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LEFT ALIVE - (2020/07/27 (月) 20:46:08) の編集履歴(バックアップ)


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LEFT ALIVE

【れふと あらいう゛】

ジャンル サバイバルアクション
対応機種 PlayStation 4
Windows(Steam)
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 スクウェア・エニックス
シリコンスタジオ
イリンクス
発売日 【PS4】2019年2月28日
【Win】2019年3月6日
定価 通常版:8,300円(税抜)
限定版:27,000円(税抜)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 良作


概要

2019年2月末にスクウェア・エニックス(以下、「スクエニ」)から発売された。同社の人気SRPG『フロントミッションシリーズ(以下、『FMシリーズ』)』と世界観を共有しており、同シリーズの象徴的なロボット兵器「ヴァンツァー」などの要素が作中に登場する。しかし本作は従来のSRPGではなく、主に人間を操作して危険な戦場を脱出するという、サバイバルアクションゲームとなっている*1

『FMシリーズ』は、酷評された『FRONT MISSION EVOLVED』以降約8年半途絶えており、ナンバリングでなくともファンの期待を集めた。他にも、ディレクターにフロム・ソフトウェアで『アーマード・コアシリーズ』などに関わった鍋島俊文氏を迎え、メカニカルデザインには『機動戦士ガンダム00』などで知られる柳瀬敬之氏、キャラクターデザインには『メタルギアシリーズ』でおなじみの新川洋司氏といった、豪華なスタッフでも注目された。

しかし、事前に公開された情報にあまりプレイ場面が無く、内容を不安視する向きもあった。発売直前に出てきた短いプレイ場面でも、明らかにヤバいと感じる人がいた。しかし伝統ある大手のスクエニから大々的に発売され、往年の名作シリーズを受け継ぐ作品として期待も大きかった。しかしいざ発売されると、あらゆる面で凄まじい批判があふれ、驚くほどの低評価を受けることとなる。


ストーリー

2127年12月24日、ヨーロッパ大陸。

黒海近辺のルテニア共和国は、突如として隣国であるガルモーニヤ共和国に宣戦布告される。

国境沿いにあるノヴォスラヴァ市は侵攻してきたガルモーニヤ軍によって瞬く間に占領され、ルテニア軍は撤退、市は孤立無援の戦場と化す。

ノヴォスラヴァ市に取り残された、ヴァンツァーパイロットのミハイル・ノヴォスラヴァ市警のオリガ・元死刑囚の脱獄犯レオニードの3人は自力で戦場からの脱出を目指すが、その過程でこの戦争に隠された陰謀を知ることになる。


操作キャラクター

  • ミハイル・アレクサンドロヴィチ・シュヴァーロフ
    • ルテニア軍のヴァンツァーパイロット。ガルモーニアの奇襲を受け部隊は壊滅、大破した自機からなんとか脱出したものの、敵中に一人取り残される。
  • オリガ・セルゲーヴナ・カリーニナ
    • ノヴォスラヴァ市警の警察官。かつてガルモーニヤの軍人であり、ノヴォスラヴァ解放運動の中で一人娘を失っている。
  • レオニード・フョードロヴィチ・オステルマン
    • 元傭兵で、ノヴォスラヴァ解放運動グループ「NGFP」の元幹部。NGFP指導者を暗殺したとして処刑されたはずだったが、実は生かされており戦闘に紛れて脱走。

ゲーム内容

基本のプレイ

  • 本作は前述のように、主に人間を操作して進めることになる。視点は操作キャラの背後からの、サードパーソンシューティング(TPS)風のものとなっている。
  • ステージは比較的広大で、自由に動き回れる。マップに表示された目的地に向かうなど、画面に表示される現在の目標を達成することで進行していく。
  • 進路上には敵が配置されており、見つかると攻撃を受ける。こちらも攻撃が可能だが、隠れたり逃げ切ることも可能。一部には強制戦闘もある。
  • 特定場面ではムービーが流れるが、途中に選択肢が出ることがあり、返答内容に対応したボタンを押すことで、後の展開が変化することがある。
  • ゲーム全体は複数のチャプターで区切られており、チャプター毎に操作するキャラが入れ替わるというシステムになっている。チャプター終了時にはリザルト画面が表示され、プレイ結果やアーカイブの確認ができるが、そのまま進める他にチャプターを最初からやり直すこともできる。
  • ニューゲームで始める際には難易度選択があり、低い方から「LIGHT」「STANDARD」「ADVANCED」「HOPELESS」となる。難しいほど敵の体力や攻撃力が上がり、弾薬の所持数上限が下がる。難易度はプレイ中にも変更できる。
    • 後のアップデートでさらなる低難易度「CASUAL」が追加され、全体的な難易度低下の調整がされた。
  • ロード中には操作する主人公と、その人物のこれまでのあらすじが表示される。下部には操作説明も表示され、自由に項目を選んで読める。
  • セーブは一ステージに数箇所ある「セーブポイント」で行うが、一部の展開後にオートセーブもされる。セーブ枠は5つあるが1つはオートセーブ用で、自由に使えるのは4つとなる。

主人公について

  • 主人公の体力ゲージはダメージを受けると減少し、ゼロになると死亡する*2。ゲージは5つほどのブロックに分かれており、減少してもダメージを受けていなければ、ブロックの最大値までは自動で回復する。
    • ダメージを受けると「出血」状態になることがあり、体力が徐々に減少していく。時間経過で回復もするが、「止血パッチ」ですぐに回復できる。
  • 主人公にはサポートを行うAI「コーシカ*3」がおり、ストーリー中にも状況報告や分析、次の行動の提案などをしてくれる。敵が接近すると「CAUTION The enemy is approaching」と音声で警告する。敵が近いと、画面の端に赤い線で大体の方向が表示される。
  • ステージ上には多数のアイテムが落ちており、□ボタン長押しで拾える。箱など複数のものが入っている場合、全てを拾う他に一部や個数を選んでも拾える。
  • ゴミ箱や公衆トイレなどに入って隠れることができる。敵をやり過ごせるが、入るところを見られていたら引き出されてしまう。
  • ボディアーマーを装備しているとダメージを軽減される。ある程度ダメージを受けると損傷して失われる。
  • 画面上には、常に照準として小さな白い点が表示されており、銃を構えると種類に応じた照準に変化する。攻撃が当たる場合は、白から赤に変化する。

基本操作

  • ここではPS4のデフォルト設定で説明する。ボタン配置はゲーム中で変更可能*4
  • 左スティック(以下、「LS」)で移動、右スティック(以下、「RS」)で視点変更、R2で攻撃だがL2で構えて正確に狙える、□でリロード、△で武器チェンジと、このあたりは一般的なFPS/TPSの操作体系に倣ったものになっている。
    • 他には、構え中にR1で視点の左右切り替えができる。R3(RS押し込み)で打撃攻撃も可能。
  • 移動に関しては、ダッシュがよくあるL3(LS押し込み)ではなく、R1を押し続けることで行うようになっている。L3は本作では「しゃがみ」となり、低い物に隠れたり移動時に見つかりにくくなる。ダッシュ中にR1をもう一度押す(一瞬離して再び押し込む)と、全力疾走の「スプリント」となり最も早く移動できるが、しばらく走ると息が切れて短時間走れなくなる*5。○は障害物を乗り越えたり上に乗るときに使用し、一部では高い所に掴まってスイングして乗り越えるといった場所もある。
    • ダッシュやスプリント中にL3(しゃがみ)ボタンを押すことで、スライディングが行える。行動後にはしゃがみ状態に移行する。敵に当てると吹き飛ばしてダウン状態にできる。ある意味本作で最も重要なアクション(後述)。
  • TPS的なものとして、Xで遮蔽物に張り付いて隠れるカバー、LSを倒していると素早く転がって移動するローリングが可能。カバー中にも身を乗り出して射撃できる。LSとの組み合わせでは、Xで近くのカバーポイントに切り替え、○では乗り越え、R1では飛び出しといったアクションになる。
  • L1ではガジェット(後述)を使用し、十字キー左右下はそのショートカット、上ではライトのオン/オフができ、暗い所で見えやすくなる一方、敵にも見つかりやすくなる。アナログパッドではメニュー画面を開く。OPTIONSではタイトルに戻ったり、各種設定の変更が行える。

メニュー画面

  • メニュー画面は大きく分けて、マップ、所持品(インベントリ)、クラフト、アーカイブの項目がある。L1/R1で項目の変更、さらにL2/R2で下位の項目の変更ができる。メニュー画面を開いている間も時間は進み続けている。
    • マップ画面では大まかな地形の他に、自分の位置と向き、セーブポイントやアイテムボックス、生存者(後述)とシェルターの場所、目的地などがアイコンで表示される。マーキングして画面上の目印にすることもできる。地下道がある場合は昇降するはしごの場所も表示され、L3でマップを切り替えられる。
      • 他には、警戒度が高めな「CAUTION」、危険な「ALERT」、比較的安全な「SAFE」の範囲が円で表示される。戦闘などが起こるとそこの警戒度が高くなるが、逆に他の警戒が緩くなったりするので、敵を避ける際に利用できたりする。
    • 所持品では、武器やガジェットの確認と素早く切り替える際の位置の設定、ダメージ軽減のアーマーの着脱、素材アイテムの確認ができる。所持品は弾薬以外個々に重量があり*6、所持できる重量の上限以上のものは拾えない。バックパックを拾うことで上限重量が上がり、S・M・Lといった種類があり、より大きいものを拾うと上限が引き上げられる*7
    • クラフトは後述のガジェットの作成ができる。アーカイブは、作品の背景を深く知るための情報が得られる。各所で見つけたのを自分で拾う他に、展開によって自動的に追加されるものもある。

武器

  • 初期装備はハンドガン(拳銃)のみだが、アイテムボックスに入っていたり道中で拾うことによって、サブマシンガン、アサルトライフル、ショットガン、マグナムといった他の種類の銃も手に入る。それぞれ威力や射程距離といった能力が異なる。
  • 銃器の他に金属パイプ*8やシャベルといった、近接用の打撃武器として使えるものも手に入る。銃では発射するボタンで振り回して攻撃する。構えを押しながらで敵を中心に捉えて移動でき、背後からの不意打ちでは威力が増加する。敵がダウン状態では「ダウン攻撃」を行う。敵の近接攻撃に合わせて「カウンター」も可能。
    • ただし耐久力といったものがあり、使用すると損傷していく。完全に破損しても無くなりこそしないが、ほとんど威力がなくなる。
  • 武器は3つまで装備することができ、切り替えボタンを押す毎に順に切り替わる。
  • 敵の中には、スナイパーライフルやガトリングガンなどの、大型の強力な武器を装備しているものがおり、その敵を倒すとそこに持っていた武器を落とし、それを拾って使うこともできる。ただしこれらは強力な反面、所持品には入らず弾薬補給などもできないので、基本的に使い捨てである。

ガジェット

  • 本作では、武器に分類されている物以外の手榴弾やトラップ、回復アイテムといった物を総称して「ガジェット」と呼ぶ。大きく分けて「治療」、「投擲」、「罠」の3種類があり、それぞれ十字キーの左右下にショートカットが割り当てられている。
  • ガジェットには最初から製品や武器として作られた物もあるが、様々な「素材アイテム」を用いた「クラフティング」によって作成できる物も多い。素材はステージ上やアイテムボックスから入手できる。作成はメニュー画面の「クラフト」で行い、必要な素材や個数を確認しながら行える。似たような効果を持つものもあるが、基本的に自作できるものが入手しやすく、正規の武器は入手しにくい分効果が高い。
    • 治療ガジェットは体力を回復する「ファーストエイドキット」や、その上位の「メディカルキット」があり、他に「止血パッド」や回復力を高める「ウォッカ」と言ったものもある。体力回復系には止血効果もあるが、使用モーションがありすぐには回復できず、効果が高いものほど長い。
      • 本作独特なものに「鎮痛剤」というのがある。これはいわば「擬似的な回復アイテム」で、使用すると体力ゲージに半透明なゲージが上乗せされ、これは時間経過で減少していくが、存在する限り体力ゲージと同等に扱われる。一時しのぎとはいえ、比較的入手しやすく、使用モーションが短いという強みもある。
    • 投擲ガジェットは種類が多く、自作できるものには「爆発缶」や炎上させ動きを止める「火炎瓶」といった攻撃系の他に、煙で視界を妨げる「発煙瓶」や、敵の動きを止める「発光瓶」といった補助系のものもある。
      • これらには、「フラググレネード」、「焼夷グレネード」、「スモークグレネード」、「フラッシュバン」といった、軍用の上位版といったものがある。
      • 他には手足を狙えば出血させられる「投げナイフ」と言ったものもある。変わっているのは「クロスボウ」で、これは本体ではなくボルト(矢)が投擲ガジェットの扱い。さらには、範囲内の敵の位置が遮蔽物越しに見えるようになる「索敵センサー」というのもある。素材の「空き缶」や「空き瓶」のままでも、投げて敵を誘導するのに使える。
    • 罠ガジェットには、爆発して周囲を吹き飛ばす「IED地雷」などもあるが、直線範囲に設置し敵の進行を妨げる「有刺鉄線」といったものもある。
  • 投擲や罠ガジェットは、さらなるクラフトで効果が追加できるものもある。一例として、爆発缶を遠隔起爆できる「リモート爆発缶」にしたり、それから貼り付けられる「粘着リモート爆発缶」にしたりできる。特にボルトやワイヤー系はやたら種類が多い。
  • 十字キーのショートカット長押しで、8つのガジェットが円形に並んだ「ガジェットホイール」が開き、RSで使いたいものを選び決定する。L1を押すと、選んでいるガジェットを使用する。数がある限り、同じものを連続で使用できる。
    • 投擲するものは、軌道や効果範囲を確認した上で改めて使用することになる。遠隔起爆するものは、投げたり設置した後L1で起爆する。ワイヤー型は、床や壁に始点と終点を選び設置する。

  • 本作の主な敵はガルモーニア兵であるが、基本的に強化外骨格を装備しており非常に頑強。車の上にひとっ飛びで乗るような動きも見せる。普段は特定箇所に立って見張ったり、一定範囲を巡回しているが、主人公を見つけると一斉に攻撃してくる。通常兵の他にいくつかの兵種がある。
    • 隊長は通常兵に似ているが、ヘルメットが黄色いのが特徴。隊長のいる部隊は索敵能力が向上している。小型のドローンを次々に送り込む。
    • 工作兵は盾で前面を防御しており、仕掛けたトラップを解除する。体力も高め。
    • エリート兵は通常兵の倍ほどの体力がある上、強力な重火器を装備している。
  • 人間の他に戦闘用ドローンも存在する。飛び回って巡回している中型のものは、見つかると地上用に変形し、移動しながら銃撃してくる。周囲のドローンや敵兵も呼んでしまう。隊長が出してくるボール状の小型のものは、転がってぶつかってくる他に、電撃で短時間動きを封じられてしまう。どちらも地味に厄介だが、EMPグレネードが有効となる。
  • 場所によっては戦車やヴァンツァーがいることもあり、これらは見つかれば強烈な攻撃を放ってくる驚異の相手。ヴァンツァーに乗っているか強力な武器でもなければ対処は困難で*9、基本的には見つからないように避けて通ることになる。
  • 敵兵を倒せば弾薬やガジェットを落とすことがある。ドローンも燃料電池や感知センサーといった素材アイテムが入手できる。

生存者

  • ステージ上には、何らかの理由で逃げ遅れた生存者がいることがある。近くに行くとコーシカが教えてくれ、マップ上にアイコンが表示される(一部例外あり)。
  • 生存者に話しかけると、何らかの会話の後で避難誘導に移行する。場合によっては選択肢が発生し、返答によっては避難させられなくなってしまうこともある。
    • 基本的には、付近にある避難用シェルターに向かわせることになる。生存者(の集団)にそれぞれ対応したシェルターがあり、避難する経路は決まっており、マップ上でも確認できる。
    • 避難させるには、すぐ側でボタンを押して進行/停止を切り替えるか、マップ画面で人物を選んで切り替える方法がある。複数人の場合は個別に指示も出せるが、ボタン長押しで一斉に指示もできる。
    • 生存者が移動中に敵に見つかると、その場でうずくまって動かなくなる。コーシカが報告もしてくれるが、こうなると早く敵を排除しないと生存者は殺されてしまう。敵を排除すると再び動かせる。
  • 生存者が無事シェルターに避難すると離れていても報告が入り、死亡した場合も同様で、どちらでも生存者の簡単な情報が得られる。

ヴァンツァー

  • 本作では基本的に生身の人間を操作して進めるが、『FMシリーズ』の象徴的な搭乗型ロボット「ヴァンツァー」に乗る場面もある。
  • 使用できるヴァンツァーがある場合マップ上にアイコンで表示され、機体のそばで□ボタン長押しで搭乗できる。同様に□ボタン長押しで降りる。LSで移動、RSで視点移動は生身と同じだが、LSとXで素早くステップができる。
    • ○ボタンを押していると「ローラーダッシュ」ができ、距離に制限はあるが高速で移動できる。LSを倒したまま○を離すと、倒した方向に急旋回して停止する。ダッシュ中に敵機にぶつかるとそのまま押すことができ、壁などに叩きつけると腕武器を使った追撃が可能。
  • ヴァンツァーの武装は両腕と両肩の4つがあり、左腕がL2ボタン、同様に右腕がR2、左肩がL1、右肩がR1で使用できる。
    • 腕の武器は、マシンガンやショットガンにライフルなどだが、中には両腕を使用する大型のものもある。肩の武器は、爆発するロケットやロックして撃つミサイルなど強力なものが多い。他に、パイルバンカーなどの近接武器や、攻撃を防ぐ盾のようなものもある。
    • 武器には弾数などの制限があり、肩武器は弾切れで自動的に切り離す。腕武器の場合は、倒した敵機の腕武器と△+L2/R2を押すことで交換が可能。腕武器は同様の操作で自発的に外すこともできる。武器が無くなるとその分機動性が上がる。
  • ヴァンツァーは胴体、腕部、脚部それぞれに耐久値が設定されている。胴体が破壊されると撃破扱いになり、パイロットも死亡する。腕部の破壊で照準精度が落ち、脚部破壊で機動性が落ちる。これは自機も敵機も同様。
  • メニュー画面では、マップや残弾と共に各部の耐久値が確認できる。通常画面でも、コーシカの報告や画面の乱れで大まかな耐久値が分かる。

その他

  • 各地には「アイテムボックス」があり、多くはセーブポイントのそばにある。中には武器や各種ガジェットに素材アイテムが入っており、取り出して入手できるが、逆に主人公の所持品をボックスに入れることもできる。
    • ボックスに入れるのは所持重量の軽減といった意味もあるが、ボックスの中身は他の主人公と共有されているため、他の主人公が取り出して使うこともできる。
  • セーブポイントのそばには「回復ポイント」というのがあり、3回までの回数制限があるが、メディカルキットと同等な効果がある。
  • 本作にはゆるいオンライン要素があり、マップ画面でOPTIONSボタンを押すことにより「ヒートマップ」というものに切り替えられる。これはオンラインの他のプレイヤーが死んだ場所が赤く表示され、濃いほど危険な場所と分かるようになっている。
    • 他のプレイヤーが死んだ所に死体があり、そこからアイテムが入手できる。死体から「戦死者のビーコン」というのを入手することがあり、体力が少し増える他に、別の使い道がある。
+ クリア後
  • 本編クリア後には「NEW GAME+」というのが選択可能になり、これは「戦死者のビーコン」を利用して、主人公を強化した上で始められるというもの。
  • 強化できる項目は、「武器の威力増加」「スプリントの距離延長」「非戦闘時に気づかれにくくなる」「アーマーの耐久度増加」などがあり、それぞれ必要なビーコンの数は異なる。項目の数はクリアする度に2回まで増える。

評価点

  • デザイン
    • 本作に登場するヴァンツァーは無骨だがデザインは良く、「ゼニス」や「ジラーニ」といった過去作から登場するものも、デザインの変更はあるものの出来は良い。柳瀬氏による新型ヴァンツァー「ヴォルク」も、独特なデザインながら格好良い。
  • キャラクターのデザインも悪くない。特にパッケージやその他宣伝にも使われた新川氏によるイラストは、主人公3人の顔のアップというシンプルなものながら、氏の特徴がよく出た印象的なもので、これによって本作に興味を持った人も多いのではないだろうか。
    • ただ、『メタルギアシリーズ』で知られる新川氏の絵で、なまじ本作もステルス要素があったことから、メタルギアのファンや、フロントミッションを知らない人たちまで注目して購入してしまい、"被害者"を増やす要因になってしまったかもしれない。
  • 妙に細かいアーカイブ内容
    • 本作のアーカイブは登場人物の基本情報や略歴の他に、各種兵器やヴァンツァーの解説に加え、作中の出来事の背景といった情報がほぼ過不足なくまとめられており、あまり理解できないということはない。プレイ中は余裕がない分、タイトル画面やチャプター最後にじっくり閲覧できるのもいい。
    • さらに兵器自体だけでなく、その製造メーカーの情報も得られる。本編とは直接関係ないような情報が多いが、設立過程や得意分野に加え、会社の課題などといったものもあり、いずれも妙なリアリティを感じさせる。
    • さらにはおふざけ的なものまであり、思わぬ情報が得られたりする。

賛否両論点

  • FRONT MISSIONの世界観であること
    • 本作の売りの一つでもあるはずだが、そもそも『FMシリーズ』の世界観を使う意味があるのかという声がある。本作のTPSともステルスアクションとも言える内容に対しては、やはりシリーズ伝統のSRPGがやりたいという声も多い。
    • 一応タイトルには「FRONT MISSION」が無く、アクションながら高い評価の『GUN HAZARD』といった例もあり、別ジャンルの外伝を作ること自体は別に悪いことではない。本作も一応シリーズの年表に収まるようにはなっているらしく、シリーズ他作品との関連を感じさせる部分もある。
  • ストーリー
    • 本作のストーリーは、とりわけすごいとか良いということもないが、それなりにはよくできている。「新米兵士が年長者に叱咤されながら成長し、何度も対峙した敵と最後はヴァンツァーで対決」といったミハイル編は、ベタではあるが少年漫画的な熱さもある。かつて失ったものを取り戻すかのように少女を守り、正義のために行動するオリガ編も悪くない。死んだはずの男二人がいきなり登場し、己の身に起こったことと、生きていたかつてのリーダーの謎に迫るレオニード編は、嫌でも先が気になってくる。主人公同士が各所で出会ったり、終盤で全員集合して協力する展開などもやはり熱い。
    • ただ3人に分かれているために個々の話は短く、入れ替わりが多く散漫な印象もある。難易度の高さも手伝って、あまり頭に入らないかもしれない。選択のシステムについても、あまり違いがなかったり正直どうでも良かったりする。
    • その他登場人物についても、「面倒見の良い年長者」、「妙な喩え話をするキザな敵役」、「明らかに何かを隠している怪しい人物」など、"いかにも"なキャラ造形も多い。
  • 音楽
    • 本作の音楽自体は悪いわけではなく、むしろ良い方である。しかし、そもそも本作ではBGMが少なく、普段の操作場面ではBGMが無い。それ自体は、戦時下の騒然とした雰囲気の演出になってもいるのだが、全体的に印象に残る音楽が少ない。
    • おそらく一番よく聞くのは、敵に見つかったり戦闘状態になった時の曲だろうが、これ自体も悪くはないが、とにかく撃たれまくり死にまくった記憶が多く、多くの人は良い印象が無いだろう。ヴァンツァー搭乗時の曲も、自機が意外と脆いために、すぐ破壊されたりコソコソ攻撃したりが多くなり、勇ましい曲調とのギャップが大きい。数少ないボス戦と言える場面の曲は、激しさの中にかつての盟友と戦う悲しみもこもったような良曲なのだが、「何なんだこいつは!」「どうすりゃいいんだ!?」と苦戦し、やはり死にまくっていい思い出が残らないかもしれない。
  • 言語
    • 本作の舞台は北方で*10、登場人物はロシア風の名前を持ち、作中にはキリル文字*11をよく見かけるのだが、作中の言語はなぜか英語になっており違和感がある。
      • 鍋島氏のインタビューによると、ロシア語ではディレクションが難しく、当のロシア人に聞いても「ロシア語でも演技が悪いと入り込めないので、あえて英語にロシア語字幕でプレイしたりする」などという意見から、セールス上も問題ないと判断したらしい。
    • そして本作には日本語音声が無い。海外ゲームなら声優のギャラなどを考え、日本語吹き替えを入れないのもやむを得ないとも思えるが、本作は日本企業が製作・販売しているゲームのはずなのに、何故無いのか疑問がある。プレイ中に字幕を読む余裕のない本作ではなおさらである。
  • 使い回しの多いステージ
    • 本作では同じステージを何度もプレイすることが多い。これに関しては、主人公が代わったり昼夜が逆転するなどしており、他にも様々な変化が起こったりしているため、単なる使い回しではない。しかし通れる場所が変わっていたり、混乱を招く要因にもなる。
    • こういう作りは、アイテムボックスの中身を共有できるという仕様を活かすためかもしれないが、当然初見プレイでは、いつ誰がどこで使用できるか全くわからないため、あまり有効に使えない。
  • スライディングの異常な強さ
    • 本作のスライディングは、普通に考えるとダッシュ状態から素早く物陰に隠れるのに使うもので、攻撃できるのはついでのように思える。しかし、普通の銃撃ではびくともしない敵兵が、スライディング一発で吹っ飛んでダウン状態にできるのは、かなり強力であると言える。この有用さを知っているかどうかで、難易度が激変すると言っていいほどである。
    • 普通の銃撃では相当撃ち込まないと倒せない敵兵が、近接武器のダウン攻撃なら一撃で倒せたりするため、「スライディング→ダウン攻撃」のコンボが最も有効な戦術という、かなり変なことになる*12
      • ただしこれが通じるのは、低難度や弱い敵のみであり、高難度や強い敵では一撃とはいかなくなる。弾薬に余裕があるなら、ダウンさせ頭を狙って銃を連射したほうがより確実で速い。それに意外と狙って当てるのが難しく、外すと当然見つかって攻撃を受ける危険があるなど、実はそこまで強力というわけでもない。本作を象徴する変な要素としても語られるが、「普段は手強い敵が、スライディング一発で悲鳴を上げて吹き飛ぶ」「倒れた敵に、無言でしめやかに止めの一撃」というシュールな画と、それが有効な戦術というおかしさでネタにされたのが大きい。
      • とはいえ有効なのには変わりないため、敵に見つかっても「逃げるよりまず突っ込んでスライディング」という変なことになる。敵もダッシュして殴りつけてくることがあり、お互い外したり躱したりしていると、「銃を持った者同士が、ダッシュ攻撃とスライディングの応酬を繰り広げる」という妙な画になる。
  • 未来という時代設定に関して
    • 本作の時代設定は、本作発売時から100年以上先となっている。ヴァンツァーや強化外骨格などはともかく、それ以外では自動車が多少未来的なデザインかというぐらいで、あまり未来感がない。
      • もっとも、そんな未来を正確には予測しようがなく、演出なども考えて、あえて現代と変わらないような描写にしているとも思える。これは『FMシリーズ』を含め、多くのSF作品にも言えることでもある。
    • 敵兵はアサルトライフルやショットガンを持っているが、倒してもそれらの武器は使えず、落とすのも「ハンドガンの弾」だったりする。極限状況のサバイバルを謳うなら、敵の武器を奪って使える要素があってもいいと思える。
      • 好意的に解釈するなら、武器が設定された者以外では使えないようにする技術が確立しているのかもしれない*13。しかし、敵が落とした大型武器は普通に使えるし、敵のヴァンツァーに勝手に乗って動かせるのも変である。
+ クリア後
  • 本編クリア後には「NEW GAME+」で強化してプレイできるが、そうすると多少普通のゲームっぽくなり、余裕も出て1周目では気づかなかったルートや戦術に気づいたり、色々試してそれなりに楽しめるようになってくる。
    • もっとも、それなら1周目からそう感じられるように作れとも思える。あるいはクリア後でなく、プレイ中に多少なりとも成長や強化できる要素があれば、「まだ何とかなるかも」と諦めずにプレイを続けた人も増えたかもしれない。
  • 難しいゲームが好きな人があえて簡単にするかは分からず、高難度に閉口しながらも始めたからにはなんとかクリアした人に関しては、そもそも2周目以降をプレイする気が起きるのかどうかも怪しい。

問題点

プレイする気が失せる要素の数々

  • とにかく辛い戦闘
    • 本作に登場する敵兵は、たとえ高難度でなく一番弱い兵であっても、初期装備のハンドガンでは胴体を撃ったのではマガジン全弾撃ち込んでも倒せずヘッドショットでも4発は当てないと倒せないと異常に固いものとなっている。このため、普通に撃って倒そうとすると弾薬消費が激しく、当然長引くと被弾の危険も高くなる。FPS/TPSのように戦って全滅させながら進むことは、すぐ弾切れになるので不可能に近い。
      • こういう点が「スライディングからの追い打ち」という、妙な戦術が有効となる原因である。
    • 一旦感知されてしまうと、即座に猛烈な銃撃を受けることになる。直接感知していない他の敵もすぐにやってきて集中砲火を受け、ただでさえ撃たれていると行動が制限される上、ダメージエフェクトで画面も見づらくなり、そのままあっさりやられてしまうことも多い。
    • 隠れ続けていてもどんどん他から敵が集まり、強い敵も現れるようになるため追い詰められていく。とりあえず逃げようとしても、敵の狙いが異常に正確であり、スプリントしようがローリングしようが、レーザーサイトの光が主人公にくっついたかのように全く離れない。
    • 兵士だけでなくドローンも地味に厄介で、ハンドガン一発で破壊できるものの、感知されていなくとも撃ち落とすのが結構難しく、撃ち落としても他のドローンが寄ってきたりして、結局戦闘になったりする。地上モードて移動している時もやはり当てにくく、照準のように当ててくる赤い光がまた邪魔である。敵が出してくるボール状の小型ドローンも、敵がいる限り次々出してくるし、電撃で麻痺させる攻撃が非常に厄介。
    • 戦車やヴァンツァーに関しては、見つかると強烈な攻撃が飛んできてあっという間に殺されかねない。実質これらの視界に入らないように移動するしかないが、いつの間にか見つかって突然警戒BGMが鳴り始め、どう見つかったのか分からない内に瞬殺されるという、理不尽なことも起こる。
    • これらのことから、実質二人以上の敵に正面から戦いを挑むのは自殺行為である。倒すのなら、ガジェットがあるなら誘導して集めた所を爆破か炎上、それができないなら、一人孤立した兵士に不意打ちで近接武器か、スライディングからのダウン攻撃といったものばかりになりがちである。
      • 銃が揃って弾薬が潤沢にあるようになると、それなりに迎撃できるようにはなる。出血により一撃死も狙える投げナイフは意外に強力。大型武器があれば一気に敵を倒せたりと、状況によっては一方的にこちらが不利でもない。どうしても敵を倒せないのでヤケクソになり、煙幕を張ってスプリントで突っ切り、息が切れればローリングで繋ぐなどして強引に進んだはずが、それで意外に突破できたりすることもある。
    • インタビューで鍋島氏は、普通のTPSだと思っている人を裏切るために、あえて難しくしたように語っており、「そもそも普通、フル装備の兵士にハンドガン一丁で挑んだりしませんよね(笑)」とも語っている。
  • おかしな敵兵の挙動
    • 缶や瓶を投げると皆でぞろぞろ集まるなど、少々敵の動きが変とか警戒感が無さすぎる感があるが、ゲームである以上そうでないと困ることもあり、いちいち突っ込むべきではないのだろう。だとしても本作の敵兵には妙なところがある。
    • 遠くからでもやけに見つかることがあるかと思えば、すぐ後ろを普通に通っても気づかれなかったりする。一度見つかれば全員で一斉に襲ってくるが、逆に見つかっていなければ、爆発缶で吹き飛ばしたり火炎瓶で火だるまにしても、多少警戒するような動きは見せてもすぐ巡回に戻ったりする。酷い時は、明らかに仲間が攻撃を受けているのに無反応だったりする。
    • 敵兵は自分の持ち場を頑なに守るようなところがあり、猛烈な攻撃の中必死で逃げ延び、やっと落ち着ける所で体制を立て直し、「これから反撃だ」と罠を張って待ち構えていても、さっきまでが嘘のように全く来なくなったりする。
    • 敵を銃撃で倒すと、持っている銃を放り上げて吹き飛ぶ。これが妙に重量感の無いフワッとした不自然なものである。ダウンした時に撃っても不自然に吹き飛び、倒れた後もグニャグニャしたりブルブル動いていることがある。
      • ただこのモーションは「完全に倒した」という記号的表現とも取れ、実際倒したかを判別するのには役立つ。
      • これは「ラグドール物理」というリアルさを演出する手法であり、FPS等でよく使われているが、本作は設定が甘いのか逆に不自然に見えてしまう。
    • 敵兵がプレイヤーを発見しても、プレイヤーが敵兵を画面内に入れなければ銃弾をワザと外すという、バグなのか仕様なのかわからない行動をする。
      • 不意打ちを防止する仕様であると思われる。
  • 有るようで無い自由度
    • 本作の目的はあくまで「生き延びること」で、「どういう手段を取るかはプレイヤー次第」と「自由度の高さ」を強調している。しかし前述のように戦闘が厳しいため、敵を倒しながら進むという選択肢が実質無い。
    • そして本作で特に感じることだが、敵が多いので「遠回りでも安全な所を行こう」としても、そこがフェンスや瓦礫などで塞がれていて通れず、結局敵のいる所を通るしかないということが非常に多い。しかも「ここが順路」とばかりにアイテムが落ちていたりする。
      • しかも塞がった場所は、少し頑張れば乗り越えたり通り抜けられそうな所も多い。なまじ上に乗ったり飛び越えるようなアクションもあるため、一見通れるのか判別しづらい場所もある。一応通れないのが分かればマップ上にもマークが付く。
    • 隠れながら進もうにも、ストーリー上何度か強制戦闘があり、結局弾薬やガジェットを消費させられる。本作をやればやるほど、「製作者のさせたいことをやらされている」感が強い。せめて「自由度が高い」と言うのなら、「全ステージに攻略ルートが最低3つはある」とか、「全難易度で完全ステルスも殲滅プレイも可能」とか、「極端な武器・アイテム縛りをしてもクリア可能」とかしてから言ってほしい。
      • 本作は少ない銃弾とガジェットで如何にクリアするかを目指すゲームである。全滅プレイが可能なほどのアイテムを用意されていた場合、進路上の必要な敵だけを倒す通常プレイでのゲームバランスが悪くなる恐れがある。一応、周回特典ありの最高難易度では殲滅プレイも可能だが。
      • 最高難易度で「銃縛り」「ガジェット縛り」を達成したプレイヤーはいる。
  • ステルス行動の困難さ
    • 本作の公式サイトなどには「隠れて進むのも、戦って進むのも自由」などとある。しかし実際には、敵の強さから積極的に多数の敵と戦うという選択肢は無く、必然的に見つからないよう進むことになる。ゲーム内でも「戦闘は極力避けるべき」というような忠告がある。そのため本作は、実質的に「ステルスゲーム」としての要素がかなり大きいのだが、ではステルス行動しようにもやはり不親切な点が多い。
    • まず本作には「ミニマップ」というものが無く、メニュー画面のマップでも大体の警戒状態しか分からない。そのため敵の視界はおろか、位置すら目視で確かめるしかない。FPS/TPSなど別ジャンルと言えるものでも、偵察して敵をマーキングしたりといったことができるが、本作ではできない。
      • 一応、近くの敵兵の頭上には赤いマークが出たり、銃のライトやレーザーサイトで、居場所や向きは分かりやすい。コーシカも敵が近いと音声で警告してくれ、画面端の赤い線で大体の居場所は分かる。しかし壁越しなどでも反応するのはまあいいのだが、分かっているのに何度も警告されるとさすがに鬱陶しくなる。
      • 本作はステルスゲームでもFPS/TPSでも無くサバイバルアクションである。サバイバル系のゲームでは恐怖感を演出するためにマップに敵の位置を表示しないことはよくある。
    • ステルス要素のあるゲームの場合、よほど近くでなければ見つかっても即攻撃はされず、一旦警戒したり捜索に移る「猶予時間」と言えるものがあり、その間に戦うか逃げるかの選択ができたりする。しかし本作では、見つかると即座に攻撃され、以後も正確な射撃で狙われ続ける。周辺の敵の視界に入っているとか、警戒度を表すインジケーターのようなものも無く、誰に見つかったのかも判りにくい。
    • マップ上の警戒度やヒートマップの情報も、全くではないがほぼ役に立たない。「これのどこが『SAFE』なんだ?」ということや、他プレイヤーの死亡箇所がほぼ全域に分布していて、何の参考にもならなかったりする。安全な所を行こうとしても、結局塞がって通れなかったりで、「ああ、だからみんなここで死ぬんだな」というのが分かるだけだったりする。
    • また、本作にはいわゆる「ステルスキル」といったものが無く、それを不満に挙げる声が多くある。鍋島氏はインタビューで「開発内でも議論があった」と語っているが、「なまじステルスキルがあると、上手い人は全員それで始末してしまう」として入れなかったらしい。たしかにステルスゲームだからといって、必ずステルスキルがなければいけないということはない。だが「ひたすら隠れ忍んだ後で必殺の一撃」というのが大きな快感なのは確かで、本作でも「あったら便利なのに…」と思う所は多い。
      • システムとしてのステルスキルはないが、他の敵に気付かれずに敵を倒す方法はいくつかある。いずれの方法も消費する素材や、発生する音の大きさが違うため、場面ごとにプレイヤーが手段を考えることになる。
      • 主人公が完全に一般人ならともかく、新米とはいえ兵士、女性とはいえ元軍人の警官、元傭兵と、むしろ「戦闘のプロ」に近い面々である。強化外骨格装備の兵士を一撃で倒すのは確かに難しそうだが、「大ダメージを与えたり有利な状況に持ち込み、うまくやればそのまま倒せる」ぐらいのシステムはあってもよかったのではないだろうか。
      • 背中への格闘攻撃はダメージが2倍になるボーナスがあり、正面からでは倒せなくても、背面からなら倒せるコンボが存在する。
  • 使いにくいカバー
    • 一見TPS風の本作には、遮蔽物の影に隠れる「カバー」があり、身を隠しながら銃撃戦をしたり、隠れながら移動ができる。戦闘が厳しい上に、見つからないよう進むことが求められる本作では、重要なアクションに思えるのだが…。
    • まず、カバーとローリングが同じボタンに配置されていることが問題となる。本作では、よほど遮蔽物の近くで止まっていないとカバーができず、非常にローリングが暴発しやすい。隠れるつもりが飛び出して見つかってしまったり、逆にローリングで逃げようとしたらカバーで張り付いてしまい、結局敵の的になって集中攻撃を受けてしまったりする。
    • カバー中には身を乗り出すか端まで寄らないと、銃撃したり投擲ガジェットが使えない。しかし、遮蔽物の端に寄ると普通に見つかり、銃弾も当たる。さらに左端なら飛び出し撃ちなどもしやすいのだが、右端では手前の遮蔽物に当たってまともに撃てない。一応手前に実際の着弾点が表示され、照準が白いままだったりするのだが、なまじ照準は出るので紛らわしい。
    • カバー位置切り替えや、カバーからの乗り越えや飛び出しといったアクションも、すぐに敵兵やドローンに囲まれ、猛烈で正確な攻撃を受ける中では、あまり有効には活かせない。
  • 苦痛しかない生存者救助
    • 本作のサブクエストとも言える生存者の救助は、はっきり言って「面倒で難しい上に見返りもなく、成功しても失敗しても気分が悪い」という、とにかくプレイヤーに苦痛を強いるものとなっている。
    • そもそも生存者自体、まだ同情できたり救いたいような人物もいる一方、態度が横柄だったり良い印象を持てない人物も多い。突然の事態に現実逃避していたり、そもそも最初からおかしかったりする人物もいる。
      • 中にはせっかく避難させたのにシェルターを抜け出したり、完全に主人公を殺しにきているような者もいる。
    • 会話の選択次第では救助できなくなったり、死を選ぶような者までいる。しかし、回答の正解が初見ではよく分からない。「そういうつもりで言ったんじゃない!」と言いたくなるような、ひねくれた正解になっていることもある。
      • 生存者の中には、時間制限のようなものがある者もいる。時間がかかりすぎると殺されるか死んでしまい、もう助けられない。助けたければ、セーブデータが無いならチャプター最初からやり直すしかない。
    • 避難ルートは生存者毎に完全に固定であり、意地でもそのルートを通ろうとする。しかもそのルートのほとんどが、敵集団のど真ん中を通るというものになっている。そのため、結局主人公が先回りして敵を殲滅しておく必要がある。陽動する手もあるが安全の保証がなく、どのみち戦うことになる。ただでさえ戦闘が厳しい本作で、救助するなら大量の弾薬やガジェットを消費するのは必至で、難易度がさらに上がってしまう。
      • 一部の生存者は2つのルートを選択して誘導することができる。
      • 生存者が敵に見つかると、応戦はもちろん逃げも隠れもせず、もれなくうずくまって動かなくなるのも面倒*14。変にどこに行ったか分からなくなるよりはいいかもしれないが、せめて隠れながら進むとか、主人公を信じて一気に行ってもらうとかできてもいいように思える。
      • そもそも、他に安全なルートで行けそうなのに、わざわざ危険な敵中を進むようになっているシステムが問題なのである。同様のシステムは『DEAD RISING』にもあり、そちらもつっかえるなど問題点もあったが、少なくともある程度自由な誘導はできていた。10年以上前のゲームでできていたことが、なぜ本作ではできないのだろうかと思える。
    • これほど苦労させられながら、基本的に見返りは何もない。一応生存者のそばにはアイテムが落ちていたりもするのだが、避難に成功してもひたすら徒労感しか残らない。
    • 鍋島氏のインタビューでは、これらも意図しての仕様らしい。確かに、戦場で取り残された人が全ていい人とは限らず、見返りをくれるとも考えにくい*15。それでもなお助けるのか、それとも見捨てるのかという選択を迫ることで、厳しい戦場を体験させようとしたらしい。序盤から助けにくい生存者が出るのも、「見捨ててもいいのかな」と迷わせたり、「助けられなかった」という苦い思いを味わってほしかったかららしい。
      • だが普通にプレイしていれば、死にそうな人を助けたいと思うのが人情であり、選択に失敗してやり直し、何度も死にながら敵の排除に挑戦し、挙げ句に諦めて見捨てるなどを繰り返していれば、「やってられるか」という気分になる。
+ 実は助けるのにも意味がある
  • 本編中には何の見返りもないようだが、実は生存させた人数がエンディングに影響する。具体的には「グッド」「ノーマル」「バッド」に分岐するのだが、当然多いほうが良くなる*16
  • 今からプレイするのであれば、ただクリアするだけなら、生存者は無視するか見捨てたほうがいい。助けるなら強化もできる2周目以降に挑戦するべきで、前のチャプターの終盤やチャプター冒頭のデータを残した上で、攻略サイトの情報などを参考にしながら挑戦すればいい。
  • 結局問題があるヴァンツァー
    • 全体的に人間の操作がメインとしても、仮にも『FMシリーズ』の世界観を使う以上、ヴァンツァーが登場して一部であっても操作できるのに関しては、シリーズファンに配慮しているとも言える。鍋島氏もインタビューで「普段が苦しいぶん、ヴァンツァーに乗れるところはストレス発散できるようなバランスにしています」などと発言している。しかし、本当に圧倒的な強さで楽しめるかと言うと、実はそうでもない。
    • 最初にヴァンツァーを使える場面では、破壊された機体で移動はできない。武器も腕のみ、しばらくして肩武器も使えるようになるが、実質固定砲台ステージのようなものとなっている。
      • これに関しては、序盤で色々覚えることもあり、さらにヴァンツァーまで操作するのは大変なので、まず画面の表示や武器の感触のみを体験させるのに留めたのかもしれない。そこまで行くのも苦労するので、一応敵を蹴散らす快感も与えておこうという考えもあったかもしれない。
      • 本格的に使えるのは割とすぐ先なのだが、そこまで行くのが結構辛く、やっと乗れても別の苦労がある。
    • まず、ヴァンツァーは巨体故に鈍重で小回りがきかず、画面の斜め下9分の1ほどを埋めてしまって見づらく、照準も機体から大きくずれていて多少混乱する。ローラーダッシュは確かに速いがずっとは使えず、何より周辺にある物に一々引っかかって止まりやすい。
      • 一見その巨体なら、なぎ倒したり破壊できそうなトラックや小屋などにも引っ掛かり、破壊することもできない。ヴァンツァーは、後半の一部を除き多くは市街地で使うことになり、ほぼ道路という"線"の上を移動する感じである。
    • では戦闘面はと言うと、敵兵程度は武器どころか踏み潰しても倒せる。戦車も攻撃はやや痛いが、割と簡単に破壊できる。やはり、ヴァンツァー戦でメインの敵は敵ヴァンツァーとなる。しかし、主人公が使えるのは特別に強い機体というわけでもなく、敵と大して変わらず意外と脆い*17。1対1ならまだ正面からの撃ち合いでも何とかなるのだが、相手が2機以上になるともう危ない。それがストーリー上では5機ほど相手にしなければならない場面もある。なので、結局隠れながらコソコソ攻撃したり、ダッシュで叩きつけるハメ技のような戦法など、見栄えのしない戦闘になりがちである。
    • 機体各部の耐久値が通常時にはよく分からず、確認するにはメニュー画面を開く必要がある。一応、コーシカの報告や画面の乱れで機体の損傷度が大体は分かるが、ただでさえ追い詰められているのに画面も見づらくなり更に厄介。
      • 同様に装備武器や残弾数を確認するにも、メニュー画面を開く必要がある。乗り込む機体毎に装備が違っており、最初に表示はされるものの、それ以降に確認するには一々メニューを開くことになり、やはり面倒。
    • 機体に搭乗する際は専用の演出があるが、降りる際はパッと地上に立って演出も無い。テンポは良いがやや手抜きにも感じる。
    • 結局、生身の時のストレスがヴァンツァーに乗れば解放できるわけでもなく、ヴァンツァーはヴァンツァーで別のストレス要因がある。
  • 高いとは言えないグラフィックと演出
    • 本作のグラフィックはまあ及第点と言えなくもないが、同時代の同価格帯のゲームと比較すると、見劣りする感は否めない。PS3でも問題ないように思え、「PS Vitaのゲームのリマスター」と言われても信じそうである。
    • しかし一部の描写はPS2レベルと言ってもいい。特に酷いのが爆発の描写で、まるで爆発のエフェクトを貼り付けたようであり、その裏で戦車やヴァンツァーが文字通り跡形もなく消え去る。擱座したり炎上した機体が残るでもない。残ると邪魔になったり、処理に負担がかかるのかもしれないが、序盤のヴァンツァーを操作する場面でこれをはっきり感じるため、そこでゲームの程度が見え白けてしまった人も多いかもしれない。
  • 歪な難易度曲線
    • 本作発売当初の最低難度は「LIGHT」であったが、とりあえず簡単なのから始めて「これが『LIGHT』!?」と難易度選択を間違えたのかと思い、改めて確認して絶望した人も多いかもしれない。実際のところ、「難し過ぎてどの難易度でも大して違いが感じられない 」と言う意見すらある。
      • 後のアップデートで、普通のシューター的にプレイできる「CASUAL」が追加されたのがその証拠とも言え、まあ妥当な判断とも言える。ただ全難易度でも難易度低下の調整がされたのは、高難度を求める人には問題かもしれない。
    • まず始めた直後からいきなり敵に撃たれかねない状態であり、下手すれば開始直後に死ぬ
      • まあ状況的には理解でき、「本作はこういうゲーム」というのを、最初から強烈に体験させるためかもしれない。しかし、普通ゲームの開始直後は、基本操作を確認したり、周囲を探索したりするところだろうが、そんな余裕も与えられない。
    • チャプター1でも、初見では勝手がわからないので相当苦労するが、それでもまだチュートリアル的側面もあり、クリア自体はできなくもない。しかしチャプター2に入ると、広い空間で隠れ進むルートを模索する必要があり、生存者も登場し始め、ラストには強制戦闘を突破する必要がある。ある意味本格的にゲームが始まり、難易度が跳ね上がる。本作の感想には「チャプター2で投げた」と言う声も多くある。
    • それでもなんとか進めていくと、中盤に入る頃から弾薬やガジェットが充実し始め、ゲームに慣れてくるのもあって結構余裕が出てくる。すると不思議なもので、次第に面白くも感じ始める。だが、途中から余裕が出てくると言っても、やはり難所も多く全体的に難しいのは変わりない。ガジェットは使うべき所では躊躇せず使った方がいいのだが、やはり初見ではいつ使うべきか判断できないので、どうしても序盤ではもったいなくて溜め込んでしまいやすい。初見プレイヤーがプレイを続けたくなるようなバランスになっていなかったと言える*18

面倒で煩わしい仕様の数々

  • 主人公関係の問題
    • 主人公の動きはややもっさりしており、あまり機敏ではない。物体を乗り越えるにも一旦止まる必要があり、移動しながらスムーズに乗り越えて進むといったことはできない。コンセプトが違うのかもしれないが、なまじスイングで乗り越えるなどできるなら、もっと立体的に移動できても良かったかもしれない。窓から出入りする際にスイングでぶち破るというのも、追われている時の演出としては良く、開かないなら仕方ないが、見つからないよう移動するのが大事な本作では違和感がある。扉を開ける際にも、結構無警戒に「バタッ」と開けるのもビクッとする。
    • 近接武器を使った際など、視点が変な方向に移動することが多く、妙な視点の変化がプレイに支障をきたすこともある。銃を使う際にも、当たって見えるのに当たっていないこともあり、もう照準が赤くなるのだけで判断したほうがいい。常時表示されている小さな白い点が狙う目安になるが、敵が正面にいて咄嗟に銃を構えると、何故か照準が変な位置に飛んでいることが多く、狙いを直している間に撃たれやすい。
    • 止血パッチの必要性にも関わるが、かなり出血しやすい。集中攻撃を受けるとまず出血する。
    • カウンターというものがあるが、これははっきり言って狙っては出せない。
  • セーブ・ロード関連
    • 本作のセーブ枠はオートセーブ用が1つ、実質自由に使えるのは4つで、難易度が高くやり直しのきかない要素もある本作にとっては、はっきり言って少ない。各チャプターをやり直したり、好きにプレイするといったことができなくなる。
    • そもそもセーブできるのが、広いステージ上に3つほどしか無いセーブボイントでしかできない。どうしようもない状態でセーブする危険は少ないが*19、難易度の高い本作では結構進めて死んでしまうこともあり、やり直しの際「ここからかぁ…」という気分になることも多い。
      • イベント前などのオートセーブの際にも、直前のムービーをまた観なくてはならない。スキップはできるが選択肢があるとそこで止まり、内容を忘れないとか別の選択肢を試せるという利点はあるが、やはり何度もやり直していると面倒臭くなる。
    • セーブは仕方ないとしても、ゲーム中に自由にロードすることもできない。いきなり作戦が失敗したり戦闘がグダグダになった時など、いっそセーブ箇所からやり直したいと思っても、一々タイトルに戻ってそこからロードしないといけない。
      • 死んだ際には最終セーブ地点からやり直す「リトライ」か、タイトル画面に戻る「EXIT」を選び、さらにそれの確認、そしてロード画面でボタンを押して進める必要があり、やや手間が多い。リトライは5秒ほどだが、ゲーム始めを含め改めてロードする際は1分ほど時間がかかるので、何度も死んでやり直すだろう本作ではその積み重ねが地味に辛い。生存者の避難中に死なせたりしてやり直したい時には、あえて敵前に飛び出して、殺された上でリトライするといった手順を選びがちになる。
  • ユーザーインターフェイス関連
    • 本作のメニュー画面は、黒地に白と赤を使った独特な雰囲気のものだが、演出面はともかくやや字が見づらい。同時にアイコンも小さく、色分けなどもされていないため、同系統のガジェットの区別がしづらい。
    • ガジェットを使う際に、系統別のショートカットボタンを押してガジェットホイールを開き、そこから選ぶ方式は、一見多くのガジェットを即座に使えるようで便利に思える。しかし、実際には使用まで最低3つの手順があり、時間も止まらないので、戦闘中に別のガジェットを選ぶのが困難。系統を間違えたり、特にホイールから選ぶ際に、ちゃんと使いたいのを選べていなかったりしやすい。結果、ガジェットを無駄に使ってしまったり、使いたいのが使えないまま死んでしまうといったことも起こりやすい。
    • ガジェットホイールの配置は自動で行われるが、これは設置し忘れの問題こそ無いが、主人公別に配置が異なるので咄嗟に選ぶ時混乱しやすい。手動で配置もできるが、これが非常に解りにくい。円形のホイールに対し、設定画面は横一列に並んでおり、普通に考えれば右か左回りに引き伸ばしたのだと思うだろう。しかし実際は、設定画面左から「ホイールの上→右→下→左→右上→右下→左下→左上」となっている。おそらく、選択しやすい上下左右が優先されるようにそうなったのだろうが、何も知らず設置すると、まず使用時に困惑する。
  • チュートリアル関連
    • 本作では特に序盤、主要な行動の説明が表示される。これ自体は普通で、特に第7世代以降のゲームでは、チュートリアルが序盤のストーリー展開にうまく絡めながら挿入されるのが一般的である。しかし本作の場合、まるで説明書の1~2ページをそのまま表示したような、画像と文字のみの説明となる。これ自体手抜き臭く、しかも結構文量も多い。それが序盤では連続で表示されるため、読んではボタン長押しで消すを繰り返し、さすがに面倒になってくる。実際プレイヤーが操作しながら進めるのに比べて習得できているか分からず、序盤から余裕のない本作では尚更である。
      • 一応、設定からチュートリアルのオン/オフもできる。
      • ロード画面の下には本作の基本操作の説明が表示され、自由に項目を切り替えながら読める。これ自体が説明書の代わりのようになっており、ロード画面からボタンを押して進めるのも、これを考慮してかもしれない。そこを読めば大体の操作には困らないが、全部で60項目以上ある
      • 序盤では画面右側中央にチュートリアルが表示されるが、小さい上にすぐ消えるため読みにくい。
      • メニュー画面からもまた別の「チュートリアル」読むことができるが、これはそのアクションが必要になったときに随時追加されいく。しかし、追加されたアナウンスがないためチュートリアルに気づくことは難しい。
      • いきなり60以上の項目を投げつけてくるものや、すぐ消えるもの、文章量が多いもの、いつの間にか追加されてるものなど、チュートリアルは多いが読ませる工夫がなされていない。
  • 禁止区間について
    • PS4で本作をプレイしていると、「禁止区間に入ったためゲームプレイの録画を一時停止しました/禁止区間が終了したため、ゲームプレイの録画を再開しました」というポップアップ表示が頻繁に出てくる。特にムービー画面の前後で入り、ネタバレ防止のためかと思われる。これ自体はもともとある機能なのかもしれないが、他の大作や有名作品でもあまり見ることがなく、本作で初めて見てびっくりした人もいるかもしれない。しかし録画など関係ない人が多いと思われ、難しい本作では、死んでやり直す度に何十回、あるいは数百回も見ることになるかもしれず、非常に鬱陶しい。
      • これはゲーム側からはどうしようもなく、PS4本体の「設定」から、「お知らせ」→「ポップアップ表示」と進み、「録画の禁止区間」のチェックを外すことで表示されなくなる。しかしそんなこと、情報もなく分かる人がどれだけいるのだろうか。
    • これらを「ネタバレ防止」と捉えるのはまだ好意的な方で、「本作の出来の悪さをスクエニが隠蔽しようとしている」と考えた者すらいた。事前に公表されていた情報は、公式からは当然悪いことは言わないし、ゲーム関連メディアでも「難易度が高い」と言うのに止めていた。制作側が本作の出来をどう感じていたかは分からないが、実際にプレイした後で見ると、システムを淡々と述べているだけの宣伝動画や、おちゃらけた内容のゲームサイトの記事などには、怒りを超えて薄ら寒さを感じる。

その他

  • 武器・弾薬・ガジェット関連
    • 戦死した兵士から拾えるアイテムが完全にランダムな為、まだ手に入らない銃の弾薬が序盤で落ちていたりする。弾薬は重量も無く拾っておいて損は無いが、「銃本体を拾い忘れてるんじゃないか」と不安になる。
    • リモート地雷を設置後にリトライすると、リモート起爆が出来なくなり、敵が踏むと起爆するただのIED地雷になる。
    • パッケージ版初回生産特典のDLCアイテム「Survival Pack」には、銃弾・グレネード・回復アイテム・プロテクターの詰め合わせと共に、本編に登場するアサルトライフル「クリューチ」の特別版「クリューチSP」もあった。ただ、序盤からこれらが使えるからといって、必ずしも楽になるわけでもない。しかもクリューチSPが、ゲーミングパソコンかというような変な赤い光が走ったデザインで、はっきり言ってセンスが悪い。
  • バグ
    • Windows版では「タイトルメニューに戻る」を選択するか、EDムービーに入る直前で大体50%の確率でクラッシュする。
    • 環境によっては100%起動しない、動作環境を満たしているにもかかわらずfpsが極端に落ちる等の問題もある。
+ ラストバトル
  • 本作のラストバトルは、ビルの屋上で生身の主人公対ヴァンツァーという、ある意味ラストバトルらしい絶望的な状況である。当然まともには戦えず、協力者から「攻撃するから座標を指示してくれ」と拳銃型のマーカーを落とされ、それを拾って戦うことになる。
  • 結果、ラストバトルなのに「敵の攻撃を避けながらマーカーで指示し、仲間の攻撃に期待する」という、やや地味で締まらないものとなる。
    • ヴァンツァーには直前に戦ったボスが搭乗しているのだが、こいつは直前のバトルで倒された後に、「覚悟を決めたように弱点を示して主人公がそこを打ち抜き、高層ビルから落下する」という、完全に倒したとしか思えない展開がある。その直後にこれなので、「何なんだよ!」「死んだんじゃないのか!」と突っ込まずにいられない。

総評

  • 伝統ある人気シリーズの世界を使い、豪華スタッフが関わり、大手パブリッシャーから発売された注目の作品。しかし、それらの期待が外れ、空回りし、裏切られた時にどうなるのかを、これでもかと言うほど見せつけられた作品。結果として、歴史に残る程の惨憺たる評価を受けることとなった。
  • 本作は異常に難易度が高い。しかし難易度が高くとも評価されている作品も多く、難しいのが悪いわけではない。しかしそういった作品は、絶妙な調整や確実に実感できる腕の上達、そしてクリアした時の大きな達成感があるからであり、全体の高い完成度があってのものである。翻って本作は、説明不足で出来が悪く、製作者の考えを押し付ける理不尽な仕様ばかりが目立ち、プレイしていてひたすら苦痛しか感じない。なんとかクリアしたとしても、あるのは達成感より、怒りと徒労感だけである。
  • 本作は実質TPSのようだが、敵が強すぎるのでその感覚では進めない。ステルス行動が重要なのだが、不親切なシステムでそれも大変。『FMシリーズ』のファンにとってはヴァンツァーの出番が少なく、使えてもあまり爽快感が無い。つまり、どの要素を期待していた人にとっても期待外れで、どの要素が得意な人も必ずどこかで苦労することになる。
  • 本作の発売時はPS4の円熟期で、そろそろ次世代機の噂も聞こえてきた時期である。さらに税込みで9000円近いというかなり強気な価格であった*20。では本作の出来がそれに見合うかというと、数年か下手すれば10年以上前の作品にも劣るほどの要素が目立ち、発売直後にダウンロードで購入した者は、売ることも出来ず歯噛みすることになった。
  • 本作には、理不尽に感じたり不便に思う点が多々ある。しかし、ゲーム関連サイトなどでの鍋島氏のインタビューによると、どうやらそれらの仕様は製作者の考えで意図的に設定されたものが多いようである。だが実際ゲームをプレイする身になれば、変に製作者の考えを押し付けられても、それが面白いとは限らない。もちろんゲーム製作者には「こうしなければいけない」というのがあるわけではなく、時には批判も承知で路線を変えたり、反対されても自分の考えを押し通すことも必要だろう。しかし最も優先されるべきは、やはり「プレイしていて楽しめる」ことではないだろうか。
  • 確かに本作にも評価できる点はあり、実際「そこまで悪くない」とか「自分は楽しめた」と言う者もいる。本作に憤慨し、評価の声対し批判の声を浴びせる者もいるが、当然個人の純粋な意見は尊重されるべきで、本作に好意的なだけで攻撃されるべきではない。しかし、では本作が悪くない作品かといえば、「クソゲー」と言われて仕方のない作品だと言わざるを得ない。むしろ、昨今の「バグだらけでまともにプレイできない」、「1つだけでもネタになる強烈なクソ要素」、「ゲーム本編とは無関係の、製作者など外部への批判」などでクソゲー扱いされている中、本作は「特に酷いバグも無く、どこか極端なクソ要素があるでもなく、おそらく製作者の考え通りに作られているが、普通にプレイしてただ面白くない」という、今時珍しい「正統派のクソゲー」である。

余談

  • 本作は元々『フロントミッションシリーズ』のタイトルで出す予定だったが、内容がまるで別物になった為タイトルから外されている。同じく本編のシミュレーションからは別物になったアクションゲームである『フロントミッションシリーズ ガンハザード』や『フロントミッション エボルヴ』ですら『フロントミッション』の名がついていることから『LEFT ALIVE』は本当にFMシリーズから外されてしまったとも考えられる。また開発陣もディレクター、メカデザイナー、プログラマーやプランナーがかつてフロム・ソフトウェアで『アーマード・コアシリーズ』などを手掛けた面々であったことから、『アーマード・コア』の精神的続編を望む声もあった。加えて『メタルギア』シリーズのデザイナーであった新川氏や柳瀬氏も関わっているため、そちらの精神的続編としても望まれていた。結果的には本作はフロントミッションアーマード・コアメタルギアのどれにも似ていなかった為、それらのファンを失望させてしまった。本作のPVでロボットでの戦闘を強調していたのも問題であるだろう。
  • 2017 PlayStation Press Conference in Japanで初公開された時にはまだゲームシステムの全貌はわからなかったが、発売3ヶ月前になると情報の公開が次々に行われた。インタビューや生放送ではゲームシステムを正確に伝えたが、ヘッドショット1発で死なない硬い敵、ステルスキルが無いなどユーザーが予想だにしないものであった。
  • 価格
    • 本作の定価は前述の通り約9000円という高価格で、PS Storeなどでは現在も高価格のままである。しかし本作は発売直後から酷評が相次ぎ、パッケージ版の価格は、一月も経たない内に2000円以下という驚異の暴落となった。現在では新品でも500円以下で購入できる
      • だが、よほどの好事家でもない限り迂闊に買わないほうがいい。もし難しすぎて進めなかったり、あるいは本気でキレてしまったという場合は、さっさとプレイするのをやめた方が良い。他に面白いゲームはたくさんあり、貴重な人生の時間を無駄にするべきではない。
  • 平成最後のクソゲー
    • 本作の発売日は、ほぼ一月後に平成に代わる新元号(後の令和)の発表、更に一月後には改元を控えているという時期だった。そんな時に発売され、すぐにクソゲー判定された本作は、誰が呼ぶでもなく「平成最後のクソゲー」と呼ばれるようになった*21
      • もちろん本作発売から改元まで約二ヶ月あるため、人によってはその期間に発売されたどれかが、真の「平成最後のクソゲー」かもしれないが、知名度やインパクトの大きさなどから、「平成最後のクソゲー」といえば本作を指す事が多い。