アルマナの奇跡
【あるまなのきせき】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | ファミリーコンピュータ ディスクシステム | 
| 発売・開発元 | コナミ | 
| 発売日 ()は書換開始日
 | 1987年8月11日(1987年10月9日) | 
| 定価 | 2,980円(税抜) | 
| 判定 | 良作 | 
 
概要
- 
ファミリーコンピュータディスクシステム用の、比較的無名なコナミのゲーム。
- 
ロープを使ったアクションゲームとしては、同社が出したアーケードゲーム『ロックンロープ』の流れを汲んでいる。
 
- 
映画『インディ・ジョーンズ』をファミコンで再現したような雰囲気を持つ。
- 
神秘の石「アルマナ」を取り戻すため冒険するというストーリーのライフ制アクション。
特徴
- 
本作最大の特徴として、Aでジャンプ、Bで攻撃、
十字ボタン上とBでロープを発射
する。
- 
ロープは斜め上に発射され、十字ボタン上下で昇降可能。本作はこれを生かしたステージ構成となっている。
 
- 
攻撃は武器(アイテム)のナイフ・爆弾・ピストルなどで攻撃するが、弾数制限があるため無駄撃ちは禁物。
- 
武器はセレクトを押して変更可能。
- 
武器の補充は、赤い服を着た敵を倒すと落とすものや道中に配置されているものを取得して行う。
- 
特に、特定の地形を破壊するロック(トゲの球)は探索時に重要な役割を持つ。また、聖なる玉(赤い玉)は画面全体にダメージを与えることができるが、敵から入手できないために使用タイミングが重要である。
 
- 
ライフの初期値は5で、ダメージを受けると1減少する。ライフが0になるとミスとなる。
- 
ペンダント型のアイテムを取得すると上限が1増加(最大は8)し、ミスで初期値に戻ってしまう。
- 
道中に配置された肉を取得するとライフが全回復する。
 
- 
プレイヤーストック数は3、帽子型の1UPアイテム取得で増加する。コンティニューは3回まで。
- 
各面の最後にある赤い入り口にはボスが待ち構えており、中に入って倒せばクリア。全6面。
評価点
- 
ロープアクションが特異のゲーム性を生み、一筋縄ではいかない特有の面白さがある。
- 
敵が無限に登場する一方で武器に弾数制限があるため、敵を倒すことよりもロープを駆使して敵をやり過ごしながら進行・探索する楽しみに重点が置かれている。
- 
ディスクシステムのほとんどのゲームにも言えることだが、本作は見た感じは簡単そうで実際は難しく、程よい歯ごたえがある。
- 
即死トラップが存在しないため、探索によるライフとプレイヤーストック数の増加と武器の使い分けにより、ある程度の力押しも可能である。
 
 
- 
ステージがかなり広く、探索し甲斐がある。
- 
全回復の肉や1UPなどの隠しアイテムも豊富でワクワクさせられる。
- 
特に5面はロープ以外にトロッコを使った仕掛けがあり、探索してボス部屋を見つけることに重点が置かれている。
 
- 
きれいなグラフィック。特にスタート直後のオープニングは若干貧弱ながら美しい。
- 
ファミコンでありながら各ステージのボスは大きく、ちらつきが気にならない程の迫力がある。
- 
ディスクシステムの拡張音源をフルに活用した音楽は良い雰囲気を醸し出している。
- 
特に2面・3面のBGMはファミコンには似つかわしくない儚くて切ない印象があり、評価は高い。
- 
公式サウンドトラックにも収録された。(参考)
 
賛否両論点
- 
ロープを壁に掛けた場合、ロープを登り切った後も十字ボタンを壁側に入れると壁の中を移動できることがある。壁の中にいる時に画面下に触れるとミスとなるが、壁を抜けることでショートカットが可能な場面もある。
- 
一見バグのように思えるのだが、壁抜けを使わないと入手できないアイテムがあることから仕様のようにも思える。
 
問題点
- 
主人公のジャンプ力が低く、空中での制御もあまりきかない。また、地形によっては進みにくいため割とイライラさせられる。
- 
ジャンプだけでは上下に移動するリフトに乗るのが難しく、近くの壁にロープを掛けて登り、そこから飛び降りて乗らないといけない位である。
- 
上の足場にロープを掛けたと思っても実際に登ってみると上手く掛っておらず落下することも多い。
- 
そのため、本作は正しくロープを使う事も要求される。
 
- 
難易度が極端に高い場所がある。
- 
一部の敵は縦横無尽に動き回ること、敵が無限に登場することから敵を完全に排除してから安全に進むといった攻略がとりづらい。
- 
特に3面と最終面のボス直前は、「上の足場に移動しながら縦横無尽に動き回る敵を避ける」という、上記の問題点が複合的に表れた場所であり、聖なる玉がないと連続でダメージを受け続けてミスとなりやすい。
- 
3面では、やられた時の再開場所によっては、再開と同時に槍が飛んできてダメージ(しかも逃げ場無し)なんて理不尽極まりない場所もある。
- 
ラスボスはプレイヤーのテクニックでボスの攻撃を避けながらダメージを与えていく、などといったことができないほど激しく速い攻撃を仕掛けてくる。聖なる玉がなければボス戦開始直後から最適な行動をしてギリギリ勝てる、といった具合であり、ライフ最大値が減ったミス復帰後ではまず勝てない、と思われる。しかし聖なる玉が潤沢にあればノーダメージで勝てる、と両極端。
- 
しかもコンティニューは三回までしかできないため、あと少しでクリアといった所でゲームオーバーとなり投げ出したくなる。
- 
またコンティニューの際はディスクからステージデータをロードし直しになるため、すぐに再開出来ず十秒ほど待たなければならない。
- 
ただし探索と武器補充・使用をキチンと計画立てて攻略することでコンティニューせずにクリアできるように作られてはいる。
- 
時間制限はないのでじっくりと時間をかけて探索や武器補充ができる。
 
 
- 
武器が全て有限。後から入手する5種はともかく、初期装備のナイフまで。
- 
全ての武器を使い切るとナイフが30発補充されるので、完全に詰むわけではないのだが、だったら最初からナイフだけ弾数無限にしておけば済んだ話である。
 
総評
音楽が切なくさせる、ロープアクションが印象的なコナミらしい硬派アクション。
ロープアクションは今では賛否が分かれそうだが、シンプルで儚いエンディングは達成感がある。
余談
本作は、かの『悪魔城ドラキュラ』で知られる山下絹代が作曲を担当した。
最終更新:2024年05月04日 14:48