SIMPLE2000シリーズ Vol.99 THE 原始人
【しんぷるにせんしりーず ぼりゅーむきゅうじゅうきゅう ざ げんしじん】
| ジャンル | シミュレーションRPG |  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| 発売元 | D3パブリッシャー | 
| 開発元 | ヴァンテアンシステムズ | 
| 発売日 | 2006年4月27日 | 
| 定価 | 2,000円(税別) | 
| レーティング | CERO:全年齢対象 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 今日も増える運ぶ戦うそして落ちて死ぬ 探索と成長の楽しさを手堅く楽しめる
 リアルすぎた夜演出(性的な意味ではない)
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| SIMPLE2000シリーズ | 
 
概要
D3パブリッシャーによる廉価版ゲームシリーズ『SIMPLE2000』の1作。
サルの群れのリーダーを操作し、村を発展させ、自己進化を目指す。
特徴
本作を一言で表わすと「『太陽のしっぽ』+『ピクミン』」である。
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ステージは5種類あり、順に攻略する事になる。各ステージにはボスが存在し、倒すと「キーアイテム」を入手、主人公達はサルから次第に「人類」へと進化して行く。
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主人公はサルのリーダーであり、常に群れを率いる。連れ歩ける部下の人数はステージ内にある特定のアイテムを取るとアップする。
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主人公は死んだ瞬間ゲームオーバー。仲間は戦死しても、村に戻れば補充できる。
 
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ステージ内には植物や素材などのアイテムが落ちている。敵を倒しても、肉や羽などを入手できる。
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アイテムは村に持ち帰る事ができ、「文明度」がアップする。
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サーベルタイガーやマンモスなどを倒すと、肉を落とす。食糧系のアイテムは、その場で使って回復するか、持ち帰るかを選択できる。
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村を発展させる為の素材は木・石・鉄の3種類があり、持ち帰った数に応じて発展形態が変わる。またこれらの素材は「お金」も兼ねており、装備品のアイテムと交換できる。
 
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アイテムには「持つのに必要な部下の人数」が決まっている。部下はアイテムを持っている間は戦闘に参加できない。
 
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やりこみ要素として、メニュー画面に「図鑑モード」がある。
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入手・開発したアイテムや倒した敵が記録されていき、解説を読む事ができる。
 
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難易度はイージー、ノーマル、ハードから選択可能。セーブデータは3個所まで。
評価点
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成長・発展要素がかなり豊富であり、何かアイテムを持ち帰るたびにその成果を楽しむことができる。
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この手の探索ゲームの基本ではあるが、連れ回せる人数が増えることで世界はどんどん広がっていく。
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村でも施設が追加されることでやれることがどんどん増えていくほか、持ち帰ったアイテムでできるアイテム開発などの成長・収集要素が豊富である。
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コンプリート系のやり込みが好きな人にとっては、中毒性の高いゲームであるだろう。
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一度クリアした後人数や装備を強化した上で戻ってこなければ行けない場所もあるため、ボスを倒してクリアしたマップでもそこで終わりにはならない。
 
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オブジェクトもバラエティに富んでおり、同じものの繰り返しで見飽きることは少ない。
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ステージは森林・川辺・洞窟・火山と揃っている。3Dの多断層式で、1ステージごとに広大な造りである。
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敵も原始時代らしい肉食獣のほか、昆虫・鳥・植物まで多彩である。
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移動や攻撃の手段などで個性付け・差別化もされており、単にガワが変わっただけにはなっていない。
 
 
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音楽やイラストなどの演出も評価できるレベルで、雰囲気はなかなか出ている。
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俯瞰視点への切り替え、ズーム、ボタン1つで出せるオートマッピングの地図などの機能が完備されており、広いマップだが迷わず進められる。
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基本的な操作は全て方向キーと○×ボタンでできるため、操作面で手間取ることはまずなくゲーム慣れしていないプレイヤーにも遊びやすい。
 
賛否両論点
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仲間は一定の人数がいないとそもそもステージの先に進めない作りになっており、仲間人数をプレイヤースキルでカバーすることはできない。
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そのため、少人数プレイなどの制限系のやり込みには向いていない。普通に遊ぶ分にはそれほど問題ないことではあるが。
 
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入手条件が「死亡人数1000人以上」という武器が存在する。
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1000人という数字は意図的に仲間を殺しまくらなければ達成できない数字であり、取っても後味はよくない。
 
問題点
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仲間はステージ内の「地割れ」「水」に落ちると即死する。
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仲間の移動AIは基本的にバカで、自動的に地割れを避けようなどとはしない。画面外でいつの間にかポロポロ落下して死んでいたという事も珍しくない。
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仲間の隊列を決める「陣形」という概念はあるが、おかげで展開系の陣形は使いにくいものとなっている。
 
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夜になると、フィールドが真っ暗になる。
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リアルでいいのだが、あまりに暗すぎて非常に進めづらい。「松明」のアイテムを使えば明るくできるが、入手できるのは後半である。
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動物が眠っているため戦闘を有利に進めたり回避したりしやすいというメリットもあるものの、落ちて即死しやすくなるデメリットの前には霞んでしまう。
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2番目のステージである「地底世界」は、元々暗い上に夜になるとますます物が見えなくなる。
 
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基本的に「新しいアイテムを拾って村に戻って」の繰り返しなので、作業感は捨て切れない。
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また村では行ける場所の名前が縦一列に並ぶ為、後半に施設が増えると選択に手間取る。
 
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エンディングはグッドとバッドの2種類があるが、1度グッドを見るとバッドはもう見る事ができなくなる。
総評
ゲーム自体は比較的単純で、悪く言ってしまえば作業ゲーでもあるのだが、デザインに安っぽさはなく工夫されている点も多い。
村の発展要素や開発要素がほぼ絶えることなく続くためそれなりの中毒性があり、飽きやすさは大幅に緩和されている。
シンプルながら基本を押さえており冗長にならない構成は、良い意味でどこか90年代ごろのソフト的な懐かしさのある楽しみ方ができる。
こういったタイプのゲームが好きかどうかで評価が分かれる側面は否めないものの、総じて値段以上の評価ができる良作息抜きゲーと言っていいだろう。
その後の展開
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後に同じ開発元による本作の発展型『SIMPLE2000シリーズ Vol.116 THE ネコ村の人々 パグ代官の悪行三昧』が発売された。
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SIMPLE DSシリーズにおいて『SIMPLE DSシリーズ Vol.35 THE 原始人』も発売。PS2版に比べて収集要素が強化されているが、ステージ数は減少している。
 
最終更新:2024年05月30日 15:00