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アルカナハート2 - (2020/08/10 (月) 07:16:11) の編集履歴(バックアップ)
すっごい!アルカナハート2
【すっごい!あるかなはーとつー】
ジャンル
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対戦格闘
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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AQインタラクティブ
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開発元
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キャビア、エコールソフトウェア
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発売日
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2009年4月9日
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定価
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5,800円(税別)
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判定
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クソゲー
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劣化ゲー
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ポイント
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すっごい!処理落ち すっごい!長いロード 通称『ひっどい!アルカナハート2』 『ギルティギアXX AC』と違ってその後のフォローも一切なし
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概要
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同名のアーケードゲームの移植作。開発(の片割れ)はあの『デスクリムゾン』を産んだエコールソフトウェア。
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バージョンはAC版『すっごい!アルカナハート2』(2.5)に準拠し、数ヶ所が2.6仕様に変更されている。
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ラスボスのパラセはAC版と同様にCPU専用のまま。
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前作では最低難易度でも比較的容赦なかったミルドレッドと比べ、今回はアヴァロン姉妹もパラセも最低難易度にすれば、文字通り易しくなっている。
問題点
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処理落ちが酷すぎる。
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飛び道具を出すだけで遅くなる。キャラによっては通常技を出すだけでラグが発生する。
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特にペトラは普通に動かしただけでも処理落ちしてしまうほど酷い。
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さらに処理落ちの最中はコマンド入力を受け付けない。
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正確には「処理落ちの速度にあわせてコマンド入力をしなければならない」つまり処理落ちを考慮しないと一部のコンボができなくなる。なんでこんなものを考慮しなくてはならないのだ。それでも慣れてしまえばさほど難しくはないのだが。
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ジャギ(解像度が低くなる現象)が酷い。
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キャラクターが歩くだけ、通常技を出すだけでジャギが発生し、キャラクターにモザイクがかかったように汚く見える。
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一部キャラは立ち絵でモザイクがかかる始末。自主規制ですか?
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更にはエフェクトまでジャギが発生する始末。その酷さたるや、SFC並と言って差し支えないほどにまで劣化する。処理落ちも当然実装。
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本作はキャラゲーとしての売り(所謂、キャラ萌え人気もあるゲームである)が他の格ゲーに比べ重要なため、そういった部分には気を使わなくてはいけないのだが、その大事な部分をほぼ見事に台無しにしてしまったがために不満を述べる人間が多数。
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全体的にロード時間も長い。特に試合前のロード時間は約19秒とかなり長い。
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トレーニングモードのCPUがしゃがみ状態のまま中段攻撃をガードすると言う、格ゲーの常識を覆す現象までも……
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さすがに通常のCPUは、しゃがみ状態では中段攻撃をガードできないのだが。
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音質もかなり粗悪な品質となっている。
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音声やBGMの途切れ、遅延、オプションのモノラルとステレオの設定が逆と言った不具合もある。
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本作が発売した時の、ゲーセンでの本体Verは2.6。だが前述どおり、この移植版ではほとんどが前Verの2.5のまま。
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格闘ゲームと言うものはちょっとバージョンが違えば大小なりとも差が生じてきてしまう。最悪、それが勝敗に直結する事もあるので、この仕様もおかしいと言わざるを得ない。
このような要素が組み合わさった結果、ゲームスピードは元よりも3倍くらいもっさり感が増えてしまった。本来は超ハイスピードの攻防が売りのタイトルにもかかわらず、である。
格ゲーと言うジャンルではもっさり感を感じること自体がかなり致命的だということも忘れてはならないだろう。
と言うかアーケード通りの仕様で、プレイし難い事が何よりも致命的である。
評価点
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AC版からの追加要素
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ストーリーモードのフルボイス化とギャラリーモード、トレーニングモード(前作と同じ時間無制限)が追加されている。
総評
糞移植の見本とも言えるソフト。
家庭用開発時期の問題か、開発の判断ミスか、いずれにしろPS2での移植を決行した事により、コンボ主体の格闘ゲームなのに処理落ちを考慮しないとコンボができないという惨憺たる結果となった。
見た目の問題以上に格ゲーとしては操作性の問題が致命的である。
AC版がコアな人気があった事や『カイザーナックル』のジェネラル級と称されるほどの隠しボス「パラセ」に家庭用でリベンジしたいといった理由から事前の期待値はそれなりに高かったのだが、発売後の落胆は大きいものとなってしまった。
参考動画
補足
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発売後のフォロー(修正版やアペンドディスク等)もなかった。
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原因が本体のスペックによるものである以上、どうしようもないと言えばその通りなのだが。
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前もって公開されていたスクリーンショットでは、ジャギの発生していない綺麗な物のみが公開されていた。
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PS2版の画面を公開する事による悪評を避けるため、AC版の写真をPS2版と偽って公開していたものと思われる。
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詐欺だの羊頭狗肉だのと言われても当然である。
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内部データ自体は文字通り完全移植であり、劣化の原因はPS2のスペック不足、ないしは移植に際しての調整を施さなかったことにあると思われる。
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前作『アルカナハート』の時点でPS2のスペックをギリギリまで使った移植であり、キャラが追加された本作の移植は無理がありすぎたと言える。
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事実、開発元のエコールの真鍋社長がセガの家庭用ハードと心中するとまで発言していたにも拘らず、『MELTY BLOOD Act Cadenza』のDC移植を否定した理由として「テクスチャーの容量が思った以上に使用しているので、DCの内蔵メモリでは移植が難しい。パターン等を色々削減すれば無理やり移植できなくもないが、それはもう完全移植じゃないから」と述べていたが、今回は皮肉にも過去に否定していた事を実践してしまった事になる。
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もっとも、あくまでもエコールは下請けとして移植を担当しただけなので、不本意感があるのかも知れないが。
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ただ前作『アルカナハート』でも、家庭用移植の際に新たな不具合・バグが発生してしまった事から、エコールの移植技術力の低さ・デバッグ姿勢の甘さを指摘・批判する声が多く、原因自体はシンプルな答えで実際問題「金が欲しかった」だけであり購入者(被害者)の事を考えもせず合法的な「悪徳詐欺師」として嫌悪された。
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同時期にPS2に移植した『MELTY BLOOD Actress Again』では、家庭用オリジナル要素も追加した上完成度の高い移植を行っていたため、「エコールは秋葉を三種類作るのに忙しかったんだろう」と揶揄される事も。
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もっとも、『MELTY BLOOD』シリーズに関してはエコールは販売等の担当で、実際の開発は同人サークル「フランスパン」、そして「TYPE-MOON」が担当しているので実情とは異なっている点には留意しておきたい。
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そんなわけで本作の件で叩きに叩かれたエコールなわけだが、「何を今更、『デスクリムゾン』作った会社だぞ」と擁護だか皮肉だか分からないジョークまで飛び出しがちである。
その後の展開
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悪評はスタッフにも伝わっているようで、アーケード版を開発したエクサムの広報に「そのゲームはらめぇ!」と叫ばれるほど。
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続編『アルカナハート3』も後に家庭用移植が行われたが、今度はエコールではなく、『GUILTY GEAR』『BLAZBLUE』シリーズでお馴染みのアークシステムワークスに変更された。
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機種自体もPS3とXbox360に変更され、リンクアニメや特定モードでの追加ボスとしてのパラセ再参戦、ネット対戦環境の充実など、本作とは比較にならない良移植となっている。
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さらに『3』のバージョンアップ版にあたる『アルカナハート3 LOVE MAX!!!!!』も同様である。むしろ質を維持しつつ「その後のお話」としてシナリオが増えている分、練習以外にも移植版を買う理由が設けられている。
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なお、AC版を制作したエクサムも家庭用の開発に大きく関わっていたことが明らかになっている。じゃあこの惨状をなんとか出来なかったのだろうか…
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アークシステムワークスのお祭りゲーム「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」で前主人公の愛乃はぁとがDLCで参戦。出展は「アルカナハート3 LOVE MAX SIX STARS!!!!!!」からAC作品にアルカナハートキャラを制作するのは初でもある。最小限に抑えたのか他キャラクターは登場せず、はぁとのみになっている
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会社名はエクサムではなく、チームアルカナになっている。2020年2月にエクサムが全業務を停止。2019年から業務停止の意向を進んでいたと思われる。アルカナハートシリーズはチームアルカナが受け継ぐようになった。