注意:このページでは『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』と、移植版『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』を併せて紹介する。判定は両作品共になし



ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル

【ふぁいなるふぁんたじー・くりすたるくろにくる】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
メディア 8cm光ディスク 1枚
発売元 任天堂
開発元 ゲームデザイナーズ・スタジオ
スクウェア・エニックス
発売日 2003年8月8日
定価 7,140円
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 22ブロック使用
周辺機器 2人以上で遊ぶ場合、人数分のゲームボーイアドバンスとGBAケーブルが必須
(ソフトにはGBAケーブル1本が同梱)
判定 なし
ポイント 任天堂ハードへの復帰作
シングルプレイが若干味気ない
マルチプレイと世界観などは好評
ファイナルファンタジーシリーズ
クリスタルクロニクルシリーズ - FFCC / RoF / CLK / EoT / CLD / TCB

概要

1996年より長らく絶縁状態にあった任天堂・スクウェア両社の復縁の為に開発された、FFCCシリーズの第1作。
プレイヤーは村のキャラバンとして、村を瘴気から守るクリスタルを維持する為「ミルラのしずく」を求めて旅をする。
なお、本作は「(一人での)シングルプレイ」も可能だが、当ページでのシステム解説は基本的に「(複数人での)マルチプレイ」を前提として記述する。


システム

  • プレイヤーは4つの種族の中から一つを選ぶ。それぞれ長所や短所があるため、自分に合った種類を選ぶ必要がある。
    • なお、性別によって若干ではあるが能力が変わる。見た目も4つの中から選べるが、こちらは性能差はない。
+ 簡単な種族説明
  • クラヴァット
    • 防御力が高く、ガードの性能が高い・固有装備の防御力が全体的に高いと言う点もあり、防御重視で壁役を務めることが多い種族。
    • 実際には物理・魔法ともに高いバランスでまとまった能力を持つ為、苦手な事は一切無い。特に男性は攻撃モーションにも優れ、必殺技の性能も優秀であり、他種族の役割を食いかねないほどの万能キャラに仕上がっている。
  • リルティ
    • 攻撃力と防御力が高い。攻撃モーションや必殺技なども優れており、攻撃特化の種族。
    • 魔法に関しては完全に無能。基本的な魔法一つ唱えるにも時間がかかるため、攻撃手段としては使えない。
    • また、力持ち故に後述のクリスタルケージを持ち運ぶ際に移動速度が下がらないというメリットもある。
  • ユーク
    • 魔法のステータスが最も高く、射程・詠唱・効果時間にも優れる。
    • 攻撃力と防御力は非常に低く、直接戦闘も苦手、必殺技もあまり役に立たないという、分かりやすい魔法特化型の種族。
  • セルキー
    • 攻撃力が高めで、必殺技の発生が最も早い攻撃重視の種族。
    • 射撃系の必殺技が多く、それを生かした一撃離脱戦法が有効。「ぼうぎょ」の挙動も他種族と違って回避行動である。
    • 防御力は少し低めで、魔法もリルティよりはマシだがあまり得意ではない。
  • 攻撃や魔法といった「コマンド」はコマンドリストにアイテムや魔石をセットする事で使用できる。コマンドはL・Rボタンで切り替え、Aボタンで使用する。同社の『キングダム ハーツ』に近い。
    • 武器攻撃を行う「たたかう」、種族毎に異なる防御行動をとる「ぼうぎょ」は固定で、残りの欄にアイテムや魔法をセットする。
      • 種族はもちろん武器によっても「たたかう」の動作は異なり、また「たたかう」を長押しすることで、これまた種族・装備に応じた「必殺技」を発動できる。長押し中は足が止まるが、その隙に見合った大技を繰り出せる。
      • ハート(HP)を回復する食べ物といった使い捨ての消費アイテムもリストにセットできるが、これらは使用するとスロットからなくなる。
      • アイテムはメニューからも使用できるが、マルチプレイだとその間もゲームは進行する為あまり実用的ではない。一方シングルプレイではメニュー画面を開いている間はポーズ状態となるため、落ち着いて回復可能。
  • 装備品は基本的に直接購入するのではなく、レシピを入手し、必要な素材とギルを用意して鍛冶屋(アクセサリーのみ裁縫屋)で作ってもらう事で手に入れる。
    • 鍛冶屋によって作れるレシピと作れないレシピが存在しており、対応している鍛冶屋が存在する村に出向く必要がある。
  • ダンジョン攻略時に重要となるのが瘴気から身を守るための道具「クリスタルケージ」(以下「ケージ」と記述する)。
    • ケージを中心とした一定範囲を越えるとHPが減っていく*1うえ、カメラは基本的にケージを中心に動く。このため移動の際には誰かがケージを持ち運ぶ必要がある。
    • ケージには火・水・風・土の四種類の属性が存在し、属性に応じて特定の状態異常に一段階強くなる。ダンジョン内の仕掛け「ホットスポット」を使う事で、ケージの属性をそのホットスポットが有している属性に変更可能。
      • キャラバンの行く手を阻む瘴気ストリーム*2を通過する際は、ストリームの属性とケージの属性を合わせる必要がある。瘴気ストリームの属性は年毎に一定の法則で変化し、ホットスポットの属性がダンジョン毎に決まっているのもあって、状況次第では移動可能なエリアが大分限られてくる。
      • ゲーム終盤になると、状態異常への耐性がない代わりに四属性全ての瘴気ストリームに対応する「?属性」に変更可能となる。
  • 登場するダンジョンは全部で12種類。プレイヤーの目的であるミルラの雫は基本的にダンジョンの最深部に行かないと獲得できない為、ダンジョンの探索が必須となる。
    • ダンジョンは基本的に一本道。道中にある仕掛けを解きつつ攻略していく事になる。
    • 最後のエリアにはボスモンスターが待ち構えており、これを倒せば雫が手に入ってクリアとなる。3か所のダンジョンをクリアするとケージに雫がいっぱいになり、一年が終了する。
      • 一度ミルラの雫を取ったダンジョンからは、2年間雫が取れなくなる。ただしダンジョンの攻略自体は可能なので、アーティファクト集めや素材収集に励むのも良い。
    • 2年経過して雫が得られるようになるとダンジョンの難易度が上がる*3。最大2段階まで上昇し、新たな敵が出現・敵の能力が上がる・出現数が増える・ボスの攻撃パターンが増えるなど、ダンジョンの難易度が上がると同時に手に入るアイテムやアーティファクトも豪華になる。
  • 魔法を使うにはダンジョン内で「魔石」を拾う必要がある。
    • 魔石はそのダンジョン内でのみ有効。最初から魔法を使う事もできない訳ではないが、その為にはあるアーティファクト(後述)を入手する必要がある。
      • また、マルチプレイ時はマジックパイル*4によって強力な合体魔法や魔法剣が使用できる。合体魔法を使わなければ有効打を与えられないモンスターも存在している為、マルチプレイを遊ぶのであればマジックパイルはマスターした方がよいだろう。
    • 魔法の使用は、発動までに詠唱時間…要は溜め時間がかかる点を除けばノーコスト。魔石さえ拾えばそのダンジョン内では使い放題となる。
  • 成長は経験値ではなく、ダンジョン攻略後に「アーティファクト」を入手する事で行われる。
    • アーティファクトは道中で拾った物と、クリア時に手に入る物から一つ選ぶ。
      • クリア時に手に入るものは、課題の評価が高いほどいいものが出やすくなる。
    • アーティファクトには「こうげき」・「ぼうぎょ」・「まほう」といった基本能力を増やすもの、ハート(HP)やコマンドリストなど装備では賄えない要素を増やすもの、常時魔法が使えるようになるものといったバリエーションがある。
      • ただし、一度取得したアーティファクトは再入手できない。そのため、粗方集めきるとクリア時に入手できるアーティファクトが一つも無いという事態も頻繁に発生する。
    • マルチプレイ時はプレイヤー毎に与えられた課題(ダメージを受けない、物をたくさん拾うetc)をこなす事でポイントが溜まり、ボス撃破後のリザルトで発表される獲得ポイント数が最も高いプレイヤーから順にアーティファクトを選べる。
    • 独特な成長システムであったが、続編には引き継がれなかった。

シングルモードについて

  • 本作はマルチプレイを推奨しているが、一人でもプレイは可能である。マルチプレイとは異なる点が多いが、一応シングルプレイにもある程度までは配慮されている。このシングルプレイについての問題点は後述する。
  • マルチプレイでは誰かがケージを運ぶ必要があるのだが、シングルプレイだとケージを運ぶ専用のNPCとしてモグが付いてきてくれる。
    • また、モグは一定条件を満たすと魔法で援護してくれる。魔法剣や合体魔法に活用できる。
  • マルチプレイでの合体魔法は複数人でマジックパイルする必要があるが、シングルプレイでは必要な魔石さえ揃っていれば詠唱時間こそかかるものの一人で発動できる。
    • タイミングを合わせる必要がないので、合体魔法の詠唱に関してはマルチプレイよりも楽。発動にコツがいるヘイストやストップでも簡単に使える。ただしその分詠唱時間は長くなる。
    • ただし、アレイズやスロウガなど一部の合体魔法は使えない。
  • 上述したように、マルチプレイではメニュー画面を開いている間もゲームは進行するが、シングルプレイだとメニュー画面を開いている間、ゲームはポーズ中と同様の状態となる。
  • プレイヤー一人であることに配慮してか、敵の能力や出現数がマルチプレイに比べ少し易しくなっている。
    • 敵の能力の上昇幅は2.5倍までに抑えられており、ちゃんとキャラを強化していれば決して理不尽な難易度ではない。
    • ちなみに、マルチプレイでは人数にもよるが敵の能力は最大で約4.5倍にまで跳ね上がる。

評価点

  • 美しいグラフィック
    • FFメインシリーズと違ってプリレンダリングムービーは無いが、光の屈折やクリスタルケージの範囲を瘴気が避けていく様など当時の極限まで表現されたグラフィックは今見ても美しい。オープニングムービーは演出も含めて出色の完成度と評してもいいだろう。
    • モグのフワフワした毛は非常に細かく描かれているだけでなく、特定の場所でカラーリングやカットが可能。プレイしている内に段々と色は落ち、毛は伸びて元に戻っていくなどかなり芸が細かい。
  • 今なお根強い支持を得ている世界観、設定、キャラクター
    • 本作の目的は、人体に悪影響がある瘴気を僅かながら払えるクリスタルを一年に一度清める為、ミルラの樹から採取できる雫を一年に三滴集める事。この設定ゆえに、基本的には何十年でも旅が可能。
      • 最後のダンジョンでは「ミルラの樹の雫は忘れられた思い出によって生まれる」といった世界の構造の真実を知る事ができ、そのダンジョンのボスを倒す事でエンディングを迎える事となる。
    • 作風は絵本や児童文学的であり、街や住む人々は素朴で優しい空気を持っている。
    • ダンジョンも、開始時に語られる掌編の語りが本作の雰囲気を魅力的な物にしている。テンポを重視するユーザー向けに語りのスキップも可能。
    • アートワークの方向性や霧のように世界を覆う瘴気など、漂う雰囲気は全体的に『FFIX』の影響が強くスタッフの重複も多い。とあるキャラのゲスト出演もある。
      • ただし世界背景は『IX』とは違って退廃的であり、後味の悪いシナリオも複数見られる*5
    • イベントやダンジョンクリア後は「日記」に出来事や主人公の心情などが記載されていく。暗いイベントの後には切ない余韻を、愉快なイベントの後には思い出して笑えるような内容が書かれてある。
  • アクション等のシステム面における完成度
    • 本作の肝ともいえるマジックパイルは、シンプルながらも本作にマッチした物である。
    • 操作性やゲームバランスにおいても、これといった不備は見当たらない。
    • ラスボス戦では日記に記載された内容の数だけ救済措置を得られるなど、非アクションのシステムも本作の設定に合わせて意外な形で役立つ事がある。
  • 世界観を彩る音楽
    • 谷岡久美が手掛け、楽団ロバハウスが奏でるケルト調楽曲の数々は本作の世界観と相まって高い評価を得ている。
    • Yaeの唄う「カゼノネ」や「星月夜」も本作とマッチしている。ダンジョン開始時の語りも担当している。

賛否両論点

  • とにかく薄味の本編ストーリー
    • 元々オンライン仕様の予定だった為か、ストーリーは淡白で操作キャラも無個性。そうしたストーリー要素を求めるFFファンには勧められない。
      • ただ、イベントの内容自体は悪いものではない。日記やサブイベントなどテキスト自体も多く用意されている。
      • 前述通りシステムの出来は良好であり、明確なストーリー性を重視しないユーザーにはさほど気にならない要素ではある。
  • ケージと瘴気の仕様による移動の制約
    • 瘴気から守ってくれるケージの範囲がやや狭いため、~ガ系の魔法などの広範囲の攻撃を避ける際、ケージの範囲から出ざるを得ない事もある。
    • リルティ以外がケージを運ぶ場合は移動速度が遅くなる為、そのキャラに合わせて移動を合わせなければならない。また、運ぶキャラは攻撃や防御のアクションが行なえず、アイテムも拾えないため色々と損な役回りである。
    • 特に瘴気ストリームを通過する時は全員が歩行速度を合わせ、少しでもケージの範囲から出れば押し戻される為、結構神経を使う場となる。
      • この制約によって団体行動や立ち回りなど考えながら戦闘する必要がある為、そこを面白味と受け取るか窮屈と受け取るかで賛否が分かれる。
    • シングルプレイ時にケージを運び役として同行してくれるモグは、こちらの操作に合わせて付いてきてくれる。
      • そう聞くと瘴気を気にしなくて楽そうに思えそうだが、「疲れたクポ」といって移動速度が低下する場面がある。当然その状態で進めばモグは遅れてしまい、操作キャラがケージの範囲から出て瘴気の中に入ってしまう為、必要に応じてXボタンでケージを降ろしたり、その場に留まったりしてモグを休憩させる必要がある。
      • 「キランダ火山」等の暑いダンジョンではすぐに疲れるなど、妙な作り込みも見られる。単なるケージ運びのNPCではなく共に旅する相棒としての個性付けなのだろうが、人によっては煩わしさもあるかもしれない。
      • 立ち回りに慣れている事が前提ではあるが、戦闘中はケージを降ろして魔法で援護してもらうなどすれば比較的スムーズに進められるだろう。
  • 一部のアーティファクトがやたら出にくい
    • 全てのダンジョンに3周目で与えられた課題について高得点を出した場合、4分の1の確率で出現するアーティファクト(以下『レアアーティファクト』と記述)がある。この説明で大体察していただけるとは思うが、レアアーティファクトの入手は困難を極める。
      • 与えられる課題については「ダメージを与える」「魔法で敵を倒す」といったオーソドックスなものから、「魔法攻撃に耐える」「たたかうで敵を倒さない」といったプレイングに工夫が必要で達成が難しいものもある。ダンジョンに出入りすれば課題が変わるので、最も簡単であろう「ダメージを与える」が出るまで出入りを繰り返すのもひとつの手。
      • 課題が達成されたかどうかはそのダンジョンのボスを倒すまでわからない。苦労してクリアしても得点が足らずにレアアーティファクトが出なかったということも多い。更に課題を見事達成できた場合でも、4分の1という確率の抽選を引き当てなければレアアーティファクトは出て来ない。
    • 特に「レイズリング」は「コナル・クルハ湿原」という本作でも最難関*6とも評されるダンジョンで出現するレアアーティファクトの為、入手を狙う多くのやり込み派プレイヤーに絶望を味わわせたという…。
      • いわば「やり込み要素」ではあるが、「理不尽な要素」とも見えてしまうところでもある。

問題点

  • シングル及び2人プレイで遊ぶには少々厳しいものがある
    • 中盤以降、複数のモンスターと同時に戦うことが多くなるのだが、一度ダメージを受けると他のモンスターからの攻撃を立て続けに受けてしまいがち。
    • 必殺技や魔法で大き目の攻撃を与えようとしても発動までの間は無防備なので、シングルだと隙を見つけるまで回避一辺倒のプレイを強いられるケースが非常に多い。
      • HP自動回復効果を持つアクセサリー「いやしのはちまき」又は「ひすいのうでわ」さえ入手できれば、人によっては温いと感じられるレベルまで楽にはなるが、果たして救済措置と呼んでいいものかどうか。
    • 「プレイヤーが一人の為、出現する全ての敵から集中砲火を浴びる」という点は確かに厳しいが、ゲームバランスが崩壊しているという訳ではなく、最低限の配慮はなされている。
      • 敵の攻撃待機時間なども細かく設計されており、立ち回りさえ守れば「敵に攻撃してる時、別の敵からの攻撃で中断される」という事も無い。装備を整えてアーティファクトもしっかり集めていれば、複数の敵が出てきても十分対処は可能ではある。
    • ただしマルチプレイでも、2人プレイの場合は別。ケージ運びの移動速度の問題や難易度が上昇するのはマルチプレイ共通ではあるが、2人プレイでは一人がメニューを開く時などはもう一人が相方やケージをはじめ画面全体に気を配る必要が出てくる。目玉のマジックパイルも無防備になるのはシングル同様な上に、敵側からの妨害を防げないためむしろ発動がより困難になる…などとシングルプレイ以上に苦戦を強いられる場面もある。
      • シングル・2人プレイ共に第3のフォロー役がいない点は変わらないため、実質的に「本作のマルチプレイの良さ」は3~4人プレイでないと生まれてこない。
  • マルチプレイに人数分のGBAとGBAケーブルが必須
    • これによりプレイ環境の敷居が非常に高いものとなってしまっており、本作一番の難点として挙げられる事も多い。マルチプレイでその楽しさを最大限味わえる筈のゲームなのに、そのマルチプレイを遊ぶのが物理的な意味で難しいというのはある意味本末転倒であろう。
    • 本作のダンジョンは全体的にマップが広いのだが、地図はGBA無しだと表示されない。シングルプレイではGCのコントローラーで遊べるのだが、地図を見れないという仕様が原因で結局GBAを頼ってしまう事が多い。
      • 特に「ライナリー砂漠」というダンジョンは起伏も景観も変化の無い砂の平地が続く上、ライナリー砂漠のクリアには無関係ではあるものの途中には「ラストダンジョンへ向かう為に必須の謎解き」も存在している。地図無しだと不必要にだだっ広いマップを徘徊する破目になる。
  • サブキャラの育成、およびサブキャラを使用しての攻略が困難を極める
    • ダンジョンの難度の上がり方がキャラの強さに関わらず一定
      • この為最初に育てたキャラでクリアした後、それ程育てていない別のキャラで同じダンジョンに行くと、その別のキャラで「最初のキャラがクリアした難易度のダンジョン」に挑む破目になる。
      • ミルラの雫がまだ取れないダンジョンを利用すれば、時間を進める事無く強化できる。とはいえこの方法もかなりの手間が掛かり、正直面倒くさい。
    • 街道イベントやダンジョンクリアなどによって思い出の数が増えるのは、操作しているキャラのみ。操作していないサブキャラの思い出は一切増えない。
      • ラスボス戦で敗北した場合、思い出の数が10未満だとコンティニュー不可の強制ゲームオーバーとなるので、エンディングを目指すのであればできるだけ多くの思い出を集めておきたいのだが、この仕様によりサブキャラを使ってエンディングを迎えるには相当な手間が掛かる。しかもラスボス戦前に発生する質問イベントで選択肢を間違うと思い出が1つ減るという追い討ちまで存在している。
    • こうした仕様や、後述するアイテム受け渡しの制限などもあって、サブキャラを使用してのプレイは困難を極める。大抵のプレイヤーはキャラ作成・育成を一人に絞りがちになってしまうだろう。しかしサブキャラ育成はともかく、サブキャラ作成を怠るとプレイヤーの村で使える施設が増えないというデメリットがある。
      • 「きゅうきょくぶき」のレシピはプレイヤーの村に錬金術師の家族が居ないと入手できず、材料として商人の家族からしか購入できないアイテムが必須、しかも材料を揃えてもプレイヤーの村の鍛冶屋でなければ制作不可…と、入手したければ最低でも3キャラ分を作成する必要に迫られる。ユークをメインキャラとして使用している場合「きゅうきょくぶき」レシピで作れる武器が事実上の最強装備となる為、この問題は避けて通れない。
      • 敵の攻撃でのけぞりにくくなる強力なアクセサリー「フォースリング」の場合は、同様に錬金術師・商人・裁縫屋の3キャラ分を作成するのが必須となる。此方はユーク以外の3種族においても代替手段が存在しない。
      • 少し工夫すればサブキャラを全く育成しなくてもこれらアイテムを入手する事が可能ではあるが、エース1人にその他大勢のひよっ子という構成はキャラバンとしてどうなのだろうか。
  • アイテムに関する問題点
    • マルチプレイ前提故か、アイテムストックがドラクエのような個別式。しかも売るに売れない装備用の素材や属性耐性用の装備*7などで枠が埋まる為、すぐにアイテム欄が一杯になってしまう。
      • これに加え、装備品は一度作成すると売却不可能。その上、他のキャラに渡す事もできない。装備備品はレシピの段階で受け渡しをしなければならず、不要になったら壊す(=捨てる)しかない。
    • イベントでのみ貰えるアイテムもある。性能面において役立つ訳ではないのだが、捨ててしまえば二度と手に入らないというコレクター泣かせの仕様。  
  • 条件次第では遊べないミニゲームの存在
    • 特定の種族を操作キャラにしている時のみプレイ可能な隠しミニゲームが存在しており、他種族を操作している状態では遊ぶ事ができない。
      • この隠しミニゲームで最高ランクの成績を達成した際の景品である「オリハルコン」には別の入手手段が存在する。他の景品もそこまで豪華という訳ではなく、あくまでお遊び要素の範疇に収まってはいる。

総評

幻想的で優しく懐かしさのある情景と、その中に秘められた暗くやるせない気持ちにさせる話など、本作の世界観に魅せられたプレイヤーは多い。
肝であるマルチプレイの楽しさは十分評価されるものであり、一方のシングルプレイも制約こそあるものの決して遊べないという訳ではなく、十分楽しめる出来栄えである。
ケージや課題、マジックパイルなど制限のあるシステムは好みが分かれるが、プレイヤー同士の協力によってこうしたギミックを乗り越える達成感は他では得がたいものがあるだろう。

それらの利点や反省点を踏まえ、以降の続編作品では本作の問題点の多くが解消され、良作シリーズとして成長した。


余談

  • 合併前のスクウェアにおいて、最後に社長を務めた和田洋一氏は、本作を「スクウェアが任天堂と取引再開した記念碑的タイトル」だと語っている。
    • 長くなるので割愛するが、当時のスクウェアが任天堂三代目社長・山内溥氏に新作FFをソニーハードで出すことを相談したところ、「機種選択という意味では仕方ない」と快く受け入れる返事が返ってきた。しかし後に社員や傘下のデジキューブがN64をこき下ろす発言をしたため、両社の関係が悪化(大きいのは後者)したという。

ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター

【ふぁいなるふぁんたじー・くりすたるくろにくる りますたー】

ジャンル アクションRPG

対応機種 Nintendo Switch
PlayStation 4
iOS
Android
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 ゲームデザイナーズ・スタジオ
スクウェア・エニックス
発売日 2020年8月27日
定価 Switch/PS4 4,800円(税別)
iOS/Android 2,820円(税込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
プレイ人数 1人(マルチプレイ時最大4人)
判定 なし
ポイント クロスプラットフォーム対応
新規ダンジョン等の追加要素あり
オフラインマルチは廃止

概要(リマスター)

  • 2003年に発売された、初代『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』(以下「原作」と表記する)のHDリマスター版。
    • 2018年にリマスターが発表され、2年後の2020年8月27日に発売された。
  • 基本的には原作をベースとしつつ、新規ダンジョン等の追加要素やUIの見直しなどの変更が施されている。
    • マルチプレイが本シリーズのポイントの一つだが、本作ではプラットフォームを跨いだクロスプラットフォームによるオンラインマルチに対応している。
      • ただし、原作にあったオフラインマルチは廃止されてしまっている。

変更点(リマスター)

  • 新規ダンジョンの追加
    • 新規ダンジョンとして、本編クリア後に挑める高難易度ダンジョンが追加されている。
    • 高難易度ダンジョンの内容はというと、最終ダンジョンを除く13種類のダンジョンの高難易度版。
      • 基本的な構造は通常のダンジョンとほぼ同じだが、雰囲気やモンスターの配置等は一新されている。クリア後前提である為当然難易度はかなり高く、ダンジョンによってはクリア後すぐに挑むと為す術もなく戦闘不能に追いやられる。
      • 高難易度ダンジョンにおいては、原作での最強装備を超える性能を持つ装備品のレシピや材料も追加されている。
  • ボイス等の追加
    • PCのパターンは原作より各種族各性別毎に1パターンずつ、計8パターン増えている。
    • また、PCのキャラボイスを4種類(各種族各性別毎に用意されている。全部で24種類)から選択できるようになっている。
    • その他主要キャラにもボイスが収録されている。
  • ものまねシステム
    • PCの見た目やボイスを主要キャラのものに変更して遊べるシステム。
    • モグスタンプの景品として貰えるものや、新規ダンジョンのクリア報酬として貰えるものもある。
    • 種族と性別が一致してないとものまねできないので注意。
    • 一部だが、DLCとして販売されているものまねもある。此方はシリーズ別作品の主要キャラに見た目を変更可能。
  • クロスプラットフォームによるオンラインマルチに対応
    • 原作ではGBAを繋いだローカルマルチしかできなかったが、本作ではオンラインマルチに対応している。
      • クロスプラットフォームであるため、ハードを跨ぐマルチプレイも可能となっている。
    • 逆に、オフラインによるローカルマルチは廃止された。本リマスターにおいて唯一といってもいいデグレードともいえる。
  • その他の変更点
    • ミニマップが常に表示されるようになった。
    • アイテムの所持数上限が大幅に増えた。
    • ティパの村に倉庫が追加され、アイテムの受け渡しが可能になった。
    • マジックパイルの際に、タイミングを示すリングが表示されるようになった。
    • 日記からイベントを回想できるようになった。
    • ボーナス条件から、いわゆる減算方式のボーナス条件が削除された。
    • オートセーブが実装された。マップ移動時等に自動的にセーブがされる。

評価点(リマスター)

  • オンラインマルチに対応した
    • 原作ではローカル限定かつ、人数分のGBA本体とケーブルがなければマルチプレイを遊べなかったが、本作ではオンラインでマルチプレイできるようになった為、マルチプレイを遊ぶ上でのハードルが大幅に低くなった。
      • クロスプラットフォームなので、友人と同じハードを持っていなくとも問題ない。またセーブデータの移行も可能なので、ハードを乗り換えた際にも安心して続きからプレイできる。
    • マルチプレイでは定型文として、メッセージ送信も可能である。送れるメッセージは定型文となっており、メッセージによる煽り行為などは生じにくい。
    • 細かい点であるがオンラインによる募集の際にはダンジョンに到達可能であれば、そのダンジョンに実際に行かなくとも募集がかけられるのもメリットといえるかもしれない。
      • 具体的には、現在のクリスタルケージの属性で通過可能な瘴気ストリームや、船による移動などで到達可能なダンジョンについては全てその場で募集をかけられる為、属性次第ではティパの村にいながらにしてライナリー砂漠やレベナ・テ・ラなどの遠方のダンジョンの募集をかけられる。船による移動が必要な場合も運賃支払いは不要なので、少額ではあるがギルの節約にもなる。
    • 但し「オンラインマルチに対応した」事それ自体は間違いなく評価点であるが、このオンラインマルチに絡む問題も存在している。そちらについては後述する。
  • 新規ダンジョンが追加された
    • クリア後に挑める新規ダンジョンが追加され、やりこみ要素が増えた。
      • 新規ダンジョンでは敵のステータスがかなり高いだけでなく、原作ではそこまで重視されなかった耐性が重要になる場面が多くなる為、様々な装備品を駆使しなければならない。
      • 原作では最終的にはやりこみの範疇といってよかったアーティファクト集めもしっかりしておかないと太刀打ち不可能と言って差し支えなく、結果としてアーティファクトをしっかり集める意義にも繋がっている。
    • 新規ダンジョンもマルチプレイ可能であるが、何故か曜日によってマルチプレイのメンバーを募集可能なダンジョンが限られているという仕様がある。もっとも、募集できる曜日は比較的多い傾向であり、土日などは全てのダンジョンにおいて募集がかけられるという救済措置もあるが。
  • 遊びやすくなった変更点
    • アイテムの所持数上限が大幅に増えた為、アイテム収集が格段にやりやすくなった。
      • 耐性値なども意識すると装備品だけでもかなりの数になる上、レシピや素材などを持つとすぐにアイテム欄が一杯になった。この改善は非常にありがたい。
    • 倉庫を介して装備品の受け渡しが可能となった。
      • メインキャラからサブキャラに装備品を含むアイテムを受け渡せるようになった。これにより、不要となった装備品をサブキャラにあげたり、育成時のみ武器などを渡すといった事が可能となった。
      • 前作でもアイテムの受け渡しは(ローカルマルチを遊べるのであれば)可能だったが、装備品についてはどうしても渡せなかった。
    • 減算方式のボーナス条件は出現したら変更推奨とまで言われていた。削除されたのは至極当然の結果とはいえ、明確な改善といえる。
    • キャラボイスの追加は雰囲気作りに一役買っているといえよう。ボイス不要派の為に、オプションからボイスをオフにする事も可能となっている。

賛否両論点(リマスター)

  • 微妙に違和感のあるUIや操作感
    • おそらくAndroidやiOS側との兼ね合いであると思われるが、PS4でのプレイではUIの各所において違和感を覚えたり、操作しにくかったりする部分がある。
      • 特に指摘されがちなのが「連続攻撃を出し辛い」という点。闇雲に連打するだけでは入力を受け付けてもらえず、タイミング良くボタンを押す必要がある。しかしこのタイミングの判定がかなりシビアなのか、どれだけ練習しても連続攻撃が途切れてしまうという嘆きの声が複数確認されている。
      • 但しこれは本作だけではなく、携帯機と同時発売しているリマスター作品の多くに該当する事ではある。
  • オートセーブの実装
    • オートセーブが実装され、マップ移動などの際に自動でセーブされるようになった。
      • これにより、不測の事態が起きた場合でも被害が最小限になるようになっている。
      • ややズルい使い方としては、ボスを倒した際の報酬にお目当ての品がなかった際にリセットするという用途にも使える。原作で入手が難しかったレイズリング等のアーティファクトを入手するまでの手間の軽減には繋がるが、使用は自己責任で。
    • オートセーブはマップ移動の際に必ず行われる為、「ボスマップに移動」→「ボスに為す術もなくやられる」→「コンティニューするとボスから再開」という状況に陥ってしまうケースもある。
      • 原作と同じく手動でセーブを行っていれば、ゲーム開始時にオートセーブではなくダンジョン突入前のセーブデータを読み込む事で回避できる。しかしながらオートセーブしかしていなかった場合、ボス戦突入の時点でボス撃破まで脱出できなくなり、ボスを倒せなければ文字通りに詰む。
      • この状況が起きやすいのが「レイズ」を使用する合体魔法「ホーリー」が無ければ雀の涙しかダメージが与えられない終盤ダンジョンのボス達である。一応ダメージは与えられるので、どうやっても倒せないという訳ではないが、ダンジョンを攻略するよりも長い時間をボスとの戦闘に費やす破目になる。
      • 発売当初はシングルプレイにおいて詰み状態となったダンジョンから強制脱出する手段が存在しなかったが、2020年12月のアップデートにより全滅時にワールドマップに戻れるようになっている。
  • 課金によって入手可能な武器の存在
    • 本作にはDLCとしてリアルマネーで購入可能な武器が各種族2種類ずつ、合計8種類存在している。
      • DLC武器の攻撃力はリルティ用のみ原作最強武器と同等で、他の3種族のものはそれを大きく上回る数値となっている。
      • 必殺技についてはモーグリを模した武器の方は使い勝手が良いもののそれなり止まり、もう一方の武器も高性能とは言い難い必殺技となっている為、総合的には原作最強武器と同程度に抑えられている。
    • このDLC武器をゲーム開始直後に入手した場合、原作最強レベルの武器が最初から使えるという状況になる。当然ながら、序盤から中盤にかけてのゲームバランスはほぼ完全に崩壊してしまう。
      • 「嫌ならDLCを買うな」という意見は全く以てその通りなのだが、本作の場合はオンラインマルチプレイが存在している為、DLC武器の存在を完全に無視するのも難しいのが悩み所である。
      • マルチプレイにおいてDLC武器を持ち込んだプレイヤーが、場の空気ごと序盤ダンジョンのボスを秒殺…という光景も決して珍しくない。
    • 原作での最強武器を入手できるゲーム終盤になれば、攻撃力が高くともキャラが十分育っていなければ苦戦必至のバランスとなっている為、DLC武器の有無がゲームバランスに与える影響は少ない。原作における最強武器固有の必殺技の存在もあって、DLCによって原作最強武器の存在感が損なわれているという事は無い。
      • 新規ダンジョンで追加された武器は更に高性能となっており、最終的にはそれらの武器を使う事になる。
    • このDLCが原因で、発売当初には「課金しなければ最強武器が手に入らない」という風評が広まってしまった。
      上述した通り、DLC武器は新規ダンジョン攻略で入手可能な武器に劣る性能の為、此方は完全な誤解である。しかし原作最強武器とほぼ同等というのは、リアルマネーで手に入る武器としてはいささか強すぎる感が否めない。
      • 原作経験済みのプレイヤーが、さっさと経験済みの本編を終わらせて新規ダンジョンまで到達できるようにする為のDLC武器という見方も可能ではあるが、この辺りの匙加減は本当に難しい。
  • リマスターでの追加要素に対する賛否両論
    • 満を持して追加された高難易度ダンジョンだが「調整不足」という単語が頭をよぎる場面も少なくない。
    • 殆どの雑魚敵は魔石、食べ物、フェニックスの尾、何れかかを落とす。装備品の材料となるレア素材は極一部の雑魚敵しか落とさないので、高難易度ダンジョンでは雑魚敵を倒すメリットがほぼ存在しないと言ってしまっても差し支えない。
    • 新ダンジョンは新耐性防具の素材を稼ぐ事ができるのだが、そもそも稼ぐためのダンジョンでその耐性が必要だったりする謎テーブル。
      その上、追加ダンジョンはそれらの耐性装備がなければまともな攻略は不可能なので、後述する追加武器を装備するなどしなければ種族間の個性も薄い。
      • 敵の数が尋常ではなく、あからさまに「フォースリング」ありきな調整のダンジョンも多い。
        耐性装備で埋めないといけないダンジョンもあり、アクセサリー枠は実質的に固定されのけぞりに怯えながらの攻略を余儀なくされる場合も存在している。
    • とある2種類のダンジョン以外は全く同じドロップテーブルとなっており、課題達成時のボーナスや討伐数をそこまで気にしなくても良いのが救いか。
  • リマスターにおいて各種族に追加された武器だが、若干首をかしげざるを得ない調整が見られる。
    • ユークの追加武器は、必殺技で各種魔法を放てるようになるという物。特にマジックパイル無しでサンダガを発動できる「イビルケラウノス」と、同じくブリザガを発動できる「フロストマギア」は魔法の追加効果もあって極めて強力。結果として魔法を得意とする種族の筈なのに、高難易度ダンジョンでは必殺技主体でダンジョンを攻略しているというケースが多くなる。確かに強いのはその通りなのだが、種族のコンセプトが完全に迷子となってしまっている。
    • セルキーの追加武器には、これまた必殺技でクリアガ・ヘイスガを発動できるものが存在しており、攻撃を得意とする種族の筈なのにサポート役として動いた方が強いという事態になってしまいがち。
    • クラヴァットとリルティの追加武器に用意された必殺技は、実は既存の必殺技「暗黒剣」「メッタ斬り」よりも弱い必殺技から名前を変えただけの流用だったりする。尤もこの2種類の技は原作においても最強クラスの性能を有する為、これらより強い技を用意しようものならゲームバランスが完全崩壊する様が容易に想像可能ではある。
    • リルティ族の追加武器における攻撃力の問題については、後述の折り畳み項目を参照されたし。
  • 高難易度ダンジョンの攻略報酬として、マジックパイル無しで特定の合体魔法を使用できるようになるアーティファクトが追加された。一部の高難易度ダンジョンにおいて、これらの追加アーティファクトが必須とされている場所もある。
    • プレイヤー間のコミュニティでは「高難易度ではないダンジョンでのマルチプレイにおいて、追加アーティファクトによる一人合体魔法を用いる事」の是非について論争が行われていた。
    • 肯定派の意見としては「立派なゲームの仕様なのだから、好きに使っても問題ない」「定型文に発動させる魔法を指定する内容の物が存在せず、合体魔法発動の為のコミュニケーションを取れない為使用は止むを得ない」といったものがある。
    • 一方、否定派の意見は「協力プレイを促す為の合体魔法なのに、1人で使えてしまっては本末転倒。マルチプレイの空気もぶち壊しになる」といったものが主流となっている。
    • 高難易度ダンジョンでのマルチプレイではパーティが2~3人だと合体魔法の詠唱すらままならずまともな攻略ができない場合があり、4人でも合体魔法を正確に発動させるのは困難を極める。こうした点から、高難易度ダンジョンではそもそもの作りとして「該当アーティファクトの入手および使用」が攻略する上での大前提となっている雰囲気が窺える。

問題点(リマスター)

  • 変更点にない原作の問題点は概ねそのまま
    • 一部アイテムの入手にサブキャラが必要なのはそのままであるが、原作同様ダンジョンの難易度はキャラの強さと無関係であるためサブキャラの成長が難しいのは変わらず。
      • 低難易度のダンジョンかつスコアが低い方が出やすいアーティファクトもある為、低難易度のダンジョンの募集に該当アーティファクトを集め損ねた上級者が乱入してボスまでクリスタルケージを持って行き他のメンバーを置いていったり、高難易度ダンジョンで作れる最強武器や追加アーティファクトで「ホーリー」「グラビデ」「メテオ」を使って無双するという問題があった。
    • シングルプレイ時にモグが「疲れたクポ」といって移動速度が低下するのも変わっていない。しかもこのモグの台詞にもボイスが追加されたので、ボイスをONにしているとダンジョン攻略中は「クリスタルケージはモグに任せるクポ」「疲れたクポ」というボイスを繰り返し聞かされる破目になる。
      • あまりの頻度でボイスが流れる所為で、原作よりもモグの印象が悪くなっている点は否定できない。「原作と比べてモグが疲れやすくなっているのでは?」といった推測の声も上がっている。
        モグのボイスそのものや、声優の演技に問題はないのだが…。
  • 強く浮き彫りになった種族間格差
    • 原作の時点でも終盤ダンジョンでは合体魔法の活用が前提となる場面は少なからずあったが、追加ダンジョンの一部は更に顕著になっている。この調整が原因で、魔法の苦手なリルティ族・セルキー族と他2種族との格差がより強く出てしまうようになってしまった。
      • 追加ダンジョンにおいて魔法の苦手なリルティ・セルキーのソロプレイではかなり厳しいプレイングを求められてしまう。シナリオ本編を攻略する分にはやや不利、くらいの扱いであったが、追加ダンジョンを攻略する段階では「魔法が苦手」という欠点が強く表れる様になってしまったのだ。
      • 一方でリルティの得意とする物理攻撃だけが効果的に働くようなダンジョンは一切存在しない。セルキーが得意とする必殺技も、追加ダンジョンにおいて活きる場面は決して多くない。追い討ちとばかりに防御力や機動力についても、仕様上他種族と比べて大幅な差があるわけではない。
    • 極端な話ソロプレイにおいては「ほぼ全てが高水準のクラヴァット」「作中後半~クリア後のやり込みにおいて重要な能力と得意分野がかみ合うユーク」以外の種族を、見た目以外で選ぶ価値が殆ど無いと評していい状態に陥っている。
      • 原作におけるシステムをある程度理解していれば、魔法必須のバランスにしてしまうと覆しようの無い種族格差が生じてしまう事に十分気付ける筈なのだが…。
+ ただ、リルティ族についてはこれでもアプデ前よりまだマシな方なのである
  • 魔法が苦手な代わりに武器攻撃に秀でている、という特徴を有するリルティ族だが、アプデ前の追加武器を含めた最強武器の攻撃力の数値は他種族に大きく劣っていた。他種族の最強武器は攻撃力56~57なのに対し、リルティのみ追加武器を含めて一律攻撃力40止まりであったのだ。
    • 各地の攻略サイトにおいて、リルティの最強装備として評価される武器は原作での最強装備ほぼそのままであり、新規武器はほとんど評価されていなかった。他3種族とは異なり、リルティだけリマスターの追加要素無しで高難易度ダンジョンに挑まされているような状態だったのである。
    • モーションや必殺技を意識した結果の調整とは思われるが、あまりに数値上の差がある上に、高難易度ダンジョンでは敵の数が多すぎるが故に必殺技を溜める余裕もあまりないので、数値が劣るだけでも単純に欠点となりやすい。
      • 必殺技の威力だけならリルティ専用アクセサリー「ドラゴンハート」によって+3(実質攻撃力+15)できる為、ある程度までなら補う事が可能ではある。しかし後半のダンジョンや高難易度ダンジョンでは耐性装備で埋めなければならず、装備で欠点を補う余裕が無いので救済措置とは言い難い。
      • しかもユークには魔法のダメージが+15(実質魔法+75)される専用アクセサリー「ワイズマンソウル」が追加されており、火力格差が余計に広がってしまっていた。
  • 2020年12月のアップデートで、追加武器であった「レーヴァテイン」の攻撃力が60に強化され、また「デイブレイク」の必殺技威力が上方修正された。
    • とりあえず、数値上では不遇の救済がなされた形になってはいる。魔法必須・物理攻撃不遇という根本的な問題はそのままなのでリルティ不遇は変わっていないが。
  • マルチプレイに関する問題点
    • オンラインマルチにおいては、ダンジョンクリア時にゲームが進行するのはホストのみという仕様がある。
      • 具体的に言うと、ミルラの雫を獲得した場合において雫が溜まるのはホスト側のみであり、その際に手紙が届くのもホスト側のみとなる。ゲスト側は報酬を含めたアイテムこそ獲得可能であるものの、ゲーム本編は一切進行しない。仮にフレンドと同時進行でプレイしようとした場合、同じダンジョンを2回以上クリアしなければならない。
      • ホストにしか手紙がこない為、ゲストはホストが手紙に対する処理を行うまでただただ待たされるという不毛な時間が発生する。
    • オンラインマルチという性質上、お互いのセーブデータのキャラを使う事になる。結果として原作以上にサブキャラの育成が難しくなっている。
    • 本作におけるマルチプレイはダンジョンプレイ時にオンラインで参加者を募り、ダンジョンが終わると解散するという形式をとっており、道中のキャラバンで一緒に旅をしたり、街中を一緒に探索したり……といったプレイングは一切不可能。
      • オンラインマルチについては、上述の問題こそあるが、システムそのものは原作における街中などのマルチプレイにおける要素を体感できないという程度の問題である。ただ、世界観を重視するならばこのオンラインマルチそのものも大きな問題となる。詳細は次項。
  • 世界観、設定と乖離したマルチプレイシステム
    • そもそも、原作におけるマルチプレイの意味合いとは「ミルラの雫を集める為に、キャラバンを組んで旅をする」…つまり、マルチプレイとは「同じキャラバンの仲間同士として旅を行い、一緒に戦闘を行う」というのがその趣旨であった。
      • しかしながら、本作では一緒にキャラバンとして旅をする仲間はおらず、並行世界(=他のプレイヤーの世界)のキャラと一緒にマルチプレイができるという内容に変わってしまっており、原作におけるマルチプレイの趣旨とは完全に乖離したものとなってしまった。
    • 特に原作において、一緒のキャラバンの仲間としてマルチプレイをしていた、というプレイヤーにとってはこの変更されたオンラインマルチのシステムそのものが受け容れられなかったという者も少なくなく、この一点のみで酷評されるケースも決して珍しくない。
    • 前項で指摘した内容も含めて、本作でオンラインマルチを実装する為に必要な犠牲だったと評せない事もない。「そもそもオンラインマルチと本作の世界観、設定がマッチしていなかったのでは?」という指摘も、確かにその通りではあるが。
  • ロード時間が長い
    • 各所で発生するロード時間が長い。現在のゲーム水準と比較して…どころか、3世代前のハードで発売された原作よりも長くなってしまっている。
      • 一番ロード時間が長いのがSwitch版、一番マシなのがAndroid/iOS版と言われている。
      • PS4版であれば、PS5でプレイするとロード時間をある程度まで短縮可能。
    • 特に、仕掛けの都合上マップ移動が多くなりがちなダンジョン「ジャック・モキートの館」では、このロード時間が無視できない問題になっている。
      • ロード時間の長さをスタッフが気づいていたかは分からないが、高難易度ダンジョンである「モキート夫妻の晩餐会」では、入る必要があるマップが1つだけになっているなど大幅に簡略化がなされている。
        ロード時間の長さ故にこのような仕様にしたと推測可能ではあるが、猶更ロード時間の改善はできなかったのかと思わずにはいられない。
  • アップデート後に発生した不具合
    • 錬金術師の家族が装備品のレシピをくれる条件を満たしても、レシピを貰えなくなるという不具合が発生している。
      • 高難易度ダンジョンの攻略を考えるのであれば、錬金術師の家族以外にレシピの入手手段が存在しない「フォースリング」入手がほぼ必須なだけに、この不具合の影響は深刻と評さざるを得ない。
      • 有志の検証によると、錬金術師を親に持つキャラが何らかのレシピを1個以上持っている状態だと、条件を満たしてもレシピを貰えるイベントが発生しなくなるとのこと。
      • また貰えるレシピと同じものや、貰えるレシピで作成可能な装備品を、別のキャラが所持している状態でもイベントが発生しなくなるという報告も存在している。
    • セーブデータや操作キャラを選択する際の読み込み時に、画面が暗転したまま長時間操作不能になってしまうという不具合が度々報告されている。
      • 酷い時は暗転したまま3分以上待たされる破目になる。一旦リセットして再読み込みするという手も無い訳ではないが、データ破損のリスクを否定できないので使用は自己責任で。
    • 上記2種類の不具合は、どちらもアップデート前には報告の無かったものである。仮にも天下のスクエニ作品だというのに、アップデートで不具合が増えたようにしか見えないというのは一体どういう事なのか。
+ アップデートによる改善点(リマスター)
  • ムービーがスキップできない
    • マルチプレイ限定で、ボス戦の導入やミルラの雫取得時等に流れるムービーのスキップができない。地味ではあるがタイムロスになってしまう。
    • 2020年9月のアップデートにおいてスキップ可能になった。
      • このアップデートを経ても、Android/iOS版のみ「船で移動する際のムービー」がスキップ不可能となっている。
  • ?属性のホットスポットに関する不具合
    • 本来、?属性のホットスポットはとあるダンジョンの謎解きを行わなければ解放されないのだが、?属性のホットスポットを解放済みのプレイヤーとマルチプレイをすると、他プレイヤーのデータにおいても?属性のホットスポットが強制的に解放されてしまう。
      • 謎解きが存在するダンジョン以外でのマルチプレイでもこのバグが発生してしまう為、マルチプレイを行った後意気揚々と謎解きをしようとしたら、最初からホットスポットが解放されていて唖然となるプレイヤーを量産してしまった。
    • こちらも2020年9月のアップデートにおいて修正された。
  • アイテム受け渡しの不親切さ
    • アイテムの受け渡しも確かに原作から進化してはいるが、2020年12月のアップデートまでは肝心のアイテム受け渡しを行える場所がプレイヤーの村にしか無かった。
      • 素材やレシピをこまめに倉庫へ入れているプレイヤーが他の村でしか作れない装備品を作ろうとした時、材料を倉庫に忘れたらわざわざワールドマップのスタート地点まで戻らなくてはならない。その際確実に瘴気ストリームを越えなければならず、上述したロード時間も合わさってストレスが大きくなる。
      • アップデート後は、各地の拠点にアイテム受け渡しを行える場所が追加された。操作キャラ変更や拠点への入退場などでロード時間が挿入されるのは相変わらずだが、少なくともサブキャラへのアイテム受け渡しだけの為に瘴気ストリームを越える必要は無くなっている。

総評(リマスター)

15年以上の時を経てHDリマスターされた本作は、各キャラクターボイスの実装や、新規武器や新ダンジョンの追加など順当な進化が見て取れる。
しかし追加要素によって種族バランスが悪化した点をはじめ、リマスターによる追加・変更要素にはやや惜しい点が目立つ。
そして明確な劣化点である「原作よりも長いロード時間」については、世代が進んだにも拘らず技術力は逆に退化してしまったのか、と苦言を呈さざるを得まい。

オンラインマルチ実装と引き換えに、原作のマルチプレイの良さが失われてしまったというのも非常に残念な点である。
思い出の中にある原作のようなマルチプレイをイメージして本作を購入したプレイヤーにとって、失望が大きいものとなってしまっている感は否めない。
結果として駄作という程ではないが、良作という評価も下しがたい一作となっている。


余談(リマスター)

  • 現状、ソニー系ハードで発売された唯一のクリスタルクロニクルシリーズとなっている。
  • 本作の発売を機に、当時の原作の攻略本の電子書籍版が販売された。
    • 当然、本作の攻略情報等の新録はないが、元々、原作の攻略本自体高騰していたこともあってこちらは概ね好評である。
  • リマスター化にあたり、サウンドトラックCDもリマスター版として再び販売されている。元より音楽そのものの評価は高い作品であったため、こちらも好評である。
最終更新:2021年11月05日 09:52

*1 シリーズでいう『毒』の状態異常のように減少していく

*2 簡単に言うと関所のようなもの。

*3 「ヴェオ・ル水門」のみ例外で、特定イベント発生とその解決によって難易度が上昇する

*4 魔法同士、若しくは魔法と必殺技のターゲットリングを重ね合わせて、タイミングよく発動させるテクニック

*5 特に「ティダの村」に残されたボロボロの手紙、セルキーの青年が「コナル・クルハ湿原」に研究に行くイベント、そしてとあるNPCの最期は暗い内容のイベントとしてよく挙げられる。

*6 狭い道に大量のモンスターが出現する為、ソロでは立ち回りが難しく、マルチでは乱戦になりがち。ダンジョン自体も長丁場であり、攻略には数十分かかる

*7 耐性に段階があり、中盤以降は一定値以上耐性がないと状態異常を防げないことも多くなる