WWFスーパーレッスルマニア
【だぶりゅだぶりゅえふすーぱーれっするまにあ】
| ジャンル | スポーツ |  | 
| 対応機種 | スーパーファミコン | 
| 発売元 | アクレイムジャパン | 
| 開発元 | Sculptured Software | 
| 発売日 | 1992年4月24日 | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| 定価 | 8,800円 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | レスラーの能力差一切なし 締め技・関節技がない
 レスラーのグラフィック自体は悪くない
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概要
アメリカの実在するプロレス団体WWF(現:WWE)のレスラー10人が登場するプロレスゲーム。
ルールは実在のプロレスと同じでフォールして3カウント。場外では10カウントでリングアウト負けとなる。
体力ゲージが画面上部にあり、ダメージを与えることで減少し、フォールが決まりやすくなるというオーソドックスなシステム。
体力が明示されているので、初心者でもわかりやすい。
シングルマッチ、タッグマッチが可能。
なお「レッスルマニア」というのはWWFのプロレス興行の名称。
登場レスラー
ジェイク・ロバーツ
ランディ・サベージ
ジ・アンダーテイカー
ハルク・ホーガン
ホーク・ウォリアー
アニマル・ウォリアー
アースクエイク
タイフーン
デッド・デビアス
シッド・ジャスティス
問題点
レスラーはたった10人 違うのは見た目だけ
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登場するレスラーの総数10人というのは少なすぎる。
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そして最も致命的なのが、レスラー10人が同じ技しか使えない。更にスタミナや打たれ強さも全く同じ。
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その技もオーソドックスなものばかりでパンチ、キック、ドロップキック、クローズライン(ラリアット)、ショルダータックル、ボディスラム、ヘッドバッド、バーティカルスープレックス(ブレーンバスター)、エルボードロップ、ニードロップ、ハンマースルーとたったこれだけ。
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「技が均一で乏しい」=「とことんシンプルな操作性」で低年齢層向けのエントリーソフトとして開発されている。日本人だとわからないと思うが、1990年代初頭のWWFは、今日のオトナ向け路線とは180°異なるファミリー路線のコンテンツで、テレビのWWFを見たアメリカのチビっ子向けのヒーロー物のアクションゲームと言えばしっくり来ると思う。つまり他のプロレスゲームと比較したり、プロレスゲームとして評価するのがそもそもの間違いである。
 
CPUの強さがヌルすぎる
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「EASY」「NORMAL」「HARD」とあるが、HARDでも相当弱い。
動きがもっさりしていて全然迫力がない
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キャラがでかくてグラフィックはそれなりによく描けているが、いかんせんスピード感がない。
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特に走りがひどく、ドタドタと音だけムダに立ててスピードはやたらのんびりしている。
プロレスの勝ちパターンの1つ「絞め技、関節技によるタップアウト(ギブアップ)」がない
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勝ちはピンフォールによる3カウントかリングアウト。
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それもそのはずで、スリーパーホールドやベアハッグなどの絞め技、関節技が一切ない。
 
単純に1試合を戦うだけで目標にできるものすらない
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対戦プレイ特化のゲームという意味で解釈しても、こんな単調極まりないのではすぐ飽きてしまうこと間違いなし。
試合中のBGMがない
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BGMを使わずザワザワとざわめきの効果音のみというのはプロレスの会場をイメージしたものだろうが、ゲームとしての盛り上がりに欠ける。
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またリアル路線を追求しているという理由だとしたら画面上部に表示されている体力バーはどう考えてもリアル気分を壊すものでしかない。
 
何一つ褒めようもない上にネタにすらならないという救いようのなさ
評価点
性能で劣るハードでももっとマシなプロレスゲームはゴマンとあるのでハッキリ言って何もない。
妥協に妥協を重ねたうえで強いて挙げるなら…
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リングアナがおり試合開始前にレスラーが体重まで本格的なコールがされる。
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オール英語で読みづらいが、元々アメリカのプロレスなのでまあ雰囲気には合っている。もちろん英訳してまで読みたいかと言えば…
 
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一応選択画面の顔グラはリアルで、レスラー選択画面でカーソルを合わせておけばそのレスラーのテーマが聴ける。
総評
レスラーのグラフィックはよくできているので、タイトルの通りWWFのマニアがお気に入りレスラーでプロレスを楽しむためのゲーム…と言おうにもレスラーの個性もクソもないのでマニアならむしろバカにされているとしか思えず怒りそうなレベル。
スーパーファミコンの性能を全てグラフィックに注ぎ込んだという言い訳ができなくもないが、ゲームとしてはあまりにも貧相すぎて話にならず、レスラーの個性をガン無視していては見た目だけ似ていたところで本末転倒。
褒めるどころか擁護する点すら皆無というのもある意味珍しい。俗に言う「クソゲー」とて大多数は、ネタとしての輝きや個性を持っていたりもするがそれすらもないので「もはや存在する価値なし」と言っても過言ではない。
こんなものを買った人は金をドブに捨てた気持ちにしかならなかったはずだ。まして8,800円で新品購入した人の気持ちは察するに余りある。
まあ100円以下で売っていたならクソゲーの底辺見たさという興味本位で買ってみてもいいかもしれない。
余談
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本作の海外版の発売元はアクレイム本家ではなく、当時既に子会社となっていたあのLJNになっている。同タイトルのGENESIS版もあるが、登場するレスラーが8人に減っており、ホーガン、テッド・デビアス、ランディ・サベージ以外は別のレスラーに差し替えられている。
 なお、LJNはゲームのほかにもフィギュアを販売しており、WWFのレスラーたちのフィギュアもあった。
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本作の1ヶ月前(3月27日)、ファミコンでも『WWFレッスルマニア チャレンジ』(発売元:ホット・ビィ)というゲームが発売された。
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こちらは別にキャラはでかくないしグラフィックもチープだが、9人のレスラーに能力差がある。同時に多少操作しにくいが動きもそれなりにスピーディーで、ゲームモードも「3対3のイリミネーションマッチ」や「プレイヤー2人VSCPUの協力タッグ」など選択の幅がある。
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また登場レスラーに「人間山脈」という異名を持ち巨体レスラーとして名をはせていたアンドレ・ザ・ジャイアントも登場している。
 
最終更新:2025年07月26日 03:03