シムシティ2000 (SFC/SS/PS)
【しむしてぃにせん】
ジャンル
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シミュレーションゲーム
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対応機種
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スーパーファミコン セガサターン PlayStation
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メディア
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【SFC】16MbitROMカートリッジ 【SS/PS】CD-ROM 1枚
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発売元
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【SFC】イマジニア 【SS】セガ・エンタープライゼス 【PS】アートディンク
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開発元
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【SFC】ハル研究所、ダイス 【SS/PS】MAXIS
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発売日
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【SFC】1995年5月26日 【SS】1995年9月29日 【PS】1996年12月20日
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レーティング
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【SS】セガ審査:全年齢推奨
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判定
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劣化ゲー
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ポイント
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ハード性能による処理落ち・ロード地獄 特にSS/PS版は酷い ただし追加要素もあり単なる劣化移植では終わっていない
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シムシティシリーズ
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概要
都市開発シミュレーションの名作PCソフト『シムシティ2000』の移植版。
ここではSFC・PS・SSの三機種について述べる。
SFC版
問題点(SFC)
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凄まじいまでの処理の遅さ
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高性能のPCでこそ実現できていた処理を無理にSFCで行わせたために起こってしまった、本作最大の問題点である。
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建物ひとつ作るのにも微妙な間が出来るなんて事は些細な事で、本当に酷くなるのは町が大発展してから。
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PC版でも新登場の「アルコロジー(完全環境都市)」で莫大な人数を街に集める事ができ、そのために処理が遅くなる問題はあったが…。
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当然ROMカセットでありながら読み込みも入る上、1回につき5、6秒と、下手なCD-ROMゲーム機よりも遅いという有様。
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また、道路や住宅・商業・工業の敷設範囲などの指定も全てカーソルで行うため、通常のSFC用コントローラーだと操作性が著しく悪い。
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スーパーファミコンマウスに対応していればPC版と同様の操作性でプレイ出来たと思われるが、残念ながら非対応である。
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マップが狭い。
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『2000』本来のマップは128×128タイルなのに対し、SFC版では96×96タイル。当然物足りない。
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セーブデータ周りの問題。
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セーブできる都市は1つのみ。フリープレイとシナリオモードの同時プレイは出来なかった。
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またSFC水準ではデータ量が多すぎたためか、はたまたバッテリーバックアップが脆弱だったためか、他のSFCゲームと比較してセーブデータの破損事故も起きやすかった。
評価点(SFC)
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SFC版では以下の追加要素があり、単なる劣化移植では終わっていない。
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雨や雲など天候の要素がアニメーション表示されるようになった。
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プレゼントが追加されている。
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シナリオモードは、SFC版でしかプレイできないシナリオが設定されている。
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クリア条件は単純に人口を増やせば良いだけだが「市長の試練」と「娯楽シティー」は特別な条件が定められている。この2つのマップの新聞はクリアの助けになる記事が常時掲載される配慮がなされている。
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教会がシナリオ(モデルになったと思われる場所)によって仏教の寺院やイスラム教のモスクに置き換わっているなど、細かいところも凝っている。
PS・SS版
問題点(PS_SS)
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PS・SS版はSFC版への移植よりも更に処理速度、ロード時間が非常に鈍化。
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大体1回のロードで12~13秒もロードする。当然ながらストレスたまりまくり。
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大都市に発展してからの処理落ちっぷりは多くのファンを激怒させ、やる気をなくしていったと言われるほど酷い。その酷さたるや、もはやゲームとして成り立っているかどうか不安なレベル。
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幸いその他のデータはほぼ完全移植なのでなんとか面白さは健在なのだが…。
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セーブ領域も大量に使う。特にSS版は、本体のセーブ領域をほぼ全て空けないとセーブできない。
評価点(PS_SS)
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PS版では、3Dの自らの街を車で走り回ることの出来るドライビングモードが追加されている。
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この点はPC用の同様のソフト「ストリート・オブ・シムシティ」に先駆けている。
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ただし長時間のロードに加え、内容の方もお世辞にもあまり良い出来では無い。
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ラマ・ドームが宇宙港に、SS版では市長の銅像がソニック像に変更されている。
その他のバージョン
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64版
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イマジニア発売・元気開発の移植作。
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両者の欠点を除去した…はずだが、シナリオなどがカットされてたり、誤字があったり、64版のみのミニゲームの収益がゲームバランスを壊した…という評価が出ている。
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とはいえ動作速度は速く処理落ちは無い(厳密に言うと視点切り替えなどで一瞬止まるが許容できる範囲)上に、グラフィックは上記3作を超えるほどに美麗。ミニゲームは無視してプレイ出来るため、意識して触れなければバランスが崩れる事は無い。
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但し、プレイし続けていると表示や情報が一部バグったりする事がある他、セーブやロード時間が長くコントローラパック(これの全メモリーを使用する)なしではセーブ自体が不可能という問題もある。
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また、開始時代が2000年で固定されているなどの細かな違いがある。
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64版「シムシティ64」
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HAL研究所開発、任天堂より発売された64DD専用ソフト。シムシティ2000をベースにしている。
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3D化された他、Dr.ライトが出たり住民の声を直接聞けたりするなど任天堂オリジナルの要素が加えられている。
総評
SFC版もPS・SS版も、ハードの処理能力を全く考えなかったための劣化移植であろう。
SFC版はCPUの性能が低かったのと、PS・SS版はCD-ROMの読み取りが原因である。
当時の家庭用ゲーム機の性能が追いついていなかった故の悲劇といえる。
余談
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SFCのCPUはPS・SSはおろか、当時は事実上終焉を迎えていたPCE・MDよりも劣っていた。
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SFCは16ビットにしては色々と制約があるハードだったようで、SFCより前に発売された8ビットのPCEの方が処理速度が高速だったそうである。
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家庭用ゲーム機でシムシティ2000をまともに遊ぶには64版まで待つことになってしまったが、SFC版から3年も経っておりさすがに話題にならなかった。
最終更新:2024年06月22日 06:50