ロックマンX7

【ろっくまんえっくすせぶん】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション2
発売元 カプコン
開発元 バリューウェーブ
カプコン
発売日 2003年7月17日
定価 6,090円
判定 クソゲー
ポイント 新主人公『アクセル』のデビュー作なのに全体的な不出来さ
ゼロの大幅劣化と最初は使えない主人公
イナフキンも「難あり」と認めた3Dステージの導入
従来からのアクション、システムにも問題山積み
X5』『X6』に好意的なファンからさえ不評
キャラデザ、BGMなど相変わらず素材だけは高品質
ロックマンシリーズリンク


概要

『ロックマンXシリーズ』の7作目。本作からプラットフォームをプレイステーション2に移行された。
シリーズで初めて3Dマップが登場し、第3の主人公として「アクセル」が加わった。


問題点

システム全般

  • 3D化の影響か単に作り込みが足りないのか定かでないが、全体的に動作がゆるくモッサリしていてテンポが悪い。
    • 特に顕著なのがゼロの攻撃モーションで、信じられないほど遅くなっており(従来に比べて間隔が1.5倍ほど)、旧来の作品と比べてスピード感を激しく損なわれている。
      • 倍速で再生した動画があるのだが、編集されているはずなのに特に違いは見えず、音を消すと完全に倍速のはずなのに等速に見えてしまう。
  • Xシリーズはジャンプ・ダッシュ・壁蹴り等、様々なアクションを駆使して進むゲームであるが、それらが3Dマップや動くとずれるカメラと合わさったことで操作し辛く、ミスを起こしやすいゲームとなってしまった。
    • ダッシュ壁蹴りは途中で失速するという謎仕様のせいで、壁のぼりを妨げるだけのアクションと化している。
    • エックスにはダッシュ、もしくはジャンプ時動作直後にバスターやチャージ特殊武器を撃とうとすると チャージがキャンセルされるというバグ があり、非常にイライラさせられる。
    • また3Dマップの多くが俯瞰視点で、キャラクターや足場等の高低差が分かり辛く、前方の状況も把握し難い場面が多い。一部では画面外にある足場へ飛び移らなければならないような場合すらある。
    • 2Dマップも存在し、2Dと3Dの混在を「マルチディメンショナルバトル」などと表記しているが、ステージ中にリアルタイムな切り替えが行われるのはオープニングステージでたった1回きりである。
  • エックスやアクセルの通常弾はオートロックオンで発射されるようになった。
    • これにより狙って撃つ必要性がなくなり2D操作時においてもアクション性を激しく損なっている。
    • オートロックオンは消せないためプレイヤーの前を高速で横切る敵に対して「敵の進行方向に弾を置いておく」事ができない。
      • これにより素早く反復横飛びを繰り返すボス、バニシング・ガンガルンにエックスのチャージショットがなかなか当てられない。
      • 3D化ゆえか2D操作時でも奥や手間から敵が出現するが、ロックオンのおかげでそちらに攻撃してしまう。行き先に敵がいてもその敵より近ければロックオンが優先されてしまうため意図しない方に打つ。
      • それによって倒した事でドロップするアイテムはそのまま画面の奥・手前で落ちて行くというシステムの仕様として成り立っていない物。
    • プレイヤーキャラクターと敵との位置関係によってロックオンできない事も多い。
      • 特にシリーズのザコの定番バットンボーンは画面の上側にいることが多いため大抵ロックオン出来ない上に、体力も何故か今作では1以上になっており、出て来る度にイライラさせられることになる。
  • ロックマンシリーズはボスを倒すことで手に入る特殊武器も魅力の1つであるが、この作品では射程が短い、威力が低い、すぐエネルギー切れを起こす、とどの特殊武器も使い勝手が悪い。
    • 唯一使い勝手が良いのは範囲・威力共に優秀な「ボルトルネード」ぐらい。通常のチャージショット等が強力なこともあり、特殊武器を使う機会があまり無い。
      • チャージ版は「スプラッシュレーザー」が燃費も良く一定時間前方に水弾を発射し続ける、3Dフィールドやロックオン機能を生かした非常に使い勝手のよい技になっている。しかしそれ以外はどれも性能が凡庸だったり、エックスの加入が終盤だったりするのでチャージスプラッシュレーザー以外はあまり使わない。
    • ちなみにゼロのラーニング技はやたら遠距離攻撃技が多く無駄に使い勝手が良いものが多い。相手の攻撃を跳ね返す手段にも長けていることや一部除きエネルギーを消費しないことも相まって、一部を除くボス戦ではかなり有利。本来近距離攻撃キャラであるゼロにエネルギー消費なしの遠距離攻撃を複数積むという調整はいかがなものか。エックスやアクセルの特殊武器の立つ瀬もない。
  • ボス敵のバランスもあまり良くなく、後半のボスは体力だけがやたらと多いので冗長に感じる。
    • 弱点武器での攻撃も仰け反りこそするがダメージがそんなに高くなく、弱点をつく事で長い無敵時間が生じたり面倒なカウンター攻撃があったりと 下手に弱点武器で攻撃するより単純に高威力の特殊武器やチャージショットでゴリ押した方が簡単かつ早く倒せる、という滅茶苦茶な調整っぷり。
      • これは『X5』『X6』もほぼ同じだが今作はこれに加え、上記にある「すぐエネルギー切れを起こす」という問題も加わり、本当にボスに弱点武器を使う価値が無い。弱点が役立つのはローリスクでハメられるスプラッシュ・ウオフライくらいである。
    • エックスとアクセルの特殊武器「エクスプロージョン」はエネルギー消費が激しいものの、ボスの体力を大きく削ることが出来る。これにより、ある程度は素早くボスを倒せる。
      • ただ、レッドとシグマ第2形態はこのエクスプロージョンが弱点武器に設定されているため、あまり体力を削ることが出来ず、やはり冗長に感じる*1。しかも、よりにもよってどちらも常に落下死の危険性を伴う。
  • これらの弊害を最も強く受けているボスはスナイプ・アリクイックだろう。
    • 透明なパイプ管(のようなところ)の上で戦うボスなのだが、碌に動けるスペースがないのに、ホーミングミサイルをバカスカ打ちまくり、複数の攻撃ユニットを展開して攻撃してくる。にもかかわらずそれらをロックオンできない。つまり排除できない
      • 横に狭く縦に長いフィールドのため、動ける範囲自体も非常に狭く、まともに回避行動をとることすら至難の業。理不尽の域に片足を突っ込んでいる。
      • おまけにアリクイックは頻繁にパイプの裏側に逃げて時間稼ぎをしてくる。こちらはパイプの裏側に行けず、攻撃も届かないため、一層ミサイル攻撃の猛攻に晒される時間も長くなる。こちらも裏側に回れれば攻撃から身を避ける等、戦略的に立ち回れたのに……
    • 弱点武器もパイプ管を伝って裏側のボスに当てることができるかと思いきや何故が中途半端な位置で止まってしまう。そして当てたとしても「ワァ~オォ」などとイラつく奇声を上げるばかりで、ボスの動作を中断させることすらできない。おまけに威力も低い。前作のインフィニティー・ミジニオンといい何故強ボスに限って弱点武器が大して機能しないのか…。
  • 相変わらず煩わしいだけのレスキュー。
    • 前作ではナイトメアウィルスに接触されると救出不可という仕様だったが、本作では敵の攻撃を喰らっただけで即死亡という更に厳しい仕様になっている。
      • そのくせ大抵のレプリロイドは敵や爆弾トラップの目の前に配置されている。
      • アクセルでしか救出困難あるいは不可能なターゲットが多いため、他二人へのパワーアップアイテムの配分を難しくさせている。

キャラ関連

  • シリーズを通しての主人公であるエックスは一線を退いているという設定のため最初は使用不可能で、レプリロイドを64体救出するか8大ボスを全員撃破しないと解禁されない
    • これによりアクセルやゼロに比べパワーアップに遅れが出てしまう。なおクリアデータをロードした2周目からは最初から使用可能。
  • エックスのアーマーシステムは『X4』以前の仕様になった。今作唯一のアーマーである「グライドアーマー」の各性能が凡的で他の重要アイテム入手に不必要。
    • しかもエックスでないと、そのアーマーのパーツが取れない。よって、このシステムと前述のエックス参戦条件のせいで同じステージに2度行かされることが多い*2
    • ただしボディパーツによる防御力倍増と仰け反り無効は強い。
    • アームパーツはシリーズ共通のシステムである特殊武器とのジレンマが存在することや、その他パーツも他のキャラとのバランスの調整を考えるとこれくらいが妥当とも言える。
    • デザインの評価は良好。
    • なお、『X6』まで登場したアルティメットアーマーは今作では登場しない。加えて黒いボディのゼロも本作は未登場。
  • X5』『X6』から続く「キャラクターを満遍なく強化出来ない」という問題がさらに悪化している。
    • まず前作からプレイヤーキャラが一人増えた時点で、各キャラへアイテムの均等割りをする場合は2人だった前作と比べてかなりややこしくなってしまう。かといって前作までのように一人のキャラに全振りするものプレイヤーチェンジシステムの兼ね合いからあまり有効とは言えなくなっている。
    • 一部のレプリロイドをレスキューするとパワーアップチップを入手でき、それを装備する事でキャラを強化出来る…のはいいのだが、チップで強化できるのはそのステージで使ったキャラ2人だけ。保持したいと思ってもチップで強化しないと選択した時点でエイリアがチップを破棄して終了という理不尽さ。
    • ライフと武器エネルギーを強化する方法が従来通り各ステージ毎に1つあるライフアップを拾う(拾ったキャラのみ適用)か、レプリロイドの救助者から貰う(出撃した2人のみ適用)、ボスを倒した際にアイテムを入手する(ボスを倒した2人のみ適用)かしかない為、エックスの加入が後半になる事も影響しやはり強化が偏ってしまう。
    • また、クリア後に装備したチップを引き継いで2周目をプレイする事ができるが、ライフ・武器エネルギーは初期状態に戻る
      • これを考慮しているのか解らないがパワーアップチップを全部揃えても1周目は全員パワーアップは不可能である。
    • なお、ゼロの強化にセイバーの攻撃回数を増やす物があるが最大まで強化すると攻撃の最後はダッシュ攻撃が発動し、堅い敵には思いきり突撃してダメージを喰らうという地雷が潜んでいる。そもそも攻撃モーションが遅くとも攻撃後の硬直時間は短く、モーション自体も他の攻撃からの流用である為あまり強化する必要も無い。
  • ゼロのモーションや性能について
    • セイバー攻撃は従来と違い1段目から攻撃力が異常に高い。3段目、4段目とコンボするごとにスキが大きくなることや、上記にある「振りが遅い」、「最後のダッシュ攻撃でダメージを受けやすい」等の問題点と相まって、コンボを決める必要性が薄い。ひたすら1段目の攻撃を振り続けることが有効になり、従来までのスタイリッシュさが欠片もない。
    • これに加えて今作ではジャンプ斬りの性能が異常に低く全く使えない。「飛影刃」を習得するまでゼロはジャンプからの攻撃を控えるべきだ。
    • 一応フォローしておくと、「X7」というと何かとゼロのセイバーの振りの遅さが話題に挙がり弱キャラというイメージを持たれがちだが、1段目を振り続けてさえいれば強く、またセイバー攻撃による敵弾の跳ね返しが便利な上、ラーニング技も性能も良いものがいくつかあるため、かなり歪ではあるが決して弱キャラというわけではない。

新キャラ「アクセル」の性能

  • 新キャラクターであるアクセルの性能が微妙で、しかもエックスと性能が似通っている部分があるため、「劣化エックス」と評される。
    • チャージショットが撃てず、初期状態ではかなりの火力不足を感じる。また、特殊武器はエックスと同じでチャージも不可という手抜き仕様。
    • 敵の姿や能力をコピー出来る「コピー能力」が最大の売りとなっているが、これを発動するには「コピーショット」でコピー可能な敵を撃破し、それによってドロップする「DNAコア」というアイテムを入手しなければならない。
      • だがこのコピーショット、チャージが必要な癖に威力自体は通常弾と同等という低火力であり、これで倒すとなると面倒な調整を要する。
      • そんな苦労を強いる割には能力的に微妙なコピーが殆どの為、結局アイテム回収ぐらいにしか使い道が無い。
      • それに加えDNAコアを入手したら即座に変身してしまうので配置された敵の場所を考慮して変身する必要がある上、変身の解除も時間経過でしか解かれないのでテンポを損ねる。
      • 設定的な面から見ても、「同じ大きさの相手にしか変身できない」と説明しながら同体格のボスへの変身を利用しない事に言及がなく、かと思えばエンディング前のムービーでは自分より大柄なレッドに変身したりと整合性が取れていない。*3
      • また、一部の小型ザコからもDNAコアが入手可能で、その敵を召喚して能力を利用できるが、設定でも全く言及されていない上、性能が低くコピー以上に使いづらい。その為か、本作限りで無かった事にされた。
    • ダッシュ中にもう一度ダッシュボタンを押すと「ローリング」が行える。後述の通り有用なアクションではあるのだが、トラップによる即死は当然ながら無効化できない上にボタン操作の関係で暴発しやすく、穴やトゲの手前でローリング暴発→死亡という事態も招きやすい。
    • 一定時間のホバー飛行能力もあるが、発動方法がよくある「ジャンプ中にもう1度ジャンプボタン」ではなく「ジャンプ後もジャンプボタン押しっぱなし」である為、咄嗟に出しにくいうえ、高度の調整もできず壁キックからの使用が何故かできない。
      • 尚、エックスのフットパーツ専用の能力であるグライド飛行は普通に「ジャンプ中もう1度ジャンプボタン」で発動する。ホバーもそれでよかったのに…
      • フォースアーマーのホバー機能が控えめな性能であったことを考えると、ゲームに与える影響に配慮した結果とも取れるがいかんせん使いづらい。その為か次回作『X8』では変更されている。
  • 一方でエックスより優れている部分もある。
    • アクセルは一部の特殊武器を入手すると、ノーマルショットの性能が変わる専用武器も同時に使用可能になる。この専用武器を装備することで特殊武器を使用することとなる。
      • 「Gランチャー」は発射後の隙があるものの威力が非常に高く、実質溜めなしで撃てるチャージショットのようなものなので、大半のボスはこれでゴリ押しが可能。
      • 「レイガン」はGランチャーと逆にステージ攻略において非常に有用であり、消費エネルギーやチャージ無しで貫通攻撃を連発できるため強力でステージのスピード攻略にも長けている。好況に応じてボルトルネードを併せて使用できる点もポイント。
      • なお次回作『X8』では、特殊武器の代わりにこの専用武器を入手していく形に変更されている。
    • ローリングも暴発の危険性はあるものの、エックスより優れている部分とも言える。
      • ローリング中は完全無敵のため上手く使えば敵の攻撃を無効化可能。追尾弾や広範囲の衝撃波などに突っ込みながら回避出来るなどアクセルにしかできない回避手段であり、アクセルにチェンジして攻撃を回避して、エックスかゼロにチェンジして攻撃、という離れ業をやってのけるプレイヤーも。
      • ローリング中は通常攻撃を全方位に対して行う。通常は前方の敵へのみ行うロックオンも全方位に対して行う為、事実上敵へ体を向けずに攻撃が可能。これにより、問題点の一つであるロックオンのしづらさを大幅に緩和させることができる。
      • 前作までと大きく操作感が変化している本作において、これらの特性を慣れるまでの救済策として使っていたプレイヤーも存在する。また、完全無敵状態で全方位へ弾幕を張ることができる為、オートリピート*4をオンにすると、今作のゲーム性も相まって良くも悪くも他では味わえないプレイが可能となる。
    • 一度の連射数*5がエックスの3発*6より1発多い4発となっている。ただし、上記のオートリピートをオンにしなければ体感できないであろうことに加え敵との距離が近いほど意味をなさなくなる為、恩恵は薄い。

シナリオ面

  • ストーリーは単純に言えば、「アクセルを巡るイレギュラーハンターと自警団レッドアラート(を裏で操るいつもの人)の小競り合い」。今までと比べるとどうにも話の規模が小さく、盛り上がりに欠ける。
    • ただし、前2作で見られた稚拙かつお粗末なテキストは大分改善されている。
  • 本作ストーリー冒頭においてエックスは無意味な戦いを繰り返すことを拒絶して第一線を退いてしまう。前作のエンディングでは前向きな姿勢を見せていたのにこの態度の急変は違和感があり、また復帰時やその後のストーリー上の態度も消極的でありとても良い印象は得られない。
    • 更にアクセルの言動にやたらヒステリックな反応をしたり、変に上から目線な発言が多かったりと、まるで別人の様に性格が悪く描かれてしまっている。
    • 逆に次回作では急激に芯がしっかりしたキャラクターになっており、シリーズを通してエックスの精神的成長を追うと本作の前後でブツ切りになってしまっている印象を与える。
  • 会話イベントの練り込み不足も目に付く。
    • レッドはシグマに強化して貰った事を本心から感謝していたが、その直後に「これ以上罪の無い者を襲うのもごめんだ」と発言する。既に罪の無い者を襲っているのになぜ感謝をしているのだろうか?
      • しかも、レッドがレッドアラートのメンバーの異変を知るのはその直後である。なぜ罪の無い者を襲っていると知っていたのだろうか?
      • 事件に直接関わっていないものを指して罪の無い者と呼んでいた、強化によって無関係の者にまで被害が拡大するようになっておりレッド自身はそのことに引け目を感じていた、などと強引に解釈できなくもないが不自然な会話である。
    • イベントデモでは、シグマに強化された事でボス全員が狂わされた為アクセルが脱走したと描かれているが、ボスとの会話を見る限りハイエナード、ガンガルン以外は自分の意思や信念に従って戦いを挑んでいるかのような描写である。イベントデモとボス会話で、シナリオ担当者の擦り合わせがうまくいかなかったのだろうか?
      • こちらも、強化したことによって元々の性格がより苛烈になっていた、自分の意思で動けるときとシグマの意のままに操られているときがあった*7、などと強引に解釈できなくもないがやはり不自然であろう。
    • 本作の敵組織の名前は「レッドアラート」なのだが、イベントデモではその名前はあまり出てこず、「バウンティハンター」が組織名であるかの様に語られている。セリフ収録時点では組織名が決まっていなかったのだろうか?
  • 例によって黒幕を務めるシグマ。
    • 前作のような不完全状態ではないのだが、「エックス、ゼロ、貴様らの命をワシのものにするまで何度でも、何度でも、な・ん・ど・で・も! 蘇ってやる!!」と発言。エックスたちに異常なまでに執着(というより粘着)する様からは、イレギュラーを束ね上げるカリスマであったかつての面影がまるで感じられない。エックスたちとの永きに亘る戦いは彼の中にある何かを根本的に変えてしまったようである。
      • ただし、エックスたちへの執着という点はシリーズを通して大なり小なり散見されるものではある。設定上もエックスとゼロの2機は遥か昔に開発された厳密にはレプリロイドに分類されないはずなほど旧式の機体であるのに対し、シグマはレプリロイドの生みの親であるケイン博士の最高傑作とも評された機体である。にもかかわらず何度も敗北を喫し野望を阻止されたとあれば、これらのイレギュラー(作中の扱いとしては逆だが)に執着するのも無理はない点ではある。
      • なお、この「何度でも、何度でも、な・ん・ど・で・も! 蘇ってやる!!」はシグマ屈指の名(迷)台詞としてネタにされている。
    • 今作だけではないがシグマの扱いには不明瞭な点が多すぎる。今作の敵組織は一応イレギュラー狩りをしている自警団であるが何度も大事件を起こしたシグマの顔を知らず「センセイ」と呼んでいる。『X4』でも似たような展開があり*8、この世界でシグマがどんな扱いをされているのかよくわからない。
  • 前2作に登場した味方キャラの1人・ダグラスと、敵キャラクターのダイナモは本作で何の説明も無く登場しなくなる。ダグラスの声優だった高木渉氏は、別のボスの役で引き続き出演しているのだが。また、前作では生死が曖昧なまま終ったゲイトについても触れられていない。
    • 余談だが、ダイナモに至っては次作『X8』にてウイルスによる事件が語られる際にも全く触れられず、むしろウイルスによる事件がシグマとVAVAによって引き起こしたものとされているような内容となっており、ダイナモの存在自体が無かったことにされている可能性すらある。
  • 前作までにあったDr.ワイリー関連のイベントは今作では一切存在しない。

その他

  • ゲームスタート時のムービーがストーリーとは直接関係がない。
    • 本作の世界観、および初登場のアクセルを印象付けるためのものとしては十分であろうが、その後にアクセルがレッドアラートを逃げ出すことを決意するまでの経緯が描かれていない*9など、シナリオに難があるといわざるを得ない。
    • にも関わらず、ゲーム開始前に流れるテーマ曲中ではこのムービーシーンが多用されており、ストーリーに一切関係ないキャラクターを印象付けられる。
  • SEやBGMの音量のバランスが悪い。
    • アイテムを入手した時の効果音が非常に小さい。
      • このせいでアイテムを入手したのかどうか非常に分かりづらく、ライフアップなどのアイテムをどこで入手したのか分からなくなってしまう。
    • その反面、チャージ時の効果音等は大きめで、特にオートチャージをオンにしたアクセルで操作すると非常に耳ざわりに思うプレイヤーが多い。
      • なお、エックスのチャージ音は『X4』から続くおなじみの効果音であるが、最大チャージ音が鳴るより実際溜まるまでが若干遅いという調整ミスがある。
    • 下記の死亡演出もそうだが、全体的に新規SE(効果音)の出来が悪い。
    • 後述にあるようにBGM自体は好評だが非常に音量が小さく(若しくはSEの音量が大きすぎるために)印象に残りにくい。
  • エイリアのナビがミスする度に発生する。
    • ボタン式なので無視すれば良いのだがナビポイントに来る度に「聞こえる?○○○○!」と叫ぶので鬱陶しい。
  • ひどい死亡演出。
    • 所謂「ティウン」で無くなっただけなら「らしさがなくなった」だけで済むのだが、実際のところ電子音のようなヴィーという音とともに徐々に消えていくというなんとも言えない微妙な演出になっている。『X4』のクジャッカーステージ(電脳空間)ならまだしも、現実世界で何故そんな消え方になるのだろうか。おまけに無駄に時間もかかってテンポが悪い。
  • ステージ選択後の8ボス紹介シーンも劣化。
    • イラストではなく3Dで画面に出てくるのは別に良いとしても、ここでのボスに全く動きが無い辺り手抜きにしか見えない。
  • ロードが長い上にステージ中で頻繁に発生する為、非常にテンポが悪い。重たいキャラの挙動と相俟って、シリーズの売りであったスピード感はもはや皆無。
    • 特にシリーズ恒例のボスラッシュのエリアでは、ボス戦前とボス戦後と2回もロードが挟まれる。つまり、8体ボスを全て倒すまでに最低16回ものロードに待たされることになる。
    • カラスティングステージの最初のエリアは、プレイヤーキャラが輸送機に乗っている様子を数秒見せられる→シーンが変わり、乗っていた輸送機が別の輸送機の後ろにつく→プレイヤーキャラが前の輸送機に飛び乗り、中央に移動→「READY」と表示される、と操作可能になるまでやけに時間がかかる。しかもこの演出は死亡後のリスタートの度に見せられるため、ロードとは別の面でテンポが悪い。
  • 文章は早送りができない(デモシーン自体のスキップは可能)ことや、メニュー画面で「はい/いいえ」の確認メッセージがやたら多い点などもテンポを悪化させている。しかも確認メッセージのカーソルの初期位置が全て「いいえ」であるため連打→ループという事態が頻発する。

賛否両論点

  • 回復アイテム(L)の回復量が異様に多い。
    • その量は一つだけでプレイヤーのゲージはおろかサブタンクすら最大まで回復させるほどである。
      • このことを利用し、サブタンクを使用後プレイヤーチェンジを行い取得することで、回復アイテムを取得していないプレイヤーキャラクターも回復が可能。サブタンクがすでに満タンであれば全てのプレイヤーキャラクターとサブタンクが全快になる。
    • 調整ミスなのではないかという意見もあるが、従来の「満タンになるまでアイテムを取得し続ける」作業が改善されたというとらえ方をするプレイヤーも存在する。

評価点

  • アクセルの登場により、シリーズに新風を入れた。
    • 発売当初は子供っぽい言動やゲーム中での劣化エックスな性能、ストーリー的にエックスやゼロを差し置いてやたら目立ちまくっていた事もあり、シリーズファンからは「余計なキャラが増えた」と煙たがられる事も多かったが、その後の作品では一歩引いたポジションに落ち着き、性能面でも独自のものを確立した事で次第に人気も上昇。現在では十二分に「第3の主人公」としての地位を確立している。
    • 酷評されている本作での性能面においてもエックスより多い手数、コピー能力、専用武器、専用アクションと『X8』において参考にされたであろう要素は少なくない。『X8』での評判が良好なことも踏まえれば、調整にこそ問題があったが方向性そのものは悪くなかったと思われる。
    • 「シリーズ中1番の失敗作」「シリーズファンあるいはプレイヤー離れ最大の原因」と言う声が多い本作だが、この点だけは成功したと言っていいだろう。
    • 尚、『X7』公式サイトでは「ロックマンの歴史をつなぐ第三のヒーロー」という意味深なキャッチコピーが掲げられており、その正体に関して様々な憶測を呼んだが、後に『X8』の公式サイトで「新世代型レプリロイドのプロトタイプ」とあっさり素性が明かされてしまい、拍子抜けしたファンも多かった。
      • ただ、特徴的な顔の傷に関してはスタッフ曰く「重要機密事項指定項目」という事で未だに詳細が語られておらず、製作者やレッドアラート加入前の経歴に関しても一切明かされていないため、まだまだ謎の多いキャラクターではある。シリーズが完全に停滞してしまっている現状、今後その謎が明かされるかどうかは微妙な所であるが……
  • ステージ中でプレイヤーチェンジができるようになった。
    • 純粋に二人分のライフがある為、ステージ攻略も幾分やり易くなっている。堅い敵はゼロ、空中や遠くの敵はアクセル/エックスなど使い分けて進んで行くのも爽快感があって面白い。
  • エックスは最初からエアダッシュが使用可能になった。またゼロも特定の特殊武器を選択すると専用武器が使用できるようになった。これも続編『X8』に引き継がれている。
    • 細かい部分ではダッシュのブレーキモーションが無くなったため、しゃがみと併用して低姿勢を維持しながら長距離の移動が可能になっている。ただし使用できるのは当然2Dステージのみだが。
    • またエックスが特殊武器をチャージする際に1発分無駄撃ちしなくてもチャージが可能になった。『X8』ではまた出来なくなっているため今作のみの評価点である。
  • ライドアーマーの耐久力ゲージがX3以来3作ぶりに復活した。
  • 前作同様に声優陣は、高山みなみ氏・高木渉氏・玄田哲章氏・森功至氏・大塚明夫氏など豪華な面々が揃っている。
  • 非常に個性的なボスキャラクター。自分のダンスを世界中に放送したがるデポニオン、走ることを生きがいとするイノブスキーなど、ギャグ要素が強くなっている。
    • デポニオンはエックス以外、イノブスキーはどのキャラであっても会話自体がギャグになっている。
    • もちろんストンコングやアリクイックなどシリアスなボスもいる。どれも過去作に比べて濃いキャラ付けがなされており、ウィンド・カラスティングは『X2』のマグネ・ヒャクレッガーに並んで秀逸なネーミングとの声もある。
      • 一方で「スナイプ」・アリクイックという名前なのに狙撃らしき攻撃をして来なかったり、会話で「タイマンだオラァ!」と言っていたのに部下が援護射撃をしてくるイノブスキー*10等、実際の戦闘との整合性が取れていない点もチラホラ。
  • ギャグ、シリアス問わずボスとの戦闘前の会話は今までのシリーズと比べて凝っていて面白い。また台詞もフルボイスになっている。
    • ハイエナードは錯乱しているため全員に全く同じ台詞を喋るのだが*11、それに対しての返答はエックス・ゼロ・アクセルのそれぞれの性格と個性が表されている。
    • ストンコングやアリクイック、カラスティング等の会話はキャラが個性的、魅力的なだけあって特に面白い。2周目で隠しキャラのエックスで挑んで会話を聞いてみたいと思う気になる。
    • 『X』『X2』の雑魚敵を例に出しての挑発や、『ロックマンゼロ』とのつながりを示唆する等の会話もある。
  • 会話の内容の他にも、今までの作品では無音の中ただ互いに向き合って会話するだけというケースが大半だったが、この作品ではボスの顔がアップになったり、キャラクターが銃を向ける等のリアクションを見せる他、会話中よりボス戦のBGMが流れ、会話が終わってもBGMが途切れずにそのままボス戦に移行する等、演出面に関しても力が入っている。
  • OPステージは『X1』のステージと同じ場所だったり、過去シリーズのザコ敵が登場するなどファンサービス要素はそこそこある。
  • 過去作ほどではないがBGMは出来が良いものが幾つかある。例を挙げると『Our Blood Boils~vs Sigma 1st』(シグマ第1形態戦)等は人気が高い。しかしゲーム部分があまりにお粗末すぎることや前述の音量問題によるものか話題に上ることは少ない。
    • また愛内里菜氏が歌う主題歌「Code Crush」もイメージに合っているとされ好評。
    • 本作のイベントBGMのひとつである『Revealing』は、『ロックマンX コマンドミッション』において『忘却の地』と曲名を変えてアレンジされている。
  • 今作からステージセレクト画面からのセーブ、ロード、オプション変更が可能になった。

総評

間違いなくXシリーズで最低の評価を受けている作品。
何かと批判が多いながらも出来はそれなりで少なくないファンも獲得していた前二作に対し、本作はシリーズ作としてはおろか単体の3Dアクションゲームとしても駄作レベルと言える内容に堕してしまい、前二作に好意的かつ寛容なファンからさえクソゲー呼ばわりされている。

結果的に、プラットフォームがPS2に移った本作で巻き返しを願っていたファンの期待を大きく裏切ることとなってしまった。


その後の展開

  • PSに移ってからのXシリーズは、品薄にしては需要が比較的あるせいか、中古価格が高いものが多い。しかし、本作だけは見事なまでの価格崩壊を起こしている。
  • この悪評を受けてか、2004年にPS2、GCで発売された『ロックマンX コマンドミッション』からスタッフが一新。後の続編『ロックマンX8』でも同じスタッフが開発を手掛けた。
    • 部署も第三開発部から第一開発部へと変わったが、この当時、カプコンでは内部の再編成が行われ、第一開発部と第三開発部が合併された
    • また『コマンドミッション』以降の開発リーダー、北林達也氏は第三開発部の人間。『ブレス オブ ファイア』シリーズのプログラマーだった。
    • その他、池原まこと、外川有吾、吉川達哉、竹中善則と言った面々も元第三開発部の人間で『ブレス』シリーズのスタッフである*12。つまり、『コマンドミッション』以降、部署だけが変わっただけで、スタッフは第三開発部のままだった
    • しかし、第三開発部の中でブレスシリーズという優良タイトルをリリースしていた面々が開発の中核を担うことになり、それ以降からシリーズのクオリティが飛躍的に向上したのは言うまでも無い。
      • 『ブレス』シリーズのスタッフが『ロックマンX』シリーズに関与することになった理由は、『ドラゴンクォーター』のセールス面における失敗が影響しているのではないかと思われる。
  • なお、北林達也、吉川達哉の両氏は、今作にもそれぞれアシスタントプロデューサー、デザイナーとして参加していた。
    • しかし、吉川氏は開発後期の参加だった為、ほとんど手伝いに過ぎなかったという。
    • また、吉川氏は参加した際、本作の企画(3Dアクション云々)そのものに疑問を覚え、開発陣に意見しようとしたが時既に遅しだったようである。
    • 以下、その時の心情を綴った吉川氏のコメントである。
      • 僕自身、Xシリーズが大好きなんで、『X7』はいろいろ思うところのあるタイトルでした。僕としては、3Dにするなら、できればコンセプトを一回見直してほしかった。『X1』が生まれたときに考えられたことを、もう一度考えてほしかった。ただ、すでにそういうところを置き去りにしたまま、3Dに進んでしまった部分があって
    • また後年、稲船敬二氏は今作に対してこうコメントしている。
      • 個人的には、『X7』のような3Dはやるべきじゃなかったと思う。3Dというのは絵的な表現であって、ゲーム性まで3Dに"しなきゃいけない"ってことはない ※参考資料:『R20ロックマン&ロックマンXオフィシャルコンプリートワークス』(177ページより一部引用)
  • そして、『X5』以降からのシリーズ低迷を招いた元凶であるディレクター"おおこ"こと大小原宏治氏は、今作を手掛けた後カプコンを退社し、スクウェア・エニックスへと移籍した。
    • そして移籍早々、彼が手掛けたのが『聖剣HoM』であった。
  • 一時期は本作と『PS版ロックマン6作』と缶バッジを合わせた、半ば抱き合わせともいえるセット販売が公式に行われていた。
    • これらソフトはすべて同じディレクターでもある。
  • 『X4』~『X8』の内、本作のみゲームアーカイブスで配信されていない。
    • 2018年の『ロックマンX アニバーサリー コレクション2』ではX5からX8までという他ナンバリングタイトルと合わせて移植されたものの、それまでは一部ユーザーから「公式からも黒歴史同然に扱われているのでは?」と邪推されたこともあった。
最終更新:2020年07月13日 22:56
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*1 弱点武器を当てた際に無敵時間が発生する為。単純にボスのHPが多いのもその一因。

*2 このこと自体はロックマンシリーズで散見されることであり、問題点とされることも度々ある。

*3 スピンオフ作品『ロックマンX コマンドミッション』においても、かなり巨大な敵に普通に変身できる。ただしこちらは遥か未来の話であり、またそもそもスピンオフでもあることから今作と同様の設定ではない可能性もある。

*4 オートチャージと共にオプション内のゲーム設定にある項目の一つ。オンに設定することでエックス、アクセルでの攻撃ボタンの長押しが連打扱いに、つまり攻撃ボタンを長押しすることで通常攻撃が連射できるようになる。

*5 一つの画面に存在できる弾数。

*6 チャージショットも含めての数。これはロックマンシリーズの通例となっておりシリーズ中の多くの作品で適用されている。

*7 それならば上記のようにレッドが部下の状況を把握できていないことにも一応説明がつく。また、レッドアラートのメンバーの改造はシグマ自身が施したものであるため、その際に何かしらの細工がされていたとしても不思議ではない。

*8 エックスルート冒頭でレプリフォースの幹部との会談が描かれている。ただしこちらでは相手をシグマと認識しているようにもとらえられる描写となっている。

*9 ステージをクリアするごとにアクセルが語るものの、口頭で大まかな事情を説明する程度にとどまっている為、もう少し具体的なシーンがあってもよかっただろう。

*10 そもそもこの作品はプレイヤー側が2人組なのでタイマンは成立し得ないため、部下に援護させるイノブスキーが卑怯な訳でもない。暴走族のボスという設定なのだから「野郎ども! 手を貸せ!」等と言わせるべきだったのだろう。ちなみにボスが召喚する形ではなくステージに配置される形で雑魚敵が出てくるのはイノブスキー戦が初。

*11 文章は同じだが使いまわしではなく、語気を強めたり、苦しんでいたりとそれぞれ演技が異なる。

*12 吉川氏や竹中氏は過去のロックマンシリーズにいくつか関わっていた