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WWFレッスルマニアチャレンジ

【だぶりゅだぶりゅえふれっするまにあちゃれんじ】

ジャンル スポーツ(プロレス)
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 1MbitROMカートリッジ
発売元 ホット・ビィ
開発元 Sculptured Software
発売日 1992年3月27日
定価 5,300円
プレイ人数 1~2人
判定 クソゲー
ポイント 1992年の作品なのにゲーム内容や技バリエーションが貧弱
なぜか空中制御できる飛び技
出来は悪いが同時期のWWFゲー3本の中では一番マシかも


概要

1992年3月にホット・ビィから発売されたファミコンロムカセットソフトで、実在団体WWF(現:WWE)公認のプロレスゲーム。
関連作としてゲームボーイで『WWFスーパースターズ』が1か月前にあたる2月に同じくホット・ビィから発売されており、BGMが一部共用されている。

なおタイトルの「レッスルマニア」とはWWFの実際の興行の名称であり*1本作がマニアックなゲームという意味ではない。


内容

  • ゲームボーイ版や後述のスーパーファミコン版と違い『ファイプロシリーズ』のようなクオータービューのリングで戦うプロレスゲーム。
    • レスラーは実在団体WWFの実在選手8人とオリジナルキャラ「YOU」の全9人から選択が可能。
    • なお、この「YOU」を選ぶとWWFの実在レスラー8人に戦いを挑む形になる。本作の「チャレンジ」とはプレイヤーの分身にあたる「YOU」でWWFのレッスルマニアに参加してそのスターたちに挑んでいく構図を指していると思われる。
      • また2人の「YOU」がタッグを組んでWWFレスラー8人(4チーム)相手に挑むこともできる。
  • 技をかける方法は相手との位置関係で決まり、AまたはBで技を出せる。
    • 投げ系統の技は不発に終わるとレスラーは両手を広げる。
    • これも、ゲームボーイ版同様「連打依存でタイミングが偶然合えばかかる」という感覚に近い。
  • コーナーポストには近づいてAB同時押しで上ることができる。
    • その状態でAならばリング内に、Bボタンならばリング外に向かって飛び技を繰り出す。下ボタンで何もせず下りる。
    • なお、登場レスラーのうちアンドレのみコーナーポストには上れない。
  • ダウン状態の相手の近くでAボタンで攻撃、Bボタンでフォールする。
    • フォールされた場合、左右ボタンの連打で体力に応じて返すことができる。
      • またこれは絞め技をほどくのも同様。
      • 絞め技はかけられているレスラーの体力がゼロになったら自動解除となる(つまりギブアップはない)。
    • 体力はリングサイドにゲージで表示されている。体力は時間経過でジワジワと回復する。
    • ゲームボーイ版同様ロープブレイクはない。
    • リング外に出ているとカウントを取られ10カウントで負けとなる。
  • タッグなどで、主導権を持っていないレスラーは半透明になる。
    • また主導権を持っていないレスラーがリング内に乱入できるが、その間もリングアウト時と同様のカウントを取られ10カウントまでにエプロンに戻らないと負けとなる。

ゲームモード

シングルマッチ

  • 1対1のスタンダードな試合。
    • 「YOU」を選んだ場合、WWFレスラー8人を相手に総当たりの試合を行い全勝すればクリアーとなる。
      • 一度なら負けてもリマッチするか選択できる(実質的なコンティニュー)。
    • 「YOU」以外を選んだ場合、1対1の単発試合を行う。当然だが相手側に「YOU」はいない。

タッグマッチ

  • プレイヤー同士の2対2の対戦、
    • レスラーを自由に選んで対戦する。

イリミネーション

  • 3対3の団体戦を行う。上記2モードのような対CPUとの総当たり戦は行わない。
    • フォールやリングアウト負けした者から退場し相手側を全員退場させた方が勝ち。
    • ただの団体戦ではなく脱落していないパートナーとはタッグ同様にタッチで交代可能。

プレイヤー協力タッグ

  • 2人協力でCPU8人(4チーム)相手に総当たり戦。
    • 二人とも「YOU」(色が若干違うだけで同性能)で固定のため、このモードを選ぶとすぐ試合に入る。
    • シングル戦同様に、負けた場合一度だけリマッチができる。

収録されているレスラー

  • WWFレスラー

ハルク・ホーガン
アルティメット・ウォリアー
ブルータス・ビーフケーキ
リック・ルード
ランディ・サベージ
ハクソー・ジム・ドゥガン
ビッグ・ボスマン
アンドレ・ザ・ジャイアント

  • オリジナルキャラ

YOU


問題点

  • 技の種類が貧弱。
    • パンチなどの打撃技を含めて1人あたり6種類しか技がない。
    • ボディスラムやブレンバスターなど投げ技は威力の差がないガワだけも同然。
      • スープレックスは実質バーティカルスープレックス(ブレンバスター)のみで、パワーボムやパワースラムどころかバックドロップすらない。当然技からのダイレクトなフォールもない。
    • ダッシュ技やハンマースルーが実装すらされていないため、プロレスでも特に躍動感を生み出しているロープワークの持ち味が出せていない。
    • こんな体たらくなので本来のプロレスらしい盛り上がりとは程遠く、小技ばかりをチマチマ繰り返す塩試合にしかならない。
      • とはいえ、これでも同時期に発売されたゲームボーイ版やスーパーファミコン版を思えば一番マシだったりするが、あくまでも比べる対象がもっと悪いだけといった方が正しい。
  • 走り動作が走っている感じがないうえ、ほとんど意味がない。
    • 一応、同方向2回連続押し(ただし2回目は押しっぱなし)という、そこそこ慣れ親しまれた操作性ではあるものの、すぐ止まってしまうので使いにくい。
    • しかもそのスピードさえ普通に歩くのと大差がなく無意味に等しい。
    • そもそも相手をロープに振るハンマースルーやダッシュ技がないため走りを使う意味がほとんどない。
      • このせいかホーガンの象徴的な技「アックスボンバー」(ダッシュから繰り出すエルボーラリアート)が実装できていない。
  • 勝利者をリスペクトしない試合後のメッセージ。
    • 試合が決着すると「○○はマケタ フォールマケ」「○○はマケタ シッカク」(リングアウト等の10カウント時)と勝者を差し置いて敗者を名指しする。
    • そこはどう考えても勝者の名前を出すべきだろう。
  • 本作のコンセプトと思われる「YOU」でWWFレスラー8戦(タッグなら4戦)を勝ち抜いても特別なエンディングなどはない。
    • 普通にWWFレスラーを選んで1対1の単発対戦に勝った時と同じ「メインイベントノショウシャ」という文字とキャラの選択時と同じ顔グラが出るだけ。
  • 「YOU」もいわゆる「プレイヤーの分身」ではない。
    • 特にプレイヤー好みにカスタマイズできたりするわけではなく単なるスタンダードな技を持つ当たり障りないオーソドックスレスラー。
    • 名前が入力できるわけでもないので、ただ「YOU」という名の架空レスラーにすぎない。
  • プレイヤー対戦のタッグやイリミネーションの選択の仕方がちょっとややこしい。
    • まず「プレイヤーVSプレイヤー」を選ぶ→1P・2Pがレスラーを1人ずつ選ぶ→モードを選ぶ(シングル・タッグ・イリミネーション)→タッグやイリミネーションなら残りのレスラーを選ぶ。
    • 普通にモードを先に選択させる方がスムーズだっただろう。
  • タッグ等ではタッチワークがしにくい。
    • ボタンが少ない都合上、自陣コーナー側でBを押しながら、その方向を2回押す方式で失敗しやすい。

賛否両論点

  • ミサイルキックやドロップキックなどの飛び技の軌道がある程度空中制御が可能。
    • 普通に考えると不自然だが、ゲームとして割り切れば技術介入の幅が広がるので面白い部分といえるかもしれない。

評価点

  • 相対的にはなるが、同時期に発売されたWWFのプロレスゲーム3本の中ではレスラーの固有性が最も高い。
    • ゲームボーイ版はレスラーも固有必殺技は1つしかなく他は全く同じ、スーパーファミコン版に至っては技はもちろんステータスも10人まったく同じでまさしくレスラーの個性をガン無視。
      • その点本作は多少ではあるが技の固有性があり多少ながらステータス差がある。
    • また上記の通りギブアップにこそ持ち込めないが絞め技も少ないながら搭載されている。
  • これも相対的ではあるがゲームモードが一番豊富。
    • ゲームボーイ版は5人のレスラーによるシングルマッチのみで技も固有は必殺技1つしかなく他は全く同じ、SFC版はシングル、タッグ、4VS4の団体戦の3モードあるがどれも1試合の単発戦のみ。
      • そのためシングル・タッグ・3VS3の団体戦、さらにシングルとタッグは試合数が少ないながらも総当たり戦ができる本作が最も充実している。
  • それなりにスピーディーな試合ができる。
    • プレイアブルキャラのサイズが小さいことが功を奏したか、このあたりはファミコンの標準レベルは満たせている。
    • グラフィックもドットが粗めではあるが、特徴はそこそこ捉えられている。
  • 豊富なBGM。
    • 各レスラーのテーマがそれぞれ用意され、試合中は優勢な方のテーマに変わるなど、ここに関してはそれなりに盛り上げる工夫は見える。

総評

プロレスゲームとしては技が少なすぎる上に、ロープワークやフィニッシュとなるような大技もないため終始小技応酬の塩試合にしかならず、これでは対戦も盛り上がらない。
本作の主目的と思われる「YOU」で総当たり戦を勝ち抜いても特別なエンディングがないなど全体的に内容が薄い。
レスラーバリエーションは9人と時期を考えれば少ない方で、いくらファミコンとはいえ1992年作品であることを考えるとボリューム不足が顕著。
プロレスゲームの代表格となる『ファイプロシリーズ』同様のクオータービューになったとはいえ、見た目こそ似ていても中身はまるで別物同然で一枚も二枚も劣るどころか足元にも及ばない出来。
一応同時期に発売された同じWWF公認プロレスゲームのゲームボーイ・スーパーファミコンの2作品は本作の比ではないほど内容が薄い「手抜きだけの最悪なクソゲー」なので、これでも同時期に発売されたWWFプロレスゲームの中では一番マシな出来ではあることがWWFファンにとってはささやかな救いか。


その後の展開

  • ホット・ビィによるWWFのプロレスゲームは本作が最後となった。
    • 直後の4月24日WWFのシリーズ作品はアクレイムジャパンが『WWFスーパーレッスルマニア』をスーパーファミコンソフトとして発売。
      • ハード性能もあってグラフィックこそ良いものの中身は全レスラーが見た目以外全く同じという衝撃の手抜きクソゲーとなった。
    • 1993年5月21日にゲームボーイソフトとして『WWFスーパースターズ2』を発売。
      • 前身作『WWFスーパースターズ』のタイトルを受け継いだ続編ながら、これもアクレイムジャパンからの発売。

余談

  • この後もアクレイムジャパンによりWWFのゲームが発売されたが、ファミコンでは発売されなかったので本作はWWF公認唯一のファミコンソフトということになる。
  • 本作のタイトルにもなっている現実のWWF(現:WWE)で行われる一大イベント「レッスルマニア」も3月または4月に開催されており、それは当時も現在も変わらない。
    • それを冠した本作や上記のスーパーファミコン版は現実の開催時期と被らせて話題性を高める狙いがあったものと思われる。
    • 1996年のスーパーファミコンソフト『WWFレッスルマニア・ザ・アーケードゲーム』も3月1日に発売されている*2
  • 「人間山脈」「大巨人」の異名で日本でもその存在感を放ったアンドレ・ザ・ジャイアントは1990年にWWFを退団し、その後は全日本プロレスのリングで活動をしていた*3ので本作で登場しているのは特例的措置と思われる。
    • そして翌1993年1月に46歳の若さでこの世を去った。そのため翌年以降の作品では登場できず直近のゲームボーイ・スーパーファミコン2作品でも出ていないため本作が唯一の登場となった。

最終更新:2026年05月04日 10:23

*1 『全日本プロレス』の「ジャイアントシリーズ」「サマーアクショシリーズ」等のようなものといえばわかりやすいだろう。

*2 ただしセガサターン版はその移植と言うこともあって同年8月9日とズレた時期になっている。

*3 ジャイアント馬場との「大巨人コンビ」や、そのコンビで「ランドジャイアンツ」(2人とも2m13cmのコンビ)と行った「オール2m超の巨人タッグマッチ」は特に有名。