GUNGRIFFON BLAZE
【がんぐりふぉん ぶれいず】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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カプコン
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開発元
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ゲームアーツ
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発売日
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2000年8月10日
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定価
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7,140円(税込)
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判定
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なし
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ポイント
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新要素が旧作ファンから反発を受けた 新規プレイヤーからは意外と好評 進歩している部分も多い
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ストーリー
第三次世界大戦後、日本はアメリカの支配を受けながら復興の道をたどっていた。
しかし進む環境破壊と残った対立はやがて世界を再び戦乱の渦へと巻き込んでしまう。
そして一番の勢力を保っていたアメリカ合衆国で大規模核テロが発生し、アメリカまでもが分裂の道をたどる。
日本は国益のため、再び「日本外人部隊」を世界各地へと送りだす。
概要
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10数年内の近未来を舞台に「歩行型機動兵器が実現したらどうなるか」を綿密に考察したハードなミリタリー路線を継いできたシリーズの第3作。
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戦車や自走砲、ヘリと言った現代戦の主役たちが攻撃を仕掛けてくる。こちらはそれなりに防御力はあるものの、だからといって圧倒的に優位な立場にいるわけではない。
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トップアタック(ジャンプや地形を利用して上から攻撃を仕掛ける)だと与えるダメージが増加する、敵の数に対して圧倒的に足りない弾薬は味方を護衛して補給する、地形や天候・戦局による性能低下といった硬派な要素が魅力。
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「日本人部隊の海外派遣」「中国が中心となるアジア太平洋共同体APCに加盟する日本」「日米安保破棄」と、今の情勢に重なる事情も多く、「ガングリフォンの未来が現実に…?」と心配する人も。
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『1』の今でも語り草となっているムービー内でのドイツ兵による
「90式はブリキ缶だぜ」
という決め台詞が有名だが、これは第三次大戦前に各国で進められた軍拡と技術開発競争が90式をすら時代遅れにしているという意味であって90式が実際に役に立たない無用の長物だ、とディスっているわけではない。勘違いしないように。
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『アーマード・コア2』と発売日はほぼ同じ。セガサターンとプレステの代表的ロボゲー2作がPS2でぶつかる形になった。狙ったかカプコン。
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ただしDVDではなくCD提供。この時点で嫌な予感がしていた。
評価点
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新型貫通砲や燃料気化爆弾のようなトンデモ兵器は人気。どれも非常に強力。
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一度クリアしたミッションの内容や時刻が変わるという独自システムもある。それまで以上にリプレイ性も考慮されている。
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セガサターンではできなかった「遠距離の敵をズームして狙撃で仕留める」(『1』のオープニングではさりげなくやっている)ことも可能になった。
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何気にBGMは秀逸。GREECEステージ・CAPE CANAVERALステージ・GREECEステージなどは名曲である。
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数こそ少ないものの、ムービーのクオリティも非常に高い。PS2最初期とは思えないほど。
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従来とシステムが違うからといってヌルくなったかというとそうでもない。新たな戦略性も多数生まれている。
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特にHELLモードは非常に高い戦略性を要求される。ゲーム内で「心臓の悪い方はご注意ください」とまで書かれるほど。
賛否両論点
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ジャンプの仕様が「その場で垂直上昇」から「放物線状に滑空」に変更され、トップアタックが難しくなった。
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一応これはリアルになったとは言える。また、トップアタックによる攻撃力強化が2倍→4倍になったため、慣れるとかなり強力。トップアタックが難しくなった分敵との位置取りも重要になってくるので、戦略性も増した。
問題点
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前述の通り本シリーズでは高い戦略が要求された。旧作では弾薬は「戦場のど真ん中に非武装でやってくる補給ヘリ」を護衛しながら補給しなければならず、そのシビアなゲーム性に定評があった。
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しかし本作では、予め補給ポイントに弾薬などが用意されており、少なくなったらそこに行って補給という仕様に変更されている。この仕様変更が旧作ファンにとってかなりの不満点となってしまった。
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ただし相変わらず補給のタイミングはシビアで、「いつ補給に行くか」はかなり重要な要素。
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クリア後に入手し出撃時に取り付けるアイテムもあるが、回収できる数には限りがある。回収できるアイテムの数は複数の要素で大きく変動する。
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『THE 地球防衛軍』で例えると「アイテム回収はARMOR含めて〇〇個まで」と言われているようなもの。
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アイテムは全て使い捨てなので、いわゆる「稼ぎ」も必要になってくる。当然レアアイテムは出にくいし、出ても一回の出撃であっさりなくなる。
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「兵器図鑑」もアイテム回収で揃えるが、入手はランダムなので揃えにくい。
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ガングリ初体験のプレイヤーは「そういう仕様なら」で割り切れるが、旧作ファンからは批判しか出なかった。
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レーダー画面がなくなり、敵の方向と大雑把な距離しか分からない。
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制作者が「レーダーばかりを見るゲームになってしまったから」と言っている。
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これも新規ファンはそうでもないが旧作ファンからは不満の要素。一応、ブリーフィングで敵の出現位置は確認できる。
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また、この仕様変更により「何処から」出現する敵を「いつ」「どの順番で」倒していくかという戦略性も生まれた。
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ミッション間の国際情勢/戦局解説(1)や仲間との掛け合い/厭戦放送(2)もない。ゲーム以外の部分は非常に蛋白。
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「第四次世界大戦勃発」「アメリカ合衆国崩壊」
「日本人の半数が餓死」
という悲惨な状況にもかかわらず本編中では全く語られないため悲壮感の欠片もないミッションたち。
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しかも時系列順にクリアしなくてもいい。
一番簡単なミッション「CAPE CANAVERAL」は時系列純では一番最後である。
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旧作でも鬱展開がないわけではなかったが(設定だけのものもある)、無駄に悲惨にしすぎた感もある。
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旧作で世話になった12式/12式改には乗れず、9式・13式といったアレな機体になぜか乗れる。強いといえば強いが、
明らかにセレクトを間違っている。
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9式や13式は旧世代機で飛行能力がない。またローラダッシュ能力も「消費型アイテムで」外付け。
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NPCは堂々と12式を操縦していることが不満を増大させる。その機体、俺によこせぇぇぇぇぇ!!!
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そもそも『2』ではブルータルクラブやエレファントといった多脚機にロングボウアパッチのようなヘリ、さらには90式戦車にまで乗れたのだが…
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新型主力機「16式」はそれまでとは打って変わって軽量高機動という設定だが、肩の張り出し等や主兵装がロボットアニメ的になったため嫌いな人もいる。
総評
まだPS2にロボゲーが少なかった時期のため、これがガングリ初体験のプレイヤーからの評価はそれなりだった。しかし旧作ファンからは批判が多かった。
その後の展開
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Xboxで4作目『アライドストライク』が発売された。しかしこれもまた歴代ファンにはトホホの代物であった。
最終更新:2021年07月12日 13:19