「検証依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。
依頼内容はPS版とSS版の違いについてです。
FIST
【ふぃすと】
| ジャンル | 格闘ゲーム |  
 
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| 対応機種 | プレイステーション セガサターン
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| 発売元 | イマジニア | 
| 開発元 | 元気 | 
| 発売日 | 1996年11月22日 | 
| 定価 | 【PS】5,800円 【SS】6,800円 (共に税抜)
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| レーティング | 【PS】なし 【SS】セガ審査:全年齢推奨
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| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 美少女を売りにしてるのにポリゴンが壊滅的 ゲームバランスも良くはない
 声優とBGMは無駄に豪華
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概要
かつてセガサターンにおけるクソゲー四天王の1角と呼ばれていたゲーム。
『制服伝説プリティ・ファイター』『制服伝説プリティ・ファイターX』に続く美少女格闘ゲームシリーズ第3作だが、前作から続投となったキャラクターは3人のみ。前作までは2D格闘ゲーだったが、今作では当時流行の3D格闘ゲーになった。
前々作・前作もクソゲー認定は受けていたが、少なくともグラフィックは原画に忠実ではあった。
SS版・PS版の同時発売。初回限定版にはドラマCDが付属。
問題点
    
    
        | + | まずはこの中の動画を見て欲しい。これだけでも今作の雰囲気が伝わるだろう… | 
悪夢である。
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各キャラは、イメージイラストやデモなど2Dでは可愛いアニメ絵で描かれているのだが、プレイヤーが使用する3Dポリゴンキャラクターは稚拙なモデリング。
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キャラクターによっては髪型や衣装、体型すら全く違うことすらある。
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特にクマ(?)の着ぐるみを着た「土月真澄」に至っては、『鉄拳』シリーズの木人か麩菓子のようにしか見えず、アニメ絵のダボダボのきぐるみとは反対に体に張り付いた自由工作のネズミのような姿になっており、「段ボール」などと呼ばれる。
 
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SS版(上の動画のゲーム画面)ではそれに加え、子供の落書きのような顔グラテクスチャを貼り合わせた、2D絵とは似ても似付かぬモノとなっている。PS版より1,000円高いにもかかわらず、である…。
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この時期のPSのソフトは値引き不可だったため、定価ではSSのソフトの方が高くとも売価は大差なかったことを付記する。
 
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一応PS版ではテクスチャがマシなものになっており、2Pカラーで8人中6人の衣装が変わるなど、土月以外は可能な限り雰囲気を再現しようとする意志は見られなくもないが…
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ちなみに「キャラ紹介」モードでカメラ視点を切り替えてスカートの中を覗く事もできるのだが、このグラフィックでそれを望む人間はおそらく存在しないであろう。
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デベロッパーの元気は、この当時はまだ『首都高バトル』などのレースゲームの開発が中心であり、3Dアクション系はほとんど携わっていなかった。すでにPSで『首都高バトル』シリーズを売り出してはいたが、まだ人間を造形する技術力が足りていなかった可能性がある。とはいえ、せめてビジュアル面だけでも如何にかならなかったのだろうか。美少女キャラクターをウリにしているのならなおさらである。
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ちなみに本作の発売は1996年11月だが、その8ヶ月前にはPSで『鉄拳2』が、さらに約1年前にはSSで『バーチャファイター2』が発売されていたことも、本作の3Dポリゴンの出来の悪さに拍車をかけているといえる。
 
    
    
        | + | 上の動画を見終わるまでは開かないように!! | 
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| かわいいイラストのマリンちゃん | こわいいSS版ポリゴンのマリンちゃん |  
何故この出来で世に出してしまったのか?
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ビジュアル面ばかり悪目立ちしすぎるのでゲーム性はそれに隠れてしまっている感があるが、これについてもクソゲーおなじみの劣悪ゲームバランスとなっている。
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操作に関しては、キャラクターの反応が妙にズレている。
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ハメ技があるので、これで簡単に勝ち進んでしまう。
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PS版は空中コンボがほとんど出来なくなるなど、SS版に比べて劣化している部分も多い。
 
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演出面でも首を傾げたくなるような部分がある。
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ストーリーは「アイドルになりたかったら勝負して勝ち上がりなさい」というもの。なのにマッチョマン2人が参戦。アイドル志望とは一体…。
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マッチョマン2人のうち、不良系イケメンの「アーツ」はそれなりに女性の需要がありそうだが、モヒカン頭かつタラコ唇で色黒の「アンディ」は誰得と言わざるをえないだろう。
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PS版で見ることができる初期設定では「ちとカイザーナックル系?」のイケメンが描かれていた。体型を再現できないならこっちのまま出しても良かったのではないだろうか?
 
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さらに着ぐるみ娘の「土月真澄」はアンディすら普通に見えるほど存在意義が不明なキャラクター。これなら前作から中の人が同じキャラクターの「緑川みなみ」を続投させたほうがマシである。
 
評価点
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声優だけは無駄に豪華。
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ざっと挙げると、女性キャラクターには氷上恭子氏、大谷育江氏、井上喜久子氏、田中敦子氏、岡村明美氏、國府田マリ子氏が、男性キャラクターにも石田彰氏と星野充昭氏が…と、明らかに力を入れる場所を間違えてると言わざるをえないほど一流所揃い。
 
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BGMも無駄に豪華。
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ただ、アンディのテーマのようにキャラクターとマッチしていないものが多い。
 
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オープニングムービーやゲームを進めていくと挿入される一枚絵のクオリティも無駄に豪華。オープニングにはアニメーターを6人も使っている。
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このうちオープニングムービーはPS版にしか用意されていないので少々残念。
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上記の画像のとおり、キャラクターの一枚絵は時代性こそ感じるが非常に可愛い。それ故に3Dポリゴンが壊滅しているのが目に付いてしまうだけなのだが…。
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パソコンゲーム誌の編集者である前田尋之氏の公式サイト「電脳世界のひみつ基地」のライター松田氏も「イラストは良かったのだから2D格闘ゲームにしていれば評価が違っていたのではないか」と評している。
 
総評
美少女キャラクターを一番のウリにしておきながら出てくるのは、もはやキャラクターとは呼べない崩れた豆腐。これが本作の評価を決定づけた。こんなオープニングを作れるなら本編も2Dで作る方がよかったのでははないかとすら言われてしまっている。
流行に乗って3D化したものの技術力も何もかも追いつかず、(機種による差異はあるものの)酷い外観に目をつぶった所でゲームとしてもまともに遊べない、ネタにするしかできないゲームと化してしまった。
余談
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SS版とPS版では上述したテクスチャの他にも、UI周りのデザインやキャラクターの並び順など、多くの部分が異なっている。
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この時の縁がきっかけかどうかは不明だが、翌月に元気はイマジニアと再びタッグを組んでN64で『超空間ナイター プロ野球キング』を、翌年にはSSで『首都高バトル'97』を発売している。
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『超空間ナイター』については当時の他の野球ゲームと同様2頭身モデリングであるが、選手ごとに顔グラフィックが描かれており、ビジュアル面で好評であった。それだけに、なぜ本作がこのような壊滅的な造形になってしまったのだろうか。
 
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PS版オープニングで『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督ばりにクレジットがデカデカと掲載されていた黒田愛美氏だが、実際は名前を貸しただけも同然だったらしく、サターン版に至ってはスタッフロールに名を連ねていない。結果的に風評被害が及ぶ羽目になってしまった。
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何かと思うことも多かったようで、当時『超クソゲー』で匿名でレビューしていたゲームクリエイターに対し「(反論はあるかもしれないが)自分の制作物を明かさずに他人の作ったものを叩くのはクリエイターとしてアンフェアではないか」といった意図の苦言を呈した事がある。(参考)
 
最終更新:2025年07月31日 20:06