「ファイナルファンタジーXV」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ファイナルファンタジーXV - (2022/08/08 (月) 01:52:02) の編集履歴(バックアップ)


ファイナルファンタジーXV

【ふぁいなるふぁんたじーふぃふてぃーん】

ジャンル アクションRPG


ASINが有効ではありません。

対応機種 プレイステーション4
Xbox One
Windows (Windows10/Steam/Origin)
発売・開発元 スクウェア・エニックス
発売日 【PS4/One】2016年11月29日
【Win】2018年3月7日
定価 【PS4/One】9,680円(税込)
【Win】8,580円(税込)
廉価版 【PS4/One】ROYAL EDITION
2018年3月6日/8,580円(税込)
判定 なし
ポイント オープンワールドで「旅」を表現
映画・アニメ等のマルチメディア展開
期間限定イベント等のアップデート
説明不足で分かりづらいシナリオ
ファイナルファンタジーシリーズ



父と子。そして王の物語。



概要

『ファイナルファンタジー』シリーズのナンバリング第15作。略称は『FFXV』『FF15』。
元々は『XIII』の関連作である『ヴェルサスXIII』という名称で2006年に発表されたが、同時発表された『アギトXIII』(後の『零式』)と違い、インタビュー、PV等が幾度か公開された後は音沙汰がないままであった。

2013年に対応機種の変更、タイトルも改題され『XIII』シリーズから切り離された新規ナンバリングタイトルとして発売されることが発表された。*1
2016年に発売日が正式発表されるも延期を挟み、実際に発売されたのは最初の発表から実に10年以上が経過した2016年11月29日となった。

また、マルチメディア展開としてアニメ・映画も存在し、アニメは前日譚、映画は本編1章と同時系列となっている。
実在する様々な有名ブランドとのコラボや、ゲーム内ミニゲームを(現実の)スマホアプリとして配信するなど、現代のライフスタイルを随所に反映した展開が行われた。


特徴

オープンワールドと一本道

  • オープンワールドを本格的に採用。
    • スタート直後からメインストーリーによる行動制限がシリーズ中でもゆるいため、昼夜や天候の変化もある大自然を駆け巡り、狩りや観光に勤しむのも乙なもの。
    • フィールドマップはストーリーの進行に応じて、通路封鎖の解除という形で探索できる範囲が少しずつ拡張されていく。
    • ライトニングリターンズ』でもオープンワールドが採用されているが、戦闘がエンカウント式であり、フィールドも今作ほど広いものではなかった。
    • ゲーム終盤はオープンワールドではなく、過去作のようなリニア展開(一本道)になる。(オープンワールドマップへ戻る事は可能。)
  • 強力な敵「シガイ」
    • 夜間やダンジョンなど、日の当たらない場所に現れる。
    • ストーリーが進むにつれ「星の病」と言う影響により夜の時間はだんだん長くなっていく。
  • 宿泊でレベルアップ
    • 今作は一般的なRPGと違い、敵を倒すなどして得た経験値は蓄積という扱いになり、宿泊時などにまとめて清算される。
    • 宿泊はキャンプ・施設の利用で行うことができ、キャンプはイグニスが作る料理を食べることで、一定時間能力が上昇する。
    • 宿泊施設は料理による能力上昇がない代わりに、経験値にボーナスが入る。

フィールド・戦闘

  • 戦闘はアクション形式
    • プレイヤーはノクティスを操作し、他のメンバーはAIで動く。
      • 仲間を操作可能になるアビリティを修得することでノクティス以外も操作可能になる。
    • 方向キーに割り当てた4つの武器を切り替えながら戦える。
    • □ボタン押しっぱなしで自動回避など(都度MPを消費)、アクションが苦手な人でも細かいボタンのタイミングは意識しないでよい作りになっている。
    • 一部の敵の攻撃は画面に合図が表示され、正しくボタンを押すことで「パリィ」や「カウンター」を行える他、背後から攻撃を当てると「バックアタック」となり威力が上がる。
    • △ボタンで「シフト移動」が可能。いわゆるワープ能力だが、敵に向かってワープした場合はシフトブレイク攻撃となり、距離に比例したダメージを与える。
      • これらはノクティスの場合であり、他のキャラの場合は戦闘システムが別のものに変わる。
  • やや特殊なHPシステム
    • 0になると「ピンチ状態」となり、さらに攻撃を受けると「戦闘不能」となる。
    • ピンチ状態では攻撃不能など多くの制限がかかり、仲間からの救助や回復アイテムの使用で復帰可能だが、その際は最大HPが減少する。(減少した分は宿泊などで回復可能。)
    • 一部の攻撃や、HPが低い状態で大ダメージを受けるなどすると、ピンチ状態を介さず一気に戦闘不能となる。
  • 魔法
    • マップ上に存在する炎・氷・雷のエレメントを回収・精製することで使えるようになる。
    • 武器と同様、装備することで使用可能で、MPは消費しないが回数制限がある。
    • 精製時にアイテムを追加投入することもでき、特殊効果の付与や回数増加などの効果を得られる。
  • 仲間との連携
    • パリィやバックアタックを仲間の近くで成功させると、仲間の追撃演出が入り高いダメージを与えられる。
    • 時間経過でたまるコマンドゲージを使い、仲間に指示を出して固有技を使わせることも可能。一部コマンドはタイミングよくボタンを押すと、ノクティスが追撃を行う。
  • ファントムソード召喚
    • 王族の武器「ファントムソード」を手に入れると、ノクティスは一定時間戦闘力を強化する「ファントムソード召喚」が使えるようになる。
      • HPが0にならない・攻撃の手数が増える・敵の射撃攻撃などを自動で弾く等の効果がある。
    • ファントムソードは複数存在し、多く手に入れるほどファントムソード召喚そのものも強化されていく。
    • 通常武器としても装備可能で、それだけで大幅なステータス強化を得られるが、攻撃にはHPを消費してしまう。

料理

  • キャンプとレストランでは料理を食べる事ができる。料理によって異なる能力上昇効果を得られる。
    • 各キャラにはそれぞれ好物が設定されており、その場合ボーナス効果を得られる。
    • キャンプではイグニスが料理を作っており、そのレシピは新しい食材を入手した時、イグニスのスキルレベルが上昇した時、フィールドの何処かをチェックした時や一部のレストランのメニューを食べた時など、様々な場面で閃き増えていく。

写真

  • 旅の途中、仲間のプロンプトが写真を撮ってくれるという形でプレイ中の光景が記録されていく。
    • 宿泊時に撮った写真をチェックすることになり、気に入った写真は保存しておくことができる。
    • 撮ってくれる写真はイベント会話の選択肢や保存した写真の傾向など、プレイによってある程度変化する。

ドライブ

  • ノクティスたちは車を所有しており、主要な移動手段のひとつとしている。
    • 運転はオート・マニュアルを選択でき、車を通して各所へのファストトラベルも可能。
    • カスタマイズにより性能の向上、カラーの変更、ステッカーの貼り付けなどを行える。

他社とのコラボ

  • 『ヴェルサスXIII』のキャッチコピーである"現実に基づいた幻想"を色濃く受け継いだ要素として、日清カップヌードルなど、現実に存在する物が多数登場している。
    • 主人公たちの衣装や所持するコールマンのキャンプ器具の他、アメックスの店舗用ステッカーなどの小ネタも存在する。
    • 過去に『ASSASSIN'S CREED ORIGINS』やスクウェアエニックスカフェとのコラボイベントを配信していたこともあった。
    • Steam版では、Steam Workshopに『Half-Life』のHEVスーツやバールを追加する公式MODを配信している。

DLC

  • DLCエピソードは基本的に本編よりも難易度が高く、「ロイヤルパック」を除き、本編とは独立したモードとなっている。
  • 「エピソード グラディオラス」2017/3/28配信
    • グラディオラスを操作し、コル将軍と共にルシスの遺跡に入り、剣聖ギルガメッシュの試練に挑む物語。
    • ノクティスとはガードシステムが異なり、ジャストガードに成功するとダメージ倍率が上がり、それを前提とした調整がなされている。
  • 「エピソード プロンプト」2017/6/27配信
    • プロンプトを操作し、アラネア准将と共に帝国基地から抜け出し、彼自身の謎を紐解く物語。
    • 銃を武器とするプロンプトらしく戦闘はTPSとなり、DLCの中でもシステムが他キャラと大きく異なる。
  • オンライン拡張パック「戦友」2017/11/15配信
    • 映画キングスグレイヴに登場した「王の剣」を操作し、ノクティスの帰還を待つ10年間を戦い抜く物語。
    • ジョブシステムのような「王の加護」から一つを選び、プレイヤーの魔法アビリティなどを選択できる。
    • 簡単かつ奥深いキャラメイクシステムを実装。小太りのオッサンから絶世の美女まで、幅広く作る事ができる。
    • 戦闘システムも、映画の要素を逆輸入した上で本編とは違ったものに昇華させており、評判は上々。
    • NPCを同行させるという形でオフラインプレイも可能だが、協力プレイが前提なのでバランスはシビア。
    • 後に『スタンドアロン版』になった。
  • 「エピソード イグニス」2017/12/13配信
    • イグニスを操作し、レイヴス将軍と共にオルティシエでの窮地のもと、ノクティスを救うべく帝国軍に立ち向かう物語。
    • ノクティスに似て俊敏な立ち回りが可能。また、時間内の攻撃ヒット数に応じてダメージ倍率が上昇していく。
  • 「ロイヤルパック」2018/3/6配信
    • 本編を拡張する大型アップグレード版。
    • 最終章のマップ・ストーリー拡張、および世界観情報アイテムや一人称視点モード、クルーザーの開放など。
    • 基本的には最終章のリメイクが目玉。また、クルーザーをオープンワールドで操作できるようになり、ルシスとオルティシエがシームレスに接続された。
  • 「エピソード アーデン」2019/03/26配信
    • アーデンを操作し、初代王ソムヌスに復讐する物語。
    • 上下左右、縦横無尽な移動が可能。アーデン自体が強力なキャラクターのため難易度は低め。
    • 前半は帝国の研究所、後半は王都インソムニアが舞台。綺麗な王都をゲーム中で初めて実際に観光できる。
    • DLCの中で唯一、プロローグとなるアニメが公開されている。
  • 「未来への夜明け」開発中止
    • 「アーデン」「アラネア」「ルナフレーナ」「ノクティス」の4つが開発されていたが、「エピソード アーデン」以外は開発中止となった。
    • 後に、残りの3つは小説に形を変えて発売された

評価点

  • シームレスに繋がる広大なマップ。
    • イベントシーンやバトルはもちろん、ダンジョンに入る際にも基本的に強制的にロードを挟むことはない。
    • 章の変わり、ファストトラベルを行ったり、PC性能などによってはさすがに長いロードを挟むが(後述)、基本的には間を置かずプレイし続けることができ、没入感に一役買っている。
    • BGMさえもシームレスに切り替わり、入店時などに見られる自然な切り替えはそれを意識すらさせないほど。
  • 自由度の高めなアクションバトル。
    • 複雑な操作を要求されることは少ないものの、○ボタン押しっぱなしだけでなく、左スティック+○ボタン押し直しにもそれぞれ技が用意されている。技を出し分けるのは難しいが、魅せる要素はある。
    • 武器ごとにアクションが違い、コンボ中であっても切り替え可能で自由度が高い。
    • 回復アイテムの性能が平均して高いだけでなく、召喚獣による形勢逆転・魔法による特殊効果や、時間が止まるウェイトモードなど、アクションが苦手な人でも楽しめるように、戦闘での難易度を抑える要素がいくつも存在する。
      • やろうと思えばシフトまたはパリィだけで勝つことも可能。この場合はほぼ「ブーストソード」頼りになるが。
      • 「効率・スマートさ」などを追及し、目押しで武器切り替えからのジャストガードなどテクニカルなプレイも可能。仲間との連携や装備なども加味すると、戦術の幅はさらに広がる。
      • アクションにこだわる場合も様々なボタンを駆使しスタイリッシュに動かすことができる。他、リニア展開突入後にイベントの一環で突入する空中戦は、演出面においてもクライマックスであることをまざまざと感じさせる。
+ 中盤の空中戦動画 ※ネタバレ注意

  • 後のアップデートによって、ノクティス以外の仲間キャラクター3人を操作できるようになった。
    こちらは各DLCのバトルシステムを本編向けに改良したもので、各キャラで使い方こそ異なるものの、いずれも強力に仕上がっている。
    言わば全く別のバトルシステムが単純に3つ追加された事でもあるため、戦略性が大幅に増加、今作の優れた戦闘がより向上する事となった。
    仲間操作にはアビリティツリーで中程度のAPを消費する必要があるが、別のDLCでAPを稼ぎやすくなっているため大した問題はない*2
    ちなみに仲間操作中、ノクティスは好き勝手に暴れ回っている。プレイヤー操作時の強さそのままでオートになるため、単なる操作キャラ変更以上にパーティの戦闘力の上昇が見込める。
  • 昨今の『FF』に劣らずグラフィックは高品質。
    • 特に料理のグラフィックは他の追随を許さないレベルであり、スタッフのこだわりが窺える。
    • フィールド・モンスターに関しても高水準を満たしており、AAAタイトルとして肩を並べるに十分なものとなっている。
    • ピンチのときに発動する召喚魔法もド派手でスケールがデカく、限界値を何度も叩き出す桁違いのダメージがその印象を引き立てる。
      • また、場所の違いや一部の敵に対しては演出も変化する。
    • ノクトなどの人間キャラは1人当たり10万ポリゴン前後というゲームとしては膨大なポリゴン数が使われており、それに合わせてテクスチャ解像度も高水準。
    • また、人間キャラや雲、樹木などのセルフシャドウも綺麗である。
    • 町の看板などにはFFシリーズ由来のネタなども多数。
    • 一応、細かいところまで見るとミスが全くないわけではない*3が、プレイしていても特には気にならないだろう。
  • グラフィックだけでなくモーションも作り込まれている。
    • 戦闘時のモーションはスピード感溢れるスタイリッシュでカッコよく、それが自分で動かせられるのだから堪らないものがある。
    • 昼間に出現するモンスターについては現実世界における動物を参考にしてモーションが作られている。
      アナクであればキリン、キュウキであればオオカミ、コカトリスであればニワトリと、現実の似た動物を上手くゲームに落とし込んでおり、没入感を深めると共に、架空のモンスターと思わせないほどのリアリティを持たせる事に成功している。
  • クリア後要素となるが、レガリアが改装によって飛行機能を得る。『IX』以来16年ぶりとなる、自由に飛びまわれる飛空艇の復活となった*4
    • かなりの高度で飛ぶことができ、そこから見られる景色は一見の価値あり。
    • こちらもシームレスに飛行可能で、専用マップへの切り替えやロードもない。
  • 仲間のプロンプトが撮影する写真の楽しさ。
    • 任意の撮影機能こそアップデートなどでの実装となったが、道中勝手に撮ってくれるおかげで意識せずとも堪能できる。プレイヤーの意志が介入しない第三者視点の写真は非常に新鮮。
    • 公式のスクショかと思うものから、思わず笑ってしまうネタ的な物まで様々な写真が撮られている。
      一例を挙げると、状態異常「カエル」に掛かった時にバッチリ撮られる。しかもやたらとリアルで可愛らしい。
    • プロンプトのスキルレベルやコマンドに関わるものの、ゲーム上では有利不利といった実用性には全く関わらない。
      だがこの要素は今作のテーマである「旅」の表現を担う軸の一つとなっており、その思い出を振り返ることができる演出としては掛け値なしに重要な役目を持っていると言える。
  • 豊富なサブクエスト。
    • 今作は基本的に世界の探索や寄り道をしながら進めることを主軸としたゲームデザインになっているが、それに十分な物量のサイドクエストが用意されている。
    • 討伐クエストやイベント的なクエストなどその種類も多岐にわたっており、推奨レベルも細かく設定されているため、スピードクリアをしようとしない限りは途中で詰まりにくい。
    • 攻略していくことでスタンプラリーのようにマップ上のファストトラベルポイントが埋まっていくため、移動が便利になっていく実感が得られるようになっている。
      • サブクエストとは別に用意されている討伐依頼「モブハント」もまた十分な数が用意されている。
  • 戦闘中やダンジョンの要所など随所で聴ける豊富なボイス。
    • ただ歩いているだけでも様々なやり取りが行われ、キャラの関係や心情を知るのに一役買っている。
    • サブクエストの数々にも専用の移動中会話が用意されていたりと、そのバリエーションは非常に多い。
    • 加えて、これらはイベントシーンではなくゲームプレイの最中に行われるものも多いため、操作や物語を妨げるような事が少ない。
    • 実はこの中に『ヴェルサスXIII』時代に収録したボイスも使われている。
  • BGMの評価は非常に高い。
    • 『キングダムハーツ』シリーズなど、スクウェアソフト時代から知られる下村陽子氏が今作の作曲を担当。
    • 「Somnus」「APOCALYPSIS NOCTIS」「Valse di Fantastica」など多数の人気曲がある。
      • 中でも「Somnus」は『ヴェルサスXIII』時代で最初に作られたタイトル曲であり、今作を象徴するテーマ曲の一つとなっている。
    • また、車での移動中は過去作の人気曲を流せる。ナンバリング以外の曲も収録されており、収録数は全300曲以上にも及ぶ。
      • アップデートにより、車に乗っていない時でもこういったBGM曲を流せるようになった。
  • 今作の主なミニゲームといえる「釣り」のクオリティが高い。ドイツの釣り専門誌から取材を受けた他、これを抜粋したPS VR専用ゲームも後に作られた。
    • ノクティスのスキルレベル、イグニスの料理に関わるだけでなく、専用のサイドクエストまで用意されており、釣り自体がやりこみ要素の一つとして成立している。
    • 釣った魚はギャラリーの図鑑にその体格記録が記録された上で、換金アイテムや食材アイテムとして手に入れられる。
    • 最高難易度に位置づけられる魚は「今作最強の敵」と評されるほどの集中力を要求される。
  • リアルな料理描写
    • キャンプで作る料理は非常にリアルに描写され、飯テロと言えるほど食欲をそそる。おにぎりに費やされた容量がリヴァイアサンと同程度*5という力の入れよう*6
  • チョコボのアクションが豊富
    • シリーズお馴染みの乗り物「チョコボ」のアクションがシリーズ中最も豊富であり、従来のようにただ乗って移動するだけでなく、ダッシュ、ジャンプ、ホバリング、ドリフトと自由度が高いものとなっている。

賛否両論点

  • 男性キャラのみのPT。一時的な離脱こそあるものの、原則的に最初から最後まで固定の4人で旅をすることになる。
    • 独自の雰囲気やノリを表現できてはいるが、男性統一PTはファミコン版『III』以来なので、必ず女性キャラクターが常駐するようになったそれ以降のシリーズ作品としては異例である。
    • 登場する女性キャラ達が軒並み好評のため、余計に「PTに女性が欲しい」と言う意見が多い(ゲスト参戦する場面があるのも尚更)。
  • AIについて。
    • 「世界に通用するレベルと言われる高度なAI」と称されている(浜村弘一氏談)。
      • 「この状況に対しては、この行動を取る」ではなく「AI自身が状況を判断し、行動を選択する」と言うAIが搭載されている。
      • 人工知能学会の論文誌にも、今作のAI論文が掲載された。またAIシステム詳細の講演も行われた。
    • 気になる物があれば勝手に見に行く、敵に囲まれると背中を守りに来たりと、実際に生きているかのような動きは十分に表現できている。
    • しかし、こと戦闘面では話が違ってくる。人間味を残す為にあえて完全でないものにしているらしいが、比較的仲間自身のガードが甘かったり、銃を使うプロンプトが近距離で戦い返り討ちに合うシーンも多く見られるなど、ゲームとしては爽快感を削ぐ要素となってしまっている。
      • 特にプロンプトは連携中に、ターゲットと自分の間に別のモンスターがいても気にせず射撃するので他のターゲットへ命中したりする。
  • 魔法の使い勝手
    • 今作の魔法は効果自体は非常に強力だが、「魔力を込めた玉を投げる」という手榴弾のような扱いで統一されている。
      敵を追尾する誘導弾、敵の接近で発動する設置魔法といったバリエーションはなく、使いやすい反面やや淡白な印象を受ける。
      可燃物バレルがあればファイアで爆発させられる等を行えるが、それができるのはごく一部のエリアのみに限られる。
    • 魔法にアイテムを合成し、連続魔・ケアル・カーズといった様々な効果を付与できるが、基本的な使い勝手は変わらない。
      ノクティスのみ使用可能な指輪魔法というものがあり、通常魔法とは大きな差異があるが、その使用は終盤~クリア後である。
      また、魔法は仲間にも当たりその際は文句を言われる。一応、仲間へのダメージはごく僅かで、放つ構えを取ると離れてはくれる。
    • シンプルで使いやすいのは確かだが、映画では様々な魔法を使い分けていた分、それらが本編で使えないのは悔やまれる。
      ちなみにDLC「戦友」の魔法システムは、同名でも本編とは全く異なり、本編には登場しない魔法を使用でき、上手く差別化している。

問題点

シナリオ・キャラクター
今作最大の批判点。概ね「説明不足・描写不足・纏まりがない」という評価であり、批判意見の殆どがここに集約されると言っても過言ではない。

+ やや長いので折り畳み
  • マルチメディア展開にした事の弊害。
    • 『XV』の物語は、今作の他に「映画:キングスグレイヴ」「アニメ:ブラザーフッド」等を見て、初めて全体が繋がる構成になっている。
      今作の本編だけでなく、これらも含めての『XV』であり、今作はあくまでも「ノクティスを主人公とした物語」に過ぎない。
      しかし、このマルチメディア展開を採用した事が、物語の全体像の把握を困難にしており、意欲的な試みではあったものの、決して成功・好評とは言い難い結果になってしまった。
    • 例えば、本編開始前の事柄は「キングスグレイヴ」で、仲間の過去や関係性は「ブラザーフッド」で描かれ、今作では殆ど描写されない。
      ルナフレーナ関連も然り。彼女はノクティスに光耀の指輪を渡す事を目的の一つとしているが、何故渡そうとしているのか、そもそも光耀の指輪とは何なのかは、今作ではロード画面の僅かな文章でしか触れられず、「キングスグレイヴ」を観る以外に知る由がない。
    • それらの完成度・評価自体は決して悪いものではなく、「キングスグレイヴ」に至ってはむしろ高い評価を得ている。
      しかしマルチメディア展開であるが故に、今作の物語への理解度が視聴したか否かで大きく変わり、やはり上手なやり方だったとは言い難い。
      未視聴者からは「本編前に何があったのか分からない」「感情移入し辛い」といった声が多数聞かれた。
    • スタッフは映画については当初は視聴しなくとも問題ないと発言していたが、後に撤回し「やはり必ず観て欲しい」と発言している。
  • オープンワールドにした事の弊害。
    • ゲーム序盤で主人公達の祖国が敵対勢力に襲撃され、以降は安否不明・音信不通という、極めてシリアスかつ重大な展開になる。
      一方で今作のテーマは「旅」。メンバー4人の冒険は実にほのぼのとした雰囲気で、時には「ここで写真撮ろうぜ」等の会話すらも入る。
      祖国が襲撃されて家族や臣下も安否不明の状況下で、このような雰囲気で旅をするのは不自然であり、致命的に物語とマッチしていない。
      この声は「キングスグレイヴ」の視聴者から特に多く聞かれ、呑気に観光している場合なのかという批評が相次いだ*7
    • 別の意見として、今作のオープンワールドマップを一言で表すなら「アメリカの田舎道」である。
      マップは主に大自然・舗装された車道・小規模の集落・まばらに点在する遺跡等で構成されており、正にアメリカの田舎の雰囲気である。
      ノリ的には「モンスターを狩って路銀を稼ぎながら大自然を観光している」という感覚で、イメージソングからして映画「Stand By Me」がモチーフになっている。
      無論それはそれで悪くないが、従来のような異世界を冒険するという感覚の旅とは大きく異なる他、やはり物語とミスマッチすぎる。
    • 今作はオープンワールドRPGであり、探索やサブクエスト等の寄り道をしながら少しずつ進める、というゲームデザインになっている。
      しかし、同ジャンルへの親しみが無く、従来通りの「メインストーリーを消化しながらクリアする」という進め方をしたプレイヤーからは、ストーリーが短いという評価をされる事もあった。
      尤も、メインストーリーだけ消化した場合はボリュームがない、というのは他オープンワールド作品でもよくある事だが。
  • 本編を「ノクティスの物語」に絞ったために、キャラクターの動向・心情や、イベントの繋がり等が把握し辛いものになっている。
    • 上記で若干触れた事だが、この構成にした結果、今作をプレイしただけでは「出番・描写が少なすぎる」という印象をほぼ確実に持たれる。
      例えばドラットーは「キングスグレイヴ」の主要キャラだが、今作ではオープニングにしか出番がなく、それも僅か一言の台詞のみ。
      同じくヴァーサタイルも「エピソード・プロンプト」で深く描写されるキャラだが、本編では序盤に登場した以降はそれっきり出番がない。
      レイヴスやルナフレーナも同様で、複数のエピソードを上手く繋いでいかないと、動向・心情等はまず把握できないだろう。
    • これと併せた、あるいは別の問題として、「キャラクターの動向・心情の表現がそもそも上手くない」という印象を受ける。
      中盤の列車内でのノクティスに対するグラディオラスの態度はその筆頭であり、プレイヤーの心情を大きく損なわせているという不満の声が非常に多かった模様。
      メーカー公式の生放送でも「グラディオラスの言動が不快」という意見が取り上げられるほどであった。
  • 設定等を全て把握したところで、物語そのものが全体的にややトリッキーな展開であるため、万人には受け入れられにくい。
    • 神話体系を使っていた『XIII』シリーズとは逆に、「与えられた運命に殉じる」ためにノクト達が滅びへと向かっていくという流れが肌に合うかどうかが、今作の物語を好めるかどうかの分かれ目であろう。
    • 今作には『XIII』シリーズのオートクリップ、『零式』のクリスタリウムのようなゲーム内辞典や、世界観を示唆する類のテキストアイテム等が、1年間以上長らく存在していなかった点も、『XV』の物語をより難解にしている。
    • なお、今作の描写不足などの点は同ライターが手掛けた『ディシディア ファイナルファンタジーNT』にも指摘されている。
  • 繰り返すが、これらの一つ一つは決して悪いものではない。
    (グラディオラス以外の)キャラ自体に批判の声は殆どなく、「旅」もいい雰囲気が出ているとして好評を得ている。
    細部まで作り込まれたオープンワールドは実に美しく、世界観も魅力的、物語も賛否が分かれやすいが悪いものではない。
    問題なのは、これらが悪い意味で完璧に絡み合ってしまい、様々な悪印象をプレイヤーに与えてしまった事である。
    要は「素材はいいが調理に失敗している」の典型なのである。

ゲームシステム・バランス

  • 自由度の足りない行動範囲。
    • 遠景まで見渡せる素晴らしい描画範囲ではあるものの、マップを隔てる障害物や見えない壁が多く、川を泳いで向こう岸へ、山を越えて反対側へといった行動は不可能になっている。
      • 一例としてリード地方の平原から、ガーディナへと向かう道は小さな崖に囲まれたジグザグの道路を通り雄大な海へと続く作りだが、道路に極近い範囲以外は高い崖と見えない壁に囲まれており、単なる細い一本道と見て差し支えない。
    • ガーディナも周囲を崖に囲まれており砂浜から極近い距離までしか登れる場所は無い。こういった「ワールドマップや視認範囲」と「実際に行動可能な範囲」との大きなギャップが程度の差こそあれフィールド全域に存在している。
      • アップデートによりダスカアーチを登る事ができるようになったものの、焼け石に水と言わざるを得ないだろう。
      • ちなみにゲーム内に実際泳ぐ場面はリヴァイアサン戦のみ。
    • フィールドの広さに反してキャラクターの足は遅い。レガリアの置けるポイントから目的地までが長いとストレスが溜まりやすい。
      なお、このゲームの爽快感の源の一つであるシフトによる高速長距離移動は基本的に戦闘やイベント以外で使えないため、移動の不自由さは単純な不便さ以上に強く感じられてしまう。
      • 一応、発売当日のアップデートにより、非戦闘時でもフィールド移動中に前方へのシフトを行うことが可能となったが、それでもマップシフト等と比較すると距離がかなり短い為、多少はマシになったという程度である。
    • 作中で町と呼べる箇所はレスタルムとオルティシエだけで、残りは郊外のガソリンスタンドのみ。
      • その内オルティシエも別エリア扱いとして独立しており、歩き回れる場所もそこまで自由度はない(ここが水の都であり、船での移動が中心なため必然性はある)。
      • ロイヤルパックを導入すればオルティシエまでクルーザーでシームレスに移動できるようになった。
    • 舞台が一地方であるためか地形やオブジェクトの種類や数も少ない。また全体的に平原のような地形が多いため、平坦で起伏に乏しく、立体的な移動がほぼ無いのでオープンワールドの特徴である探索の楽しみが非常に薄い。
    • 見えない壁の場所はまちまちだが、基本的にこのゲームで歩ける地域は車道周辺+α。
      • これらの例として最も顕著なのがレスタルム周辺、目前に山や谷の様な起伏に富んだ景色を望む事が出来るが、実際は街中と街に入るための二本の車道しか踏破できる場所は存在しない。
      • アップデートにより一部の見えない壁は撤去されたものの、依然として多くの箇所は通れなくなっている。
  • 発売してからしばらくの間、レガリアでは道路等の整備された車道しか走れず、窮屈な状態となっていた。
    マニュアルドライブでの移動もできるものの、自動車と言うよりは列車のようなハンドル補正が掛かるため評価は芳しくなかった。
    • 2017年6月のアップデートによって、オフロード仕様(Type-D)が追加された事でこの問題は解消される。
      ただし見えない壁のあるエリアや水場にはこちらでも侵入できず、また一部イベントはオフロード仕様のままでの進行はできない。
    • 条件を満たせば変形によって飛行可能になるものの、離着陸に失敗すると即ゲームオーバーなので、正直使い勝手がかなり悪い。
      尤も、飛行形態にするメリットは後述するプティウォス遺跡に行けるのみで、それ以外のメリットは景色を楽しむ程度である。
      トロフィーも換装した時点で獲得できるため、無理に使う必要ははない(飛行形態の存在意義が疑われるという別の問題があるが)。
  • ファストトラベルは、マップに記録されたスタンドとレガリアのある地点のみにしか行えない。
    レガリアは言わば「移動可能な簡易拠点」という扱いであり、ファストトラベルと車道の走行という、大まかな移動を担当する。
    逆に細かな移動はチョコボが担当しており、こちらは移動速度・操作性共に上々で使い勝手が良く、レンタル料も非常に安い。
    要はレガリアとチョコボを使い分けるというゲームデザインなのだが、これに気付かないと移動でかなり不便を感じる事となる。
    • 逆を言えば、小回りの利く移動という役割上、「レンタルしない時間」はプレイする上で殆どなく、この仕様にした意味が薄いとも。
      僅かな手間だが定期的にレンタルし直す必要があるため、何らかのイベントでこの手間が不要になる等の配慮は欲しかったところ。
  • 上記のような仕様からダンジョン攻略や特定のミニゲームに集中する場合を除いて、ゲームプレイ時間の大半が探索にも該当しない純粋な「移動のみ」で時間が消費されやすい。
    • だが、討伐クエストや写真撮影など昼夜で制限のあるクエストの攻略に支障を来たす場合が多い。特に一旦シナリオクリアするまでは夜の時間がドンドン伸びるため頻繁に遭遇する事になる。
      • ただし、夜間限定の討伐クエストはその受注時のみすぐに夜に移行する事は出来る。
    • しかし「夜の設定」はシナリオにおいて非常に重要な要素であり必然性自体はあるため、この点もまた「テーマ・設定」と「ゲームシステム」との齟齬から生じた問題と言える。
  • クエストに関して
    • 長らく討伐依頼は一つずつしか受注できず、受注・完了は依頼所でしか行えないため、数をこなすには大きな手間が掛かっていた。
      序盤の金策はこれに頼る部分も大きく、達成後にファストトラベルで戻ろうにも、後述のロード時間の関係で不便な仕様となっていた。
      17年11月のアップデートで複数を受注可能になり改善されたが、発売から約一年後の対応だったため、もっと早く改善を…との声も。
  • QTEの存在。
    • 数こそ多くはないが、批判的意見の多いQTEが一部登場する。即ゲームオーバーにはならないが逆にボタンを押しても押さなくても演出は変わらないと言う、意味の無いQTEが多々存在するため。
  • ロードが長い。
    • オープンワールドゲームの宿命ではあるが、ゲーム開始、新章開始時には長めのロードを挟む。
      ファストトラベル時は、距離が離れているほどロードも長くなり、長い時には1分程かかる。
+ シナリオ終盤について。(ネタバレ注意)
  • 13章の完成度の低さ。
    • 端的に言えば、長いダンジョンで縛りプレイを強要される仕様となっている。
      • 武器を使用できず、特殊な魔法のみを使い、1人で攻略する必要があると言う中々厳しいもの。
      • ある程度進めると武器も仲間も戻ってくるが、道中はホラーゲームのような演出も多く、ストレスが溜まりやすい要因となっている。
    • 勿論、「主人公の危機的状況」「仲間が少しずつ合流してくる」といった演出・要素は、他RPGにも散見されるものであり、一概には問題点とは言えない。最大の批判点はやはり「長すぎる」事である。
    • ステージそのものもバイオハザードと評される程無駄にホラー要素が強く、FFの作風に全くそぐわないと批判が多かった
    • また、敵国のトップがこれと言った説明もなしに死亡(シガイ化)している等、シナリオ面でも相変わらずの説明不足である。
      • アップデートにより調整・シナリオ演出の強化がされたものの、PS4版プレイヤーの多くがアップデート前の物を遊び済みであることが、この悪評の最大要因になっている。
      • アップデートによりルート選択が追加。新ルートでは12章以前とほぼ同じ操作性でプレイが可能。
      • パーティーを分断されノクティス1人で攻略するわけだが、2017/3/27のアップデートにより残されたほうのグラディオラスルートを選べるようになった。普段と近い感覚でプレイできシナリオの描写が増え緩和された。とはいえプレイヤーの多くは実装以前の物を遊んでいるし、またストーリー全体を回収するにはノクティスルートのプレイもなお必要である。
  • シナリオのラストも色々謎が残る展開となっており、歯切れの悪さを感じたプレーヤーは多い。
    • このような部分は過去作ではアルティマニアでの補足があったりしたのだが、今作のアルティマニアでのインタビューにはラストの展開について「ご想像に任せる」と表記されていた。 その後、今作は追加エピソードでの補完などを予定することになった。
+ クリア後の隠しダンジョン
  • プティウォス遺跡
    • 通常のRPGにおける隠しダンジョンに期待するものと言えば、通常の個体を遥かに凌駕する雑魚モンスターや強い隠しボスなのだが、今作の隠しダンジョンはそんな常識とはかけ離れたものになっている。
      • そういったものは全て、既存ダンジョンの隠しフロアに関連するサブクエストなどの要素として用意されている。
    • 今作でクリア後・かつ飛行艇で行けるようになる隠しダンジョンは、一切の敵が出現せず、ノクト一人でジャンプを駆使して道を進むアクションステージとなっている。落下や罠によるゲームオーバーはないが、特定ポイントに戻される他、途中2Dスクロールアクションのようになる箇所もあるため非常に難易度が高い。
    • ダンジョンは暗い上に長く、謎解きもあるのでクリアまで初見で3~4時間はかかる。しかもセーブポイントはダンジョン外にしかない(シビアな飛行の後にセーブできるのが救い)上、ダンジョン内ではシフト移動も使えない。そして何より、決して精度の高くない『XV』のジャンプでアスレチックアクションをやるのは結構なストレスになる。
    • ダンジョン内は何の説明もなしにノクト一人で進むことになり、ノクトも「何なんだよ!?」「意味わかんねえ!」等と独り言を言う。そう言いたいのもこちらの方だ。
    • ちなみにこのダンジョンをクリアせずとも、トロフィー/実績のコンプリートには一切影響しない。
      終点では強力なアクセサリが拾える他、道中で大量の記念硬貨も獲得できる。正に苦行とも言えるダンジョンだが、その分クリアした際の見返りは大きい。

バグ

  • 当初の家庭版では視覚的に面白いバグが多発しており、各所でネタにされる事になった(チョコボに直立騎乗する、増殖する仲間など)。
    勿論そればかりではなく、地形にハマり動けなくなる、光源の異常発光やフリーズなど、ゲームプレイに支障が出る有害なバグも存在した。
    • なお、かつては「修正するもアップデート追加イベントで別のバグが発生」等という事もあったが、アップデートを重ねた現在では、普通にプレイする分には何ら問題のない範疇に落ち着いている。
      • だが、最終ver.である1.30*8においては有志によって多くのバグが発見されている。
        ゲームを有利にするものだったり、面白おかしいバグがあったりする。過去にあったバグは形を変えて残っている。どのバグにおいても意図的でやらないと発生しない。

キャラクターのモーション

  • 特にメインキャラクター4人のモーションが戦闘では派手さ・スタイリッシュさを感じさせる一方で、大袈裟に全身を振り回すダッシュモーションなど平時はオーバーに感じられる。
    会話シーンにおけるモーションも顕著で、妙に身体をフラフラと揺らし続けたり、目線が安定しないなど違和感が強い。

総評

「旅」というテーマを掲げているだけあり、火山の天辺から地下坑道の奥深くまでシームレスに移動出来る秀麗なフィールド、車での移動、料理に宿泊・キャンプ、写真や釣りといった様々な要素が旅情を感じさせる。
グラフィック・BGM・アクション・モーション等、シナリオ面以外はいずれも高水準でありリッチなゲーム体験を得ることができるだろう。

しかしながら難産な作品ゆえに欠点も多く、特にシナリオが今作のテーマと噛み合っていない点に批判が集中。
後半のリニアパートのテコ入れを始めとするアップデート配信も多数実施され、様々な機能の実装・イベントの追加等が行われたが、当初の評価を大きく覆すには至らなかった。
特に日本国内ではバグシーンがネットで拡散されたことで未プレイユーザーへも悪い印象を与えてしまったが、それでも累計出荷本数は『VII』『VIII』に次ぎシリーズ3番目に多い890万本を記録し、平均ユーザースコアは7.6と一定の評価を得ている。

シリーズ中でもかなり尖った作風のために万人にオススメできるとは言えないが、シリーズ初の試みが多い意欲作*9であり、オープンワールドゲームを始めたい、一風変わったゲームがやりたいという人にとっては一度プレイする価値はあるだろう。


余談

  • ここまで読んでわかる通り、今作は最初の構想発表から10年後、CS版発売から実に1年強たった今までDLCを含むアップデートにより全面的な要素とシーン追加や改善を図る方針をとることになったなど、想像を絶する難産だったことは明白である*10
    • 『ヴェルサスXIII』時代に発表されたPVは元より、『XV』に改題した後から発表されたPVであっても場面が製品版になったら劣化したといった些細なものから、PVに登場したシーンやセリフがまるごと登場しないといったことが指摘され、PV詐欺であると批判された。
      • かつて『XIII』でも同様の指摘を受けており、スクエニの悪い面であると認識されている。
+ 『ヴェルサスXIII』時代の映像

+ エンディングに関するネタバレ
  • エンディングにおけるノクトの「とある台詞」は、今作を代表する台詞の1つとして様々な意味で話題となった。
    • ただし、否定派からは作品を馬鹿にする意図で多用されていた台詞であり、今作のファンからはかなりの反感を買うので、ネタとして安易に使用する事は控えて欲しい。
  • 発売日の1週間前にドバイのプレイヤーがフラゲ配信をした*11ことが大きな話題になった。
    • 流通事情で早めに手に入る事自体は珍しくないが、ネットで全世界へ発信できる現代の問題として非常に考えさせられる1件であった。
    • その後発売3日ほど前になり何故か日本のみ発売日まで配信が制限されたが、海外はそのままだった模様。
  • 『零式』のHD版に、今作の特別体験版「エピソードダスカ」をDLできるプロダクトコードが同梱されていた。現在は配信を終了している。
    • 後にVer2.0へとアップデートされたのだが、体験版のアップデートはSIE*12にとっても初の事例であったという。
  • ファミ通アワード2016で主人公であるノクト役の鈴木氏が「男性キャラクターボイス賞」を受賞。
  • プレイステーションアワード2017において、アジア地域(日本含む)で100万本以上売れたソフトとして、今作は「Platinum Prize」賞を取った。
  • 2020年2月29日にNHKにて放送された「全ファイナルファンタジー大投票」では、事前に投票を受け付けていたシリーズ57作品中で10位であった。
    • 得票数の女性率が7割にのぼり、これは6割ほどの女性票を獲得した『IX』を抑えてもっとも女性票を獲得したシリーズとなる。
  • 今作の開発チームは、レガリアの飛行機能を実装するに当たって『Just Cause 3』の開発元で、スクウェアエニックス傘下であるアバランチスタジオとの技術コラボを行なっている。
  • 2021年6月22日にスクエニのテクノロジー推進部リードAIリサーチャーである三宅陽一郎氏が、今作のにおけるAIの実例を基にした論文で「2020年度人工知能学会論文賞(JSAI Best Paper Award 2020)」を受賞した。
    • また同発表によると、「本論文により接点を与えられた読者がゲーム開発に貢献する可能性が高い」等といった点が高く評価され、「ゲームAIに関する記念碑的論文になり得る内容」として受賞に至ったとのこと。

移植・関連作品

  • 2018年3月7日にWin版『ファイナルファンタジーXV WINDOWS EDITION』が発売。販売ストアはMicrosoftStore、Steam、Originの3か所。
    • 『ロイヤルエディション』の高画質対応版といった内容で、環境さえ揃えば最大8K+HDR10による高画質でプレイできるほか、MOD/ユーザークリエイト要素への対応を予定していたが、上述したDLC展開中止に伴い、こちらの拡張も取りやめになった。
  • 2018年2月9日には各種スマートフォン向け移植版『FINAL FANTASY XV POCKET EDITION』が配信。独自にデフォルメされたキャラデザインや簡略化されたサイドクエストなど、スマートフォンの領分内で本編ストーリーに重点を置いたアレンジ移植となっている。
    • 2018年9月7日にはPS4/Oneで、9月14日にSwitchにてHD版がDL専売で配信された。ナンバリングでは『VI』以来となる任天堂ハードでの発売となる。
  • 『DISSIDIA』や『シアトリズム』といった『FF』シリーズを集めたオールスターゲーム等にも順次参戦している他、『XV』のみを題材にしたスマホゲームも配信されている。
    • 今作自体も、世界観内(FFXV UNIVERSE)での作中作として他のゲームを取り込む試みをしている。
      スマホ用ゲームである『JUSTICE MONSTERS FIVE』をミニゲームとして収録する他、ノクティスとプロンプトが『キングスナイト -Wrath of the Dark Dragon-』について言及する点がそれに当たる。
  • 他社からのタイアップ要素を多く取り込んでいる今作だが、逆に他社作品へのコラボ参加も数少ないながら行われている。
    • 2017年8月2日、One版の『XV』もしくは『Forza Horizon 3』を所持するユーザーには無料DLCとしてレガリアを『Forza Horizon 3』でも乗り回すことができると言う特典がある。
      • 『Forza Horizon 3』の既存プレイヤーでは「何の告知もなしにガレージに追加されていた」なんて報告も。
        一方、『Forza Horizon 3』未プレイの『XV』プレイヤーにはDLコードが配布された模様である。
      • ForzaVistaモードでも、ボンネットやドア、屋根の開閉など独特なギミックが再現されている。
      • 後に『Forza Horizon 4』でも期間限定のチャレンジにおける賞品として登場し、さらに別形態となる「Type-D」も登場している。
    • バンダイナムコの『鉄拳』シリーズにて、家庭用版『鉄拳7』の3人目のDLCキャラクターとしてノクティスが参戦。2018年3月20日より配信開始*13
      • ハンマーヘッドステージが同梱されており、イグニス・グラディオ・プロンプトの3人や、チョコボ・シドニー・シドはこのステージの背景に登場。
        DLCのミニゲーム「Ultimate TEKKEN BOWL」をノクティスでプレイする際も、イグニス・グラディオ・プロンプトの3人がギャラリーとして賑やかしてくれる。
      • 『XV』での各衣装も別コスチュームとして使用可能。
      • その後、2019年2月13日に稼働開始した『鉄拳7 FATED RETRIBUTION ROUND 2』にて、アーケード版でもノクティスが使用可能となった。
    • レベルファイブのアプリゲーム『妖怪ウォッチぷにぷに』でもノクティスが実装されている*14。期限内のログインボーナスで無料で入手。最初はSランクだが、ガチャの低確率で入手できる父王の剣と合成すればZランクのPS(ファントムソード)ノクティスへ進化出来る。現在は入手不可。
    • NHN×ドワンゴの共同開発したリアルタイムオンライン対戦ゲーム『#コンパス 戦闘摂理解析システム』にノクティスが参戦。初のスクウェア・エニックス枠で『鉄拳7』から一年ぶりの他作品コラボとなる。『XV』についての話題とゲームが再燃した(バグも含めて)。
  • ゲーム関連のグッズとしてはおそらく最高額と言えるであろう製品 がある。
    • コンセプトブック(カタログのような物)の配布キャンペーン(Twitter上で30名限定)などがあった(製作費は1冊あたり約10万円だそう)。
    • この車両は、2019年1月11日~13日に幕張メッセで開催された“東京オートサロン2019”で展示された他、特設サイトで1月11日~20日12:00~20日10:00にオークションが開催された(落札済み)。
      • 少なくとも6000万円以上で落札されたのは確実(終了1日前の時点で突破していた為)らしいが、詳細な金額は不明。
  • 発売当初は、最近の他のゲームのように、流通形態ごとに付属する特典があったり、豪華版パッケージなどがあった。
    • この内、セブンイレブンのものは主人公の父親たちが若いころをモチーフにしたミニゲームと、ノクトのラバーストラップが付くなど他よりやや豪華なものであった*15
  • 日清食品のカップヌードルでは、今作のPVにMODを使用した映像を使ったCM、および15種類のカップヌードルと専用のおまけ等をプレゼントする企画などがあった。
    • このころ、様々なコラボをやっていたカップヌードルだが、他のものでは配布ではなく特装版パッケージの販売であったのに対し、こちらは抽選で無料配布という差があった。
    • 後に、このときに使用された(と思われるファイルを使用したアイテム)が、実際にゲーム内で使用できる形で追加された。
  • 2018年放送のアニメ『ポプテピピック』にて、ノクティスと思わしき今作のキャラクターが出演している。
    • これを受けてか、2019年放送のテレビスペシャルでは公式に映像を提供するという斜め上なコラボが行われた。

その後の展開

  • 新ダウンロードコンテンツ「未来への夜明け」の凍結について
    • 2018年11月、今作の特別番組の中で、今作の開発を担当した田畑Dがスクエニ及び開発会社のルミナスプロダクションの退社を発表。後述する『XV』の開発チームの独立の影響もあって、新ダウンロードコンテンツ「未来への夜明け」の4本の内、3本が凍結された事が明かされた。
    • DLCの内訳は「エピソードI アーデン」「外伝 アラネア」「エピソードII ルナフレーナ」「エピソードIII ノクティス」の四本立てで、この内、アーデンのエピソード以外の全てが凍結された事になる。
      • ただしゲームとしては凍結されたものの、前述の通りお蔵入りとなった3つのエピソードは小説として発売された。内容についての賛否はあれど、一通り発表された事でこれらの騒動は一旦落ち着く事となった。
  • 2018年3月27日に『XV』を手掛けたスタッフが主導となる開発スタジオ「Luminous Productions」が発足、COO兼スタジオヘッドには今作のディレクターである田畑端氏が就任した。
    • が、その田畑氏は同年10月31日にLuminous Productions及びスクウェア・エニックスから退職。独立後の同年12月3日には株式会社「JP GAMES」を設立し代表取締役に就任する。
      • 一方、2020年6月12日にはLuminous Productionsが開発する完全新規IP「PROJECT ATHIA」が発表、2021年3月19日には正式タイトルが『FORSPOKEN』であると同時にジャンルがアクションRPGであることが発表された。
      • 対応機種はPS5/Winで、2022年5月24日の発売が予定されていたが、その後同年10月11日に延期となった。
  • 2020年9月17日にシリーズナンバリング最新作『ファイナルファンタジーXVI』が発表された。『VII』以降のシリーズ作品で主流だった「現代文明を基軸にしたスチームパンク風のファンタジー世界」とは異なり、シリーズ初期作や『IX』『XII』のような中世ヨーロッパのファンタジーをモチーフにした「シリーズの原点回帰」と言える世界観となっており、今作の流れを汲んだアクションRPGであるとのこと。
    • 対応機種は次世代機であるPS5。プロデューサーは『XIV』の吉田直樹氏が、ディレクターも『XIV』の髙井浩氏が担当していると明かされた。
  • 2021年に起きたノクティス役の声優である鈴木達央氏の不祥事の影響により、2022年でのソーシャルゲーム『グランサガ』のコラボの際にノクティスのみ声優名が非公表となる自体が起きた。
    • その後もアニメ『東京卍リベンジャーズ』において鈴木達央氏は役を降板の上に既収録分すらも交代後の声優に差し替えという厳罰処分が取られており、一部のプレイヤーからは「ノクティスの声も交代になってしまうのでは?」という声もチラホラ上がっている。ただ、京都アニメーションのアニメ映画「Free!!」完結編後半ではクレジットされていたりと、一概に断定出来ないのも確かである。