シリーズ概要
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メガドライブおよびアーケードで発売された『サンダーフォース』シリーズ作品を、2本1組でセガサターン向けに移植したオムニバス作品。
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基本的にはベタ移植だが、追加要素や変更点も存在する。
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オープニングムービーが追加された。また、MIDI音源によるアレンジ曲がCD-DA形式で収録されており、CDプレイヤーで聴ける。
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ゴールドパック2のアレンジ曲は他のCDに収録されておらず、ここでしか聴けない貴重なもの。
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初心者への救済措置として、敵の耐久力が全体的に低下する、ミスしても装備がなくならないうえ、復活時にシールド一枚(『II MD』ではブレイカー)とクローが付与されるなど、難易度を大幅に下げる「キッズモード」が全作に搭載されている。
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MDで発売された作品では、アイテムを取った際にBGMがいったん止まってからボイスが再生されていたが、本作収録版ではBGMが途切れずボイスが再生される。
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スタッフロールに記載されているスタッフ名が、すべて移植担当者のそれに差し替えられている。
サンダーフォース ゴールドパック1
【さんだーふぉーす ごーるどぱっくわん】
ジャンル
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横シューティング(オムニバス)
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対応機種
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セガサターン
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発売・開発元
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テクノソフト
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発売日
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1996年8月27日
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定価
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4,800円
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レーティング
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セガ審査:全年齢推奨
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判定
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なし
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サンダーフォースシリーズリンク
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概要(GP1)
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1989年にMDで発売された『サンダーフォースII MD』と、1990年に同じくMDで発売された『サンダーフォースIII』を収録。
評価点(GP1)
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後述のような問題点はあるが、ひとまず普通に遊ぶぶんには問題ない移植を実現している。
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収録されている二作ともに初見殺しが多めで覚え要素が強く、初見のプレイヤーには厳しい作りだったが、その点を緩和するキッズモードの搭載によりとっつきやすくなっている。
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とくに『II MD』は『III』以降に登場するシールドが存在せず、またミスをすると難易度に関係なくすべての装備が没収されるという非常に厳しい仕様のため、装備を失わなくなるキッズモードの恩恵を最大限に受けられる。
問題点(GP1)
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オリジナルには存在しないバグの発生や、移植ミスと思われる箇所が存在する。
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『II MD』はステージクリア時のボーナスがスコアに加算されないバグや、スコアが一定に達すると表示がおかしくなるバグがある。
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『III』はボスの耐久力が全体的に低くなっており、オリジナルと比べると難易度が下がっている。
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実は海外版『III』では日本版よりもボスの耐久力が下げられている。おそらく海外用に調整したステータスをそのまま移植してしまったものと思われる。
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容量対策なのか、両作とも効果音がオリジナルより減っているうえに、音質が非常に悪く、迫力がなくなってしまっている。
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ほかにも、BGMがCD-DA形式で1ループしか収録されていないために曲が途切れ途切れになる、ハイスコアや設定の保存ができないといった問題点がある。これらは後発のGP2で解消された。
サンダーフォース ゴールドパック2
【さんだーふぉーす ごーるどぱっくつー】
ジャンル
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横シューティング(オムニバス)
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対応機種
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セガサターン
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発売・開発元
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テクノソフト
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発売日
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1996年12月6日
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定価
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4,800円
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レーティング
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セガ審査:全年齢推奨
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判定
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なし
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サンダーフォースシリーズリンク
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概要(GP2)
評価点(GP2)
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BGMがAIFF形式で収録されて途切れなくなったほか、スコアや設定の保存も可能になるなど、GP1の問題点が改善されている。
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『AC』は処理落ちしないといった差異が見られるものの、おおむね問題ない移植度とされている。また、裏技でテストモードに入ることが可能で、基板を所有しているような気分を味わえる。
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『IV』はシリーズ内でもとくに人気が高いからか、唯一独自の追加要素が存在している。
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最大の特徴として、MD版に存在していた処理落ちがいっさいなくなっている。
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『III』及び『AC』の自機である「STYX」でプレイできる裏技が追加された。
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前半こそ使いやすい武器が揃っていることもありRYNEXより楽に攻略できるが、サンダーソードが使えないために後半からは一転、火力不足が原因で厳しい局面が増える。
また使いやすい反面、RYNEXと比較すると爆発力に欠け、局地戦は勿論のこと全体的に押し負けやすい傾向がある。
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隠しモードの一つとして収録されているため、キッズモードや後述するウェイトモードを使用できない。RYNEXとは異なる戦術も求められるため、総合的な難易度はかなり高い。
問題点(GP2)
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『IV』はSTYXモードの追加は好評だった一方、処理落ちの削除に伴うバランスの変化などもあり、純粋な移植度という面ではいまひとつと言える。
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処理落ちが発生しなくなったことにより、敵の攻撃速度が全体的に上昇しており、ただでさえ高い難易度をさらに上昇させる結果になってしまった。
とくにボスの攻撃は処理落ちを前提としたと思われる部分が多く、見てから避けるのが不可能な速度の攻撃がバンバン飛んでくる。
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裏技として処理落ちを発生させる「ウェイトモード」も存在するが、ウェイトのかけかたをいちばん小さくした状態でもMD版以上の処理落ちが起こり、非常にモッサリとしたプレイ感覚になってしまう。
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そのほか、MD版から削られた要素もあり、ゲームクリア後にサウンドテストに追加されるオマケ曲が収録されていない。容量の都合ではないかといわれている。
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両作とも効果音の音質が悪いのは相変わらず。また、GP1程ではないがやはり効果音が減っている。
総評
ゲーム部分は細部に目をつぶればまずまずの移植度だが、音関係(特に効果音)については総じて再現度が低い。劣化移植という程ではないにしろ、GP1の帯で謳っているような「完全再現」にはほど遠い出来といわざるをえないだろう。
ただ、GP2に関しては貴重な『AC』が収録されている点や、『IV』に独自要素が追加されている点が評価されており、そこそこ人気がある。実際、現在でもGP2にはGP1の倍近い値段が付けられていることが多い。
最終更新:2024年08月24日 12:54