エースコンバット2
【えーすこんばっとつー】
ジャンル
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STG
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対応機種
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プレイステーション
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発売・開発元
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ナムコ
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発売日
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1997年5月30日
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定価
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5,800円
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プレイ人数
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1~2人
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廉価版
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PlayStation the Best 1999年7月29日/2,800円
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判定
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良作
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エースコンバットシリーズ
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概要
フライトシミュレーターとは違い、爽快感に重点を置いた実在機による3DSTG。
前作の爽快な戦闘はそのままに、様々な面でパワーアップしている。
売り上げ本数は109万2000本。
ストーリー
統合軍統括エリアコードNA-P2700においてクーデター発生。
これに対し、統合軍本部は傭兵部隊スカーフェイスの出撃を決定した。
(Wikipediaより転載)
特徴
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戦闘に関する部分は前作とほとんど変わらない。
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戦闘以外のシステムは変更点も多い。
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ステージ選択は前作の自由選択から一本道になっている。
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ただし、ストーリー内でミッションが分岐することはある。
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機体の購入に関しても前作とは変わっている。
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前作は戦闘中に自機が撃墜されるとその機体はロストしてしまうが、本作では機体を失わず修理費が支払われるようになった。所持金がマイナスになることも無いので、難所では使い切っておくのが望ましい。
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前作のこのデスペナルティは再度ロードすることで帳消しにできてしまうために意味が薄かったため、本作から大幅に緩和、後の作品では修理費という概念も含めて完全に撤廃される。
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また、前作では所持できる機体が最大8機までという制限があったが、この制限も本作で撤廃されている。
評価点
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圧倒的なグラフィックの進化
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今作の評価点としてまず挙げられるのがこれであろう。PS1作品の中でもかなりレベルが高く、夜間戦闘の都市の夜景や、太陽の描写など、前作から大きくクオリティアップしている。
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前作では技術上の問題で地表がのっぺりとした表現だったため、その都度高度計に目を通さなければ墜落の危険性が高かった他、突然目の前にオブジェクトが出現し、激突してミッションに失敗する事故も起こっていた。そういった事故を防ぐ意味でも、今作のグラフィックの向上は大きな評価点といえる。
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もちろん機体もそれに伴いよりリアルになっている。
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オープニングやエンディングで見られるプリレンダリングムービーも素晴らしい出来。
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特にエンディングムービーにおいて、様々な種類の戦闘機が編隊飛行する様は非常に美しい。穏やかなBGMや、夕焼け(ノーマルエンディング時)や光芒(グッドエンディング時)といった景色がさらにその美しさに拍車をかけている。
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その一方爽快な戦闘は変わらない。爆発のエフィクトも相まって次々に敵を倒していくのは非常に楽しい。
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機体の挙動のリアリティーも増した。また、操作感覚も全体的に重かった前作から軽快になり、とっつきやすくなっている。
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シリーズ中でも難易度が低く、初心者でも遊びやすい。
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本作のミサイルの誘導性能は低いため、回避行動をとれば簡単に回避できる。
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攻撃の避け方が分からない、攻略法が分からないといった初見殺しな場面は他のシリーズ作品と比べると少ない。
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今作以降デフォルトとなるシステムなども多い。
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前述のステージセレクトや機体購入もそれらのうちのひとつ。全体的にやりやすい。
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架空機も今作が初出。XFA-27とADF-01は現在でも人気が高く、以降のシリーズでも何度か登場している。
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named機が初登場。倒すことにより、勲章も手に入るので、やりこみ要素の一つとなっている。
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特定条件を満たすと、フリーミッションをプレイできる。好きな機体でいつでも好きなミッションをプレイ可能。
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前作でもフリーミッションに近い隠し要素はあったが、条件は厳しく、分かりやすい形では出現しなかった。
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各難易度で最速クリアタイムが計測され、タイムアタックにも挑戦できる。
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同じく特定条件を満たすとモデルビューアが登場。本作に登場する全ての航空兵器のモデルをあらゆる角度から見られる。
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モデルビューアは『04』以降の作品において、機体選択画面でいつでも可能になった。
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撃破した敵の数に応じて階級が上がっていく階級システムが存在する。敵を倒せば倒すほど高い階級が手に入るので、最高階級を目指して敵全滅を目指すというやり込み要素となっている。
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最高階級の状態でクリアすると、そのご褒美として専用ムービーを見られる。
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ボリュームが増加した。操作できる機体は24機に、ミッションは30に増えている。
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このミッション数30はのちのシリーズの中でも多いほうに入る。種類も豊富で、谷の間を抜けていくものや、輸送機を破するもの、コンテナを機銃で破壊するものなどがある。
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本作には「ノーマル」「バッド」「グッド」の計3種のエンディングが存在する。どのエンディングになるかは終盤のミッション中の行動次第で決まる。
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登場機体は実に個性豊か。
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表紙を飾る主役機はSu-35。フライトゲームでロシア製の戦闘機が主役になるのは珍しい。本作以降、フランカー系列機が優遇されやすくなった。
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F-14やF-16などの基本どころは勿論、X-29、YF-23、F-15S/MTDなどのマニアックな機体も登場する。特に後者は後のシリーズ作品に頻繁に登場するようになる。
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A-4、クフィルC7など、本作にしか登場しない機体もいる。
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中盤に完全に二手に分かれる分岐がある一方、一回ゲームをクリアするとエクストラモードを選べるようになる。これは使用可能機体の一部が入れ替わるもので、周回プレイをより新鮮にプレイするための仕掛けと言える。
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エクストラモードで最後に手に入る機体は架空の戦闘機であるXFA-27。他の機体の格好いい所をかき集めたようなフォルムに、ほぼ全ての項目がグラフの最高に届いている基本性能の高さ、そして本作唯一の4連装ミサイルとインパクトは抜群。
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アナログコントローラーに対応。十字キーよりかなり操作しやすい。
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90年代のゲームミュージックの熱さを持ったBGM。
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次作以降は統一感を持たせているが、本作ではステージの多彩さに合わせて、ノリノリで押せ押せなイメージは共通しつつ楽曲ジャンルも多彩。
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中でも「Fire Youngman」はそのミッション内容と合わせて非常に熱いBGMとして評価が高い。
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とある夜間ミッションでは前作BGMの1つである「Night And Day」のアレンジ版が流れる。音が豪華になり爽やかさが増した正統派アレンジであり、こちらも評価が高い。
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全体的にゲームテンポが良く、常に快適なプレイができる。
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ロード時間は短い。ミッション開始前に3秒ほどのものがあるだけ。
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ミッション中、強制的に味方の戦果を待たなければならない場面はほとんどない。目標物を破壊すればすぐにミッションクリアとなる。
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だらだらと長時間戦い続けるというミッションもない。プレイヤーの腕にもよるが、長いものでも5~10分程度で終了する。
問題点
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武器の性能が低い。
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ミサイルは他作品と比べると誘導性能が低い。遅い、または静止している目標を狙う分には問題ないが、戦闘機が相手だと少し旋回されるだけで簡単に外れる。
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ただでさえ使いづらい機銃が前作以上に使い勝手が悪い。威力も命中率も低いため、一つの目標を破壊するのにかなり時間がかかる。
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そのため、機銃を使用しなければならない一部のミッションの難易度が高くなっている。特にミサイルを機銃で破壊するミッションがその代表例。ミサイルは急旋回、急降下、急上昇を繰り返し、それを追いかけなければならないため、初見ではリトライはほぼ必至。
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後半で一部ミッションの分岐が複雑。
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分岐した先でさらに分岐するため、すべてのミッションをこなすには最低4周しなくてはいけない。
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ゲームモード(ノーマル/エクストラ)に応じて一部の機体が差し替えられる関係上、1周通しで全ての機体で遊ぶことはできない。
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フライトゲームとしては非常に珍しく、「普通」のF-15が使用できない。
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F-15Eは敵機としてのみ登場する。プレイヤーが使えるのはカナード翼付きのF-15S/MTDのみ。
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前作にあった対戦モードが実装されていない。
総評
前作と大きな違いこそないものの、格段に進化しており、その完成度は現在でも評価が高い。
人によっては今作をシリーズ最高峰という人も多く、リメイクなども期待されている。
PS1の他の二作と同様、その後のシリーズを決定づけていく重要な作品の一つとなった。
現在は非常に安価で手に入るため、シリーズをプレイしたことがなくても、シリーズ経験者でも試しに手にとってみるといいかもしれない。
余談
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今作にはサントラ機能がついていない。曲の完成度も高く、OSTを待ち望む人も多かった。
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現在ではiTunesで配信されており、また、エースコンバットX2のファミ通限定セットにもOSTが同梱された。
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しかしCDでの単体の販売はまだされていない。
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2005年にPS2で発売されたコレクションソフト『ナムコレクション』に、5作品の1つとして収録されている。
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他のタイトル同様に内容はPS版のほぼベタ移植で、ごく一部のバグが修正されている。
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ゲーム開始時にタイトル選択が必要なため起動にやや手間が掛かるが、ゲーム開始後はPS2のためロード時間は短く快適。
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オマケとしてイラストや設定資料が閲覧できるギャラリーが収録されている(収録枚数はあまり多くない)。本作は用語辞典も収録。
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『リッジレーサー』『鉄拳』『風のクロノア door to phantomile』『ミスタードリラー』も同時収録されているためお得感はある。
最終更新:2024年08月12日 21:21