精霊戦士スプリガン
【せいれいせんしすぷりがん】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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PCエンジン CD-ROM2
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メディア
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CD-ROM 1枚
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発売元
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ナグザット
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開発元
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コンパイル
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発売日
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1991年7月12日
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定価
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6,500円
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備考
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バーチャルコンソール 【Wii】2008年7月1日/800Wiiポイント(配信終了)
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判定
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なし
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ポイント
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スプリガンシリーズ、及びサマーカーニバルシリーズの記念すべき一作目 精霊球の取り方次第でショットが変化 豪快に撃ちまくり
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スプリガンシリーズ
精霊戦士スプリガン
/スプリガン mark2/スプリガン・パワード
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サマーカーニバルシリーズ
精霊戦士スプリガン
/烈火/アルザディック/ネクスザールSP
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ナグザットSTGシリーズ
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コンパイルSTGシリーズ
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概要
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1991年にて、ナグザット(現加賀テック)発売、コンパイル製作にてリリースされた縦シューティング。
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後に関連作が登場する事になる、スプリガンシリーズ三部作、及びサマーカーニバルシリーズ四部作、両方の初期作に位置する記念すべき一作。
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一人プレイ専用(但し、別コントローラーでメインモードのステージ1の味方機を操れる裏技あり)、メインモードは全7ステージ構成、それに加えて、スコアアタック、タイムアタックも搭載、四段階の難易度が可能(但し、イージーに該当する難易度は存在しない)。
主なルール
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十字ボタンにて自機の移動、メインで使用するボタンはショットボタンとボンバーボタンの二つ。それに加えてセレクトボタンを押す事により自機スピードを四段階から調整が可能。
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本作は時折出現する赤、青、黄、緑、4種類の「精霊球」を取る事によりパワーアップを行うのだが、単にそれを取れば性能が上がるという単純なものではない。
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精霊球は画面右下にて最大3つまでストックされ、赤、青、黄、緑の取り方の組み合わせにより、全29種類ものパワーアップ形体が可能。精霊球ストックはストックの数が多いほど強力なショットを放てる傾向にあるが、組み合わせの相性により使い辛かったりする事もあり得るので、自分の好みの取り方で精霊球を集める必要がある。これは何度もプレイして自分好みの取り方を探るしかないだろう。
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ボンバーボタンを押すと、最後にストックした精霊球を一つ消費して中範囲に攻撃判定が発生するボンバーを放つ事が可能。もちろん精霊球を失いパワーダウンを起こすので、何も考えずに放つのは戦況が不利になる恐れがある。
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キラキラと光る「爆滅球」を取ると、画面内の敵を全滅させ、一回だけ自機のダメージを無効化するシールド効果を得る事ができる。
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タイトル画面のチャレンジモードを選択すると、「スコアアタック」「タイムアタック」の二つの専用ステージがプレイできる。
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スコアアタックは2分間の間にどれだけのスコアを出せるのかを計る。タイムアタックは100万点に到達するまでのタイムを計る。タイムアタックは5分を越えると強制的にリタイアとなってしまう。
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このモード専用のアイテムとして、ボーナスが稼げる紫の精霊球が出現する。
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全モード共に残機制で、ミス後は途中復活、全部なくなるとゲームオーバー。またスコア、タイムの各アタックは条件を満たすと強制終了となる。
評価点
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精霊球によるパワーアップ方式は非常に斬新。しかし、それ以外は特に複雑なシステムもなく、すんなり入り込めるハードルの低さも持つ。
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精霊球の組み合わせは多岐にわたるが、タイトル画面でしばらく放置すると、リカート役の鶴ひろみ氏のナレーションで、どの組み合わせでどんな攻撃になるかを説明してくれる親切設計(少々長いが)。また、精霊球の組み合わせは色のみで並び順までは問われない。
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精霊球はゲーム中に大量に出てくるので、難しい場面ではボムとしてガンガン使って強引に切り抜けることもできる(もちろんボムとして使った場合はショット構成が変わるので、ある程度はどの色を使う・補充するかを考える必要はあるが)。
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ガンガン撃ちまくる爽快感はかなりのもの。とにかく破壊のカタルシスに浸るにはもってこいのゲーム。
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特にチャレンジモードは画面内が破壊物だらけというストレス解消ステージ構造となっている。アイテムもばんばん出現し、とにかく画面内が賑やか。
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ファンタジーとメカが融合した世界観が上手く再現されている。後のアーケード作『魔法大作戦』は本作の影響を大きく受けていると言われている。実際、本作のプログラムは後にライジングで『魔法大作戦』シリーズのプログラマーや『蒼穹紅蓮隊』の企画兼プログラマーを務めた、外山雄一氏が手がけている。
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非常に書き込まれたグラフィック、BGMも至って高クオリティ。BGMはオプション項目にてサウンドテストが可能。
賛否両論点
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メインモードの各ステージをクリアする毎にビジュアルクリップを交えたイベントが導入されるのだが、デザインセンスに好みが分かれる絵柄。
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良くいえば味のある、悪くいえばダサい、そんなデザイン。
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ちなみにイベント自体は手短でさほどテンポを崩すようなものではないし、オプション項目にてイベントカットにしたり、イベントをスキップする事も可能。
問題点
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確かにグラフィックは非常に書き込まれているが、配色がきつくギラギラしているため目が疲れやすい。
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ミス後の復活が困難な時がある。初期状態の自機ショットは貧弱そのものであり、大量の敵に囲まれると撃ち負ける可能性が高い。
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しかし、本作は精霊球アイテムを道中戦、ボス戦共に多く落としてくれるので、まだ復活の兆しには恵まれている方ではある。
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精霊球によるパワーアップはたくさんの組み合わせがある反面、目的のショットを手に入れるまでの過程がやや大変で、取り方を誤るとなかなか目当てのものが装備できない事がある。こればかりは取り方を記憶して慣れる以外に方法はない。
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高難度モードでは敵の耐久力が高いため、実用性のあるショットが限定されてしまう。攻撃力重視のショットでなければ、敵の数と硬さに押されてしまう。
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所々に主要キャラによるボイス演出が導入される。
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上記のイベント中はともかく、シューティング中でも喋る場面もあるので、プレイヤーによってはうざい。
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ステージ6のボス戦においては、わざわざ自機パイロットと黒幕と会話のやり取りがシューティングの状態で長々と語られる場面がある。一応、スキップは可能。
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破壊の効果音が大きすぎてBGMの音がかき消される状況が多い。
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これにより、せっかくの良BGMが堪能しにくくなっている。
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ただし、効果音が大きい故に破壊する強調がされていて、これはこれで良いとの声も聞かれるようだ。
総評
破壊の爽快感を重視し、プレイボリューム的にも豊富な作りで、初級シューターからマニアックシューターまで、誰にでも楽しめる佳作であろう。
破壊する事を重視している故に、ある程度のごり押しプレイが通用してしまい、繊細さに欠けるシューティングでもあるのだが。
その後の展開
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Wiiのバーチャルコンソールにて配信された。
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WiiUには未配信。
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発売元のナグザットの親会社(加賀電子)がゲーム事業から完全撤退したため、プロジェクトEGGおよびNintendo Switch Onlineの配信が困難になってしまった。
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2020年3月19日発売の復刻型家庭用ゲーム機『PCエンジン mini』に本作が収録された。
おまけ
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スプリガンシリーズとは?
元はコンパイル製作のシューティングである『アレスタシリーズ』の一つとして開発される予定だった(雑誌の発売予定表では「精霊戦士アレスタ」というタイトルだった)が、諸般の事情で変更され、スプリガンシリーズとして新たなる道を歩む事になった。
本作の後に、PCエンジンスーパーCD-ROM2にて『スプリガン mark2』が、スーパーファミコンにて『スプリガン・パワード』がリリースされた。但し本作を合わせた3作には特にゲーム上の繋がりは無い(世界観の繋がりはある)。ちなみにパワードだけはコンパイルが関わっていない。またアーケードにて「超獣機スプリガンパワード」というゲームがリリース予定だったが、お蔵入りとなっている。
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サマーカーニバルシリーズとは?
ナグザットが1991年から93年にて夏に全国開催した、シューティングを用いたゲーム大会。
本作の後には、翌年にファミコンにて『サマーカーニバル'92 烈火』とPCエンジン CD-ROM2にて『サマーカーニバル'92 アルザディック』が、その翌年にはPCエンジン スーパーCD-ROM2『サマーカーニバル'93 ネクスザールスペシャル』がリリースされた。ちなみに4作ともゲームとしての関連はなく、開発会社もばらばらである。
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『魔導物語A・R・S』のアルル編に、スプリガンがデフォルメされて敵キャラクターとしてゲスト出演している。世界観の関係上、デザインは完全にロボットではなく(元ネタのスプリガンの名の通り)精霊風にアレンジされているが、地水火風の精霊球を使った攻撃などをしてくる。
最終更新:2024年03月22日 00:27