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ロックマン10 宇宙からの脅威!! - (2021/10/06 (水) 13:21:52) の編集履歴(バックアップ)


ロックマン10 宇宙からの脅威!!

【ろっくまんてん うちゅうからのきょうい】

ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 Wii(Wiiウェア)
プレイステーション3(PlayStation Network)
Xbox360(XboxLIVE ARCADE)
発売元 カプコン
開発元 インティ・クリエイツ
発売日 【Wii/PS3】2010年3月9日
【360】2010年3月31日
備考 2019年1月31日にWiiウェアの購入期間は終了済み
判定 良作
ポイント 前作が好評すぎてまさかの続編
DLC含めてプレイアブル3人という豪華仕様
フォルテ、ファミコングラフィックで復活
シリーズ初のイージーモードを採用
良くも悪くも「また」ファミコンロックマン
ロックマンシリーズ


プロローグ

度重なるDr.ワイリーの脅威から世界を救ってきたロックマンは、ライト博士たちと共に平和な日々を送っていた。
ところが、ある日ロールが最近流行した「ロボットエンザ(ロボット風邪)」に感染してしまう。
その後ロボットエンザはまたたく間に世界中に拡がり、多くのロボットが倒れていった。
そして発生から1ヶ月後、感染によって熱暴走したロボットたちが街を破壊し、各地を占拠するという事件が起きてしまった。
時を同じくして、ライト博士らのもとをDr.ワイリーが訪れた。
彼曰く、治療に必要なワクチンの作り方がわかったものの、製造機が暴走したロボットたちに強奪されてしまったらしい。
それを聞いたロックマンは、ロールをはじめとする感染したロボットたちを救うために、ブルースと共に製造機を奪還すべく立ち上がった。
(Wikipediaより)

概要・特徴

ロックマン』シリーズのナンバリング作品としては第10作目。(『ロックマン&フォルテ』を含めれば第11作目)。
前作『9』の要素を多く引き継ぎつつ、さらなる改良が加えられている。

  • 最新ハードで再びFC風のグラフィックにサウンド。
    • 今作のBGMは『ロックマン1~9』、『ロックマン&フォルテ』のサウンドクリエイターが集結して作られている。
  • 難易度が選択できるようになった。
    • 最初は「ノーマルモード」と「イージーモード」が選択可能。
      イージーモードでは即死場所が足場で塞がれている、ボスの行動パターンが単調になるなど、全体的に易しくなっている。このモードにのみ登場する回復アイテムも存在する。
    • 条件を満たせば「ハードモード」も選択可能。より難しくなったゲームに挑戦できる。
  • 専用のステージに挑戦する「チャレンジモード」が追加された。
    • 数は減ったが、前作同様にゲーム本編で条件を達成する要素もある。
  • 今作では初めから「ブルース」が使用可能。
    • 性能は前作と同じでスライディングやチャージショットのアクションができる上、ジャンプ中に盾を構えて敵の弾を跳ね返すことができ、最初からサポートアイテムを全て所持している。
      ただし受けるダメージがロックマンよりも多い上に移動速度とジャンプ力がやや低い。さらにバスターも2発までしか連射できない*1こともあって、ロックマンより難易度が高い。
      一方でロックマンより強かったノックバックは普通になっており、落下の危険は前作より減っている。
      • 前作ではショップを利用できなかったが今作では利用可能になった。ただし購入できるアイテムの種類はロックマンより少なく、値段もロックマンより少し高くなっている。
  • さらに今作では「フォルテ」が使用可能。前作のブルースと違い、ストーリーもついている。ただし有料DLC。
    • 性能は『ロックマン&フォルテ』に準じているが二段ジャンプは不可、バスターの威力もボス戦を除いてロックバスターの半分になっている。
      • 代わりにバスター連射で一部の敵の盾を弾く特殊効果を持つようになった。
    • スライディングやチャージショットを失ったロックマンと比べるとあまり弱体化しておらず、サポートアイテムのゴスペルブーストはエネルギーが続く限り空中を自由に移動できるので他の二人よりもクリアは楽。
    • なおフォルテがFCグラフィックで描かれたのは本作が初(一応、前作では設計図で登場していたが)。
+ 本作のボスと特殊武器
ブレイドマン トリプルブレイド: 真横と斜めとその中間の3方向同時に刃を飛ばす。地上では斜め上、ジャンプ中は斜め下を向く
ポンプマン ウォーターシールド: 8個の水球を自分の周囲で回転させ、もう一度攻撃ボタンで放射。敵や敵弾に当たると1個ずつ消滅
コマンドマン コマンドボム: 発射後2回まで直角に軌道を変えられる爆弾を撃つ。爆風は多段ヒットし、地形を這う
チルドマン チルドスパイク: 放物線状に不凍液のような液体を撃ち、当たった敵を動けなくする。床に当たると氷の棘(ダメージ床)と化す
シープマン サンダーウール: 小さな雷雲を発生させる。しばらく後に雲から真下に落雷する
ストライクマン リバウンドストライカー: 地形で跳ね返る度に威力の上がるゴム弾を投げる。斜め方向へ投げることも可能
ニトロマン ホイールカッター: 丸ノコを目の前に出し、ボタンを放すと発射。丸ノコは地面を疾走し、壁も少しなら登れる。ボタン押しっぱなしでロックマン自体が壁を登ることが可能
ソーラーマン ソーラーブレイズ: 発射後に命中するか一定距離を進むと左右に分裂する太陽弾を撃つ。敵を貫通する

評価点

  • 前作の問題点に改善を施し、より遊び易くなっている。
    • 難易度選択によってアクションが苦手のプレイヤーにもとっつきやすく、硬派なアクションを求めるプレイヤーにも満足の内容となった。
      • 低難易度では殆どの穴やトゲが塞がれ、敵も数の減少や攻撃が緩和されるなど、シリーズで最も簡単であった『ロックマン5』を超える優しさとなっている。
      • 高難易度に関してもこれまでのシステム面での問題やステージギミックの理不尽さからくるものは無いのでストレスを感じにくい。
      • ハードモードではステージもボスも手強くなり、かなり歯ごたえのある難易度になっている。下手したら『ロックマン ロックマン』と並び、歴代最高クラスである。
    • 前作では即死トラップの多さが難点だったが、今作では減少している。
      • だが間接的に即死へ繋がる動きをする雑魚キャラもいるため、結果的に『9』より難易度が高い。
    • ボスもかなりトリッキーな動きや避けにくい攻撃をしてくるものが多く、歴代でもかなり強い部類。
    • いくつかのステージには分岐点が存在する。
      • 各ステージの分岐が増えてそれぞれのルートで違った対応が求められるので同じステージでもマンネリ感を感じにくい。
    • 前作ではポーズして武器選択画面を開かないと武器を変更できなかったが、今作ではいちいち開かなくても武器変更が可能になった。
      • その代償か、タイムアタックモードでポーズしても時間が経過するようになった。
  • ブルースが正式に主人公となった。
    • 前作ではあくまでおまけモードといった感が拭えなかったが、今作ではストーリーがついた事で主人公の一人としてキャラが立っている。
    • フォルテにもストーリーがついており、どちらもそれぞれのキャラクターの特徴を上手く捉えている。
  • 今作は「第10作目」という節目を意識してか、懐かしいキャラが多く登場している。
    • とあるステージのボスは『ロックマン1~9』のボス*2の攻撃をほとんど再現している。
      • 中でも『5』のボスは当時は使えたスライディングで攻撃を余裕で回避出来るため弱かったが、今作のロックマンはスライディングが使えないため思わぬ苦戦を強いられる事態に陥る。
    • さらにとあるステージのボスの動きはどう見ても『ロックマン2』のワイリーステージ2のボス「ピコピコくん」である。
    • 有料DLCであるスペシャルステージのボスとして『ロックマンワールド』シリーズに登場したエンカーパンクバラードら「ロックマンキラー」が登場する。
      • 『ロックマンキラーに限っている』ので、クイントと「スペースルーラーズ」のアースは登場していない。この2体は攻撃方法にも問題があるのでロックマンキラーの縛りは丁度良いものとも言える。
      • スペシャルステージは主に各ワールド作品におけるワイリーステージのアレンジ。パンクはワールド3と同じく天井をぶち破って現れるという凝りっぷり。
    • ロックマンワールド5』のタンゴ、『ロックボード』のレゲエがショップに登場する。

賛否両論点

  • 最新ハードで再びFC風デザイン。
    • 前作では逆に真新しさがあった為好意的に見られたが、2作品連続ともなると話は変わってくる。今度こそ「『8』から更に進化したグラフィックを見たかった」という声は根強い。
    • 効果音も引き続き『2』のものが流用されており、さらに『3』からも一部流用されている。作品毎に書き起こされているグラフィックデザインならともかく、全く同じな音を使い回しはさすがにマンネリ感を通り越して手抜き感が漂う。
      もちろん新規追加分もあるが、基本的に新鮮味は皆無。
      • グラフィックの質は背景含めて概ね『2』~『3』時代を思い起こさせるもので、FCシリーズ後期の陰影のついたデザインではない。
        良く言えば旧ロックマンの雰囲気を損なわずに進化したと言えるほど素晴らしいが、悪く言えばいかにもタイルブロックらしいデザインでのっぺりした古臭さが拭えない。
      • デザインこそFCを踏襲しているが、FCでは出来ない仕掛け・システムが多数使われており、正確には「8bit風デザインのゲーム」となっている。わざとらしいFCの演出も気になる人は気になるだろう。
    • ただ、前作で『2』の流用だったいくつかのシーンのBGMやSEは新たに新調されたものもあるため、所謂『2』っぽさは前作よりは解消されている。
      もちろん「『9』の感じから変えてほしくなかった」「今後ずっとFCデザインでいい」という意見もある。
      • フォルテや『7』『8』のボスなどが原作では見られなかったFC風のグラフィックで見られる点も評価点と言える。
  • 前述のようにシリーズトップクラスと評するほどの難しさを誇る本作だが、その中でもストライクマンステージとワイリーステージ2は理不尽に片足を突っ込む難しさを誇る。
    • ストライクマンステージは即死のトゲや穴こそないが、道中二回戦う中ボスのゴーリキーパーが非常に厄介で、かなりの分からん殺し。初見では間違いなくなぶり殺しにされる。
      • ステージ構成も非常に緻密に作られていて、対処が難しい場面が多い。
    • ワイリーステージ2は本作のステージギミックが複合で襲ってきて、即死ポイントも多く、本ステージオリジナルギミックであるプレスはタイミング自体は一定だが、ここにトゲ+即死穴+ベルトコンベアが加わり、これまた複合で襲ってくる。恐らくシリーズ最難関ステージと呼んでも差し支えない。

問題点

  • 『9』の特殊武器はいずれも使い勝手が良かったため、その反動か露骨に弱体化されている。
    • 使いづらいトリッキーな特殊武器が多い。
      • 操作できるが、壁にぶつけて出る衝撃波以外の威力が低い「コマンドボム」、相手に直接当てると凍らせ、床に当てて踏ませるとダメージの「チルドスパイク」など。
    • 特に「サンダーウール」は燃費の悪さ(1発につき4消費)も含めて非常に使いづらく、「歴代最低クラスの武器」という評価も。
      • 「ゆっくりと登った小さい雲から雷が落ちる。雲は敵に当たると消える、雲自体にも攻撃力はあるが微弱」という性能。
        ステージ攻略では他の武器でも十分、弱点ボスもジャンプで飛び回るタイプなので当てにくい、この武器がなければ突破できないギミックや場面も無い、と悲惨。
      • 「設置一定時間後に発動させ、上手く多段ヒットさせれば相手に大ダメージが与えられる」というものであり、『2』のクラッシュボムが運用方法としては近いが、使い勝手は雲泥の差である。
    • 局所的な性能はシリーズ恒例であるし、状況によってうまく使い分けることが出来れば活用できるシーンは十分に存在するのだが、今作ではこれに加えて燃費もかなり悪い(DLCの武器を除く)。
      • 今作では全ての武器が1発につきエネルギーを1以上消費する。もちろんこれまでにも同じ仕様の作品はあったが、それは初代ロックマンを除いてロックマンがチャージショット出来る作品である。
      • 過去作と比較してもエネルギー消費量と見合うほどの威力や性能がないものが多い*3
      • これにより、多少のクセはあるものの使えるシーンの多い「リバウンドストライカー」や「ソーラーブレイズ」はかなり評価の割を食っている。
    • もちろん全部が全部使いづらいというわけではなく、「トリプルブレイド」*4や有料DLCの一部である「バラードクラッカー」*5等は非常に使いやすく強力。
      • そのほかはバリア武器の「ウォーターシールド」は強力な『7』のジャンクシールドや『9』のジュエルサテライトと比較してかなりの弱体化を施されたが、まだまだ使っていける性能である。
      • 他の武器の使いづらさのため入手後は「バラードクラッカー」一択になってしまうという指摘もあるが、DLCであり更に原作を再現したが故なのであまり問題視はされていない。
      • またロックマンはブルースやフォルテと違い移動アイテム(ラッシュジェット)の入手が遅い、特殊アクションが無い等といった面があるので、個性付けの一つとしても機能している。

総評

前作からさらなる改良が加えられ、より完成度が高くなっている。
イージーモードが追加されたおかげでアクションが苦手な人でもプレイしやすくなった一方で、シリーズファンに対するサービスも忘れていない。
まさに第10作目にふさわしい出来の良さである。


余談

  • 明確にこそされていないが、今作のストーリーは『ロックマンXシリーズ』と関連している可能性がある。
    • タイトル的な意味からもリンクは必然だったといえよう。「X」とはアラビア数字における「10」。なので本作と『ロックマンX』は因縁深い関係に当たる。
      • しかしそこまで深く繋がりを意識させるストーリーではない。無難ではあるが、もっと関わりの深い描写を望んだ一部のファンにとっては肩すかしになってしまった面もある。
    • ちなみにとあるステージでは背景にVAVA*6らしき像が見られる。
  • ワイリーステージ2のボス、クラブパンチャーはその名の通りカニをモチーフにしているが過去作のワイリーステージボスも海産物をモチーフにしているものが多い。
    • ちなみに過去作の例では『3』と『7』ではカメゴローメーカーとガメライザー(亀)、『4』ではタコトラッシュ(タコ)、『9』ではメガメックシャーク(サメ)である。
  • 恒例のボスラッシュは『8』同様、カプセルの配置がステージセレクト画面と同じ。
    • ちなみに中央の「Dr. Wily teleport system」の文字は『2』の流用。
  • もはや様式美ではあるが、黒幕はやはり(ry
    • ただしエンディングで今まで見せなかった意外な一面を見せる。
    • 地味にロックマンを含む世界中のロボットを窮地に追い込むなど、歴代シリーズと比べると世界征服までかなり近づいていたりする。
    • お馴染みの基地ステージで挿入されるMAP進行にも、ちょっとした演出が盛り込まれている。初見では度肝を抜かれること請け合い。
  • 海外版の『MEGA MAN』のイラストも妙に凝ったものになり絵柄が3種類あり、合わせると1枚のイラストになる。(画像)
  • 海外のファンゲーム『Megaman Unlimited』に登場するボス「トリニトロマン*7」は元々「ニトロマン」という名称であったが、開発中に本作が先にリリースされ名前が変更されたというエピソードがある。
    • さらに余談で『Megaman Unlimited』自体が当初『Megaman10』という名称で作られていたが、上記の理由によりこちらも名称変更されたとの事である。

その後の展開