とらドラ・ポータブル!
【とらどら・ぽーたぶる!】
ジャンル
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超弩級学園アドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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メディア
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UMD 1枚
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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ガイズウェア
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発売日
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2009年4月30日
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定価
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5,229円
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廉価版
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PSP the Best:2010年11月3日/2,800円
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判定
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良作
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電撃文庫シリーズリンク
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概要
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竹宮ゆゆこ箸のライトノベル『とらドラ!』のテレビアニメ版を踏襲したオリジナルストーリーのアドベンチャーゲーム。
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本作のウリとして「TORA (Technical Oparated Real Animation) システム」と呼ばれるモーションポートレートを使用した会話シーンがある。
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本作はキャラゲーなので、基本的に原作やアニメ版を知っていることが前提となるが、後に説明する主人公の設定により原作やアニメ版を知らなくても一応は楽しむことができる。
特徴
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本作は原作のIFの物語という位置付けがあり、展開は原作とは異なる。
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基本的な進め方は、大きく分けて会話パートと移動パート、そしてシナリオ分岐に大きく関わるアイテムを入手できる掃除パートの3つのパートを行き来して進める。一般的なアドベンチャーゲームに近い感じで、会話パートで発生する選択肢によってシナリオが幾多に分岐する。エンディング数は20種類を超え、相当なステップを踏まなければ辿り着けないエンディングも存在する。
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ここで選択肢について説明すると、選択肢の選び方によってシナリオは分岐するのだが、特定のアイテムを所持していないと選べない選択肢が多々出てくる。よって、特定のアイテムを入手しつつ、該当の選択肢の場面まで進めるというステップが必要になる。
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エンディングはヒロインと結ばれるエンドや、脇役と結ばれるエンド、中には男性陣と親密な関係になるエンドも存在する。
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この内、ヒロインと結ばれるエンディングの中でも最高クラスのエンドは「1周目では絶対に辿り着けず、2周目以降のみ辿り着ける」「辿り着くまでの分岐が非常に多く、トライアルアンドエラーが必至」と難易度が高い代物となっている。
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本編とは別にミニゲームが3種類収録されている。
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爆走! 手乗りタイガー
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全3ステージの横スクロールアクション。
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おじゃまキャラをパンチ・キック・必殺技を駆使して跳ねのけ、学校に遅刻しないように登校するのが目的。
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超ド級 神経衰弱!
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ルールは神経衰弱のそれ。
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時間が経過すると、大河がカードの向きを変えたり、札を増やしたり、せっかく覚えた配置をシャッフルしたりする。
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着せ替えブロック崩し
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ルールはブロック崩しのそれ。
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各キャラクターの衣装がブロックとなっており、光っている場所にボールをぶつけて崩して着せ替えていく。
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アイテムを取るとボールやパドルがパワーアップする。一度に効果のあるアイテムは1種のみで、新しくアイテムを取ると効果が上書きされる。
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このゲームのみ、PSP本体を縦にしてプレイする。
評価点
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竜児(主人公)が記憶喪失という設定で、メインヒロイン・大河を初めとした仲間達と会話をしたり記憶に関連するアイテムを入手することで記憶を取り戻していくという前提がある。この前提によって、記憶喪失の竜児と共に原作の設定を思い出すという形で順々に辿っていくことになり、原作やアニメを見たことが無い人にも設定が伝わり易いようになっている。また、竜児は他人への関係や感情も綺麗サッパリに忘れてしまったので、原作で結ばれなかったヒロイン達とも結ばれるエンディングも自然な形となっている。
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記憶喪失という設定を上手く扱ったゲームであると言える。
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フルボイス仕様であり、竜児の思考も全てボイスで再生される。
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グラフィックのクオリティは高い。
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イベントCGの総数は100を超え、一度見たCGを鑑賞できるアルバムモードでは、声優達によるボイスコメンタリーがCG1枚1枚についているという充実っぷり。
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サウンドのクオリティも高く、サウンドテスト機能も実装。
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アニメのオープニングテーマ「プレパレード」を男性声優陣が歌った特別バージョンなども収録されていて遊び心がある。
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システムに関しても充実している。アドベンチャーゲームで必要である機能は一通り備えており、周回プレイを前提とした本作であるが、クイックセーブやスキップの機能は使い易く、周回プレイも苦になることはない。メディアインストールを利用すればロード時間も皆無と言っていいほどで、全体的なプレイ環境はかなり整っており快適であると言える。
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3種類あるミニゲームはどれもシンプルな操作とゲームルールで取っつきやすい。息抜きに最適か。
問題点
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到達するのに非常に難易度が高いエンディングがある。それは、上記で説明した各ヒロインの最高エンドなのだが、序盤の内から入手するアイテムなどをちゃんと考えながら進めて行かなければ辿り着けない。逆に、ちょっとしたミスが原因で何度も見てしまうエンディングも存在し、ストレスが溜まる。
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補足すると、難易度が高いと説明したが、ある程度プレイすると大体の道筋は見えてくるので、最高エンドに攻略情報が必須ということは決してない。虱潰しにやれば何とかなるレベルではある。
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作曲家はアニメと同じだが、アニメで使われたBGMが使われていない。
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オープニングテーマ「プレパレード」は収録されているが……。
総評
原作を元にしたキャラゲーとしての完成度は高く、1つのアドベンチャーゲームとしての完成度も高い。
とらドラ!のファンなら文句無しにオススメの一品。特に亜美ちゃんファンには必見。
補足
本作ゲームスタッフが製作した『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル』も発売されたが、本作の欠点を軒並み排除し、一部ルートは原作者による書き下ろしシナリオになっているなど、本作に続いてキャラゲーとして高評価を得ている。
最終更新:2024年09月07日 21:09