首都高バトル
【しゅとこうばとる】
ジャンル
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レースゲーム
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対応機種
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ドリームキャスト
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メディア
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GD-ROM 1枚
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発売・開発元
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元気
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発売日
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1999年6月24日
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定価
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5,800円(税別)
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プレイ人数
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1人~2人
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セーブデータ
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15ブロック使用
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レーティング
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セガ審査:全年齢推奨
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周辺機器
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モデム、レーシングコントローラ ぷるぷるぱっく、VGA対応
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判定
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良作
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ポイント
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シリーズ初の首都高完全再現 シリーズの基礎を確立
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首都高バトルシリーズ
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概要
最初期の『首都高バトル』シリーズは、プロレーサーの土屋圭市氏が監修を務め、シミュレーション寄りの挙動+首都高風コースや峠道風のコースなどを周回するタイプのレースゲームだった。土屋氏が監修を降りたあと、良くも悪くもステレオタイプな走り屋キャラ達が多数登場するようになった『首都高バトルR』を挟み、本作から独自のシステム「SPバトル」を導入し新シリーズとなった第一作目。
本作の特徴はなんと言っても「首都高完全再現」という点。自動車のグラフィックも当時としては首都高の夜にふさわしいものであった。ただし全体から見れば本作が初ではなく、出来や評価はともかくこれ以前にも『C1-CIRCUIT』など一応実現している。
ゲームシステム
プレイヤーは首都高を自由に走り、ライバルを見つける。ライバルにパッシングをするとバトル開始。SPバトルで勝敗を決する。
「自由に走り回れる」と言うのがポイントで、バトルを仕掛けずただ首都高を流すと言ったことも可能。
ストーリー
大体のストーリーはプレイヤーが首都高の走り屋の1人となり、ライバル達を倒していき4人の強大なライバル(4DEVAS、英語で四天王を意味する)を倒し、更なる強大なライバル(4DEVILS)を倒すという、至って単純なものである。
ただ、『2』以降は若干ストーリー要素がわずかながら増えつつあり、Xの時点ではストーリー要素が濃くなっている。
評価点
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「SPバトル」というそれまでのレースゲームとは一線を画した画期的なシステムの導入。
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SPは「Spirit Point」の略でプレイヤー同士の精神力を削る戦いと説明されているが要するにHP。
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相手を追い抜けば相手のSPゲージが減り、引き離せば引き離すほどその減り方が激しくなる。
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逆に追い抜かれれば自分のSPゲージが減り、離されれば離されるほど減りが激しくなる。そしてSPゲージが0になるとなった方が負けになる。
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首都高の忠実再現。
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「首都高完全再現」を謳っただけあって、コースレイアウトから走行中の景観まで、可能な限り実物に近づけてある。
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ただし、シリーズ初の試みということもあってか、本作に収録されたのはC1都心環状線のみ。
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当時としてはグラフィックの質が高い。
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当然今から見るとショボイのだが、当時はPSや64の時代。それを踏まえれば十分に綺麗な事が分かるだろう。
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ここまで美しいグラフィックを出せたのは、やはりドリームキャスト自体の性能が良かった事が大きい。
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個性のあるライバル達。
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登場する141人のライバル一人ひとりに、本名や解説文が用意されている。
解説の中身も、走りのスタイルやテクニックに関するものから「兄弟で異なるチームに所属している」「売れっ子ホスト」「カード破産寸前」といった些細な内容まで多岐にわたる。
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のちにシリーズ常連となる「ローリング野郎」「12時過ぎのシンデレラ」「紅の悪魔」といったライバル名も、本作からの登場。
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無敗の男「ZERO」や首都高の亡霊と噂されるラスボス「???」など、どこかで見たようなマシンを操るライバルも…。
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ライバルの中には、前作『R』以前に登場していた人物もいる。
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ROLLING GUYの「ローリング野郎1号」、TOKYO JUNGLEの「イオ」、TWISTERの「花月男爵」等。
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名曲揃いのBGMが多い。
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夜のドライブにふさわしい曲が多いのが特徴。
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OP・EDはそれぞれZIGGYの「Without...」「この空の下のどこかに」。
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一部のBGMは『首都高バトル0』でアレンジ版が使用され、高い評価を得ている。
問題点
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時代を先取りしすぎた操作方法
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本作は「アナログスティックがハンドル操作、トリガーキーがペダル操作」というキー設定を採用している。
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近年のレースゲームでは比較的ポピュラーな操作方法だが、当時はDCの専売特許。操作方法も確認しないままコースインし、立ち往生するプレイヤーもいたことだろう。
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キーコンフィグは存在するが、方向ボタンにはハンドル操作を振り分けられない。
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ライバルのえげつない速さ
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このシリーズは、特にゲーム後半でのライバルたちが凄まじく速いことで知られているが、この作品も例に漏れない。
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プレイヤーが先行しているか否かである程度はライバルも加減速を行うが、本作はライバルが極端な速さでコーナーを駆け抜けていくことが多い。上記の通り技術を磨いて綺麗に走る必要があるのはレースゲームの基本だが、それにしても一筋縄で攻略できるほど甘い難易度ではない。
総評
やはりSPバトル時代の初代作である為、若干荒削りな面は否めない。
しかし、やり込み度は高く、ある種首都高を自由に走れるオープンワールド的な要素も持ち合わせている。
現状でDCのプレイ環境を整えるのは困難だが、『首都高バトル0』『01』といった作品でシリーズを知ったファンには、是非一度プレイしてもらいたい作品である。
余談
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説明書に載せられているスクリーンショットは開発途中のものである。実際にプレイして比較すれば一目瞭然。
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例を挙げると、「ホストマンハット」のマシンがNA1ではなくJZA80、「ローリング野郎4号」のステッカーとマシンが違う(AE86LではなくSW20)など。
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同年に北米版『Tokyo Xtreme Racers』が発売された。ゲーム内容はほぼ同一だが、何点か変更が加えられている。
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新たに「GFLF」「GFLS」の2車種が追加された。
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どちらも「三菱 エクリプス」がモデル。残念ながらDLC配信などの"逆輸入"は無く、国内版では次々作『首都高バトル0』を待たねばならなかった。
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チーム『TR RACING』およびラスボス『???』のステッカーデザインが異なる。
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どちらのステッカーにも十字架の意匠が含まれていたため、宗教的配慮から差しさわりの無いデザインにアレンジされている。
また、『???』のステッカーには数字の666のロゴが描かれているが、そちらも同様の理由で削除された。
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かつては本作を通してネット接続することにより、通常のプレイでは手に入らない強力なパーツや「とあるライバルが駆る車」をダウンロードすることができた。
最終更新:2024年06月05日 06:43