この記事では、ファミリーコンピュータソフト『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』とそのゲームボーイ版続編『熱血高校サッカー部 ワールドカップ編』について扱う。判定は前者が良作・後者が劣化。
【ねっけつこうこうどっじぼーるぶ さっかーへん】
ジャンル | スポーツ(サッカー) | ![]() |
対応機種 | ファミリーコンピュータ | |
発売・開発元 | テクノスジャパン | |
発売日 | 1990年5月18日 | |
定価 | 5,900円(税別) | |
配信 |
バーチャルコンソール(FC版) 【Wii】2008年10月7日/500円 【3DS】2013年5月22日/500円 【WiiU】2014年3月19日/514円 |
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判定 | 良作 | |
ポイント | ルール無用のハチャメチャケンカサッカー | |
くにおくんシリーズ |
くにおくんシリーズの第4作目。『熱血高校ドッジボール部』以来の二作ぶりのスポーツゲームとなる。
全国大会を控えていた熱血高校サッカー部の部員のほとんどが食中毒に倒れ、その代理を「くにお」率いるドッジボール部員がつとめるというもの。
くにお以外の部員たちはやる気がなかったが、サッカー部のマネージャーの「みさこ」の○○○○(*1)を条件に、全国大会優勝を目指すことになる。
題名こそドッジボール部だが、ジャンルは純粋なサッカーとなっている。
ドッジボールに続き、簡単な操作で爽快感のあるスポーツゲームとして仕上がっている。
選手の数が少ない、反則がない、といったサッカーとしては疑問点のある部分もあるが
その分、シリーズ特有のハチャメチャぶりでカバーしている。
また、1選手の視点で指示を出しながら試合を作っていくCPUアシストシステムも
他のサッカーゲームでは中々見られない独特なシステムであり、本作特有の魅力となっている。
本作はシリーズの中でも様々なアレンジや続編がある。
本作のアレンジである『熱血高校ドッジボール部 PCサッカー編(PCE)』『熱血高校ドッジボール部 MDサッカー編(MD)』(*12)は
グラフィックやサウンドを強化し、またそれぞれのハードで追加チームが存在するなどのパワーアップを遂げている。
続編として『熱血高校サッカー部 ワールドカップ編(GB)』(後述)と『熱血サッカーリーグ(FC)』が存在する。
『熱血サッカーリーグ』では本作で戦った敵チームのキャプテン達を率いて全日本として世界に挑む内容となっており、
様々なアクションや要素が追加され、よりサッカーゲームとしての完成度が上がった良作となっている。
いずれの作品にも本作に登場した「みさこ」とサッカー部員達が登場し、シリーズの常連キャラとなっている。
【ねっけつこうこうさっかーぶ わーるどかっぷへん】
ジャンル | スポーツ(サッカー) | ![]() |
対応機種 | ゲームボーイ | |
発売・開発元 | テクノスジャパン | |
発売日 | 1991年4月25日 | |
定価 | 3,500円 | |
プレイ人数 | 1~2人 | |
判定 | 劣化ゲー | |
ポイント |
ドッジボール部サッカー編じゃなくサッカー部 スピードがゆっくりすぎて爽快感激減 まさかの世界進出に飛躍するも日本国内より弱い? |
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くにおくんシリーズ |
1991年4月に発売されたテクノスジャパンの看板「くにおくんシリーズ」のサッカーゲーム。
ファミコンで1990年5月に発売された『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』(上述)の続編にあたるが、内容的には海外NES版『Nintendo World Cup』ベースの移植である。
前作は「ドッジボール部員がサッカーに参戦」という形だったが、本作ではくにお以外はサッカー部であるためタイトルも正式に「サッカー部」となっている。
また本作はゲームボーイでは初となる『くにおくんシリーズ』のスポーツゲームである。
根本的なゲームシステムは上記作品から受け継がれているので、前作から引き継がれた部分は省略し、主に変更点のみにとどめるものとする。
ゲーム性そのものはファミコン版から引き継いでいるとはいえゲームシステムにしてもサウンド面などの演出にしても見るからに大幅劣化しているのが隠せない内容。エンディングさえもくにおくんシリーズらしい良さをまるで出せていない。
クソゲーと呼ぶほどひどくはないが劣化の激しさは否定できず、一応対戦で全チームが使えるのでファミコン版よりは対戦の幅こそ広いものの肝心の爽快感が失われていては、その魅力も十分に引き出せたものではない。
当時日本は出場すらしたことがない憧れの舞台「ワールドカップ」を設定に持ってきただけに、その中身がこれでは「ワールドカップ」が完全に看板倒れも甚だしく「嘘・大袈裟・紛らわしい」に近いものになってしまった。
*1 ハートマークで伏せられており、エンディングで判明する……のだがPCエンジンSUPER CD-ROM版ではボイスが追加されたため思いっきりここでネタバレしてしまう
*2 しかも『超ドッジ』はリメイク作品なので復活とは言い難く、真に復活となるのはさらに後の作品である『乱闘協奏曲』になる。
*3 キーパーに攻撃すると逆に跳ね返される。ただしペナルティエリア外に引きずり出せば攻撃が通用する。
*4 プレイヤー操作のキャラは体力ゼロでも起き上がる。また得点で試合が再開されたり、スローインする際には起き上がる。
*5 ただしボールを直接ぶつけても体力は減らない。
*6 暴走族繋がりか、紹介時のBGMは『熱血硬派くにおくん』の2面BGM(対暴走族戦)となっている。
*7 服部学園の選手は影響を受けずプレイヤー側だけ石に躓き転ぶため、こちらは慣れるまで満足に動けない
*8 慣れるまではオウンゴール狙いもままならない。ボールにぶつかろうとしたらその前に石で躓いてパーなんてことも。
*9 サッカーの全国高校大会(インターハイ・選手権大会双方)で、沖縄県の校が優勝した事はこのゲームの発売時点までで一度もない。ちなみにゲーム発売前年の89年はインターハイ・選手権大会双方とも静岡県の清水商業高校が優勝している。(直近の89年度選手権大会の優勝校は愛媛県の南宇和高校だが、90年1月の大会なので開発時期考えると参考にできるか微妙。)
*10 後の運動会は6人チーム構成だが3年生はくにお1人だけで、あとはシリーズ初登場の後輩(しかも3人もが1年生)というやや頼りなさげなメンバーで出場している。
*11 ただし、序盤から登場する割に体力が高く敵選手を次々吹っ飛ばせるという長所もあるため地力要員としては普通に使える。
*12 MD版は当初の発売元であったパルソフトが発売前に倒産してしまった影響で「株式会社S.M.S.」という別の会社から発売された。
*13 初期6人のメンバーが対戦相手として挑戦を挑んでくる、なお「こうじ」の名前が本作未登場だった「りき」に、「ひろし」の名前が「こうじ」に、「みつひろ」の名前が「すすむ」となっている。
*14 コレクションはマルチプラットフォーム展開しているため、海外版のタイトル名や権利が障害となったと考えられる。
*15 ガラケー版『熱血格闘伝説』、『熱血行進曲DX』、『ダウンタウン熱血物語SP』など
*16 裏技で最後まで使うことは可能。
*17 髪の色が同じで口癖も「びきびき」であるので同一人物の可能性が高い。
*18 統一されたのは1990年10月なので、本作発売時点では既に統一された後だが、前年のワールドカップではまだ東西分断状態のままだった。
*19 ドッジボールではイギリスは外国勢の中で最弱だった。