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魔女っ子大作戦
【まじょっこだいさくせん】
ジャンル
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シミュレーションRPG
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対応機種
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プレイステーション
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メディア
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CD-ROM 1枚
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発売元
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バンダイ
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開発元
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クリスタル・ダイナミックス
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発売日
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1999年2月4日
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定価
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6,800円
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プレイ人数
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1人
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判定
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クソゲー
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ポイント
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羊頭狗肉の極み ボリューム少なすぎ 実は魔女っ子の皮を被った洋ゲー
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バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ
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バンダイ×クリスタル・ダイナミックス社ローカライズシリーズ マジカルホッパーズ / 魔女っ子大作戦 / ミラクルジャンパーズ / スピンテイル
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概要
東映動画(現:東映アニメーション)が製作した『東映魔女っ子シリーズ』の7作品が参戦するSRPG。
しかし「洋ゲーのキャラ差し替え版」ということでかなりカラーの異なる作品になっている。
元になったゲームは、1998年にEidosから発売された『The Unholy War』というPS用ソフト。
参戦作品一覧
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魔法使いサリー
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ひみつのアッコちゃん
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魔法使いチャッピー
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キューティーハニー
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魔女っ子メグちゃん
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花の子ルンルン
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魔法少女ララベル
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なお参戦7作品以外にも『東映魔女っ子シリーズ』とされる作品はあるが、マイナーだったり他社が制作に一枚噛んでいたりなどの権利上の理由で参戦できていない。
ストーリー
誰か、誰か、助けて…
大魔女が復活したのです。
自然界の魔法の力、マナを使い、妖魔を作り出し、人々を困らせています。
どうかお願いです。力を貸してください。
という声を聞いた魔女っ子たちが、他の魔法少女と協力して大魔女の配下と戦っていくのが主なストーリー。
ゲームシステム
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アクションライクな戦闘システム
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画面構成はスパロボ的なSLGスタイルだが、戦闘はアクション要素が強い。
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戦闘が発生したマスの地形に応じた3Dフィールドでキャラクターを操作し、キャラクター固有の攻撃アクションで敵にダメージを与えるアクションゲームとなる。敵を撃破するか逆に撃破されるか、既定の時間が経過する(重要)ことで戦闘終了となる。
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一般人は足も遅く攻撃手段もリーチの短い直接攻撃で特殊攻撃も不可、と苦労するが、主力となる魔女っ娘は箒に乗って飛行しながら前方に3WAY射撃を行ったり、マップ兵器で範囲に隕石を降らせたりと流石の火力を発揮する。
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ただし、一般人でも回避に専念し時間いっぱい逃げ切ることができれば、敵との能力差に関わらず現在のマスを占拠できるため、戦線の維持と言う意味で役立たずな訳では無い(さすがに、魔女っ娘が揃ってくると出撃枠を潰してまで入れる必要はなくなるが。)。
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特に飛行できるユニットは有用。敵側に強力な飛行ユニット・対空ユニットがいないため、時間いっぱい上空を旋回していればまずノーダメージで切り抜けられる。マップでの移動力が頭一つ高く、戦闘も攻撃力は皆無だがカラスに変身して上空を逃げ続けることでノーダメージ余裕であるカブ(魔法使いサリーより)が加入すると、後述のマナポイント制圧に無双してくれる。
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勝敗はシンプル
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先に相手側の召喚ゲートにいるボスキャラを倒すことで勝利となる。
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「マナ」と「召喚」
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敵味方を問わず、キャラの召喚にはマナが必要。先に各マナポイントを制圧し敵のマナの供給源を断ち、あとは消耗戦にもつれ込ませる戦法が有効となる。
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マナは技の使用にも必要で、強力な技ほどマナの使用が大きい。
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マナの総量は次のステージに進んでも引き継がれるため、基本的には早期クリアせずに稼げるだけマナを稼いでからステージをクリアする攻略が定石である。
問題点
キャラ差し替えゲーゆえに致命的に噛み合わない雰囲気
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上述の通り、アクションを伴った戦闘という、魔女っ子らしかぬゲーム性
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「魔女っ子が一堂に会するお祭りゲーム」を期待していると足をすくわれること請け合いである。
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ほかに、特に目立つのが、敵キャラの置き換えに力が入っておらず、ラスボスなど一部以外の敵ユニットは原作のままな点。
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元ゲームのタイトルから連想されるとおり、敵ユニットは魔法で生み出された「不浄(Unholy)な怪物」であり、魔女っ子の平和な世界観とはかけ離れている。
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そもそも本作の主役となる「魔女っ子」の大半は『セーラームーン』以後に増えた「戦う魔法少女」とはベクトルが異なる所謂「エブリデイマジックもの」である。なので、戦闘美少女系の元祖的存在であるキューティーハニーや、魔女同士で戦う事も度々あった魔女っ子メグちゃんを除き、原作では子供の喧嘩を超える戦いはやった事が無い。
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サリーちゃんがメテオで敵を屠ったり、ルンルンが花を強力な飛び道具として使うなど、平和的な原作のイメージがぶち壊しである。
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なお設定的にはキューティーハニーは魔法少女ではない。…が、実は公式でさえ分類が不安定なのでこの点は仕方が無い。元から怪人相手に戦う戦闘ものの主人公である分、場違い感が強すぎる他の魔女っ子たちと比べればまだマシな方である。
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味方ユニットとしてよし子ちゃんやトン吉・チン平・カン太やチカ子など唯の一般人を戦わせるのもあんまりじゃないのか?
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もっともそれを言ってしまうと、アッコちゃんも変身魔法が使えるだけの一般人なのだが…。
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ステージ中に存在するミニイベントも、魔女っ子らしさはあまりない。「畑を荒らすカラスを追い払う」ぐらいはまだしも「落ちてくる岩を体当たりで砕く」「汚水を川に垂れ流す工場を素手や魔法で破壊する」などは原作とはほぼ無関係。経験値が稼げるとはいえ、原作ファンであればあるほどゲンナリするだろう。
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その一方で「サリーちゃんは足が遅い」など、原作のネタを細かく取り入れていたりもする。一部ミニイベントはともかく、戦闘マップでは普通にホウキで飛べるのだが。
少なすぎるボリューム
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全12マップという簡素さ。サリーはレベル14で敵の動きを止める「タイムストップ」が使用可能になるが、下手をすると習得せずに終わる。
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しかしその割にキャラは多く、中には「育てても使い物にならない弱キャラ」も存在する。レベル上げ自体が難しいのだしそんなの必要ないんじゃないだろうか。
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ステージの中には、敵と戦わずに3Dアクションパートをクリアすることで経験値を大量に入手できる「イベント」のマスがあるが、弱キャラはこのイベントすらまともにクリアすることが難しいので、イベントを簡単にクリアできどんどんレベルアップしていく強力な魔女っ娘(とカブ)との格差は開く一方である。
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まぁ、そこまでして一般人のよし子ちゃん達を使い込みたい、という愛にあふれたプレイヤーがいるかどうかですが。
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スタート時に選択できる魔女っ娘ごとにストーリーパートの展開が異なるため、周回プレイも可能である。とはいえ、中盤から先はかなり作業感が漂うステージのため、全魔女っ娘のルートを攻略しようとするとかなり根気が必要であるが……
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サリーちゃんのシナリオは序盤から強力なユニットが揃い進みやすいのに比べ、その他のシナリオはサリーちゃん一派が加入するまでは火力不足で攻略が難しいステージが続き進めにくいという格差も大きい。
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登場する魔女っ子の年代がかなり古く(1966~1981年の作品群)、「どの層に向けたのか」がわからない
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一番新しいので1980年の『魔法少女ララベル』。『魔法使いサリー』や『ひみつのアッコちゃん』もリメイク作準拠ではなくオリジナル版になっている。
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ゲーム化の機会に恵まれなかった作品が一気にゲームになったのだから、喜ばしいことでもあるのかもしれないが…。
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ストーリーパート
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なんと、ただの立ち絵に延々セリフが流れるだけである。セリフを字幕で出したりできなかったのか?
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ストーリーパートの開始時に選択した魔女っ娘のTV版主題歌のインストゥルメンタル版が流れる。
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ゲームの前に発売された本作のコラボCD(余談参照)にはボーカル入りのオリジナルフルバージョン(オープニング+エンディング)が収録されており、また本作のオープニング曲(ボーカルなし)にボーカルを入れたボーナストラック、本作の声優が新規収録したメドレーが収録されている。主題歌の版権がとれなかった訳ではないようだ。
評価点
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気合入りまくりのムービー
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OPムービーはパンチラ上等の「いかにも」な魔女っ子テイスト。ファンならこれだけで感涙ものだ。
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また、シナリオ中のボイスも、一部を除きほぼ当時の声優さんによるもの。メグやルンルンの声をまた聞ける、というだけで価値があるかもしれない。
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気合が入りまくってる分、ムービー詐欺と化してしまってるところが微妙だが。
総評
人によってはバカゲーとみなせる内容かもしれないが、内容以前に純粋なゲームとしての出来も誉められたものではない。ゆえに内容も込みで判断すれば普通にクソゲーである。
しかし原作アニメファンにとってはお宝にもなりうる、ある意味キャラゲーの典型とも言える。
メディアミックス展開もかなり派手にやっており、そちらの方で知った人も多いのではないだろうか。
参戦作品自体古いものが多いため古き良き時代の魔法少女キャラクターの存在を当時の時代に改めて世に発信したという点だけでも、功績は大きいと言えるかもしれない。
余談
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海外有志のインタビュー(リンク)によると、今作のローカライズを務めたバンダイには英語を扱えるスタッフがおらず、海外の原作スタッフに日本語のファックスを送って連絡を取るという無理のある開発体制を行っていたらしい。
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原語版スタッフはファックスを読むこともままならず、納期も限られていたため、最終的にはバンダイに売り方を丸投げする形になってしまったようだ。
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「魔女っ子大作戦」のタイトルで、本作とコラボした様々なキャラクター商品が発売された。
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特に主題歌CD『魔女っ子大作戦 Special Song Collection』は、本作に参戦しなかった作品も含めOPとEDのフルバージョンをまとめて収録する等、昭和東映魔女っ娘アニメの集大成と言える内容である。
開発元について
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開発元のクリスタル・ダイナミックス(Crystal Dynamics)の作品は、他にも『ゲックス』『ザ・ホード』等、様々なものが複数のプラットフォームにて日本でも発売されている。後にトゥームレイダーシリーズの開発を引き継ぎ、同シリーズのメイン開発として携わるようになる。
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日本での販売はBMGビクターが担うことが多かった。
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バンダイからも数作品販売されているが、こちらは本作のように差し替えローカライズが成されているものが多い。
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たとえば上記『ゲックス』の続編のローカライズの際に、主人公をなぜかせんだみつお氏が演じる、彼の定番ギャグを連発するキャラクターに差し替えると言ったものなどが挙げられる。詳しくは続編の記事を参照。
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しかし先述の劣悪な体制もあってかローカライズの質は総じて低く、オリジナルの世界観で売り出した作品はどれも単発に終わっている。
最終更新:2023年11月23日 00:15