※注意点
合併後の「スパイク・チュンソフト」で開発されたソフトも表に含まれている。
便宜上、発売元がスパイク・チュンソフトではないシリーズ関連作(『輪廻彩声』など)も一部含めている。
ブラウザゲーム・携帯電話アプリ・スマートフォンアプリ等への移植は除外。
| 機種 | タイトル | 概要 | 判定 | |
| 弟切草 | ||||
| SFC | 弟切草 | 小説とゲームが出会った時、サウンドノベルが生まれた。完成度は荒削り。 | なし | |
| PS | 弟切草 蘇生篇 | リメイクシリーズ第3弾。この時代では流石にシステムが古かったか。 | ||
| かまいたちの夜シリーズ | ||||
| かまいたちの夜(第1作) | ||||
| SFC | かまいたちの夜 | ゲームとしての「本格ミステリー」を構築することに成功した傑作。 | 良 | |
| PS | かまいたちの夜 特別篇 | リメイクシリーズ第1弾。フローチャート等の各種便利機能や追加シナリオ搭載。 | ||
| GBA | かまいたちの夜 ADVANCE | PS版ベースの移植で便利機能はあるが、追加シナリオは未収録。 代わりに「挑戦状」と称した『2』の実質宣伝テキストが追加。 | ||
| PSV/Win | かまいたちの夜 輪廻彩声 | CERO:Z作品。5pb.制作によりシルエットではなくギャルゲー風の見た目に転生。 スパイク・チュンソフトは監修・開発協力のみで本作の販売には携わっていない。 遊びやすくなった反面、イラストと文章の不一致や演出面の劣化が目立つ。 『なく頃に』シリーズなどで知られる竜騎士07執筆による新シナリオ追加。 | シリ不 | |
| かまいたちの夜2以降 | ||||
| PS2 | かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄 | 映像演出とボリュームは大幅に強化。同時にゲームの骨格は一本道に。 一方で、グロ・スプラッタ・鬱要素と言った刺激的な描写は大増量。 | なし | |
| PSP | かまいたちの夜2 特別篇 | 一部表現規制がなされたものの、代わりに新作ボイスドラマが追加。 | ||
| PS2 | かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相 | 『2』の物語に決着をつける旧シリーズ完結編。前2作のメインストーリーも収録。 | なし | |
| Switch/PS4/ Win | かまいたちの夜×3 | 上記の移植版。サブタイトルは廃止。PS4/Win版はDL専売。 SFC版『1』風のドットフォントとミュージックプレイヤー機能を追加。 | ||
| PS3/PSV | 真かまいたちの夜 11人目の訪問者 | 登場人物を一新。原点回帰を図ったが、やはり初代と比べてしまうと…。 | なし | |
| 街 | ||||
| SS | 街 | 実写による渋谷が舞台の群像劇。8人の主人公たちの運命が交差する。 | 良 | |
| PS | 街 ~運命の交差点~ | リメイクシリーズ第2弾。タイムチャートなどが追加され便利になった。 | ||
| PSP | 街 ~運命の交差点~ 特別篇 | PS版をベースに新たな秘蔵シナリオ2本つき。 | ||
| 忌火起草 | ||||
| PS3 | 忌火起草 | HD画質で描かれるホラーサウンドノベル。台詞部分はフルボイス。 | なし | |
| Wii | 忌火起草 解明編 | 上記の完全版。隠しシナリオでは驚愕の真相が「解明」される。 | ||
| 428 ~封鎖された渋谷で~ | ||||
| Wii/PS3/PSP/ PS4/Win | 428 ~封鎖された渋谷で~ | 舞台は『街』から10年後の渋谷。 今度の主人公たちの運命は、たった1つの結末に収束する。 | 良 | |
| 機種 | タイトル | 概要 | 判定 | |
| PS2 | 3年B組金八先生 伝説の教壇に立て! | あの人気ドラマ『金八先生』のゲーム化…ではなく内容はオリジナル。 新ジャンル「ロールプレイングドラマ」を標榜。『428』と世界観を共有する。 | 良 | |
| PS2 | 3年B組金八先生 伝説の教壇に立て! 完全版 | 上記の完全版。没シナリオ2本を収録。 | ||
| PSP | TRICK×LOGIC | 推理小説を読み、犯人とトリックを推理。文字通りのロジック重視のゲーム。 | 良 | |
| 3DS/PSV/PSP | TIME TRAVELERS | 『428』総監督のイシイジロウがレベルファイブ移籍後に手掛けた第1作。 『街』『428』と世界観を共有、ザッピングなどのシステムも流用されている。 | なし | |
| Win | 霧切草 | 限定特典ソフト。『ダンガンロンパ』シリーズのスピンオフサウンドノベル。 アニメ『ダンガンロンパ3』のBlu-ray BOX III 初回生産限定版に同梱。 | ||
| 極限脱出シリーズ / ZERO ESCAPEシリーズ | ||||
| DS | 極限脱出 9時間9人9の扉 | 『infinity』の打越鋼太郎による、脱出ゲームとノベルゲームの二層構造。 ゲーム性、アイデア共にDSとの相性が良い。 | なし | |
| PSV/3DS | 極限脱出ADV 善人シボウデス | 『999』の続編。「囚人のジレンマ」を元にした後味の悪いノナリーゲーム。 | 良 | |
| PS4/PSV/ Win/One | ZERO ESCAPE 9時間9人9の扉 善人シボウデス ダブルパック | 『9時間9人9の扉』『善人シボウデス』をカップリング収録。 『999』はフルボイスでリメイクされている。 | ||
| 3DS/PSV/ PS4/Win/One | ZERO ESCAPE 刻のジレンマ | シリーズ完結作。絶え間なく突きつけられる究極の選択。 今作では3チームに分かれて脱出に挑む。 | 良 | |
| AI: ソムニウム ファイルシリーズ | ||||
| Switch/PS4/ Win/One | AI: ソムニウム ファイル | CERO:Z作品。極限脱出に続いて打越鋼太郎が贈る刑事サスペンス。 人間とAIの相棒が「夢」を捜査して猟奇殺人事件を追う。 | 良 | |
| AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ | 『ソムニウムファイル』の続編。過去と現代を巡り新たな連続殺人事件を追う。 主人公が伊達からみずきに交代、かつ新主人公の龍木が登場するW主人公形式。 | 良 | ||
| Switch2/ Switch/Win | 伊達鍵は眠らない - From AI: ソムニウムファイル | |||
| 機種 | タイトル | 概要 | 判定 | 
| GBA | 彼岸花 | 小説版『弟切草』の続編で、発売元はチュンソフトではない。 ジャンル名は「ゲームドラマ」だが内容はもちろんサウンドノベル。 | |
| PS2 | 彼岸花 | ク | |
| Switch/PS5/XSX/Win | 超探偵事件簿 レインコード | 「街 ~運命の交差点~」のパロディが登場するなどの小ネタがある。 | 良 | 
| PS5/XSX/PS4/Win/Switch2 | ストリートファイター6 | スペシャルコラボを実施。 | 良 | 
| 風来のシレンシリーズ | 回復アイテムとして「弟切草」が登場するなど、本シリーズのネタが拾われている。 | ||
「選択肢を選んで物語を読む」「クリア周回で新要素を開放」というコンセプトで作られた音と映像の小説ゲーム『弟切草』から作品展開は始まった。
初期作品はサウンドノベルというジャンルの持つ基本システムをそのままに、分岐に用いるフラグの管理方式をタイトルごとに変えている。
そして、分岐構造を物語の根幹と絡めることで、それぞれに強いオリジナリティが出る結果となった。
1992年から1998年の間に発売された『弟切草』『かまいたちの夜』『街』の3本は、1999年に『サウンドノベル・エボリューションシリーズ』としてPSでリメイクされた。
『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』は特定タイトルの続編としてリリースされた初めてのサウンドノベル作品。
新規タイトルに関わる際は意欲的な要素に挑戦する傾向にあるチュンソフト(現:スパイク・チュンソフト)だが、これ以降は初期作品の分岐構造をベースに+αする作りの作品も多く見られる。
自社作品の小ネタが新作に仕込まれている場合も多い。
チュンソフト開発サウンドノベルの2作目として発売された『かまいたちの夜』から続くシリーズ。
当時のチュンソフトは、サウンドノベルという独自のADVジャンルの枠組みで複数の作品を手掛けていたが、シリーズ作品として展開したのは本タイトルが初だった。
初代『かまいたちの夜』では、我孫子武丸執筆のミステリーのシナリオを主軸に、オカルト、サスペンス、ギャグと物語が派生する。
クリアフラグなどで追加される選択肢により末広がり型に分岐を増やしていく構造は、シナリオごとに細かな設定を変えていっても出発点から矛盾なくつなげやすい。
また映像面では、実写の背景に人物をシルエット表示で重ね、そのものズバリを絵にしない小説本来の雰囲気を幾らか残しながらも臨場感を出すことに成功している。
インタラクティブ要素を持つ映像小説において有効なスタイルを確立したとして、それを表す代名詞的に「かまいたちの夜」の名前が用いられる場合もある。
基本的な仕組みはシリーズで一貫しているものの、作品を個別に見ていった時の方向性は異なっている部分も多く、『2』以降は推理ゲームとしての難易度やシナリオのカラーの違いから、シリーズファンの間でも好みの割れる作りとなっている。
『2』は初代を「ゲームの中の出来事」に位置付けたものとするメタ的続編、『×3』は『2』から直接つながる続編であり完結編、4作目の『真』では設定や登場人物を一新した別物として発売されている。
『輪廻彩声』は『1』を一般的なアドベンチャーゲームとしてフルリメイクした作品であり、新シナリオを追加している。
シリーズ通してミステリー作家である我孫子武丸氏の名前が全面に出ているが、彼が実際にメインシナリオを執筆したのは『1』と『×3』のみである。
『2』と『真』は複数の作家を起用しており、我孫子氏自身は全体の監修と一部の番外サブシナリオ執筆のみに回っている。
『2』のメインシナリオは田中啓文氏、『真』のメインシナリオは黒田研二氏が担当している。