ステラ グロウ
【すてら ぐろう】
ジャンル
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剣と魔法のメロディアスSRPG
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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発売元
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セガゲームス
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開発元
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イメージエポック
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発売日
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2015年6月4日
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定価
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5,990円(税別)
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レーティング
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CERO:C(15才以上対象)
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廉価版
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お買い得版: 2017年3月16日/2,990円(税別)
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判定
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良作
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ポイント
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イメージエポック10周年記念作にして遺作 イメージエポックの原点回帰にして集大成
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歌の力が、世界を変えるー。剣と魔法のメロディアスSRPG
概要
「イメージエポック創業10周年記念作品」と銘打ち、イメージエポックの原点回帰を目指した作品として制作されたSRPG。
主なスタッフはプロデューサーの水谷英之氏やideolo氏とともにキャラクターデザインを担当した釋迦堂真人氏、BGMを作成したプロキオン・スタジオ(光田康典氏、土屋俊輔氏)など、同社の処女作である『ルミナスアーク』シリーズにも関わっていた顔ぶれと、ディレクターの大峡大氏、シナリオの与田想氏、モンスターデザインの山本章史氏など『セブンスドラゴン2020-II』の製作に関わっていた面々が並んでいる。
イメージエポックといえば(実際は良作もそれなりに開発していたのだが)「ひ、ひどすぎるよー!」な作品のせいもあってその印象が強く、出来を危惧していたプレイヤーも少なくなかったが、蓋を開けてみればイメージエポック創業10周年記念の原点回帰・集大成と呼ぶに相応しい作品となった。
販売が難航してセガゲームスから発売されることになったが、発売前の2015年5月7日にイメージエポックは破産手続きを開始し事実上倒産したため、本作が同社の遺作となった。
ストーリー
かつて、世界は歌の力によって繁栄していた。
やがて、その繁栄は争いを呼び、戦乱の世がはじまった。
神は嘆き、人類から「歌」を奪った。
それから数千年の時が過ぎ、福音使徒を率いる滅びの魔女ヒルダの「歌」により、
世界は結晶化の危機に見舞われていた。
失ったはずの「歌」の力を行使する5人の魔女。
立ち上がる王立騎士団。
魔女の呪いを解けるのは、魔女の歌だけ。
レグナント王立騎士団と福音使徒との魔女争奪戦が今、はじまる─
システム
基本的なシステムは『ルミナスアーク2 ウィル』のワールドマップと『ルミナスアーク3 アイズ』の交流システムを合わせた感じ。
とはいえイメージエポック開発の『アークライズファンタジア』や『セブンスドラゴン』シリーズ、『闘神都市』3DS版との類似点も多く見受けられる。
好感度を最大まで上げた味方ユニットは、女性キャラや男性キャラを問わず「全員」一枚絵付きの個別EDを迎えられるという点はルミナスアーク3と同じ。
ゲーム進行
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ひとつの章はルミナスアーク2のようにワールドマップを移動して戦闘パートなどを行う『作戦時間』と、ルミナスアーク3のように拠点で仲間たちと交流などができる『自由時間』の二タイプの時間で構成されている。
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作戦時間
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戦闘パート。ワールドマップで移動し、場所によってイベントや戦闘が発生する。
「フリーミッション」で戦うこともでき、ここでのバトルでは時間が進行しない。
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自由時間
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「王都ランベルト」を拠点に、行動コストを消費して行動する。
1つの自由時間につき最大3回分の行動コストが与えられる。お店での買い物やマイルームメニューは行動コストを消費せずにいつでも利用可能。
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騎士団兵舎:仲間を一人を選択して交流して、絆を強化する。
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赤熊の酒場:アルバイトをしてお金を獲得する。お金以外のものが入手できる場合も。
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調律の館:仲間の魔女との調律イベントを行い、新たな歌や特性などを習得させる(但し、ある程度絆を強化して特定のフラグを立てる必要がある)。
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探索する:王都を探索してアイテムを発見することができる。一度きりのレアアイテムを入手できることも。
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休憩:マイルームで休憩し、時間が進行して自由時間を終了させる。縛りプレイ等でない限り行わない。
戦闘システム
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戦闘は複雑なシステムもないオーソドックスなSRPG。
高低差・地形効果ありのクォータービューマップのシミュレーション形式で、ユニットの敏捷の数値に応じて順番が回ってくる仕組み。
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本作の最大の特徴は魔女が行使できる「歌魔法」。
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魔女単独のソロと、指揮者である主人公とのアンサンブル(合奏)がある。特に後者はマップ全体に影響を及ぼし、効果中は魔女の歌が流れ続ける。
すれちがい通信
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途中で解禁される要素。他のプレイヤーとすれちがうことでアイテムが手に入る。
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入手できるのは換金用かオーヴ作成用のアイテム。すべてフリーミッションでも取得できるため影響は小さい。
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わずかとはいえ資金・資源が手に入るので、すれちがい通信中のソフトの数が気にならないなら設定しておいて損はない。
評価点
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バトル
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ユニットごとに多彩なアクションを披露する。特に魔女が使う「合奏」「歌魔法」と呼ばれる技はそれぞれの声優の歌を聴くことができ豪華。
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ただし魔女によって性能差がけっこう激しく、非常に強力なものから、歌以外のスキルが強力すぎて歌唱石ゲージを消費せず歌わずに殴った方が…と言われるようなものまである。
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もっとも、歌唱石ゲージを消費するという制限がある他「合奏」に関してはその間魔女が自動で行動するため、『誰が合奏して誰がそのまま行動するか』の損得を考えるのも、バトルにおける楽しさにもなっている。
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魔女に限らず、あるキャラは概ね誰が見ても好評だが、あるキャラは使いづらいという性能差がある…一部のキャラではあるが。
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ただし其々のキャラクターの戦闘能力による個性付けはしっかりしているので単純な劣化になっているキャラクターはいない。
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また好感度を上げていくことで新たな特性やスキルを得るので、愛情でカバーできるのがこのゲームの醍醐味でもある。
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一部のミッションでは特殊条件が設定されており、達成することで追加報酬が手に入る。
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「味方が一人も撤退しない」などのシンプルなものから、「戦う必要のないボスと一回でも交戦する」などの変わったものまで様々。
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武器に装備して特殊効果を付与できる「オーヴ」と呼ばれるアイテムを精製して、自分好みの戦闘スタイルを生み出す楽しさがある。
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序盤は簡単で少しずつ上がっていく難易度などバランスが良く、メンバーの強さに不安があるならフリーミッションで何度でもバトルができる。
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バトルの最中は味方が行動する際ならいつでも「中断セーブ」が可能。タイトル画面の「CONTINUE」で前回中断セーブをしたタイミングから再開できる。
中断セーブをしても強制的にタイトル画面に移行することなくバトルを続行することも可能。CONTINUEしても中断セーブが消えずに何度でもその地点から再開でき、また中断セーブを行う回数にこれといった制限もないため、SRPG初心者も楽しめる。
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音楽
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本作のテーマに「歌」があることもあり、15曲近くがフルコーラスで入っている。
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歌唱を担当する声優も、南條愛乃氏、内田真礼氏、榊原ゆい氏、新田恵海氏、田村ゆかり氏、堀江由衣氏と音楽面でも活動している声優を起用しており、かなり豪華である。
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特にひとつ目の合奏である「錆びついた鍵」「藍桜」「赤い銀河」「伝説の海へ」「氷世界」は初出の時のストーリー展開も相まって人気が高い。
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主題歌である「真聖輝(ひかり)のメタモルフォシス」はトゥルーエンドルートのラスボス戦で使用され、ストーリー展開や演出も含めて非常に評価が高い。
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歌が注目されやすいが、プロキオン・スタジオ製作のBGMもそれに負けておらず、高いクオリティを発揮している。
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福音使徒との最終決戦や、逆境からの反撃シーン、とあるキャラとの一騎討ちの3シーンで流れる戦闘BGMは、そこに至るまでの熱いストーリーも相まって、本作の中でも特に人気が高い。
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グラフィック
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戦闘時は3Dアニメーションでの攻撃演出は3DSとしては非常に凝っており必見。
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装備している武器の外見は3Dグラフィックにも反映されるという凝りっぷり。
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バトルにおけるマップでの登場機会が数度しかない上に直接バトルもしない、ボナンザ町長・アナスタシア陛下・エルマー閣下といった人物もきちんとSDが存在する。
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一枚絵やムービー等は、演出のよさも相俟ってかなりの仕上がりになっている。
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一枚絵は、細かな差分も別物とすると
その数は80を上回る
。一枚絵だけでなく、会話シーンでの背景も極めて豊富。
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シナリオ
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シナリオは『セブンスドラゴン2020』シリーズや『クリミナルガールズ』などの与田想氏が担当。
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王道ながらもそれを完璧に完成させた物語は秀逸で、(細かい疑問点を感じるプレイヤーはいるものの)大きな矛盾等もない。
各キャラの掘り下げが上手く熱い展開もあり、BGMを流すタイミングが絶妙など演出面も凝っており好評。
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魔女が前面に出たシナリオながらも、そのほかのキャラクターにも存在感と見せ場がしっかりとあり、空気扱いになるキャラがまずいない。
またパーティメンバーのみならずNPCの町の店員ポジションのキャラクターたちもストーリーにおいて出番が非常に多く魅力的なキャラ付けがされている。
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物語のシチュエーションに合わせてキャラクターの戦闘時のボイスが変化するといった点も『アークライズファンタジア』程ではないが凝っている。
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ノーマルエンディングや各キャラとの個別EDとは別に、条件を満たすと真のラスボスと戦うことができるトゥルーエンディングがある。
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ED分岐条件について。ネタバレ要素につき閲覧には注意すること
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トゥルーEDの条件は「8章最初の自由時間終了までに、自由時間の最中にクラウスとの会話を5回行っておくと最終決戦時に選択肢が登場するので、そこで『否定する』を選択すること」。
しばしば勘違いされていることがあるため注意。ちなみに、この条件は1周目でも達成できる。
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ヘルプ・チュートリアル
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カートリッジに入っている電子説明書を読んでいなくても新しい要素が出てくる度にチュートリアルが表示されるため、説明書をあまり読まないプレイヤーでも操作や機能に戸惑うことはない。
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新しくキャラ仲間が加わった際にも、そのキャラの特徴をチュートリアルで教えてくれる。
賛否両論点
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キャラクター間の格差
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ゲームシステムの都合上、「敏捷」が低いキャラが使いにくい。単純に敏捷が遅いとターンが回ってこないので、敏捷が高いキャラはそれだけで行動機会が増える。
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「移動力」、「ジャンプ力」が低いキャラはまず戦闘すら起こしにくい。このため機動性が高いユニットで経験値を独占しがちになり、意識して使わないと低いキャラは成長させにくい。
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この格差に最も苦しめられるのは初期に加入する重騎士系のキャラクター。
鎧で身を固めているという設定からか防御は非常に高く、隣接する味方を一定確率でかばう(攻撃を無効化する)能力などもあるのだが、代わりに移動力が味方唯一の3マスでジャンプ力も敏捷も低い。
他キャラは移動力4-6マスであり、飛行やワープなどが出来るキャラも存在する中で一人だけ地上をのろのろと進軍することになるために折角の鎧を全く活かせず、側面や背面から攻撃することでボーナスを得られるゲーム仕様にも全く合っていないため経験値稼ぎもままならない。
結果としてゲームが進めば進むほど取り柄の硬さすら周りのキャラに置いていかれるようになり、気づけばベンチを暖めることに……
同期のキャラクターが移動6の身軽なキャラクターであり、こちらは最初から最後まで強キャラとして重宝されるため、格差が露骨に見て取れてしまう。
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一応、本作は完全に下位となるユニットは存在せず、敏捷が低いユニットでも長所はきちんとあるため、好きなキャラを使ってクリアできる難易度とバランスに収まっているといっていいだろう。
各キャラそれぞれ明確な役割は決まっており、あくまで大活躍しやすいユニットとそうではないユニットがいるというくらいである。
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前述の通りバトル時での攻撃演出は3DSとしては非常に凝っているが…
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攻撃を回避した際の攻撃演出は、ユニットが専用のCVを発して「MISS」と表示されるだけで、特に避ける動作等はしない。
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そのため、攻撃によっては明らかに貫通しているのに平気な顔をしていたり、明らかに攻撃を受けて吹っ飛ばされてるのにMISSと表示されるという、ツッコミたくなるような攻撃演出になる時がある。
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また、攻撃演出でのCVは攻撃演出が終わるとそこで終了してしまう。
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攻撃側の攻撃と回避側のセリフの長さによっては、回避側のセリフが途中で途切れて攻撃演出が終了することがあり、この点の見栄えはあまりよろしくない。
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露骨なネタ描写
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本作は王道展開のファンタジーであり、基本的にシリアス路線が強い。
笑い要素もありはするが、冷静沈着で騎士の鑑とも評されるキャラがプライベートではお菓子好きだったり、
常にむすっとした堅物キャラが実はアイドル的な扱いをされている女性キャラに入れ込んでいたりと言ったものが大半で、
基本的には「日常的な場面での意外な一面」であり世界観を逸脱するものは少ない。
一方で、下記の登場人物は一部の描写がストーリーの真剣さに合わず、ストーリー自体の出来が非常にいいだけに急に現実に引き戻されるようなネタ要素は非常に目立ってしまう。
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クリックして展開
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ののか
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常に段ボール箱を被って顔が見えない忍びの女の子。その服装はビキニと編みタイツを組み合わせたような明らかに常識外れした色物感漂うもの。
初登場時に選択肢が出現してその格好を指摘することができるが、どうやらその手の格好による羞恥心を持っていない様子。 10年前の回想のシーンでは至ってまともな着物を着用しており、どうしてこの服装をしているのか、どうして10年前からこの服装になったのかについては言及されない。 比較的早い段階で仲間になる上、絶体絶命レベルのシリアスな場面でもきちんと出番があって会話に参加してくるために、余計に水を差す結果となっている。
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段ボールを被ることになった理由は一応明言されるのだが、ストーリーに寄与するものではないため、ダンボールを被らせるために用意されただけの設定になっている。
忍びキャラなので顔を隠したければ普通の覆面をかぶればいいだけであり、衣装の奇抜さと合わせて「作り手によって笑いを取るためだけに意図的に崩されたキャラクター」感がありありと出てしまっている。
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また個別エンディングがこれまた異質で、明らかに性交をプレイヤーに思わせて、それを誤魔化すかのような内容でオチをつけるタチの悪い展開。
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全員の個別エンディングにあるスチルも、これまた一目瞭然で極めて卑猥である。
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ヴェロニカ
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頭脳明晰な科学者で、魔女についても詳しい博識な人物。
研究に没頭して他が疎かになったり奇行に走ったりと、いわゆるマッドサイエンティスト気質な面がある。 常に斜に構えた態度で、わけあって王国がどのような危機に陥っても関与してこなかった。
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そのヴェロニカ博士の最強スキルは「超兵器オーディン」。
巨大化させた眼鏡を空から落として大炎上を起こし、その現場をLIVEで実況する技なのだが、その際の描写や台詞がガンダムのコロニー落としを彷彿とさせる。 あくまで彷彿とさせるという程度で露骨なものではなく、常にそういう性格の人物なので面白く受け取れる人もいるが、本作唯一のパロディネタということもあって、人によってはかなり気になるポイントとなっている。
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マイクで実況し最後は砂嵐の画面になるなど、本作の世界観に合わない近代的な描写であり、そこへもって更にギャグ感が強いこと、ヴェロニカが仲間になるのがかなり遅くプレイヤーが剣と魔法の世界に浸りきったタイミングであることなど、悪目立ちするポイントが多くなってしまっている。
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ののかヴェロニカ両者ともに共通するのは、設定の一部が世界観に溶け込めておらず、更にその設定自体に必然性がないということにある。
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2周目以降の引き継ぎ要素
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お金しか引き継げなくなり、『ルミナスアーク』シリーズと比べると引き継げるものが少ない。
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ただしレベルが上がりやすくなり、また自由時間のコストも9と大幅に上がっているためプレイ自体は楽になる。
問題点
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SRPGとはいえ、若干戦闘のテンポが悪い
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毎回敵の思考時間が入るうえ、全体攻撃はダメージ・状態異常・撃破時のエフェクト等が細かく入る。行動時のカットインはスキップ可能。
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敵のターンのスキップや早送りができないので、どうしてもテンポが悪く感じてしまう。
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おまけに合奏はスキップができず、全体効果なので敵ユニット数が多いとそれだけ処理する情報量が増す。
その上ユニットごとにではなく効果ごとに処理しているためにカメラがそれだけ移動を繰り返し見ている側に多大な負担をもたらす。
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敵の幹部キャラなど、「立っているだけで直接戦闘には関わらない」「抜け道を塞ぐためだけの強敵」などもきっちり行動する。
当然その場で待機するだけで行動自体は終わるが、パラメータ自体もちゃんと設定されており、しかもボス格らしい高めのパラメータである為、結構な頻度で行動順が回ってくる。
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本作は攻撃やスキルを使わずに行動終了すると次の行動順が早く回ってくる為、待機しかしないこれらユニットは必然的に行動回数が多くなる。
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ここは、余っているLRボタンで早送りができる等の操作があれば快適だっただろう。
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サウンドテスト、ギャラリーモードは未実装
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ビジュアルや音楽は優秀なのだが、それだけにゲーム内の音楽を自由に聴いたり、ideolo氏の美麗な一枚絵を鑑賞するいわゆる「ギャラリーモード」が無いのが悔やまれる。また、用語解説も備わっていない。
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『ルミナスアーク』シリーズや3DS版『闘神都市』などの同社の開発作品では当たり前のように搭載されていたのだが…。
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所々ネタバレの多い媒体。
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砂漠のキャラバン「カジャル」に暮らす少女ニキは、アルトのことを認めると自身が土の魔女であることを明かすが…
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しかし公式サイト・オープニング・パッケージのいずれでもニキはおらず、対して双子の妹であるモルディモルトの姿があるため、後に判明するよりも先にモルディモルトが本当の土の魔女だということがわかってしまう。
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世界各地を結晶化して回っている滅びの魔女ヒルダは長らくアルト達と敵対していたものの、戦いの真実を知り本当にするべきことを知ると協力して味方になるが…
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こちらもオープニングで察せる人がいると思われ、公式サイトでは福音使徒としてでなく魔女のカテゴリにいるのも後に仲間になることが察せるポイントとなってしまっている。
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またモルディモルトが仲間になると、仲間一覧の画面で不自然に4人分の空きスペースがあるため、福音使徒の4人が後々仲間になることを察せてしまう。
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もっとも、その少女のような外見から初見時の地点で後々仲間になることを察せた人もいると思われる。
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3DSのカードに単独で映っていたり、公式サイトでは壁紙があったり、3DSテーマにも主役としていたり、更にアルトとヒルダが合奏をする公式動画があったりと、ここまで来ると意図的に察せるようにしている可能性がある。
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上記2人よりは控えめなネタバレだが、ヴェロニカも公式サイトで武器とSDが記載しているため、後に仲間になると察せる。
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物語の序盤から仲間になる騎士団長クラウスは、実は本作の黒幕の忠実な眷属であり、ヒルダの結晶化を解くと正体を明かし、アルトの仲間でなくなってしまう。
またそれ以前に登場していた謎の人物ジゼルは、このクラウスが生み出した彼の忠実な手先であった。
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このジゼルは初登場以来から名前が判明せず「???」になっているが、これも公式サイトが早々に名前を明かしてしまっている。
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ある条件を満たした場合にのみ、ジゼルを最終章直前で最後の仲間として勧誘することができるが、ジゼルが仲間になった地点で仲間一覧が埋まるため、クラウスが再度味方になることがないということがわかってしまう。
その条件とは『8章最初の自由時間終了までに、自由時間の最中にクラウスとの会話を5回行っておくこと』。
特にクラウスが好きなプレイヤーは自由時間で彼に話しかけることが多くなると思われ、『クラウスが好きだったが故に彼が戻ってくることがないことを先に知ってしまった』という皮肉な情報源になりかねない。
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公式サイトに関しては、登場人物を先に知りたくなければ見ないようにすればいいが、オープニングやパッケージ等については致し方無い点もあり、物語を純真に楽しみたいならあまり目に焼き付けない程度に見るのがお勧めと言える。
総評
目新しさや斬新さはあまりないが、全体的にキャラゲー及びSRPGとしては、システム・ストーリー・イラスト・音楽・演出とどれも高水準でまとまっているので、万人にオススメできる良作
中でも王道展開を丁寧に綴ったストーリーと、圧倒的なボリュームを誇るBGMは評価が高い。本作をクリアしたプレイヤーの満足度評価は軒並み高く、2015年に発売されたJRPGの中でも最高峰の作品との感想も少なくない。ゲームスピードなど細かい作り込みの甘さが不満点として挙げられてもなお、余り得る魅力を本作は持っていると言えよう。
余談
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本作は、2014年11月には本編及び体験版のマスターアップが完了しており、その後に本作を手掛けた水谷英之氏は株式会社イルカに移籍。
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中古での購入にも需要があるゲームだが、ステラグロウはデータをロードする際にセーブ前の状態が見えてしまうため、
何章まで続くかや、誰が加入するかといった内容がネタバレになってしまう
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取扱説明書にある通り、ソフトを起動後にニンテンドー3DSのロゴが消えてから《ご注意》が表示されるまでの間に、ⒶⒷⓍⓎボタンを同時に押し続けるとデータ全てを消去することが可能。
どうしても中古で購入したい場合もあるだろうから、新鮮な気持ちで物語にのめり込みたいならこの方法で予めデータを消去することを推奨。
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一つの物語として綺麗に完結しているが、ノーマルエンディングでは本編で登場したとあるキャラが意味深な台詞を言って謎を残したまま終わる。
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トゥルーエンディングの存在を暗示した内容ではあるが、そのキャラ自体に意味深な要素が多く「私が出てくるのは、また別の話…」という発言を残して、トゥルーエンディングを迎えても一切登場しない。イメージエポック倒産が無ければ、続編や世界観の繋がった作品の開発を予定していたのかもしれない。
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水谷英之氏は株式会社イルカに移籍しているが、「今後も“魔女ゲー決定版”を作りたい」と発言しており、本作の版権はセガゲームスが持っているのでそういった作品が出る可能性はゼロではない。
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CEROのレーティングは15歳以上対象だが、その内訳は「麻薬の描写」のみ。
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上記のののかの個別エンディング等の展開がありながら、「セクシャル」どころか「恋愛」すら入っていない。
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「歌」がテーマのゲームということもありサントラを要望する声は多いが…
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本作のサントラについて、光田康典氏は自身のTwitterにて
・「全部の楽曲をプロキオン・スタジオで作っていれば全然出せたが、よっぽどの事がない限り出ないと思う」
・「インストBGMだけでよければ出せるが、それだと作品として意味がない」「でも、要望が多ければ可能性はある」という旨のコメントをしている。
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ちなみに一部の予約特典で5人の魔女のひとつ目の合奏が入った単曲のCDは存在したが、出荷数の少なさも相まって入手は困難。
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本作の発売日と同時にイラストレーターのideolo氏が商業活動の引退を発表したが、後に活動を再開している。
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高評価から中古価格が高騰していたが、2017年3月16日に廉価版が発売。
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パッケージのキャラクターの上に、廉価版であることを示すシールが貼られているのでネタにされた。
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パッケージが女性キャラ(と主人公)を中心に描かれており男性キャラの扱いが小さかったこと、『魔女を調律する』というどことなくいかがわしい雰囲気を感じさせるフレーズ、人気声優の起用を強く押し出した売り文句などから、発売前から発売直後にかけては声優人気にあやかろうとする中身の薄いハーレムゲーなのではと警戒されることが多かった。
蓋を開けてみればストーリーやゲームシステムがよく練られた良ゲーであり、いい意味で予想が裏切られることになったのだが、売り上げの初動が伸び悩んだ一因だったのではとも言われる。
最終更新:2024年10月27日 17:19