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John Romero's DAIKATANA - (2015/09/17 (木) 12:02:09) の編集履歴(バックアップ)


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大刀 -DAIKATANA-

【だいかたな】

ジャンル ファーストパーソンSTG
対応機種 Windows 98/2000/Me
ニンテンドウ64
発売元 【Win】アイドス・インタラクティブ
【N64】ケムコ(コトブキシステム)
開発元 【Win】Ion Storm
【N64】不明
発売日 【Win】2000年5月23日
【N64】2000年4月
判定 クソゲー
ポイント 海外では「ゲームにおける失敗」の代名詞
杜撰な計画で開発難航, 気が付いたら時代遅れ
役立たずでお荷物の味方, おまけにバグ満載
北米版クソゲーワースト4位(参考)

概要

『DOOM』、『Quake』という傑作でFPSの基礎を築いたジョン・ロメロが指揮を取った大作(?)FPS。
ロメロがDOOMのid Softwareを離れION Stormとして独立した後に初めて企画したソフトの一つであり、ロメロのネームバリューもあって、初期から大々的に宣伝されていた。
だがこんな事になるとは、誰が予想しただろうか…。

  • 日本人の主人公ヒロ・ミヤモトは時を超える能力を持つ魔剣・大刀(ダイカタナ)によって時空を旅し、過去や未来で同じ大刀による時空改編と世界支配を狙うミシマ一族と戦う。
    • ちなみに、ヒロ・ミヤモトのモデルは 任天堂の宮本茂 。尊敬しているかららしい。ゲームデザインでも影響を受けたという。
    • クロノ・トリガー』や『FF7』といったJRPGの影響も受けたという。
    • そのせいか、ものすごく怪しい日本語看板があちこちにある。 「格安チケッケ」 「サイーコ」etc
  • FPSにRPG的要素を取り入れ、主人公や武器・大刀は戦闘により経験値を習得し能力が増える。
    • ただし、大刀を使うと経験値はカタナに入って主人公には入らない。

問題点

  • 2000年時点において、旧来と変わりないチャチなAIと古いグラフィックの大刀の評判はすこぶる悪かった。
    • 仲間はすぐ引っかかって動けなくなる。 斜面などで頻発する。
      • それなのに、パズルを解いたり先に進むために仲間は必須。マップのゴール地点に全員移動させないと先に進めない。
      • 5種類の指示が出せるが、視界の範囲内にいないとそもそも指示が出せない。またヤバそうなので「後退」の指示を出すと、プレーヤーの向きを基準にその後ろに移動しようとするため逆に敵に突っ込んでいくこともしばしば。
      • 仲間は接近戦を好んで敵にガンガン近づいていく。こちらの攻撃の邪魔になるだけでなくそれでダメージも食らうため、すぐ死ぬ。
      • しかも 仲間が死ぬとゲームオーバー。 命令するまでただ撃つしか能がなく、はっきり言ってお荷物以外の何物でもない。
    • 同時期に発売された『Soldier of Fortune』は、Daikatana同様QUAKE2のエンジンを使用した作品だったのだが、残虐描写がかなりリアルだったためグラフィックの古臭さをカバーできていたのだが、Daikatanaは古臭さをフォローする部分は無かった。
  • 一番最初のマップ、「京都」(近未来)が異様に難しい。
    • 混沌とした未来の雰囲気を表現するグラフィックが汚い。敵が見にくい。
    • ロボット昆虫やロボカエルといった、小さくて動きが素早い敵が多い。なのに初期装備は拳ひとつ。手に入る銃の弾も少ない。
    • 他のマップは美しく、難易度も低いのだが、最初の面が不評なため大きく評価を下げた。
  • セーブにはセーブジェムという消費性アイテムが必要(『バイオハザード』のインクリボンに相当)。
    • しかもシークレットアイテム扱いであり、探索を必要とする。
    • ただでさえストレスがたまるゲームなのにセーブすら自由にできない、ということで不満は最高潮に。
  • お約束のフリーズ、強制終了といったバグも多発した。
    • セーブデータをロードすると仲間が一人もいない、というバグがよく発生する。皮肉なことにクリアは楽になるが、仲間がいないので先には進まない「詰み」状態になる。
    • プレーヤー・仲間ともに「一度入れば抜け出せない」という3Dゲームとしては致命的なハマりすらある。普通ならそういう場所はマリオの穴のように即死穴にするのが普通。
    • もしくは、自滅用のコマンドを用意(1機消滅コマンド)等。
    • ストーリーも非常にチープ、その割に会話ばかりのやたら長いムービーが何度も流れる。
    • 発売から程なくしてバグフィックスや仲間キャラの強化、自由にセーブできる設定などを追加した修正パッチが配布され、かつて程の凄まじい酷さではなくなったが、言語によっては当てることができない。

総評

長い間待たされた挙句に出来は良くない ということで評価は散々なものになった。
海外では、E.T. The Extra-Terrestrial、アタリショックなどと並んでゲームマーケティングの大失敗例の一つとして記憶されている。
本来なら97年のマーケットは「Daikatana VS Quake2」となっていたのだろうが、それどころかこのゲームは北米版クソゲーワースト4位になってしまった。
埋め合わせのために大量出荷されてとりあえず開発費分ぐらいの収益は出せたが、 EidosとIon Stormの評判はガタ落ちとなった。
発売からしばらくはアメリカ中のゲーム販売店で「ワゴンの主」だったという。
元がQuakeなためか対戦は最近になって評価され、現在マルチプレイ部分だけが無料化されている。


その後の展開

  • Daikatana発売から約1ヵ月後にION Stormから『Deus Ex』という同じくFPSを題材にした作品が発売された。
    • こちらは膨大なシナリオやDaikatanaよりも更に発展したRPG要素から今でも神ゲーと名高い作品である。
      • そのため、レビューサイトでは「同じ会社からクソゲーと神ゲーが同時期に発売された」とかなり比較された。
  • N64に移植された。
    • PC版での不評部分の削除を行っているがマップ等は短くなり、ポリゴンも拡張パックなしでは非常に粗い。評判はPC版Ver1.0と同様に低い。
  • ゲームボーイカラーでも専用ソフトとして発売(ケムコ発売、ウィル開発)。
    • こちらはFPSではなく完全な2D-RPGで、ほぼ別物となっている。 もしや、最初からそうしておけばよかったのでは…?
      • 実際、海外での評価はGBC版が一番高い。皮肉な話である。

日本語版

  • 日本ではPC版(2000年6月30日)とN64版(2000年4月7日)が発売されている。
    • 日本版は大幅にテコ入れされた1.1がベースなので、不評部分の多くが緩和されている
    • ただしバージョンが特殊なので1.2パッチは当てられず、他言語版との対戦も不可。
    • 日本でもGBC版は発売される予定だったが発売されなかったが、後にニンテンドウパワー書き換え専用ソフトとして供給された*1

余談

  • 本作の宣伝は、売り文句があまりに下品で顰蹙を買ったという(例:「ジョン・ロメロは君を彼のBitchにする!」etc)。
  • 延期ばかりしていた一方で、ロメロは高層ビルの上のオフィスで豪遊生活をしていた。
    • ついには内部告発の怪文章が出回ったり、女性の出入りが暴露されてしまうなど、グダグダ。
    • あまりに延期が多いので、「このままベーパーウェア(お蔵入り)になるかも」とまで言われた。
    • ロメロも追放され、もう表には出てこないだろうと言われた。今では小さな会社でMMOや携帯機用のゲームを作っているらしい。
  • 熱心なファンが居るのか有志制作の1.3パッチがリリースされている。ワイドスクリーン対応からGameSpy閉鎖に伴うマルチプレイ部分の改変、バグフィックスにAIの修正や仲間の強化、さらにLinux対応など非常に多岐にわたる改善などがなされている。今からこのゲームを(クソゲー部分を楽しむためでなく)遊ぶのであれば導入が推奨される。
  • 発売前の状況
    • そもそもスタッフはそれまでRTS(リアルタイムストラテジー。要はシミュレーション)ばっかり作っていた人間ばかりで、3Dエンジンには慣れていなかった。
      • それを把握せずに期間 (当初の予定はわずか7か月) まで含めた大計画をぶち上げてしまったため、開発が難航したという。
    • 最初はQuake1ベースだったが、途中でQuake2エンジン*2が発表される。そのままでは古臭くなると考えて開発環境を変更したため、さらに開発は長引いた。
      • 結局、発売できたのは 開発発表から3年後の2000年 。7か月でできる、なんて話はどこへやら。
        それなのに、レベルの修正が完全に終わっていない段階で見切り発車された。流石に我慢できなくなったか。
    • かれこれ3年もたっている間に、時代は『Half-Life』などの賢いAI・美しいグラフィック(当時基準)などで売るFPSが主流となっていた。
      • Quakeシリーズに至っては『Quake3 Arena』が出ていた頃である。『Unreal Tournament』等の対戦もヒートアップしていた。

関連リンク

  • ロメロがIon Stormとして独立してからDaikatanaが世に出るまでの顛末。その1その2