秀だが威力は他と比べてちょっと強いと言う程度で、一騎当千とは程遠い。
      移動力は鈍重の極みというレベルで、地形適応も悪く、特に森林や暗礁空域では異常に弱体化してしまう。
      通常のMS、特に量産機系は適応が高めに設定されていることもあり、ジェガン6機に囲まれたラフレシアがボコボコにされてしまうなんてことも起こり得る。
      MAは当たり判定がデカいため、乱戦だと他ユニットにガンガンぶつかって移動が制限されることもあり非常に不利。
      また戦闘システムの関係上戦艦との戦闘にも弱く、サラミスやムサイと言った弱い艦が相手でも2、3隻に襲われるとあっという間に負けてしまうため、敵戦艦がいる場所には迂闊に近づけない。
  • 戦闘では数をそろえた方が有利になるという一面もあるので、条件で初期費用を少なくした場合は無理して上級ユニットを生産するより1ターンで生産できる下級ユニットを大量生産した方が有利になることも多い。
    • このときに生産したユニットは終盤は性能面で当然きつくなるわけだが、このゲームではユニットが町やコロニーで回復しないので十分役に立つ(下級ユニットを多数ぶつけて弱らせておいて上級ユニットでたたく、回復のために戦艦に戻った時にまとめてつぶすなどの手が打てる)。ガンダムゲームは数多いが、ネモやゲルググがここまで大活躍するゲームも珍しい。
  • クロスボーン軍が突出して強い。下級MSのデナン系でも初代ガンダムと同等で、移動力もあるため侵攻力が桁違いに高い。ハンデとしてCPU専用にするというのがファンのもっぱらの意見。
    • ただし、ユニットの値段が他の軍と比べて突出して高いため、クロスボーンのみをとった場合に両軍初期資金0・初期TEC1に設定すると最初の段階で物量戦に持ち込まれてTEC上昇合戦に負け、補給も効かずに押されることがある。プレイヤー同士ならこの条件でやるべきだろう。
      • クロスボーンは生産出来るユニットが少なく、代わりにどれも強力なのも特徴の一つである。これはCPUに使わせた場合、無駄なユニットを作りにくいというメリット(=難易度の増加)になりうる。 特に宇宙では最低でもデナンゾンを量産するため、資金が尽きない限りはどの基地も強いユニットががっちり守ることになり攻略は至難。 腕に自信があるプレイヤーにとっては難易度調整に使えるだろう。
  • TEC上昇のバランスもいまいちで、これでも有利不利が出てしまう。
    • 特にTEC5の連邦軍がすごすぎる。ガンダムF91が他のユニットでは手も届かない遠方から大挙して押し寄せて敵を蹴散らしていく様は、まさに軍隊アリやトビバッタを連想させる恐ろしさ。「通った後はぺんぺん草も生えない」とはまさにこのこと。
    • クロスボーンも衛星・宇宙用のラフレシアが犯罪的な強さのうえ、水中・地上用ユニットのカプールや汎用のビギナギナも強力で、終盤も安定した強さを誇る。戦艦も他勢力ならばラー・カイラムやドゴス・ギアと言った最上位戦艦しか不可能な射程5の砲撃がこの勢力のみ最下位であるザムス・ナーダ以外は全て行えてしまう。
    • 逆にティターンズは終盤で他の軍と比較して弱小なユニットしかなくなるのでTEC5では悲惨なことになる。ジオンはそれと比べればましだがそれでも終盤はかなりきつくなる。
      • この2軍は初期の量産型が値段の割には強めで移動速度もそこそこ早いので序盤で形勢を決めてしまえば何とかなるという一面はあるが…。
  • 『0080』はケンプファーとグレイファントムのみの参戦で、主役級であるアレックスは出てこない。
    • 次回作の『SDガンダムGX』ではアレックスも参戦している。
  • いらないユニットを処分できるコマンドが存在しない。
    • 戦艦を含めたユニット数の制限は128機。広いマップだと案外すぐ限界に達してしまう。
    • フォローするとこのシリーズではユニットの処分はできないのが通例だった。ただ、このゲームではユニットは戦艦なしに宇宙にいけない、水中・地上専用ユニットは宇宙で身動きとれない(つまり戦艦で輸送するしかない)などの移動制限ルールが存在するため非常につらく感じる。また、TECルールで序盤生産したユニットが陳腐化するというのもつらく感じる要因の一つ。
      • ユニット数制限があるおかげで序盤生産したユニットは敵の上級ユニットにぶつけて処分する、という行動に出るしかない。ただ、このゲームではユニットの回復が従来のシリーズより難しいため、多数の弱小ユニットを戦艦ですばやく前線に送ってぶつけ続けていると防備が薄いところは突破できてしまう。まさに「戦いは数だよ兄貴。」である。
    • なお余った雑魚ユニットも使い道がないわけではない。本作の戦闘バランスは、最高級の戦艦であってもジムやネモ数機で襲い掛かれば沈めることが出来るようになっている。そのため「ジムを3機積んだサラミス」であっても、相手が戦艦で進軍しようとしている場所に足止めとして配置しておくことで結構な圧力になる。
      • またCPU戦に限った話ではあるが、CPUは基本的に互角以上の数が揃わないとMS戦を仕掛けてこないため、例えばF91が2機揃って襲ってきても、ザク3機を固めておけばそこで延々と足止め出来る。暗礁空域や海などで道が狭くなっている場所だと狙いやすい。
  • メガ粒子砲連射のバグ技
    • 高威力だがタメが有り当て辛いというロマン砲になっているメガ粒子砲だが、溜めきってからコンマ数秒離し、再度押すと溜まりっぱなしの状態になる。この状態でボタンを押し直すと溜め無く連射出来るため、驚異的な弾幕レベルで打てる。
    • これを利用して可変機で且つメガ粒子砲が撃てるメッサーラなどは最強の一角。単騎でMS数十体を撃破することもできるレベルのゲームバランス崩壊技となる。
    • 尤もこれはあからさまなバグであり、元来は溜めて撃つを繰り返す武装。本来の使い方をした場合、溜めの時間を稼ぎやすい可変機か攻撃範囲が広い拡散メガ粒子砲ならそれなりに使えるといった程度の性能。バグ技に手を出すか否かはプレイヤー次第。
      • ちなみにCPUはこのバグ技連射を使わないのでご安心を。
  • ユニット毎の地形適応を示す情報が説明書にもゲーム中にも存在せず、マスクデータとなっている。
    • これから生産しようとするユニットが大気圏内専用なのか宇宙専用なのか、はたまた両用なのかがわからないという事も。このため機体の設定を殆ど知らないプレイヤーは肝心な場面で困る事になる。媒体によって定義が今一つ曖昧なメッサーラが特に顕著(本作のメッサーラは宇宙専用ではなく両用)。
    • また、サイコガンダムやクインマンサ等の大型機は工場・都市・打ち上げ施設・海中に侵入できないが、こちらも一切記述がない。
    • なお、本作に登場する戦艦は全て大気圏内宇宙両用である。本来宇宙用のはずのサラミスやムサイも地球に降りれてしまう。
    • 水中専用などはまだわかりやすいが、それ以外の機体にも差がありこれが気づきにくい。唯一の地上専用ユニットであるアッシマーは森や密林の地形適応が高く水中でも性能があまり落ちないという特徴があるのだが、ゲーム中で確認出来ないため正当な評価をされにくい。

総評

シミュレーション部分はマップの多元化、アクションバトル部分は乱戦化とそれぞれ大幅強化。『カプセル戦記』の正当進化系というべきものへと仕上がっている。
CPUの思考には若干難があるものの、SDガンダムのシミュレーションゲームとしては十分遊びごたえがある一作となっている。


余談

  • コロニーレーザーを利用して両軍を同時に全滅させると、レアな引き分け画面を拝める。
  • 発売当時はOVA作品の『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』が完結間近だったが、本作発売のほうがタッチの差で早かった。
    • そのため同作で登場したガンダム試作機(GP系)は連邦軍に一切含まれておらず、ノイエ・ジールといったデラーズ・フリート系のMSや戦艦は登場できなかった。
    • わずか3か月後にファミコンで発売された『SDガンダム ガチャポン戦士5 BATTLE OF UNIVERSAL CENTURY』には登場しているため、このような部分も当初3月発売を予定していた名残と思われる。
  • FC版のシリーズで登場したガルダやディジェといったカラバ系のMSや戦艦も一切登場しない。
    • ディジェはともかくガルダは本来地上専用艦なので出しにくいというのもあるかもしれないが。ディジェはGNEXT(次々作)、ガルダはGX(次作)から登場する。
  • 2018年4月26日に発売されたSwitch版『SDガンダム Gジェネレーション GENESIS』の早期購入特典として、本作のSwitch移植版が無料でダウンロード可能だった。
    • 2018年12月6日にはこのSwitch移植版が単品で発売されたので、今からでも遊ぶことが可能。
最終更新:2024年08月20日 09:34

*1 ビグザムがなぜアクシズ所属なのか…?一応マークが旧ジオンなので分類されたのか、あるいはネオジオンのクイン・マンサと取り違えたのだろうか

*2 一番安いデナンゾンでさえ、ガンダムより高く、序盤でも1ターンに数機しか作れない。ザクマリナーとカプールは安く作れるが、地上専用のため序盤は出番が無い

*3 性能の劣るサラミスやムサイは3機まで、高性能のグワダンやドゴスギアあたりなら8~9機まで搭載可能。

*4 ただしあくまでゲームシステム上の大型(1機で1部隊)なので、本来なら同等クラスの大きさであるクインマンサは搭載できてサイコガンダムは搭載できないという不整合も発生している。