サイバーコア
【さいばーこあ】
| ジャンル | シューティング |  | 
| 対応機種 | PCエンジン | 
| メディア | 3MbitHuカード | 
| 発売元 | アイ・ジー・エス | 
| 開発元 | アルファ・システム | 
| 発売日 | 1990年3月9日 | 
| 定価 | 6,700円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 衝撃体験メタモルフォーゼシューティング 良くいえば遊びやすい、悪くいえば大味
 虫嫌いな人要注意
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概要
虫に支配された世界を舞台にバトルを繰り広げる縦スクロールシューティングゲーム。
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ジャケットには「衝撃体験メタモルフォーゼシューティング」と表記されており、実際ゲーム中において自機を変体させる要素が盛り込まれている。
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敵は虫だが、自機は虫と機械が融合したようなデザインになっている。
 
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発売メーカーのアイ・ジー・エス(IGS)は本作の他にも、PCエンジンにていくつかのソフトをリリースしているが、『怒首領蜂II』の製作元などで知られる台湾の同名メーカーとは無関係。
特徴
ステージ・操作系統
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一人プレイ専用。全8ステージ構成。
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残機制(+シールド)で、ミス後は戻り復活方式。
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復活時は必ず第一段階に戻り、ミス後の救済処置は一切ない。
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コンティニュー回数は無制限だが、必ずステージ最初からのやり直しとなる。
 
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ちなみに裏技で難易度調節(三段階)が可能。
 
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方向キーで自機の八方向移動操作。
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攻撃は対空専用の「ショット」と対地専用の「ボム」の2ボタン式。有名どころでいうならば『ドラゴンスピリット』のそれと非常に近い。
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同時撃ちも可能で、またボタン押しっぱなしだとオート連射される。
 
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SELECTボタンで自機のスピード調整(三段階)。
アイテム
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時折登場するアイテムキャリアーにショットを撃ち込むと、「
赤
・
青
・
緑
・
黄
」の4種類の色アイテムを落とす。
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色アイテムは自機を変体させたり段階進化させたりする。詳細は後述。
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アイテムキャリアーは破壊される事がなく、ショットを撃ち込み続ければ画面から消えるまでは延々とアイテムを出し続ける。
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出現アイテムの法則は決まっている。「
赤
 ⇒ 
青
 ⇒ 
緑
 ⇒ 
黄
 ⇒ 以後
赤
からループ」。
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また、再びアイテムキャリアーが出現した場合、前のキャリアーにて最後に出したアイテムの続きから出現するようになっている。例えば、前のアイテムキャリアーの最後が青アイテムだった場合、次のキャリアーにて出現する色アイテムは緑からとなる。
 
 
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色アイテム以外のアイテムはアイテムキャリアーではなく、特定の敵を倒す事で出現する。また、一部ステージでは色アイテムも特定敵が落とす場合もある。
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「シールド」…シールド値(後述)が1増える。
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「無敵化」…一定時間、自機が完全無敵になる。
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「敵全滅」…画面内の敵を全滅させる。
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「1UP」…残機が1UPする。
 
シールド値
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シールド値(最大3)がある状態でダメージをもらっても、シールド値を1消費するだけで段階退化は免れる。シールド値0の状態でダメージにて退化してしまう。
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変体しているタイプと同じ色のアイテムを取るか、シールドアイテムを取得すれば、シールド値が1増える。
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また第一段階時で色アイテムを取得した時は、第二段階に進化すると同時に無条件でシールドが1増える。
 
自機について
本作の自機は「変体(メタモルフォーゼ)」と「段階」という概念があり、色アイテムの取得により自機性能が変化していく。
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上記4色のアイテムのどれかを取得すれば、色に応じたタイプに「変体」する。変体すれば自機のグラフィックが変わり、ショットやボムの性能が変わる。
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同じ色のアイテムを取り続ければ「段階」が進化しパワーアップができる。
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その反面、進化すればする程に自機が巨大化し、その分のやられ判定も増すというデメリットもある。
 
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段階進化中に特定ダメージをもらうと、一段階退化するというペナルティがある。ダメージをもらい続けると最弱である第一段階まで退化し、その状態でダメージにてミスとなってしまう。
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変体しているタイプと別の色のアイテムを取ってしまうと、いかなる段階に進化してようが第二段階に戻されてしまう。
    
    
        | + | 段階の詳細 | 
カッコ内の名称は説明書での表記。
 
| 第一段階 (基本形態)
 | ゲーム開始時、及びミス後の復活時はこの段階からスタートとなる。 |  
| 第二段階 (幼虫/バイオフォーメーション)
 | 第一段階から色アイテムを取得し変体した状態。アイテム色によって機体の外見が変わる。 ショット・ボムも強化されるが、この段階では色による性能差はない。
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| 第三段階 (成虫/メカニカルフォーメーション)
 | この段階から4タイプの攻撃性能に大きな差が出てくる。 |  
| 第四段階 (特殊戦闘モード)
 | 表面上の最強段階。 |  
| 変異段階 (--)
 | とある条件を満たすとなれる裏技的存在の段階。 自機のグラフィックは第一段階と同じだが、ショット性能が第四段階をも凌ぐ強力なものとなっている。
 説明書にはこの形態の説明はされていない(裏技扱いな為)。
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        | + | 変体タイプの詳細 | 
| 総称 | 説明 |  
| 段階 | ショット | ボム |  
| サイバーコア | 第一段階、及び変異段階における自機変体。機体カラーは薄茶色。説明書では特に明記されていないが外見上は ガ(蛾)かカゲロウがモチーフに見える。 |  
| サイバーコア(第一段階) | シングルショット(1方向) | シングルボム(1方向) |  
| サイバーコア(変異段階) | 下記4タイプを混ぜ合わせたようなショット、及びボム |  
| スウォローテイルタイプ | 赤アイテム型の自機変体。機体カラーは赤、モチーフはチョウ。 段階が進むと攻撃範囲の広い「リップルレーザー」と、爆風が発生し通常よりも攻撃判定の強い「パワーボム」を撃つようになる。
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| スウォローテイルベース(第二段階) | ツインショット(2方向) | ツインボム(2方向) |  
| ブルスウォローテイル(第三段階) | ツインリップルレーザー(2方向) | シングルパワードボム(1方向) |  
| スウォローテイルボム(第四段階) | トリプルリップルレーザー(3方向) | ツインパワードボム(2方向) |  
| ビートルタイプ | 青アイテム型の自機変体。機体カラーは青、モチーフはカブトムシ。 段階が進むと、ショットを他タイプよりも多方向に撃つようになる。
 専用のレーザーはバランスに優れたショット。
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| ビートルベース(第二段階) | ツインショット(2方向) | ツインボム(2方向) |  
| ガンビートル(第三段階) | トリプルレーザー(3方向) | トリプルボム(3方向) |  
| サイバービートル(第四段階 | ファイブレーザー(5方向) | トリプルボム(3方向) |  
| マンティスタイプ | 緑アイテム型の自機変体。機体カラーは緑、モチーフはカマキリ。 段階が進むと撃つようになる「ブーメラン」は、自機周りを回転するような機軸で動き、一部敵弾をかき消す性能を持つ。
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| マンティスベース(第二段階) | ツインショット(2方向) | ツインボム(2方向) |  
| マンティスリッパー(第三段階) | ツインショット(2方向)+ツインブーメラン(2方向) | トリプルボム(3方向) |  
| マンティスクルーザー(第四段階) | トリプルショット(3方向)+ツインブーメラン(2方向) | トリプルボム(3方向) |  
| ホーネットタイプ | 黄アイテム型の自機変体。機体カラーは黄、モチーフはハチ。 段階が進むとショットが貫通弾になる。
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| ホーネットベース(第二段階) | ツインショット(2方向) | ツインボム(2方向) |  
| ホーネットハリアー(第三段階) | ツイン貫通弾(2方向) | トリプルボム(3方向) |  
| ジャイロホーネット(第四段階) | トリプル貫通弾(3方向) | トリプルボム(3方向) |  | 
評価点
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良くいえば万人向けな作り。
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ショットとボムの各攻撃を撃ちまくるだけの分かりやすい操作で、小難しい事抜きでプレイできる。
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(問題点の件もあるものの)適度な難易度で遊びやすい万人向けなゲームバランス。それ故に初心者シューターにとっては評価されやすい。アドリブでも大方は一応クリア可能な模様。
 
 
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グラフィック・BGM周りの評価は高め。
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グラフィックに関しては、当時のPCE基準的にみるとそこそこ書き込まれている部類。
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但し扱うモチーフがモチーフなので、純粋に喜べるかどうかは疑問ではあるが…。(下記の賛否両論の項目を参照)
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自機グラフィックのデザインのセンスが優秀。ただ単に昆虫をメカっぽくしたような安直さではなく、機械と昆虫を上手く融合したデザインとなっている。
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さらには、自機の機体グラフィックパターンが「第一段階 + (変体4タイプ × ニ~四段階)」の計13種類も用意されている上に、どれも専属のグラフィックで使いまわしが一切ない。
 さらには、自機を動かすと全機体共に左右傾きのアニメーションをする作り込みっぷり。
 
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BGMは少々1ループが短い楽曲が多いもののクオリティは高い。裏技でサウンドテストも可能。
 
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豊富なオプション設定。
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タイトル画面のパスワード入力にて様々な効果を得られる裏技があり、これが結構多彩に用意されている。
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ステージセレクトや自機無敵化、さらには謎のカラーバー表示なんてものもある。さらにはPCEの高解像度モード(横512ドット)にも対応。画面を圧縮して縦長画面風に遊べる。
 
 
問題点
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悪くいえば大味な作り。
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ゲームとしては遊びやすい反面、全体的に大味なバランスでもある。
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敵配置や弾のばら撒き方が少々雑で適当臭い部分もちらほらと存在し、熟練シューターからは厳しい目で見られやすい。
 
 
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中盤まではヌルめ、対してステージ7~8は鬼畜気味という難易度。
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ステージ6位までは、とにかく撃って弾を避けりゃ何とかなる大らかな難易度で収まっているが…。
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しかし、ステージ7~8(ラスト)の難易度が他ステージに比べ桁違いに難しい。特にステージ8は自機に高速で体当たりする敵がこれでもかといわんばかりに出現し、やたらと回避し辛い。
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こればかりは慣れるか、裏技の無敵化のどちらかで挑むしかない。ちなみにラスボスは道中とは比べ物にならない程弱い。
 
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ミス後は初期状態での戻り復活だけあって、復活するのがやや困難である。
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特に上記のステージ7~8でミスすると中~上級シューターですら手こずるレベルだと思われる。
 
 
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やや演出が淡白気味。
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ボス戦のBGM全般がラスボスを含め、すべて使い回しなのは少々盛り上がりに欠ける(上記の通り、ラスボスが弱いので尚更そう感じる)。
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エンディングがあってないような素っ気なさ。
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スタッフロールにて自機の全変体、及び形体のすべてが拝めるサービスシーン(?)はちょっぴり嬉しいが…。
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とはいえ、当時の家庭用ゲームにおいて、容量的な都合な関係上、こういうエンディングはそう珍しくはない。よって、本作だけを責めるのは早計である。
 
 
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全編通して蟲だらけ。虫嫌いな人にとってはプレイする事が地獄のようなものであろう。
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登場する敵はすべて虫。しかも敵の虫らしさが結構リアルに書き込まれている丁寧な仕事ぶり。
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ここでは大っぴらに語るのはアレなので簡易に説明するが、「忌み嫌われる害虫系多数」である。
 
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背景はそこまで露骨な気持ち悪さは控えめではあるものの、先のステージに進むと段々と生物的な背景になってくるので油断はできない。
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自機デザインは機械的でかっこいいものなので、生理的な気持ち悪さは皆無だが、モチーフが虫な訳で拒絶反応が出る人もいるかもしれない。
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でもオープニングに登場するパイロットの顔グラフィックが結構ホラーチック。
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そもそも「驚異的な力を手に入れる為に、パイロットが外宇宙の生命体と融合した」という設定の時点で…。
 
 
総評
シューティングとしては撃ちまくりの爽快感が適度に堪能できる遊びやすい一作であろう。
『ドラゴンスピリット』みたく地形の壁に挟まれて「密閉は嫌だ~」と嘆いてた人でも、こっちはそういった事がほとんどないので安心ではある。
しかし、ゲームバランス的には良くも悪くも大味なのも事実。
中盤までは結構いい加減なプレイでもクリアでき、後編は変に難しいという内容なので、その辺は好みが分かれるかもしれない。
あと、虫嫌いの人は注意。
余談
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本作の約2年後に、PCEソフト『サイキックストーム』がリリースされている(発売は今は亡き日本テレネット、開発は本作と同じアルファ・システム)。
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本作と非常に似た雰囲気(昆虫デザインや変体要素など)を持つが、ゲームとしての関連性は特にない。
 
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自機が進化してパワーアップするシステムは、データイーストの異色STG『ダーウィン4078』を意識させる。
他機種移植
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X68000版(1991年10月25日発売、エス・ピー・エス)
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大方はPCE版と同じ内容だが、グラフィック周りが少し繊細となり、一部の演出が強化されている相違がある。
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2013年3月26日からX68000版がプロジェクトEGGにて配信中。
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原作であるPCE版は今現在、一切の配信サービスはされておらず、X68000版が唯一の配信によるプレイが可能な機種となっている。
 
 
最終更新:2022年12月08日 14:59