どーもくんの不思議てれび
【どーもくんのふしぎてれび】
| ジャンル | 番組アクションゲーム |  
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| 対応機種 | ゲームボーイアドバンス | 
| 発売元 | 任天堂 | 
| 開発元 | 朱雀 | 
| 発売日 | 2002年2月21日 | 
| 定価 | 4,800円 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | テレビ番組を模したミニゲーム集 バラエティ豊かかつ手の込んだ作り
 多芸などーもくん
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| NHK関連作品リンク | 
 
概要
NHKの衛星放送10周年記念、並びに普及促進を目的としたマスコットキャラクター(のちに2004年、NHK全体の広報キャラクターとなる)「どーもくん」を題材としたミニゲーム集。隕石でパラボラアンテナが破壊され、テレビが見れなくなってしまったうさじい家。
テレビの中に吸い込まれたアンテナのかけらを集めるため、どーもくんはテレビの世界へ飛び込んでいく。
開発は、発売当時NHKとともにどーもくんの共同著作権者であるTYOグループに所属していた朱雀で、本作がデビュー作となった。発売は任天堂が担当している。
特徴
システム
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テレビに入ると番組表のような画面になり、その中の番組がそれぞれミニゲームとなっている。
 クリアするごとに選択できる番組枠が増えていき、その過程でアンテナのかけらを全部集めることが最終目的となる。しかし、基本的には好きなミニゲームを好きなときに遊べるゲームとなっている。
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なお、うさじいの家には好きなときに戻ることができ、シナリオの進行度に応じて部屋の小物やうさじい達との会話内容が変化する。
 
ミニゲーム
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ミニゲームはジャンル毎に別に6つのチャンネルに分かれている。それぞれ一部を紹介する。
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ドキュメンタリーチャンネルは、その名の通りドキュメンタリー系の番組を題材にしたアクション系のミニゲームが多い。
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「自然スペシャル鳥の成長」 どーもくんを操作して鳥のヒナを育てる。タマゴを温めたりエサを運んだり外敵を追い払ったり、後半のステージはかなり忙しい。ちなみに企画者はどーもくんの生みの親・合田経郎氏その人。
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「はたらくどーも」 建設現場を舞台にしたパズルアクション。鉄骨にはしごをかけて登るのだが、鉄骨とはしごの色を合わせないと足場がもろくなり次のはしごをかけられなくなる。色を変えるペンキの使い所が重要。
 
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Dサイトスポーツは、スポーツ系の番組を題材にしたミニゲームが多い。
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「激流カヌーカップ」 コースに設置されたゲートを通過しつつ、目標タイム内でのクリアを目指す。コースごとのタイムアタックも可能。
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「どーもオープンゴルフ」 全18ホールを回るパターゴルフ。難易度によってカップの位置が変わる。
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「ツール・ド・どーも」 全6回の自転車レース。コツを掴めば意図的に相手を転倒させ好き放題にできる。
 
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カルチャーステーションは料理番組系の番組が中心となっており、ミニゲームはクッキングの朝、昼、夜のみとなっている。
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「どーもクッキング」 先生の手本を参考に、どーもくんが調理道具と工程を選んで料理を作る。朝・昼・夜の三つ。
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「どーもくんの不思議てれびヒストリー」 シナリオ中で流れたムービーを見返すことが出来る。
 
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ザ・バラエティーは、その名の通りバラエティー系の番組が中心で、クイズやアクション等多岐に渡る。
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「どーも島アクションクイズ」 全4ステージのクイズショー。最後の早押しクイズの内容はこのゲームに関すること、またはニュース番組で知れるどーもくん達の豆知識なので、ある程度全体的にプレイしておく必要がある。
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「どーも探検隊 迷宮の秘宝」 迷宮を探検するアクションゲーム。宝物を入手すると罠が作動するので、制限時間内に脱出するか停止させなければならない。
 
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ホーム劇場は、シューティングやアクションゲームとなっている。劇場ということもあり、他のミニゲームにはないストーリーという点でも楽しむことができる。
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「剣豪!!みねうちどーも」 「肉じゃがのダンナ」こと浪人どーもが江戸時代の悪を斬るアクションゲーム。3章仕立てになっており、ストーリーは王道ながらクオリティが高い。
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「魔女っちたーちゃん」 たーちゃんが主役のシューティング。終盤には意外なボスキャラが。
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「聖なる館」 ゾンビが徘徊する不気味な洋館からの脱出が目的。クリアだけならすぐに終わるが、洋館の持ち主の手記や隠し部屋など、多くのやりこみ要素が隠されている。
 
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ミュージックネットワークは音楽番組ということもあり、難易度が若干高めのリズムゲームとなっている。
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「どーもライブ」 飛んでくる音符に合わせてボタンを押し、曲の終わりまで観客のテンションを維持しなければならない。
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「どーも交響楽団」 楽譜に合わせてボタンを押し続けて指揮を行う。下手だと音程がめちゃくちゃになる。
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「どーもベストテン」 遊んだ回数が多いミニゲームを上位10位まで見られる。ランクインしたミニゲームを選択することで、そのBGMを聞くこともできる。
 
 
評価点
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番組数が豊富
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ミニゲームの種類は全部で21とかなり多い。ニュースなどそれ以外も含めた番組数は30に上る。
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ジャンルも豊富で、アクションを中心にリズムゲームからシューティングまでバラエティ豊かである。
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内容も手軽なものからガッツリしたものまで様々で、時間や気分に応じたものを選んでプレイすることができる。
 
 
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手の込んだ作り
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そして、ただ豊富なだけでなく、ミニゲームのひとつひとつが高いクオリティを持つ。
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特にホーム劇場の番組は、「剣豪!!みねうちどーも」では勝ち抜き戦の百人組手が、「魔女っちたーちゃん」では歌詞付きのオープニングが、「聖なる館」では3種の収集要素が用意されている作りこみ様である。
 
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新たな難易度の追加や、ステージ選択機能、タイムアタックといった細かい機能が、ほとんどどのミニゲームにも備わっており、より自由なプレイや更なるチャレンジがミニゲーム単位でできるところも評価に値する。
 
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お助けアイテムや必殺技で初心者にも優しい
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ショッピング番組「どーもコレクション」でお助けアイテムを購入することができ、どうしてもゲームが難しい場合の救済が用意されている。
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お助けアイテムは各ミニゲーム毎に豊富に用意されており、購入後も自由に使用・非使用の切り替えができる。
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単なる機能向上だけでなく、キー入力が逆になるといった、プレイスタイルを考慮したものもある。
 
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必要なタイミングでRキーを押すことで、必殺技が発動するゲームがある。
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おならによって凄まじい猛ダッシュや投げ技を発動するというものであり、演出やSEも相まって非常にシュール。
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使用すると体力に相当する「肉じゃが」が減るため、多用することはできない。
 
 
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どーもくんをはじめ、各キャラクターの設定等も忠実に再現。
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各チャンネルのニュース番組ではゲーム攻略のヒントや、どーもくんの豆知識なども多数紹介されている。
 
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グラフィックはこの時代のGBAとしてはかなり良質な部類。漁師、宇宙飛行士、建築現場の職人、野球選手、ゴルファー、力士、探検家、寿司職人、ニュースキャスター、時代劇の俳優、指揮者、バンドのボーカル等、各番組で様々な職業に扮したどーもくんがユーモラスで可愛らしい。
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一部の番組ではうさじい、たーちゃん、しのぶ、もりおと言ったサブキャラたちも端役やバックバンドで登場している。
 
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BGMも評価の高いものが多く揃っている。特に「どーもライブ」でのオリジナル曲は良曲揃いとの声が多い。
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キャラゲーにありがちな問題点がストーリーだが、こちらでは全体のストーリーもきちんとどーもくんらしくまとまっている。
問題点
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お助けアイテム使用、未使用の部門別ランキングが存在しない。
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各ミニゲームクリア時にプレイ内容によってランキングが付けられるが、お助けアイテムの設定状況にかかわらず共通のものとなっている。
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スコアラーや上級者プレイヤーにとっては「やりごたえが無い」と感じることも。
 
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一部のミニゲームには、やりこみの面で惜しいところがある。
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「どーもクッキング」の献立・調理方法は、朝・昼・夜それぞれで完全に固定であり覚えゲー。ランダムに出題されるモード等もなく、やりこみに欠ける。
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「はたらくどーも」の最高難易度は要求ノルマがかなり高く、ある意味廃人レベルの長いプレイ時間を要する。中断セーブができないため、気分転換に他のゲームを遊びたくなってもクリアまで頑張るか途中で諦めるしかない。
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全ミニゲームをクリアしなくてもエンディングを見ることは出来る。完全クリアしてもトロフィーがもらえるだけなので、こだわらないのであれば、これらのゲームをやり込む必要は無い。
 
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うさじいの家の外には出ることはできない。テレビの中の世界でゲームが完結しているため妥当ではあるが。
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一部のイベントでたーちゃんの自室が映る場面はある。
 
総評
ミニゲーム集としても、キャラゲーとしても、満足に遊べる出来となっている。どーもくんファンなら遊んで損はないし、どーもくんを知らなくてもミニゲーム集としても楽しめる一作。このゲームをきっかけにどーもくんを知った人も少なくないだろう。NHKに関している影響でほとんど宣伝広告が打たれなかったこともあり、知る人ぞ知る隠れた良作ゲームである。
余談
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本作同梱のカードや、同時発売された「どーもくんカードeウィンターパック」に収録されたカードはカードeリーダーに対応している。
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オリジナルのミニゲームがプレイできたり、ゲーム中の曲の楽譜を見ることが出来た。 参考
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権利の都合か直接的な表現は無いが、時期的に2002年のソルトレイクシティ冬季五輪を意識したような内容である。
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ちなみに本作と連動するわけではなく、カードeリーダー単独でプレイ可能。
 
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北米圏では「ツール・ド・どーも」「はたらくどーも」「どーもオープンゴルフ」「激流カヌーカップ」「どーもライブ」の5つがDSiWareにて番組単位で移植販売された。
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開発スタッフインタビューでは「1つ1つをバラバラにしても売れるゲーム」というコンセプトの元制作されたことが語られており、それが実現したわけである。
 
最終更新:2025年03月11日 20:13