本項ではPS用ソフト『サモンナイト』と、そのDSリメイク版の両方を紹介します。
判定はどちらも「なし」です。
サモンナイト
【さもんないと】
ジャンル
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ファンタジックシミュレーションRPG
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 裏を見る
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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バンプレスト
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開発元
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フライト・プラン
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発売日
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2000年1月6日
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定価(税込)
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6,090円(税5%込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) |
廉価版(税込)
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PS one Books 2002年12月5日/2,940円
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配信(税込)
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ゲームアーカイブス 2012年7月21日/600円
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判定
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なし
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ポイント
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第1作ゆえに荒削りな部分あり しかしシリーズの基礎は整っている
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サモンナイトシリーズ
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概要
『BLACK/MATRIX』シリーズを手掛けた「フライト・プラン」による、『サモンナイト』シリーズの第1作。
タイトルの「サモン」と「ナイト」はそれぞれシリーズの肝となる「召喚術」と「夜会話」を表している。
ストーリー
「リィンバウム」は、かつて楽園とも呼ばれていた世界であった。
魔力に満ちあふれた大地は、生きとし生けるものに豊かな恵みをもたらしてくれた。
だがそれゆえにまた、この地は異界の侵略者たちに狙われ続けていた。
強大な破壊の力をもつ彼らに対抗するため「リィンバウム」に暮らす人々はふたつの魔術を生み出した。
「送還術」と「召喚術」異界の者を退去させ、自在に使役するこの力で、彼らは侵略者たちを迎え撃ったのである。
果てることなきこの戦いは、一人の青年の登場によって終演を迎えることになる。
「誓約者(リンカー)」と呼ばれたこの青年は、「世界の意志(エルゴ)」の力を用いて強力な結界を張り巡らせ、異界からの侵略者を完全に追放してのけたのである。
リィンバウムは、再び平穏を取り戻したかに思えた。
だが、外敵を退けるための力は、そのまま同胞に向けられてしまうことになった。
魔物たちによってもたらされた悪徳により人々は争うことを覚え、リィンバウムは楽園とは呼べぬ世界に変わっていった。
そして今、リィンバウムから我々の暮らすこの世界に向けて、かすかに呼びかける声があった…。
「誰か、助けて…」
届くはずのないその声を、一人の若者が受け取ったその時
「召喚術」の輝きがふたつの世界の壁を貫いた…。
不思議な声に導かれ学生がリィンバウムに召喚された!!
(PS版公式サイトより引用)
ゲームの流れ
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全○○話の章立てで構成されており、基本はその章の「アドベンチャーパート」「バトルパート」「夜会話」に分かれておりそれらを終えることで次の章に移行する。
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なお一部の章はアドベンチャーパートもしくは夜会話が存在しない。
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ゲーム開始時に4人の主人公(男性2人・女性2人)から一人選び、最初の会話の選択肢で主人公のパートナーを決める。
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これら二つの要素は以降のナンバリングでも多少の差異はあるものの変わらず続いている。
アドベンチャーパート
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街とその周辺のミニマップが表示されそこから行きたい場所を選び、キャラクターとの会話、ミニゲーム、ショップで買い物、自分の部屋でセーブ、フリーバトルなどが行える。
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キャラクターとの会話では選択肢があるものもあり、選択によってはシナリオが大きく変化するものもある。
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ミニゲームは以下の3種類。お金やアイテムなどを入手できる。
魚釣り
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タイミングを合わせて餌を飛ばす距離を決め、魚がかかったら○×△□ボタンを連打して釣り上げる。以降のシリーズでもおなじみとなるミニゲーム。
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猫のしぐさあて
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一定時間内に画面内にいる猫がどんなポーズをしているかを覚え、猫とポーズの正しい組み合わせを解答する。正解すると釣りの餌が貰える。
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アカネの分身
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仲間の「アカネ」が画面内のあちこちに何度か瞬間移動し、最後に出現した場所を大量に出現した分身の中から選択する。最大3回しかプレイできない。
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バトルパート
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シナリオが進行すると発生する。ユニット化されたキャラクターを使い、敵ユニットと戦闘する典型的なSRPGだが、独自の要素として「誓約」と「召喚」がある。
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「誓約」はアイテムのサモナイト石と装備中のアクセサリを組み合わせて、「召喚獣」を呼び出す。サモナイト石にも色によって種類があり何通りもの組み合わせができ、それによってはアイテムが出たり、はずれとして小回復または小ダメージを受ける事もある。「誓約」を終えるとサモナイト石を消費し、代わりに「召喚獣」の石ができ、それを装備することによって後述の「召喚」が可能になる。
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『2』以降と異なる点として、誓約は主人公しか行えないこと、誓約で呼び出した直後の召喚獣は最大威力が半減する代わりに誓約時以外のMP消費無しで発動できること、属性とは無関係な召喚獣を呼び出せる組み合わせが存在することが挙げられる。
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「召喚」は前述の「誓約」により出現した「召喚獣」を使い、MPを消費して攻撃や回復などを行う他のゲームでの所謂魔法にあたるもの。これを使ってバトルすると物理攻撃と違って100%当たり、なおかつ反撃されないという優位性がありとても便利。
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ただし戦闘中のMP回復手段がほぼ無いため、計画的に使っていく必要がある。
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経験値は敵を倒した直後に倒したユニットに与えられる形式ではなく、バトル終了後に獲得した経験値を出撃したユニットに任意で振り分けてレベルアップさせる。振り分けを保留して、次回以降に経験値を持ち越すことも可能。
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レベルアップするとボーナスポイントを獲得し、キャラクターのSTR(腕力)/VIT(生命力)/INT(知力)/DEX(器用さ)に割り振って強化できる。
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各パラメータはそれぞれ物理攻撃力・HPと物理防御力・魔法攻撃力と魔法防御力・物理攻撃の命中率に影響する。振り直しはできないため、キャラクターの個性や育成方針をよく考えて割り振る必要がある。
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一定のレベルに到達するとキャラクターの称号(クラス)が変化し、移動力の上昇・特殊能力の習得などが起こる。
夜会話
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大半のシナリオ終了時(夜)に仲間キャラの中から一人を選択し、親密な会話を行う。アドベンチャーパートでは分からないそのキャラの一面が見えることも。
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何回も会話することによってそのキャラと深い間柄となり、夜会話の内容が変化することがある。キャラによってはシナリオの流れが変わってくるものもいる。エンディングは最後の夜会話で選んだ相手を主にした内容になる。
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「シナリオ終了毎に1人だけ選んで会話する」「夜会話の前に必ずバトルが入る(夜会話の直前でセーブ不可)」という性質上、一通り見ようとすると結構手間がかかる。
評価点
会話パートがフルボイス
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個性あるキャラクター達がフルボイスで喋るのはシリーズの特徴的な点だろう。
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ただし主人公のみボイス無し。この仕様は『4』まで続いていた。
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主人公の名前は変更可能であるため、文章上で主人公の名前が呼ばれる個所のボイスは「きみ」「あなた」等の汎用的なものが割り当てられている。パートナーの名前は固定となっている。続編の『2』のように主人公やパートナーの名前の部分で不自然にボイスが途切れることはない。
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一方で戦闘パートは主人公以外のキャラクターも含めて全員ボイス無しである。
飯塚武史氏によるキャラクターデザイン
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ファンタジーな世界観によくマッチしている柔らかい雰囲気のデザインが好評。
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ナンバリングシリーズの主なキャラデザインは飯塚氏が継続して担当しており、「キャラデザインがこの人だから買う」というシリーズファンも多い。
多彩なキャラクター
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登場するキャラクターは味方だけでも30を越え、その多くがバトルに参加する。多くの戦闘では8人まで出撃出来るが、気に入ったキャラが増えていくとその枠数でも足りなくなってしまうだろう。
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それだけ多いキャラ数にもかかわらず、攻撃タイプや召喚所持数などで差別化されているため似通った性能のユニットも少ない。
ダークな世界観
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一見ほんわかしているような世界観だが、「召喚術」という要素に注目するとそれはまったく違うものになる。
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そもそも「召喚術」は他の世界の住人を無理やりリィンバウムに呼び寄せるものであり、そのほとんどの「召喚獣」が労働や戦闘、果ては愛玩動物として使われ、そのほとんどが故郷の世界に帰れずにいる。率直なことを言えば奴隷扱いである。
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なぜ「召喚獣」が反逆しないかと言えば、それは基本的に召喚した召喚師しか元の世界に帰せる「送還術」を使えないからである。もし殺したりなどしてしまえばよほどの事がない限り帰る方法が無いのである。
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そしてその「召喚術」を使う召喚師達も歪んだ人物が多い。召喚術で金儲けを生業とする一般人に高圧的な金の派閥やテロ行為などを行う無色の派閥など組織体制もあるほどで、作中の一般人からは反発が大きい。
マルチエンディング
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好感度(好意値とも)の最も高いキャラクターが誰なのかにより、エンディングが変化する。
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エンディングにはそのキャラが登場するだけでなく、キャラ次第で3つあるどの展開になるかも変化する。
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魔王値というステータスが高いと、それらとは異なる4つ目のエンディングを迎えることになる。
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狙わないとまず見られない特殊なエンディングであり、実質バッドエンドなのだが、一部キャラクターが救済されるなど続編のカルマエンドとは趣きが異なるため、このエンディングを気に入ったファンも少なくない。
賛否両論点
戦闘バランス
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攻撃力か魔法攻撃力に一極振りして攻撃するだけで大抵の相手は一撃で倒せる。そんな具合に戦闘バランスはよくない。
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敵CPUの行動思考が、自軍がある程度接近するまで待機ほぼ一択なのも問題に上げられる。このせいで「弓・銃といった遠距離武器や召喚術で削って近接攻撃でトドメ」というシミュレーションの基本で楽に勝ててしまう。
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難易度の低さはSRPG初心者でも詰まることなくプレイできるということでもあるし、本作の場合は様々なキャラとの夜会話・エンディングを見たい場合などにサクサク進められる点は嬉しい事なので、一概に難点とも言えない。
+
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あるルートのラスボスの強さに関するネタバレ
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通常ルートのラスボスは「指定したマスとそこに隣接する四方のマスに防御無視の固定ダメージを与える」という固有の攻撃方法を持っているのだが、味方ユニットが2体隣接しているとラスボス自身も攻撃範囲に含まれる。
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おかげで体力の高いユニットで隣接し回復アイテムを使い続けて自滅を待つだけで倒せてしまう。しかもよりによってこの戦法は攻略本にも書かれている。
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問題点
シナリオの規模があまり大きくない
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最終的に世界の存亡を賭けるレベルにまで話が発展するが、基本的に主人公が流れ着いた街とその近辺でしか物語は動かない。
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余談にもあるオープニングアニメでは大勢で旅をしている雰囲気を醸し出しているが、実際に大勢で遠出するような展開は終盤のごくわずかな間のみ。ぶっちゃけオープニング詐欺である。
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この問題点は続編でも度々指摘される、シリーズの課題の一つとなっている。
調整できていないシステム
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召喚獣を呼び出す組み合わせで誓約を行った場合、実際に使用するまでは何の召喚獣が出て来るのかが分からない。「攻撃魔法かと思って敵を対象に選択したら実は回復魔法だった」などの事故もあり得る。
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対象範囲に誰もいない状態でも召喚術の発動自体はできるので、前情報が無い状況での誓約時は基本的にそうやって空振りさせる方がいいだろう。
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例外として、召喚獣を戦闘ユニットとしてフィールドに配置する召喚術(ユニット召喚)は他のユニットがいる場所を対象にできないため、他のタイプの召喚術と区別できる。
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シリーズ一作目なので仕方ない部分もあるが、他にも「頻繁に使う召喚術の演出がスキップできない」「周回ゲーなのにスキップしにくい」「周回特典が無い」「戦闘前や戦闘中にセーブが出来ない」など粗が多い。
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会話の早送りは裏技扱いで、会話が始まる前の地形名表示時に特定のコマンドを入力する必要がある。一度成功すれば電源を落とすまで有効ではあるが。
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何度かある連続戦闘では負けると初戦前のセーブ地点からやり直しになる上、最終戦ではなんと四連戦が待ち受けている。
属性ごとの召喚術のバランス
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本作の目玉要素の一つである召喚魔法だが、霊・獣属性の召喚がユニット召喚を含めて11個あるのに対し、鬼・無属性は4個しか存在しないため、数のバランスが取れているとは言い難い。
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鬼属性に関しては主人公以外で召喚師寄りのステータスを持つキャラが最終盤にならないと加入しないため活かしにくく、鬼属性最強の召喚獣(+最強の投具(武器))は隠しキャラとの2択という点も問題である。
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上記の問題点は『2』以降やDS版で概ね改善されている。
総評
世界観は作りこまれており、魅力的なキャラクターも多く、難易度も高くはない。
シリーズ1作目ゆえに粗が多い部分もみられるが、極端に遊びにくいというほどでもない。
独自の要素を持ったファンタジー系RPGとしては及第点といえるレベルなので、興味があれば遊んでみてもらいたい。
余談
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タイトル画面でしばらく操作せずに放置しているとオープニングアニメが流れる。
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本編だと孤児院で留守番しているリプレや子供達が冒険に同行していたり、主人公のパートナーの代わりに同性別・同性格のパートナーの服を着ている主人公が存在するなど、本編と異なる内容が散見される。
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なお『2』以降は逆にオープニングアニメ→(ボタンによるスキップ→)タイトル画面の順番になる。
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本作にサウンドテストは存在しないが、続編の『2』で条件を満たすと解放されるサウンドテストでは『1』のBGMも全て聴くことができる。
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2000年4月に本作のノベライズである『サモンナイト~帰るべき場所へ~』が発売された。
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本作の第11話終了後~第12話開始前に起きた出来事が描かれ、続編『2』のキャラであるミニス・マーンが先行登場している。
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2004年に発売された『クラフトソード物語』にて、本作の主人公がゲストキャラとして登場している。
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主人公4人のうち一人登場するが、事前の選択肢でどのキャラになるか決められる。
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『クラフトソード物語』の後日談を描いた小説『私たちの海上都市』にも主人公のナツミとパートナーのソルがゲスト出演している。
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『サモンナイト5』発表と同時にPS版のゲームアーカイブス版が配信開始され、2012年8月28日まで半額の300円で購入可能だった。
サモンナイト(DS)
【さもんないと】(DS)
ジャンル
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ファンタジックシミュレーションRPG
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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チャイム
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発売日
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2008年4月24日
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定価(税込)
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5,040円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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3個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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サモンナイトシリーズ
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DS版の追加・変更点
2008年に発売されたリメイク版では、続編の『2』『3』『4』で実装された一部システムや、DS版独自のシステムが追加されている。
一部テキストが修正されているが、シナリオやキャラ、エンディングなどの追加は無い。
またキャライラストもパッケージ用のものが新規に書き下ろされているのみであとはPS版と全く同じである(マップ上のキャラクターのドット絵は一部修正されている)。
基本的なシステムの変更
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PS版『1』独自だった仕様が『2』以降のものに変更されている。
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パラメータの内、STR・VIT・INT・DEXがAT(物理攻撃力)・DF(物理防御力)・MAT(魔法攻撃力)・MDF(魔法防御力)・TEC(器用さ)に変更された。
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無属性以外の召喚魔法に、強さに応じたランクが設定された。C(最低)・B・A・S(最高)の4段階。
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各ユニットにも得意な召喚属性の使用可能ランクが設定された。自分のランクを上回る召喚術は使用できない。ユニットによってはクラスチェンジでこの使用可能ランクが上昇することがある。
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PS版は1つの召喚石に1つの召喚魔法が登録されていたが、DS版は召喚石に登録された召喚獣によっては複数の召喚魔法が設定されている。
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召喚獣をユニットとして召喚する召喚魔法は、特殊能力「ユニット召喚」を持つキャラでないと使用できなくなった。
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武器のハンマー・ブーツ・麺棒と防具の装束が廃止され、武器の杖が追加された。
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廃止された装備が可能だったユニットは、それぞれ「ブーツ→武具」「麺棒→杖」「装束→着物」に変更されている。
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主人公以外の召喚師キャラもスキル「誓約の儀式」により召喚術作成が可能になった。
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召喚獣を呼び出せる組み合わせで誓約を行った際、誓約直後に召喚獣の詳細を確認できる。その後は通常通りMPを消費して魔法を使用するか、使用せず送還するかを選べる(いずれにせよ召喚石は手に入る)。
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ゲスト参戦ユニットから装備を外せなくなった。このためゲストユニットしか所持していないアクセサリーで誓約するタイミングがそのユニットの参戦時のみになっている。
ブレイブクリア
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『3』『4』のシステム。「出撃メンバーのレベルが一定以下」「出撃メンバーを戦闘不能にしない」「回復アイテムの使用数は6個まで」などの決められた条件を満たしてバトルをクリアすることで、後述のパーティポイントを獲得できる。また一定数ブレイブクリアする度にパーティ能力を入手できる。達成してもシナリオ展開や隠しキャラの条件などには影響しない。
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今回は一度上げたレベルを下げる術が無い。イベントバトルに進むアイコンにブレイブクリアの上限レベルが表示されるので、忘れずチェックしておくべし。
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ブレイブクリアがあるとはいえ、PS版同様敵は積極的に攻めて来ないので、難易度はさほど高くない。
パーティ能力・パーティポイント
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『3』『4』のシステム。パーティ能力は、戦闘準備時にセットしておくことで戦闘時・戦闘後に有利な効果を得られる能力。各能力にはポイントが設定されており、このポイントの合計がパーティポイントを超えない範囲でセットすることができる。一度取得した能力は次周以降に持ち越せる。
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『3』『4』より能力の最大個数は減少したものの、取得条件も周回特典以外は1周内のブレイブクリアの総数のみと簡略化された。
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PS版では皆無に等しかったMP回復要素を付加できる能力も存在する(毎ターン5ずつ回復可能)が、条件がブレイブクリア回数21回と相応に手間がかかる。
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パーティポイントは全パーティメンバー(ユニット召喚獣は除く)のレベルの合計に、上記ブレイブクリアで入手した分が加算される。
召喚獣改名
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『2』から実装されたシステム。初めて誓約した時に召喚獣に付けた名前を変更できる。今回は自室でアイテムを消費せずに行えるが、『2』『3』にあった特定の名前を付けると強化・弱化する効果はない。
召喚コミュニケーション
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DS版で新規に実装されたシステム。サモナイトペンというアイテムを自室で消費して、DSの下画面で召喚獣と簡単なコミュニケーション(ミニゲーム)を行う。
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2回成功させると、任意のキャラクターに対して召喚獣をお気に入りに登録することができる。お気に入り登録した召喚獣は魔法の消費MPが下がる他、お気に入り専用の魔法が使えるようになる。
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女性型召喚獣の胸などを触るなどして機嫌を損ねさせ続けると失敗扱いとなってしまい、消費したサモナイトペンも戻らないので注意。
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ただし各属性の最強の召喚獣と無属性の召喚獣に召喚コミュニケーションを行うことはできない(無属性の召喚獣は岩などの無生物しかいないので仕方ないが)。
機能追加や快適なプレイ設定
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具体的には、会話シーン早送りの常設化、バックログの追加、召喚エフェクトのスキップ、戦闘前のセーブ、戦闘時の中断セーブなど
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プレイが快適になる仕様がいくつか追加された。中断セーブは何度でもロード可能だが、一度セーブを行うと一々タイトル画面に戻されてしまう。
召喚獣の変更・追加
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『2』と『3』に登場した一部召喚獣が登場する一方、「森のめぐみ」など『1』にしかいなかった召喚獣は削除されてしまった。
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鬼属性と霊属性に、DS版限定の召喚獣が各一体追加された。既存の召喚獣にも新規の魔法が追加されたものがいる(主にお気に入り専用)。
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PS版の問題点であった属性間の召喚獣の個数の差はほぼ解消されている(無属性がやや少ない程度)。
一部キャラのクラス名変更・クラスチェンジ回数変更・習得スキル追加・装備武器追加
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PS版『1』『2』では「元の世界で剣道部員だったのに刀(竹刀)を装備できない」とネタにされた主人公の一人トウヤが、レベル10で刀を装備できるようになった。
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他に装備武器が増えたキャラは主人公の一人アヤを含む召喚師系キャラ(杖)、ローカス(斧)、カイナ(槍)位しかいない。
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PS版より特殊能力の種類が増え、各キャラクターの個性も追加能力によってより映えるようになった。
武器持ち替えシステム追加
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武器持ち替えは『4』のシステムで、二つの武器を装備している場合戦闘中に使用武器を自由に切り替えられる。
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しかしタイプの異なる複数種類の武器を装備可能なキャラがあまりおらず、恩恵を得られるのはガゼルやエスガルドくらい。
ミニゲーム
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魚釣りで釣り上げる際、ボタン連打ではなく、DSの下画面に表示されているリールを操作して釣り上げる形式に変更された。
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アカネの分身プレイ時、アカネが瞬間移動する際に青いアカネと緑色のアカネも同時に瞬間移動するようになり、難易度が上がった。
周回特典の追加
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クリアデータを引き継いで最初から遊べるようになったが、引き継げるのは召喚辞典とパーティ能力のみ。クリア前に誓約した召喚術は手元に残らないので、必要なら再度作らなければならない。
その他仕様など
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キャラクターボイスとオープニングムービーがカットされ、エンディングがノンボーカルのアレンジBGMに変更された。おそらく容量の都合によるものと思われる。
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戦闘時は下画面でキャラクターを操作し、上画面は勝利条件・敗北条件・ブレイブクリア報酬・カーソルが合ったキャラクターの簡易ステータス・敵と味方の残り人数・簡易的な戦闘マップが表示されるようになっている。
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BGMは基本的にPS版とほぼ同じアレンジだが、バノッサのテーマ「DESPERADO」は音程が上がっている。
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PS版ではポカポカパンチのモーションに合わせる形で唯一他の打撃系キャラとは異なっていたモナティの打撃音が、他の打撃系キャラと同じもの(1発だけヒットしている音)になった。モーションはそのままのため違和感がある。
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エドスの特殊能力「スペシャルボディ」(状態異常を受け付けない能力)が、同効果の「全異常無効」に変更された。
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PS2版『3』以降スペシャルボディは機械系のユニット限定の能力になったため、『3』発売以降は「人間なのにスペシャルボディ」とネタにされていたが、本作でもその仕様に合わせるための変更だと思われる。『3』のギャレオ程ではないがファンからはネタキャラとして親しまれてきただけに惜しむ声もある。
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鬼属性の最強召喚獣の入手が隠しキャラとの2択ではなくなった。
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また最強の投具はPS版とは逆に該当の隠しキャラを仲間にしないと手に入らないように変更された。鬼属性の追加召喚獣も同様なので仲間にした方がお得。
評価点(DS)
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当時のシリーズで導入されていた最新のシステムや携帯機に合わせたシステムが導入されたことにより、PS版にあった問題点が概ね解消された。
問題点(DS)
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キャラクターボイスのカットは、特に過去作プレイ済みのファンからはDS版最大の問題点としてよく挙げられる。
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『4』に導入されていた、キャラクターのレベルを下げる「人生やり直し」が実装されていない。
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ブレイブクリアの上限レベルを超えてレベルアップしてしまった時にやり直せず、また平均的なパラメータ割振りが行われている後半加入キャラの育て直しができない。
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DS版独自のシステムである召喚コミュニケーションだが、以下の問題点が存在する。
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召喚獣ごとにコミュニケーションのパターンが限られているため、面白みに欠ける。
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『4』では1つのアイテム消費で簡単にできたお気に入り登録が、本作では2回コミュニケーションを成功させないと登録できなくなっており、面倒になった。
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一部の召喚獣は、コミュニケーションにタッチペンで点と点を繋げて魔法陣を完成させてあげるパターンがある。ほとんどの召喚獣は魔法陣が途中まで作られており完成形を推測できるが、追加召喚獣に関してはノーヒントで一から魔法陣を書く必要がある。
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そもそもコミュニケーションの全てがペンを使うようなものではないのに、「わざわざサモナイトペンを消費しないとコミュニケーションができない」という根本的な仕様が不自然である。無理にDSのタッチペンと関連付けなくてもよかったのでは…?
総評(DS)
システムの改善により遊びやすくなっており、シリーズ未プレイの人にも十分勧められる。
ただしキャラクターボイスが削除されたうえに目を惹くような追加要素も少ないため、PS版をクリア済みのファンにとっては少々物足りないか。
キャラクターボイスと価格の安さが売りのPS版アーカイブスか、システムが充実したDS版か、自分が持っているゲーム機などを考慮してどちらを遊ぶか決めるといいだろう。
余談(DS)
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予約特典として新作アニメ付きの「サモンナイト Magical Disc」が付属。
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未だにTVアニメ化などがされていないためファンの期待度は高かったが、いきなりエンディングの内容な上に後はそれまでのシナリオのダイジェストでキャラクターは殆ど喋らず、おまけに本編との矛盾点が散見されるなど問題点が多い。ノンボーカル化したエンディングはこちらだとボーカル付きで聴けるのだが…。
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本編でボイスが無かった主人公のハヤトは、PS版『2』の森川智之氏ではなく、ファン投票で決定した下野紘氏が担当している。
最終更新:2024年07月22日 17:00