くにおくん 熱血コレクション1/2/3
【くにおくん ねっけつこれくしょん】
| ジャンル | オムニバス |  
  
  
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| 対応機種 | ゲームボーイアドバンス | 
| メディア | 32MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | アトラス | 
| 開発元 | ミリオン(ライセンスのみ?) BRS
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| 発売日 | 1:2005年8月25日 2:2005年10月27日
 3:2006年2月23日
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| 定価 | 各4,800円(税別) | 
| レーティング | CERO:全年齢対象 | 
| 判定 | クソゲー | 
| 劣化ゲー | 
| ポイント | 音声の質悪し 画面のちらつき、潰れ
 『時代劇』はセーブ不可能に
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| くにおくんシリーズ | 
 
概要
ファミコン版くにおくんシリーズのうち2作品を1本に移植したGBAソフト。
熱血コレクションシリーズとして3本発売された。
収録作品
問題点
『PocketNES』というGBA用FCエミュレータを使ってそのまま移植したものである。
※PocketNESについて
『PocketNES』は、スウェーデンのプログラマーであるFlubbaが作ったGBA用FCエミュレータ(参考)。
「画面のちらつきが多すぎる」「処理落ちが発生するとBGMもスローテンポになる」「一部マッパーのゲームが遊べない」などの様々な問題を抱える不完全なものである。
一応フリーライセンスではあるが元々商用は想定されておらず、パッケージやゲーム画面等にこのソフトウェアを使用した旨も書かれていない。
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上記の通りフリーウェアを流用しているだけなので、環境さえ揃えれば個人でも同じものが作れてしまう。
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その場合はSRAMもちゃんと保存出来るので問題なくセーブが可能である。
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一応、タイトル画面やゲーム選択メニューとそれに伴うサウンドが新たに作られているので全く同じというわけにはいかないが。
 
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本シリーズも当然ちらつきが多くて遊びにくい。対戦は人数分のカートリッジとGBAシリーズの本体が必要となる。
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ちなみに『ファミコンミニシリーズ』は任天堂独自のエミュレーターで移植しており、1カートリッジで通信可能、ちらつきや点滅表現の軽減、ハイスコアや作成したステージのセーブが出来ていた。
 
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『3』の『くにおくんの時代劇だよ全員集合』のセーブが不可。
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後に公式サイトでも「セーブできません」という表記が追加された。当時のくにおくんファンからは反発を買った。一応「こがねむし」の裏技を使えば何とかなるかもしれないが…
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本作に使われているソフトは、3作ともセーブ可能な基板ではなくROMのみ搭載している基板となっている。
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ちなみにセーブできない原因はPocketNESのSRAM関連の処理にGPLライセンスを使用したルーチンが組まれていたため、ライセンス違反を避けそこだけ丸ごと削除したためと思われる。こんなとこだけ律儀でも……
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『時代劇』はFC版くにおくんシリーズでも唯一のバックアップ機能搭載のアクションRPGの長編である。本来ならばじっくりとレベルを上げ、必殺技を覚えて楽しむゲームデザインである為、中断なしで遊ぶには厳しい内容となっている。
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難易度を落とせば中断なしでも容易にクリアは出来るのだが、全ての敵がパンチ一発で死ぬヌルゲーと化すため味気なく、原作の楽しさをスポイルしているのは間違いない。
 
 
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GBAでの移植故に画面の解像度が足りておらず、潰れたような表示になってしまっている。
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『ファミコンミニシリーズ』でも同様の問題があるが、あちらでは極力雰囲気を損なわないようにドットを間引いたりして対処してある。しかし本作の場合はキャラの顔や字が潰れてしまっており、雰囲気が損なわれている。
 
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ここまでずさんな内容で収録作が各2本しかないにもかかわらず、定価4,800円と明らかに釣り合っていない値段設定。
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ちなみに『ファミコンミニシリーズ』は1本2,000円で価格差は微々たるものだが上記にあるようグラフィックに手を入れる、ゲームによってはスコアやステージなどのセーブも可能とオリジナルよりも遊びやすさが向上したタイトルもあるなど手間をかけた移植となっている。
 
評価点
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収録タイトルに『熱血! すとりーとバスケット』があること
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『すとりーとバスケット』は中古価格数万円という幻のシリーズ作品として有名であり、移植度に難はあるが手軽に遊べるとして当時は注目を集めた。
 
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パッケージが新規描き下ろし
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移植モノにありがちな当時のパッケージ絵の貼りあわせではなく、当時の雰囲気を持った画風で新たに描き下ろされているので新鮮味がある。
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ただし『3』はそれぞれのパッケージのトレスになっている。
 
総評
劣化移植で済ますには問題が多い。劣化の要因とされる『PocketNES』のソース盗用についても、それ自体が大いに問題である。
『熱血物語ex』以降の完全新作を望んだファンたちの期待を壊してしまった。
余談
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公式サイトでも手を抜いており、熱血コレクション『1』と『3』のみページがあり、『2』だけがページが作られていない。
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本作で商業的に失敗したため、くにおくんシリーズを含むテクノス作品の販売権はアトラスからアークシステムワークスに移ってしまっている。
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『じゃじゃ丸Jr.伝承記』『燃えろ!!ジャレココレクション』『ハドソンベストコレクション』でもPocketNESのソースが盗用された。このことはゲーム情報誌「ゲームラボ」にも掲載された。
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熱血コレクションシリーズに関してはアトラスから作者へ連絡があったようだが、上記3作は無断使用である。
 
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2016年発売の『くにおくん熱血コンプリート ファミコン編』(3DS)、2018年発売の『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』(PS4/Switch/PC/One)には、FC版くにおくんシリーズ全作が収録されている。
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バーチャルコンソールでも配信されていない『すとりーとバスケット』も収録されているため、今から熱血コレクションシリーズを購入する価値が完全に無くなっている。
 
最終更新:2022年07月09日 14:37