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機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズDX - (2016/08/11 (木) 23:00:38) のソース

注意:このページでは、AC『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ DX』と、その家庭用移植である『機動戦士ガンダム ガンダムvs.Ζガンダム』について紹介する。
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#contents()
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*機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ DX
【きどうせんしぜーたがんだむ えぅーごばーさすてぃたーんず でらっくす】
|ジャンル|チームバトルアクション|~|
|対応機種|アーケード|~|
|販売元|バンプレスト|~|
|開発元|カプコン|~|
|稼働開始日|2004年8月13日|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ガンダムVS.シリーズリンク>ガンダムVS.シリーズ]]''|
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**概要
「ゲームセンターを過疎から救った」とさえ呼ばれた、vsシリーズの第4作目。通称『ZDX』『エウティタDX』。&br()前作に当たる『エゥーゴvs.ティターンズ』は、ファーストガンダムの続編に当たるZガンダムを舞台にし、「ハイパーコンビネーション」「変形」などの要素を取り入れ人気を得たものの、ゲームバランスはお世辞にも前作の良質なバランスを引き継いでいるとは言えなかった。&br()そのアップデート作品に当たるのが、この『ZDX』である。&br()&br()この作品の次の作品『連合vsザフト』は操作系を中心に大きくシステムを変更してしまったため『連ジ』を引き継いだ作品はこの作品で最後となっている。


**特徴・新要素
-無印エウティタの記事が存在しないため、この項目ではエウティタで追加された新要素にも触れていく。

-''変形''
--Zガンダムといえば、ファンから「変形MSの見本市」と呼ばれるほどに可変MSが多数登場し、劇中でもそれを生かしたアクションを多数見せてくれた。もちろんこのゲームでもそれは顕在で、可変機は変形することができる。
---大雑把にいってしまえば「第二のブースト移動」。射角などは大幅に制限されるものの、機動力をはじめとした恩恵が得られる。また、射角の狭さを逆手にとった、射撃を相手の移動先に置いておくテクニックも発達。
---また、一部の機体には「半変形」という機能も搭載されている(ざっくり言ってしまうならガ◯ォーク)。

-''覚醒システム''
--前作で搭載された「ハイパーコンビネーション」の発展システム。前作では単なるパワーアップだった効果が強襲・機動・復活の三種類に分化。&br()各種行動で増加する覚醒ゲージを溜めていき、最大まで溜まった後自分と相方プレイヤーがスタートボタン二度押しすることで発動(復活は例外)。自軍の機体が一定時間特殊な能力を得られる。
--以下、覚醒の特徴など。
--&color(orange){強襲}
---効果時間8秒。攻撃力、防御力、機動力が若干増加し、攻撃モーションが高速化。さらにスーパーアーマーも付加される。また、効果時間中に攻撃を当てるとわずかに効果時間が延長される。
--&color(blue){機動}
---効果時間15秒。機動力が大幅に増加し格闘範囲も強化される。
--&color(red){復活}
---自機もしくは僚機の撃破が発動条件。撃破された機体がHP1/4の状態で復活し''その1機のみが''一定時間強化される。その際の効果時間は10秒。
---防御力が大幅に上昇、さらに強襲とほぼ同程度の割合で機体が強化される。
---また、復活する際は機体が一部破損の状態になるため、特定行動に制限がかかる場合がある。

-''新規機体の大量追加''
--今作では雑魚機体も含めてテレビ版Zガンダムに登場したMSが(一年戦争時代のMSVを除いて)全網羅された。
--『連ジ』からのプレイヤーへのサービスも意識してか、一年戦争時代のMSも引き続き参戦。機体総数は約50機にも上る。
---また、''対戦でボス級の大型機体が使える''という、この作品が最初で最後の要素も搭載している。
--ちなみにPS2版の無印エウティタの時点で(ミッションモードを作るにはさすがに機体が少なすぎたのか)ディジェやマラサイなどの機体が追加されていた。DXではそれらの機体にも調整が施されている。

-''CPU戦ルートの調整''
--元々複数あったルートに明確に難易度をつけることで差別化&わかりやすく。


**長所
-''歴代トップレベルの機体バランス。''
--殆どの機体に活躍のチャンスが与えられた。中でも人気が高いなどの理由で多くプレイヤーに使われた機体を紹介。

#region(主要機体解説)
-ガブスレイ
--可変機。コスト310。
--コスト310唯一の可変機であるという点が最大の長所。コスト275の可変機と組んでの片追いが非常に強力。
--射撃、格闘共に種類が豊富でしかもどれも優秀。立ち回りの幅の広さで並べる機体はいない。

-シャア専用ゲルググ
--非可変機。コスト310。
--相変わらず優秀なBRを持ち、機動力も(非可変機としては)最高クラスなのが長所。
--満遍なく高性能でなおかつワンチャンスを掴んだときの爆発力も驚異的。ガブスレイとは対照的な機体。

-ガンダム
--非可変機。コスト310。
--シャア専用ゲルググほどではないが優秀なBRと高い機動力を誇る。扱いやすい万能機。上記2機に比べると耐久力+シールドの使いやすさで勝る。
--連ジから続投の万能機ということで使用率は高かったが、実は上位陣と比べると欠点が目立つ部分も。

-ギャプラン
--可変機。コスト275。
--通常のBRと隙は大きいが威力が高くダウンも奪える2発発射のBRを持つ。弾数は共有だがリロードは平均よりも速い6秒。
--可変機なので機動力も非常に高い、最も安定した隙のない機体。弱点はBRの発生が少し遅いことくらい。

-アッシマー
--可変機。コスト275。
--武装がBRしかない(ビームサーベルすらなく、接近戦はパンチやキック)が、威力が高くダウン属性持ちで誘導、銃口補正、発生、銃身の長さすべてにおいて優れる。良くも悪くもこれが生命線。
--MA形態は速度は遅いがその分変形持続が長く旋回も早い。MA形態がメインでMS形態はオマケといってもいい。
--守りは弱いがそれを補って有り余るほど攻めが強い。長所短所のはっきりした機体。

-Zガンダム
--可変機。コスト375。
--最高コストを誇る主人公機らしく隙が無い性能。ビームライフル・ハイパーメガランチャー共に尖った強みを持つ。
--弱点はやはり最大コストからくる相方との噛み合わせ。最良の組み合わせである200~195にも優れた機体はいるものの、上記「310+275」コンビと比較すると流石に性能差の大きさから安定感の無さが大きく出る。

-メタス
--可変機。コスト195。
--低コストの数少ない可変機。航空能力と援護能力に優れており、原作通りZガンダムとの相性は抜群。
--但し攻撃性能は高くなく、相方の活躍に大きく依存してしまうのが一番の弱点。

-以下ジオ、バウンドドック、パラスアテネ、ハンブラビ、ハイザック、ゾック、ゴッグなど新旧入り混じった多くの機体が使われた。

//主人公機であるZになんの説明がないのもアレなので、最良の相方であるメタスとともに追加。

#endregion

--ただし、「特定の範囲内に限れば」という条件がつく。詳しくは後述。

-基本的なシステムは『連ジ』から引き継ぎ。
--初心者でも気軽に楽しめ、それでいて熟練者でも満足できる奥の深いゲーム性は健在。

-覚醒による連携性の強化。
--三種類の覚醒はそれぞれ特性が違うので、あらかじめその覚醒と相性のいい機体で揃えてコンビを組むといった要素が生まれた。
--覚醒の発動には自分と相方双方がタイミングを合わせて通信ボタンを押す必要があるため、相方との意思疎通がより重要に。
--覚醒ゲージ自体も「僚機がロックしている敵を攻撃」「僚機を攻撃中の敵を攻撃」「僚機を対象とした攻撃を代わりに被弾」などの行為で増加量が増す。

-原作でもポイントの一つであった、変形を上手くゲームに取り込んでいる。
--『連ジ』のシステムをほぼそのまま継承しているものの、可変機が主役となったことで戦術は一変。様々な可能性が模索され、対戦も盛り上がりを見せた。
--非可変機との格差という課題は残ったが、全体的に攻め優位なバランスになったことや原作を忠実に再現した変形機構などにより概ね高評価。

-『エゥーゴvs.ティターンズ』からの細かな調整。
--さすがに可変機が強すぎたと判断されたか、ほぼすべて下方修正される。
--一部バランスを悪化させていたバグも修正。
&br()

**短所
-やはり参戦機体が多いだけに全体で見るとバランスが良いとは言い難い。特に一年戦争時代のMSは全体的に性能が低めであり、コスト的に見ても「基本的にはオマケ」といった意図が見て取れる調整が散見される。
//--長所で挙げた「特定の範囲内に限れば」バランスがいいというのは「Ζ時代のMS+連ジ時代の一部MSに限定すれば」ということである。
--一年戦争時代のMSは前々作から見れば弱体化されており、使えるといってもコレジャナイ感が拭えない。
--尤も原作設定では初代ガンダムの性能はΖ時代の雑魚であるネモ(200)を下回り(装甲以外は)ジムII(170)並のはずなので、「後継機であるmk-II(295)より強いどころかガブスレイ並みの強MS」と言う方が原作無視なのだが。
---なお後の『ガンダムvsガンダム』では(年代無視のお祭り作品だからか)開き直った設定となっている((設定的には登場MSの中でも最弱レベルのはずの初代ガンダムが中コスト機体扱い。))。

-「死にコスト帯」の問題。新旧多くの機体を参戦させた結果必要以上にコスト分けが細分化されてしまい、コスト的にベストな組み合わせになる相方がほとんどいない、あるいはまったくいないという機体が数多く誕生してしまった。
--「撃墜された機体の総コストが600に達すると負け」というルールのため600未満でかつ600に近くなるように組むのが理想的なのだが、&br()一例を挙げると250・225のコスト帯は''最適な相方のコストがバウンドドック(350)・サイコガンダム(325)のたった2機しかいない''。このコスト帯にはZ時代MSではリック・ディアスやマラサイにバイアラン等、一年戦争時代MSではゲルググやガンキャノン、シャア専用ズゴック等がある。
---例に挙げたリック・ディアスの赤は不整合に苦しむコスト帯ながら対戦でも比較的通用する良機体であり、コスト275帯との差はそれほどでもない。つまり性能から見た機体バランスが良好であるが故に、わざわざコストを細分化する意味はあったのか疑問が残る。
---そして250よりさらに性能に溝の大きい225帯は異常に厳しい。
--この死にコスト帯には一年戦争時代のMSの多くがこれに該当する。Z時代のMSでもいくつか該当する機体が存在し、単体での性能は悪くなくともほとんど見かけることはないという不遇な立場に追いやられることに。
--余談だが、低コスト帯の145・150・160・170は、自身が2機までやられても可という計算でそれぞれ300・295・275・250の相方を組めるため、前述の250なども含め細分化にまったく意味がない訳では無い…が、それが有用な戦力バランスかと問われれば否である。

-『連ジDX』で存在した数々の小技がことごとく削除。
--本来はバグであったと考えられるため仕方ないのだが、プレイヤーからは完全にテクニックとして認識されていたため反発も大きかった。

-格闘があまり出番がない。
--上級者同士の対戦ともなると、格闘はハイリスク過ぎて一部を除きあまり振られることがなくなってくる。ハイレベルのプレイヤー同士の戦いになると''細かい移動で相手の様子を伺いつつローリスクな射撃武器を刺しあう''という一見地味な戦いが繰り広げられる場合が多い。
--これにより格闘が半ばロマン技になってしまったばかりか、絵的に華がなくなってしまった。そのため一見さんは「つまらなそう」と思って帰って行ってしまうことも多かった。
---念のために言っておくと、''この地味な戦いの裏ではプレイヤー間で高度な駆け引きと研ぎ澄まされた反射神経が火花を散らしている。''%%人型である意味が無いけど…。%%

-掟破りのサイコガンダム。
--いわゆる「エネミー用巨大機体」であるサイコガンダム・サイコガンダムMk-IIが今作では''対戦で使えてしまう''。
--通常の約4倍という圧倒的な防御力に加え、ビーム射撃に対して完全無敵となれる。そのため、ステージや相性によっては対戦にならず、多くのゲーセンではサイコガンダムの自粛が暗黙の了解だった。
---もっとも、ミサイルやバズーカといった実弾射撃にはほぼ無力で、一度勝ったとしても即座にそれらを持つ機体に乱入され負けることになるのが目に見えていた、という事情もある。

**総評
vsシリーズ、名作と誉れ高い「連ジ」の血を継ぐだけあって非常にハイレベルな名作に仕上がっている。実際ゲームセンターではかなりの人気で、数こそ少ないが、今でも大型のゲームセンターでは姿を見ることができるほど。&br()Z時代のパイロットになりきって遊ぶもよし、対戦を極めるも良し。数年前の作品とは思えない、今でも一線で通用するクオリティを持ったvsシリーズの名作と言っても過言はないだろう。&br()身近なゲーセンでその姿を見かけたら、コインを投入してみても損はない。

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*機動戦士ガンダム ガンダムvs.Ζガンダム
【きどうせんしがんだむ がんだむばーさすぜーたがんだむ】
|ジャンル|チームバトルアクション|&amazon(B00067HMNU)|&amazon(B00068WKIQ)|
|対応機種|プレイステーション2&br()ニンテンドーゲームキューブ|~|~|
|発売元|バンダイ|~|~|
|開発元|カプコン|~|~|
|発売日|2004年12月9日|~|~|
|定価|7,140円|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|

家庭用ゲーム機には『機動戦士ガンダム ガンダムvs.Ζガンダム』のタイトルでPS2とGCに移植された。
-機体にZZガンダムとキュベレイMk-IIが、パイロットにジュドー、プル、プルツー、ハマーン(ZZver.)が追加された。
--ZZガンダムは原作にあった変形・分離機構は再現されていないものの、高い攻撃力と機動力を誇る機体になっている。メイン武装はダブルビームライフルとダブルキャノンの選択式で、格闘も全く異なるという作り込み。両武装とも代名詞のハイメガキャノンは使用可能。
--キュベレイMk-IIもキュベレイの単なるコンパチではなく、射撃・格闘ともに全く異なる機体になっている。

-エウティタの時にはオミットされていた一年戦争時代のMAが復活。無論、条件さえ満たせば対戦モードで使用可能。

-機種によって内容には若干の差があり、PS2版は通信対戦が可能だった(現在はサービス終了)。GC版は通信対戦が出来ない代わりに、画面を四分割しての四人対戦が可能となっている。

-従来のミッションモードに当たる「宇宙世紀モード」が追加。原作に沿ったミッションと、ステージ内で特定の条件を満たす(例:ソロモン宙域でララァのエルメスを撃破しない)とストーリーが分岐してifストーリーも体験できる。
--無名のパイロットで進めるのではなく、「ガンダム」と「Zガンダム」に登場するパイロットの視点で進めるミッションモード。
--''ミッション数は700以上''と凄まじいボリュームだが「同じ内容で操作キャラが違うだけ」の水増しミッションが''大量''にあり、だれやすい。
--ifミッションでの会話は、殆どが既存のボイスで賄っている為、不自然な会話のやり取りも目立つ。
---&bold(){ガルマ}が「ジオン公国に栄光あれー!」と叫びながら&bold(){ガルダ}で突っ込んで来たり、リックディアス隊を連れた&bold(){クワトロ}が「アポリー、ロベルト、あの黒いガンダムを奪うぞ!」と言った視線の先に&bold(){黒くてデカいガンダム}が歩いていたり、ボイス流用を逆手に取った珍風景は必見。
--ぶっ飛んだifストーリーが多く、ジオンの系譜にあった「シャアが早々にネオジオンを結成し地球連邦軍と戦う」「サビ家一同が生存し一年戦争で勝利、ティターンズvsジオンの戦いが勃発((その際カミーユ&Zガンダムがティターンズ側の戦力として立ちはだかる等、ほかのゲームにはあまりないシーンも。))」といったものから「生存したララァが連邦のNT研究所に連れて行かれ、NT研究が異常な速さで進む」などバリエーション豊富で作りこんである。

-「コレクションモード」というオマケ要素が初登場。
--これはゲームをプレイすると手に入るポイントを使用し、MSのフィギュアやサウンド、隠し特典などのコレクションアイテムを手に入れるというもの。
--手に入れたコレクションアイテムは好きなときに閲覧可能。MS・MAの解説文とともにモデルビューアで好きな角度から鑑賞でき、変形もじっくり眺められる。他にもサウンドプレーヤーになったり、覚醒時のキャラの掛け合いが聞ける、好きな組み合わせの出撃デモが見れるなどなかなか好評。
--またMAなどの隠し機体もここで手に入れる。条件を満たす必要こそあるものの旧作のようにアーケードモードでMAを撃墜する必要がなくなったので、MAの撃破が苦手だったプレイヤーにはありがたい((ただしサイコガンダム及び、同Mk-IIは撃墜する必要がある))。

-ZZの参戦に伴い、BGMにZZのOP曲、「アニメじゃない」と「サイレント・ヴォイス」が追加。
--しかしZのOP曲である「Z~刻を越えて~」「水の星へ愛を込めて」は何故か削除された。
--この2曲はファンの間でも人気の高い曲であること、ファーストの曲である「哀戦士」「めぐりあい」「シャアが来る」は旧作同様に使用されておりZの曲のみが収録されていないこと、前作であるPS2版のエウティタではこの2曲が使用されていたということから「この2曲が入っていれば完璧だった」と嘆くファンも多い。
--Zの曲は版権料が高額で、入れたくても入れられなかったのではという話もある。後のVSシリーズでもアニメ版Zの主題歌''だけ''が採用されていない。((「EXVS」以降では劇場版基準になったということもあり、そちらの主題歌は起用されている。))