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ロックマン (PS) - (2018/01/17 (水) 18:56:44) の編集履歴(バックアップ)




ロックマンコンプリートワークス

【ろっくまんこんぷりーとわーくす】

ジャンル アクション




対応機種 プレイステーション
発売元 カプコン
開発元 4~6:エルステッド
発売日 1:1999年8月5日
2:1999年9月2日
3:1999年9月14日
4:1999年10月28日
5:1999年11月25日
6:1999年12月9日
定価 各2,800円
廉価版 PS one Books/各1,800円
1,2:2003年4月24日
3,4:2003年5月29日
5,6:2003年6月26日
配信 ゲームアーカイブス/各600円
1:2009年8月12日
2:2009年9月9日
3:2010年4月28日
4:2011年2月9日
5:2011年8月10日
6:2013年2月27日
判定 なし
ポイント 無理矢理過ぎるバラ売り
無理矢理豪華っぽく見せる
バグ無修正
ロックマンシリーズリンク

概要

ファミコンソフトとして発売された『ロックマン』シリーズ6作品を、1作ずつPS用ソフトにしたシリーズ。
『1~3』と『4~6』では、追加要素の仕様が若干異なる。


特徴

主な追加要素は、難易度の変更、味方キャラがヒントをくれる「ナビモード」、敵キャラ紹介モード、タイムアタック、CG閲覧、ポケットステーションで育成した主人公やボスを登場させられる「ポケロク」など。

  • コンティニューは『ロックマンX3』同様、メモリーカードやポケステにパスワードをセーブする方式になった。
    • パスワード自体が存在しなかった『1』は、普通にクリアステージのデータをセーブする方式。
    • ポケステ使用時は「パスワードをメモる」という、使い道不明のコマンドもある。
  • ポケロクを使うことで、ポケステへロックマンやボス登録することが出来る。
    • ミニゲームやCPU戦を行うことでロックマンやボスを育成可能。尚、放置しても少しづつだが自動で育って行く。
      • ポケロク同士を持ち寄れば対戦も可能。
      • ポケロクでは特殊武器の代わりに属性の概念があり、得意不得意が存在する。また、本来の属性以外の属性を持ったボス等も作成可能。
    • ポケロクは1~6の6種類が存在し、ミニゲームの内容やCPU戦で入手できるボスに影響する。
      • それぞれのポケロクは、同じナンバリングの本編から入手出来る。容量の関係で1台のポケステに入れられるのは1種類のみ。
      • ポケロク内で入手出来るボスはナンバリングに準ずる(例えばポケロク4なら4のボスしか入手出来ない)。ただし、各本編から登録することで異なる作品の混成部隊も作成可能。
    • 育てたロックマンやボスはゲーム本編に登録することが可能で、ナビモード限定ではあるが耐久力や攻撃力を強化することが出来る。
      • 強化されたロックマンでプレイしたり、強化されたボスと対戦することも出来る。
      • また、ポケロクに登録直後の『Lv1のロックマン』は、デフォルト状態である『Lv0のロックマン』より弱くなる。これを利用することで相対的にゲーム難易度を上げることが可能。
      • 隠された仕様として『2』のクイックマンステージのレーザーは即死トラップではなく、ダメージ28*1のトラップとなっている。その為、耐久力を増強しておけばレーザーに限り一撃死しなくなる。
    • 細かい仕様として、ポケロクでボスを撃破すると本編のような爆散はせず、専用のやられグラフィックで画面外へ飛んでいく。
  • L1・R1ボタンで武器変更、△ボタンでショット連射、○ボタンでスライディング(『3』以降)と、増えた分のボタンにもそれぞれ役割が与えられている。
    • ちなみに、○ボタンのスライディングは「スライディングを出す」ではなくあくまで「下+ジャンプを同時に入力する」だけらしく、梯子の上で押すと梯子を下りる。
  • 前半3作はL1・R1での特殊武器の切り替えしか出来ないが、後半3作はL2・R2を利用した各ラッシュへの切り替えも可能。
  • ゲーム本編の内容やグラフィック自体は一切変更無し。
    • また『2』のエアーマンステージからワイリーステージに飛ばされてしまうバグや、『4』のエンディングのクレジットミスなど、不具合も修正されていない。
  • 「ナビモード」はインターフェイスの向上と要所要所のヒントなど、多少は遊びやすくなっている。特殊武器を切り替えやすくなっているのは初心者には遊びやすいかもしれない。
  • 図鑑モードがあり本編で倒した敵が登録されるのだが、『1~3』までは本編と別にセーブしなければ図鑑にデータが残らない。
  • 『4~6』は特定のコマンドを入力しながらナビモードを始めることで、ロックマンがヘルメットを外した状態でプレイすることが出来る。

問題点

  • 縦横の処理の比率が微妙に変わっており、一部ルートが通過できなくなったり、被弾のタイミングが変わったりしている。
    • FC版では当たらなかったロックマンの頭スレスレの弾が当たってしまうようになった。体感しやすい例として、『2』のエアーマンは本来当たらない頭スレスレの竜巻が当たるようになり、少し強化された。
    • バグまで再現との見方も出来なくはないが、そう考えると今度は再現されていないバグ(『2』の壁抜けなど)が気になる。
  • サウンドや効果音回りの違和感
    • 内蔵音源のサウンドに妙にリバーブがかかったような響きがあったり、一部効果音が変な鳴り方をしている。
  • オプションで3段階に難易度を設定出来るが、敵の攻撃パターンに劇的な変化が無く、特に「むずかしい」の場合はアイテムの有無程度しか無い。
    • とはいえ「むずかしい」では、アイテムが一切出なくなる為(『4』以前ではボスラッシュの体力回復も対象)、その作品をプレイしなれていないとクリアは出来ない。
  • ナビゲート回り
    • なぜか『3』ではブルースが、『4』ではカリンカがナビゲート役を務めている。前者は『3』の時点では「敵か味方かわからない」という扱いだったし、後者もゲーム本編で救出した時の会話に矛盾が出てしまうので、キャラの選択に少々疑問が残る。
      • 一応カリンカに関しては、ギャラリー内の説明でフォローが入っているが、それでも厳しい。
    • 同モードではアレンジBGMも搭載されているのだが*2、『1~3』の場合アーケード版の『パワーファイターズ』及び『パワーバトル(CPSII版)?』のBGMを流用しただけの手抜き仕様。その為、アーケード版でアレンジされなかった楽曲はFC音源のままだったり、全然関係ないアレンジBGMが無理矢理割り当てられたりしている*3
      • 逆にアレンジされたBGMが多く、アレンジのないステージには素直にFCの曲を使っている『2』は違和感が少ない。ACでステージ選択画面やボス戦の曲がきちんとアレンジされており、ステージを選択→開始デモ→ステージ攻略→ボス戦までフルアレンジになるステージも多い。
      • 『4~6』ではちゃんと全曲アレンジされているが『1~3』同様アーケード版の音源が流用されている所もある。
  • 上述のヘルメットなしプレイだが、この時のロックのグラフィックはヘルメット部分を黒く塗りつぶし、上に突起を少し付けただけの手抜きとなっている。
    • 結果太くて長いモミアゲと三角形の前髪という奇抜な髪型のロックマンを操作することとなる。4の場合、EDで髪型が突如変わるので違和感が大きい。なぜこの時のグラフィックを流用しなかったのかは謎。
    • 流石におかしいと思ったのか『6』のみ前髪が少し改善された。モミアゲはそのままだが…

評価点

  • バラ売りとはいえ、当時はプレイ困難になりつつあったFC版本家ロックマンシリーズを現行機で手軽にプレイ出来る様になった点。
    • その後、FC版本家シリーズは長らくの間現行機種への移植が行われなくなるのだが、各種作品の配信開始までの繋ぎとして本シリーズを購入したプレイヤーも少なくは無い。
  • アレンジモードのBGMがアーケード版から流用されている点も、プレミア化によりサントラが入手困難になっていたりアーケード版が未移植だった発売当時の時代背景を考慮すると、手軽にアーケードの楽曲を聴けるようになった点は大きい。
  • 初心者救済関連の充実
    • パスワードをメモリーカードに保存出来るため、わざわざメモ帳を用意する必要が無いのもプラス。
      • また、この仕様変更によりパスワードがなかった初代を電源を切らずに通しプレイする必要が無くなったのも大きい。
    • 研究所で生産可能な装備アイテムも只さえも高難易度な本家シリーズにおける初心者救済として役に立つ。
    • 難易度を「やさしい」に変更すると敵の攻撃力が下がるので、難易度が高めなFC版本家の入門の間口として機能していると言える。
    • オート連射の存在。本シリーズ共通の操作として、△ボタンに自動連射機能が設定されていて、チャージショットが存在する後期3作はともかく、ロックバスターの溜め撃ちが未実装だった初期3作で特に効果を発揮する。
  • 隠しモードについて
    • オリジナルモードを難易度「ふつう」でクリアするとオプションで本編のBGMを原曲・アレンジ版と共に自由に聞く事が出来る。
    • 一方、ナビモードを同様に難易度「ふつう」でクリアすると、初期3作は「ボスアタック」が、後期3作は「ボスアタック」に加えて様々なお題をクリアしていく「チャレンジモード」が出現する。
      • 「ボスアタック」の存在は、ゲーム中ではわざわざステージの奥に進まずに8ボス戦の練習が出来ると好評。
      • 「チャレンジモード」の舞台となるステージはワイリーステージやブルースステージといった後半ステージが大半を占めていて、ゲーム本編でわざわざ時間をかけてないと辿り着けない後半ステージを簡単かつ自由に練習出来ると同じく好評を得ている。
  • その他
    • 図鑑モードでは各種敵キャラの名称や設定、ステージの設定イラスト等、史料集的な存在価値もある。
    • 加えて、特定の条件を満たすと書き下ろしイラストも解禁されるので、是非とも最後まで頑張ってみるべし。

総評

当時のFCソフトの相場上昇や追加要素を考慮に入れても、FCとは比較にならない容量と性能を持つPS用ソフトとしては物足りない出来。1本1本の値段は明らかに割高であり、売り方としてはさすがにがめついと言わざるを得ない
せめて『ファイナルファンタジーコレクション』のように3作1セットくらいにしていればまた受け止められ方も違っただろう。

とはいえ、実機で遊ぶ環境を整えるのにも手間がかかり、発売当時はまだゲームのネット配信の環境が確立していなかったこともあり、次世代機で気軽に遊ぶことができるようになったこと自体は素直に喜ばしいことであった。
それに加え、ただでさえ高難易度なオリジナル版にユーザーフレンドリーな要素が追加され、結果的にシリーズ初心者への間口の拡大に繋がっているのも事実で、そこは追加要素を取り込める移植ならではの大きな利点でもある。



余談

  • 現在、これらPS版6作は中古でもあまり出回っておらず、オークションなどで高値が付いているが、ゲームアーカイブスで全作が配信されているので、ゲームのプレー自体は容易。
    • アーカイブス版は、追加要素が関連しているのか容量が200~400MBと元がFC用ゲームとしてはかなり大きい。
      • また当初アーカイブスの仕様上「ポケロク」は遊べなかったが、PSVITAでのみアプリにより遊べるようになった。
    • 本作のBGMはXA形式で収録されているため容量が肥大化しており、ある程度は致し方ない部分ではある*4
  • 『2』はPS3本体でプレイしようとすると不具合が発生する。
    • この事から、本シリーズをPS3で安全にプレイするのなら、ゲームアーカイブスを利用するしかない。
  • 『4』のパッケージイラストではダイブマンの頭が写っていない。これは、サイズや時間の都合で最初から描かれなかったことが、画集『ロックマン&ロックマンXオフィシャルコンプリートワークス』で語られている。
  • 一時期はこのPS版6作に『ロックマンX7』と缶バッジを合わせた、半ば抱き合わせともいえるセット販売が公式に行われていた。
    • 更にその後は、「カプコン ゲームブックス」名義で初代と2のみが攻略本とのセットによる形式の廉価版も発売された。
  • 海外においては、『ロックマン』1~8とアーケード版である『ロックマン・ザ・パワーバトル』『ロックマン2・ザ・パワーファイターズ』の2作をソフト1本にまとめて収録した『Megaman Anniversary Collection』という作品が存在する。なんとPS2/GC/XBOXの3機種マルチ発売。
    • 『1~6』はこのPS版ベースになっている。『7』と『8』はそのままのエミュレーションで『8』はPS版が元となっている。アーケード版は2作とも基板から直接移植したものである。
  • 開発元のエルステッドには開発履歴に4~6のみ表記されているが、実はエンディングで表示されるスタッフクレジットは1~3と4~6で二、三名を除きほとんど同じ名前だったりする。このクレジットが正しければ1~6すべてエルステッド製となるが、なぜ4~6だけ表記しているのかは謎である。
    • ちなみにサイト上に表記されている以外にもさまざまなタイトルに関わっている模様。(参考リンク(GDRI))
  • このPS移植シリーズのプロデューサーであった人物は、『ロックマンX5』でもプロデューサーを務める事になる。
    • その関係か、味方からのナビゲーションや、強化パーツの付け替えという要素が受け継がれている…のだが、なぜかどちらも本シリーズより改悪されている。詳細は当該項目を参照。
  • 忠実再現を謳っているが、オリジナルモードでもFC版の特徴であるSEでBGMの一部が潰れることがない。特にボスがメーターを貯めるときにBGMのイントロ部分が潰れる『2』『4』のボス戦で顕著な差が出る。
    • BGMが潰れずに聞けるということで、好意的に取るプレイヤーも多くいる。