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デジモンバトルクロニクル - (2014/11/08 (土) 17:05:28) の編集履歴(バックアップ)


デジモンバトルクロニクル

【でじもんばとるくろにくる】

ジャンル アクション

対応機種 プレイステーション2、Xbox、ニンテンドーゲームキューブ
発売元 バンダイ
開発元 ブラックシップ
発売日 2004年7月29日
定価 7,140円
分類 クソゲー
ポイント 進化の意味が無い
理不尽なトラップの嵐
全体的に原作無視
全体的に洋ゲー臭
デジタルモンスターシリーズリンク

概要

デジモンをつかった2D対戦格闘ゲーム。4人対戦まで可能。
どちらかというと大乱闘スマッシュブラザーズ系統のゲームで、技ボタンと方向入れで技が出せたり、ギミック付きのステージがあるなど意識してる部分は多い。
ただし、スマブラとは違い体力制を採用している。ただし一部のギミックにより一撃死ということもある。

デジモンのゲームは『デジモンワールド』や『デジモンワールド デジタルカードアリーナ』など名作もあるのだが、それは初期の話。
人気低迷期に発売されたこのゲームはパチタルモンスターと言っていいほどの出来だった。

操作キャラクター

  • デジモンアドベンチャー(無印)からは仲間達全員、02からはブイモン、テイマーズからはギルモン、フロンティアからはフレイモンが参戦している。逆に他の作品は主人公以外はほぼ参戦していない。
    • 隠しキャラはオメガモン、ディアボロモン、ネーモン、ダスクモン、ベリアルヴァンデモン、ブラックアグモン、ブラックガブモン、ブラックギルモンがいる。
    • デジモンの進化系譜は幼年期→成長期→成熟期→完全体→究極体で構成されているため、アニメで究極体になれなかったデジモンへの救済のためか、 成長期→成熟期→究極体or完全体と言う系譜になった。 究極体と完全体で強さは変わらない。

問題点

  • いろいろと設定を無視・謎使用な内容の数々。
    • ブイモンの系譜がブイモン→フレイドラモン→インペリアルドラモンとなっている、フレイドラモンはブイモンがデジメンタルで進化した姿で、既に成熟期のエクスブイモンが存在するためブイモン→エクスブイモン→インペリアルドラモンの方が系譜的に正しい。
    • アグニモンは、劇中では僅かしか出てきていないフレイモンを成長期としている。そこまではいいのだがそこからの進化がフレイモン→アグニモン→ヴリトラモンとなっている。何が問題なのかと言うと、ヴリトラモンはアグニモンからスライドエボリューションする、いわばフォームチェンジ的な形態変化なのである。つまり、他の究極体と比較すると戦闘力的には程遠いと推測され、明らかに見劣りしてしまう。
      • なお、本来であればアグニモン(というより変身者の神原拓也)の最終形態はスサノオモンであり、さらにその間にはアルダモンやカイゼルグレイモンといった中間形態にあたる存在もいる。何故ヴリトラモンをチョイスしたのか謎*1
    • 技名の間違いが多い。アニメーションと比較すると、一部の技の名前が入れ違いになっているものもある。上記のフレイドラモンがそれに該当し、進化ルートとしても首を傾げざるを得ない上に技名を間違えられるという救いようのない有様。デュークモンに至っては特に酷く、「ファイナルエリシオン」が「シールドアタック」という、なんとも言えない技名になっている。
    • 技のエフェクトも全体的に非常にショボイ。ウォーグレイモンの「ガイアフォース」などは原作の面影がない、チンケなものとなっている。一方で、通常技であるはずの「グレートトルネード」が「ブレイブトルネード」という名前で超必殺技に格上げ。名前も技の格もおかしい。
    • ディアボロモンはアニメでは喋らないはずが本作では喋る。担当声優は千葉繁と何気に大物を使用。
      • 後述のオメガモンと違い、後の作品で台詞を与えられた作品もなく、完全に本作独自のキャストとなっている。
    • オメガモンの声優が、無印・02の声優の坂本千夏と山口真弓ではなく田中秀幸。
      • その後、田中秀幸はCGアニメ「DIGITAL MONSTER X-evolution」でもオメガモンの声を担当している*2
    • ネーモンは旅に着いてくる非戦闘員だが下品な攻撃をするキャラになっている。そもそも、戦闘をするようなキャラでもないのでなぜ参戦しているのかが謎。
      • ネタキャラポジションはキャラゲーでは珍しくないが、原作再現をしているとは言い難い性能。第一に ネタキャラが喜ばれるのは他の参戦キャラが十分に揃っていてこそ である。ネーモンは別段人気キャラでもないため、コイツが枠を一つ食っていることは純粋に疑問。
      • テイマーズからは唯一敵役が一体も参戦していない。本作の後、設定を変えて再起用されるなど屈指の人気デジモンであるベルゼブモンなどの参戦もなし。
    • ダスクモンはデジモンフロンティアの敵役だが、ディアボロモンやベリアルヴァンデモンと無印劇場版の大ボスに02本編のラスボスが参戦している中、物語中盤で退場した敵が参戦しているのは賛否両論。なお、フロンティアのラスボスはルーチェモンである。
    • ベリアルヴァンデモンの名前がゲーム中でヴェリアルヴァンデモンになっている。しかもゲーム中のデジモン図鑑で、ベリアルヴァンデモンは七大魔王だと記述されている。実際はベリアルヴァンデモンは七大魔王ではない*3
    • ブラックアグモン最終形態ブラックウォーグレイモンの背中に勇気の紋章が付いている、本来なら無地。加えてブラックウォーグレイモンの声優が「デジモンアドベンチャーO2」での声優の檜山修之ではなくブラックアグモンの坂本千夏のまま。ギャラを渋ったのだろうか?
      • 別個体だから、という解釈もできるが、そもそも他の無進化キャラクターのように単体で参戦できるようにすれば良かったとも言えるのではないか。
    • ブラックガブモン、ブラックギルモンに至っては原作アニメに登場すらしていないという露骨なまでの水増し要員。ネーモンといいこの二体といい、他に出すべきキャラがいくらでもいたはずである。

ゲームシステム

  • HPを0にすればライフが減り、相手を攻撃するとでる水晶を集めると進化出来るがここもまたおかしい。
    • 普通なら残機が減ると一定時間無敵になって復活するが、その時間が皆無。
    • 炎を吐く攻撃が無敵時間が無いためずっと続くので相手の動きを止め、水晶を集めるワンサイドゲームになりがち。
  • 進化ゲージは、進化の他に消費して回復するというものがある。最終進化の際は進化ゲージを0にして放つ超必殺技がある。
    • ちなみに隠しキャラで登場する進化の無いデジモンは進化の概念がないため超必殺技しかなく、超必殺を3分の1の労力で放てる他、低リスクでゲージを回復に使うことができる。
    • このゲームではライフが減ると進化が一つ下の段階で復活する。そのため相手が自分を倒す→自分の進化が一つ減る→相手回復と言う理不尽な展開になる。そのため無進化デジモンが非常に強い。
  • 妙にテンションの高い英語実況のシステムボイス。とてもアニメの雰囲気にそぐっているとは言えないものである。
    • それに対してBGMは全体的にテンションが高いとはいえず、対戦が盛り上げるとはいえない。
  • 同キャラ対戦ができない。
    • 色替えという概念をそもそも設定していないためだろう。ある意味性能がほとんど変わらないアグモン・ガブモン・ギルモンとそのブラックの関係性は同キャラ対戦に値するのかもしれない。
    • ただそいつらも一部性能が異なるため、万全ではない。

ステージ・アイテム

  • 本作独自の要素が強く、デジタルワールド感の薄いステージという感が強い。
    • アニメのBGMがひとつも使われていない。ステージ(世界観)やBGMは独自のものとなっている。
    • デンジャータウンのトロッコに 触れると即死。
    • 悪夢のトイタウンでは無敵の巨大アヒルが炎をステージに吐く。
      • この他のステージも理不尽ギミックがあり、そもそもギミック無しのステージが無い。
    • イベントアイテムのファントモンに 触れると即死。
    • おやすみ!やいなづまなど、ステージに同じくデジモンに無関係なイベントが多い。
    • ピニャタ・パーティーというイベントアイテムが発動すると、 デジモンがサイケデリックな色のロバになる 。意味がわからない。

評価点

  • グラフィックに関しては頑張っている方。
    • 一部どこを向いているかわからないキャラ(ブイモンなど)がいるが、一部の設定無視を除けば比較的質感は悪くない。
  • オメガモンをスペシャル版のものと踏まえるのであれば、インフェルモンとブラックウォーグレイモンを除き、キャストが全てオリジナルであること。
    • 特にジョグレス(合体)体であるインペリアルドラモンの声の再現のためだけに、ジョグレス相手であるスティングモンの声優である高橋直純氏をわざわざ呼び寄せたのは、謎な仕様が多い本作にしては細かい配慮である。
  • 2014年現在、デジモンの対戦バトルものでデジモンアドベンチャーのメインデジモンが全て参加しているのはこの作品だけである。
    • 逆に他のシリーズファンにとっては残念なラインナップと言えるのだが。

総評

全体的にとてもひどい出来。あまりの原作無視っぷりに「デジモンをあまり知らない人が作ったのではないか」という批判が多い。というか実際その通りであるとしか言いようがない。
ちなみにこんなわけのわからない出来になっているのは、本作が 海外の会社によって製作された洋ゲー だからというのが要因であると考えられる。
事実、同じく洋ゲーである『デジモンレーシング』は、本作以上に救いようのないクソゲーっぷりを発揮している。
本作を最後に、デジモンのオールスター対戦ゲームは発売されていない。
「デジモンセイバーズ」や「デジモンクロスウォーズ」など新作アニメも製作された現在において、最後に発売された対戦アクションがこのような作品であるのは、何とも悲しい話である。