Counter-Strike: Global Offensive
【かうんたーすとらいく ぐろーばるおふぇんしぶ】
ジャンル
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FPS
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対応機種
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Windows
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メディア
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DVD-ROM/ダウンロードソフト
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開発元
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Hidden Path Entertainment Valve Software
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発売元
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Valve Software(海外/Steam) サイバーフロント(国内パッケージ版)
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発売日
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2012年8月21日
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定価
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無料(2018年12月より)
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プレイ人数
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1~18人
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レーティング
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ESRB: M
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判定
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スルメゲー
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ポイント
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e-Sportsジャンルの古豪 原点にして環境の在り方に一石投じた 公式でリアルマネーも稼げます(!?) 初心者には厳しい環境
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Counter-Strikeシリーズ
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概要
Valveによるファーストパーソンシューティングゲームであり、俗にいうリアル系FPSジャンルの古参格。『CS:GO』と略される。
プレイヤーはテロリストチーム(以降Tチーム)とカウンターテロリスト部隊(以降CTチーム)に分かれて戦う。
初代である『Counter-Strike』はValve社より発売された作品『Half-Life』の元MODで、これをプレイしたいがために『Half-Life』を購入するという逆転現象まで起こっていた。
そのためMODチームをValveが雇い入れる形で、『Half-Life』からスピンアウトされた1つの作品として続編が制作される形になった。
そして、本作は過去に販売された『CS』シリーズ作品の移植作ではなく、フルリメイクである。
ピーク時には同時接続数が67万人(放置も含む)を超える欧米人気を誇り、e-Sportsの大会では常連といえる作品で世界大会も開催されたりしたという歴史を持つ。
特徴
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当時のSourceEnigneの最新版を使用しグラフィックの一新が図られており、前作『Counter-Strike:Source(以降CS:S)』よりも美麗な表現になっている。
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新規の武器追加及び既存武器の変更、『CS:S』に比べて武器への変更がほぼ全てに行われている。
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武器のカスタムスキンが導入されており、これらを通してプレイヤー間で公式サポートのリアルマネー市場が形成されている。
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マッチメイキングシステムの導入、プレイヤーの強さに合わせた相手と自動でマッチング可能になり、何時でも対戦相手に困らない様になった。
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既存ルールの変更と新ルールの追加。過去作のルールが一部変更となり3つの新規ルールを追加。
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大会などのe-Sports環境を見据えたゲーム外でのオンライン配信などに対応した試合観戦システムの強化。
システム
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ゲームルール(クラシックルール)
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爆破(クラシック)
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制限時間内にマップ上にある爆破目標に対してTチームが時限爆弾を仕掛け、起爆まで守り切ればラウンド勝利。
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ただし、爆弾が設置された後にCTチームが爆弾解除ツールで爆弾を無効化すると、CTチームのラウンド勝利となる。
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上記に関わらず、相手チームを全滅させた場合生き残ったチームのラウンド勝利。
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人質救出(クラシック)
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制限時間内にマップ上に居る人質を、CTチームが全て安全な場所へ移動させることが出来ればラウンド勝利。
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Tチームは脱出の間までCTチームに奪還されない様に守り切れば勝ち。
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人質は担いで移動させることができるが、移動中は行動に制限がかかる。
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どちらのチームも人質を誤って殺害すると、ペナルティとして所持マネーが減る。
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こちらも、相手チームを全滅させてもラウンド勝利となる。
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マネーシステム
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CTチーム側、Tチーム側ともにラウンド開始時の準備フェーズでマネーを貰い、銃器や装備を購入する。
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マネーはそのサーバーで行われる1ゲーム内のみで使える仮想通貨であり、ゲーム終了後の持ち越しなどはできない。
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1ラウンド目は所持金が通常800$のみ全員に支給される。ピストル以外の銃器は価格上買えないのでピストルラウンドとも呼ばれる。
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敵を倒すことでもらえる他、ゲームルールの目標を達成すると、さらに多くのマネーが支給される。
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負けても収入は入るが勝っているチームよりも少なく、連敗すると一応倍率はかかって獲得マネーも気持ち増加するが買える装備に差が出る。
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敢えてそのラウンドでは装備を買わず「エコラウンド」にして、マネーを貯金して次以降に挑む、という戦略も非常に大切である。
本作独自の仕様
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スキンシステム
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武器に様々な模様のスキンを適用することが可能。
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スキンを替えても特に特殊な能力などが得られるわけではないが、レアリティやスキンの状態(汚れや塗料の擦れ具合)が設定されている。
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状態の良いスキンは高価格で取引される。スキンを賭けた試合も行われている。
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公式対戦サーバーで試合後、稀にスキンの入ったボックスが獲得できる。ボックスの開封には有料のカギが必要。
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獲得したボックスやスキンはSteam共通のマーケットプレイスで売りに出すことが出来る。
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取引時にはSteamウォレットを使い、出品価格の数%をValveが手数料として徴収する。
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価格に関してはマーケットで出品されている価格帯をマーケットツールでも確認できる。
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高価値スキンを入手できればボックスの鍵代を差し引いても取引で利益を得ることも可能となっている。
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中には日本円にして200万円近いスキンが出品されたこともある。
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トレードも可能で、同ランクレアリティ交換も可能だが、複数の一段階下のレアリティスキンをワンランク上のスキンと交換も可能になっている。
ゲームルール(追加ルール)
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DeathMatch
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ユーザーMODだった「DeathMatch」を公式にサポートしたもの。死んでもゲーム終了時間まで無限にリスポーン可能で、制限時間内で最もキルスコアが高いチームが勝利。
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デフォルトでリスポーンするたびにランダムの武器を購入する仕様なので、コンフィグなどを替えないと任意の武器を購入できない。
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ArmsRace
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これまたユーザーMODだった「GunGame」を公式にサポートしたもの。チームデスマッチ方式で無限リスポーン可能。敵を倒して武器をランクアップし、金のナイフで敵を倒したプレイヤーのチームが勝利となる。
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武器のランクアップは敵を2人倒すたびに(ナイフで倒した場合は1人毎に)行われる。ただし死んでもランクダウンはない。
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使用可能なマップが総じて狭いので衝突が激しい。如何にして武器のランクを早期に上げて敵より優位に立つかが勝負。
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Demolition
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ユーザーMODだった「GunGame」公式にサポートしたもの。「爆破(クラシック)」がベースルールだが幾つか変更点がある。
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武器の購入はできず、敵を倒すことで次ラウンドの武器が変更される。
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CTは爆弾解除ツールを最初から所持。
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使用可能マップが比較的狭い。
ランクマッチ
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CS:GOは従来のサーバー接続方式に加えて、ランクマッチ機能によってプレイヤーのスキルに応じたマッチメイキングが出来る様になっている。これで24時間いつでも自分の実力に応じたプレイヤーとの対戦が可能となった。
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プレイヤーはレーティングシステムに基づくポイント査定が行われ、それに応じたランク評価の称号が付与される。勝敗によってランクの変動が行われる。
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ゲーム内でのスコア差で大差を付けたりするとより多くのポイントが貰える。
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試合を途中で放棄したり、キックされても敗北という形で試合結果が反映される。
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長期間プレイしないとランク評価は隠される。試合を行うことで再び表示されるようになる。
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試合中にゲームルールに反する行動や、ゲーム中の途中切断、試合を妨害する行為等をすると「クールダウン」というペナルティが一定時間傘課され、その間はランクマッチを使えなくなる。
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クールダウンは累積して行き、最大7日のランクマッチ利用停止のペナルティを行使される。
観戦システム/GOTV
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リスポーン有り以外での死亡後の味方観戦モードは過去作に比べて便利な機能が追加された
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味方のシルエットが透過表示されるようになりどのように行動してるかが追いやすくなった。
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マップオーバービューには色ペンでの書き込みができるようになり、スクリーンショットや動画配信などでの補助ツールとして利用が可能になった。ただし、不正防止の点から味方への共有ではできない。
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画面左右に敵味方のステータスが表示され装備・残りHP・解除kit及びC4爆弾の所持の有無等が分かるようになった。
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またゲームに参加していない観戦者もGOTVを通して上記の観戦が可能となっている。
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ランクマッチに関してはサーバーに保存された試合のリプレイデータをダウンロードすることで、試合を見返す事ができる。
評価点
ランクマッチシステムの使い勝手
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ランクマッチで気軽に、自分の遊びたいルールでレベルにあった対戦相手のいるゲームへ参加できることは大いに評価できる。
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前作までのシリーズはサーバーブラウザーから対戦サーバーを探す必要が有ったが、プレイヤーの質はゲームに入ってからでないと分からない上に、遊びたいゲームルールを選ぶ事が出来ないのでこの仕様は歓迎されている。
競技性の高さ
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クラシックルール系に求められるのは即ち洗練された戦術眼と高度なコントロールスキル等のため、純粋に対戦を楽しみたいガチ勢に向く。
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追加ルールにはカジュアル系でもなじみ易いルールが追加されている、後述。
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カジュアルFPSにありがちなウォールラン、Perk、キルストリークといったブーストや不確定要素になりうるものはほぼ存在しない。
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ランクマッチ機能も相まって相手に困ることは無いだろう。
追加ルールの面白さ
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ArmsRaceはリスポーン有りのルールでデスに対するリスクが圧倒的に少なく、ルール上積極的に攻めることが推奨されている。
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至近での戦いも多く、純粋のAIMの腕前が試されるので篭りゲーにはなり難く、試合展開も早く気軽に遊びやすい。
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DeathMatchも上記とほぼ同様の理由で、クラシックルールよりも積極的に打ち合う展開となるのでカジュアルFPSからの参入者にも比較的受け入れやすいだろう。
観戦システム周りの使いやすさ
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GOTVでは様々な試合を観戦することで、ゲームをプレイしなくても観戦するだけでも楽しむことが出来る。
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観戦できるのは、過去に開かれた大会の試合、世界のどこかで今行われているランクマッチ、そして自身がプレイしたランクマッチなど、多岐に渡る。
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全プレイヤーの操作を記録したものを再生しているので、再生速度の変更は勿論、プレイヤーのアウトライン表示の切り替えや自由なカメラ操作が可能。
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特に自分がプレイしたランクマッチを観戦する時に、自分自身の視点だけでなく他人の視点でも見れることは、プレイの分析や検証の大きな助けとなる。
問題点
銃の挙動や強さなど
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『バトルフィールド』や『Call of Duty』といったカジュアル作品に比べると驚くほど弾が当たらない。
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リコイルとブレが他のゲームに比べて強いためである。そのため、反動の制御の仕方を体得する必要が有る。
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アサルトライフルを前述の作品の感覚で連射しようものなら反動で振り回される。
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移動中の射撃はけん制にもならない程バラけるため、止まって撃つ事が基本となる。
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スナイパーライフル全般の強さは凶悪。
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特にAWPと言われるライフルは当たれば脚以外即死。熟練の射手は射線が通り次第、正確無比な致命弾を打ち込んでくる。
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スモークグレネードやフラッシュバン等の対抗策も有るにはあるが、遠方から待ち伏せされるとこれに対抗するのは難しい。
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上記の点も併せて特にクラシックルールでの防御側は待ち伏せが強いゲームなのでこれは特に顕著。熟練者はデフォルトマップを熟知してるので攻めるのが容易とは言えない。
対戦環境
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世界的にはFPS中一二を争うアクティブ率を誇るが、日本人プレイヤーはマイナーFPSよりも少ないという惨憺たる有様である。
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日本で比較的人口が多いオンライン対戦型のFPSは課金等でスキルを補えるが、そういったものがないため、ライト層が多い日本では敬遠される。
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理由は様々だが熟練したプレイヤー層の厚さによる参入障壁の高さ、野良でプレイするには敷居が高く覚える事も多いなどの理由が上げられる。
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メインのゲームが16ラウンド先取の5vs5、かつリスポン不可ルールのため味方が何も考えずに開幕に突っ込むだけでそのラウンドの勝敗が決するなどの場面が初心者階層ほど多々見られる。
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また、そのラウンド数の多さから試合時間が最大1時間近くと非常に長く、途中抜けには最大1週間の接続禁止のペナルティを課される。このため、たとえ負けが確定しようが試合途中での切断は許されない。
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連携のためVCが必須なのも日本人を遠ざける。日本では野良でVCをする文化などなく、したとしても今度は英語の壁にぶち当たるからだ。
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上記のような理由のため日本人が少ないゲームなのにもかかわらずまともにプレイしたければクランを組めと言われる非常に厳しい状況にある。
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先述の件もあるが、初心者に対する対する風当たりは強いことは否めない。チームに属するプレイヤーに技量を求めるゲームなので、適応できず挫折するか乗り越えて一人前の戦士となるかはプレイヤー次第である。
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全員が全員、化け物級のプレイヤーというわけではないので、簡単ではないもののしっかり腕を磨けば決して追いつけないことは無い。手始めにBOT相手に戦ってみるとよいだろう。
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そういうプレイヤーばかりではないが、野良でマッチングした相手からプレイヤースキルなどで不興を買い、チームキルやBANを食らう事もある。
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ランクやスキンといったものに目を向けずに純粋に対戦を楽しんだり、エンジョイをしたいのであればカジュアル系ルールや非公式サーバーなどで楽しむといった回避策はあるにはあるがランクマッチが主流なので一般的とは言い難い。
不具合とチートの蔓延
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リリース以降は開発チームを縮小させてしまい、保守管理などは最低限の修正などのみとなってしまい多くのバグとチートが残ったままとなってしまった。そのためチーターや不正の利用が横行してしまっている状況が発生している。
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2020年にはE-sportsシーンにて大会でバグを利用した不正行為が問題となり、プロチーム関係者が処罰を受ける事態が起きるなど、ゲームの保守管理体制が良くないことが如実となってしまっている(参照)。
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同様の問題は『Team Fortress 2』でも問題となっている。
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また、本作も含めてソースコードの流出が発生してしまっており、チートを含むセキュリティ問題はもはや避けられない課題になっている。
総評
10年を超える歴史を持つ、既に完成されたジャンルともいえる『Counter-Strike』シリーズの全面リニューアルという思い切った決断ではある。
しかし、ユーザビリティを上昇させたうえで丁寧な調整を施し、既存のファンの移行を見事に促したといえる。
FPSでe-Sportsと言えばこの作品が名に上がる作品であるが、長年続くシリーズだけにプレイヤー層も厚く新規参入に対するハードルは間違いなく高い。
野良でのVCや連携など、日本では余り馴染みがないので、これらに対して臆することなく英会話しながら参入できるかが鍵となる。
とはいえゲームルールや定石をちゃんと学んだ上で味方と連携を取れる様になれば、格上の相手に勝てるチャンスは十分にあるので、そうなればこのゲームの良さもわかってくるはずだ。
後はプレイヤーの折れぬ心と努力次第である。
余談
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本作はサービス開始以来長らく有料で販売されていたが、2018年12月に無料化された。
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オフライン、公式マッチメイキング、コミュニティサーバーでのプレイ、GOTVの観戦など、ほぼ全てのゲームプレイが無料でできるようになった。
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無料化に伴い、Steamのストアページではゲーム本体ではなくアカウントのプライムステータス化を1,600円で販売するようになった。それまでに購入していたアカウントは自動でプライムステータスになる。
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プライムアカウント同士のみのマッチング、スキルグループの獲得、アイテムドロップなどの要素が有効になるため、これが事実上の『CS:GO』の価格となっている。
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また、同年8月から基本無料化までの間、機能を制限した無料クライアント版が公開されていた。
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オフラインでのBOT戦とGOTVでの観戦のみが可能で、オンラインでのプレイは不可能だった。
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発売から10年以上経った現在も高い人気を誇っており、2023年2月には同時接続数が132万219人を突破し、Steamにおける最高接続数を更新している(参照)。
その後の展開
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2023年3月23日にシリーズ最新作『Counter-Strike 2』が発表され、同年9月28日に本作での無料アップデートという形で配信された。
最終更新:2023年10月15日 19:35