電脳戦機バーチャロン フォース

【でんのうせんきばーちゃろん ふぉーす】

ジャンル 3D対戦アクションシューティング
対応機種 アーケード(SEGAHIKARU)
販売元 セガ
開発元 ヒットメーカー
稼動開始日 2001年10月
判定 なし
ポイント 2on2のチームマッチ・カードを用いたデータ記録システムの先駆け
ゲーム性の変化でファンの意見が割れる
カードを使った各種システムは練りこみの余地あり
備考 Xbox360版:2010年12月22日発売
電脳戦機バーチャロンシリーズリンク


概要

  • 「電脳戦機バーチャロン」シリーズの三作目。「2vs2」の戦闘がメインとなっており、ゲームシステムは前作から大きく変更された。
  • 通称「VO4」。三作目にして付けられた「4」は、本作を特徴付ける「4人対戦」から取られたものと思われる。また、「4」をあしらったロゴマークの下に「FORCE」と書かれているが、これはスペルミスではなく「力」を意するフォースとかけている。
  • 稼働開始から二度バージョンアップしている。初期は7.5、最終バージョンは7.7。

ストーリー

大規模限定戦争「オラトリオ=タングラム」の開戦より四年。第3プラント「アダックス」を主体とし、限定戦争の主な舞台は火星へと移り始めていた。

火星、見捨てられた紅の星――――

かつてはテラフォーミングなどで人々の注目を集めたこの星もいまや、人々の輝かしい夢の墓場でしかない。火星は限定戦争のスタジアムとして転用され、ことはそれで終わるはずだった。
しかし、火星にて先史文明の遺物「Vクリスタル」が発見され、火星のVクリスタル「マーズ・クリスタル」と、木星の「ジュピター・クリスタル」が共振したことから、物語は大きく動き出す。
企業国家プラントはこれらクリスタルを巡り、熾烈な争いを繰り広げ始めた。しかし、それと同時に、大きな問題が浮き彫りになる。
この二つの結晶体の共振により、ゲートフィールド(異次元への扉)が開いてしまったのだ。そしてその隙間からは、人類に敵対する異界の破壊者「アジム」と「ゲラン」が、侵入して来ることが判明する。

アジムとゲランの実体化を水際で食い止めるため木星に集結せんとするアンベルIV主体の打撃艦隊・フォース。
そして利権と利益の為にしのぎを削る企業国家。
一連の抗争は互いに絡み合い、混迷の度合いを深めていく。
後に「木星継承戦争」と呼ばれることになるこの戦いに、あなたは打撃艦隊フォースの一員として、身を投じることになる。


特徴

カード関連

  • 本作は、他の作品に先駆けて「磁気カードを用いた、プレイヤーの個人データの記録」というシステムを実装(VO4ライセンスカード、以下ライセンスカード)。このゲームが導入した画期的システムは広く認知されるようになり、後の『頭文字D ARCADE STAGE』や『THE IDOLM@STER』等を始め、このゲームに倣って多くのアーケードゲームがカードなどを用いた個人データの記録システムを搭載した。
    • 筐体はゲームをプレイする為の筐体とカードデータの更新などを行う別の筐体「ターミナル」に分化。「カードの為の別筐体」というシステムもある程度広がりを見せたが、その後の技術・ネット環境の発達によって効率化が進み、目にすることは少なくなった*1
      • カードには「自らが使用する機体」 「対人勝率や連勝数を始めとするパーソナルデータ」 「階級や称号」 「AIの成長率(後述)」が記録される。カードには使用回数が設定されており、30回戦闘をすると新しいカードに更新しなければいけない(有料)。
      • カードを更新する時に、乗り換え元のカードを、自分を補佐するパートナーAIカード(使用機体は変換された時の機体固定)に変換できる「AIカード」という機能もある(1データにつき5回まで可能)。
    • カードがなくてもプレイは出来るが、その場合は各バーチャロイドの基本機種しか使用することが出来ない。後述。
  • カードを使い続けることによりプレイヤーの階級が上がると共に、特殊な機体やカラーリングが支給されるようになる。階級は強さの証でもあった。
  • カードを使って戦い続けると、司令部から特殊ミッションが言い渡される。これは通常の一人プレイとは違う条件下での戦いを強いられるモードで、「単騎戦闘」「タイムアタック」などの任務内容が存在する。

機体―バーチャロイド

  • 今までのバーチャロンでは10数種類の内からバーチャロイド(VR)を選ぶ形式をとっていた。本作ではターミナルでのカード作成の際に各系列の基幹機種を選択し、これを使って戦っていく。戦い続けると司令部から新たなる機体が支給され、乗り換えるか否かを選択することが出来る。カードなしプレイの際は基幹機種から機体を選択する。
    + Select your machine.
  • テムジン707系列 3機種 (Ver.7.6から747がテムジンのデフォルトになるに伴い全機体とも747の派生機体扱いに)
    • 前作から続投する第二世代型テムジン。火星のV-クリスタル環境下では機能をフルに発揮できないという設定であり後述する747系に比べると多少性能は劣るが、747系の登場以後も根強い人気を誇った。
  • テムジン747系列 4機種
    • アーマー換装システムの導入によって高い汎用性を獲得した次世代型テムジン。707系から一転、曲線を主体とする細かいディテールと歌舞伎の隈取りを思わせるラインが特徴。
    • 高汎用性のA型、削りに特化したF型、重装仕様のH型と個性も豊富。全機体屈指の装甲の薄さのT型はピーキーすぎてネタになった。
  • 10/80 adv テムジン系からの派生機
    • 前作にも登場した10/80の火星圏対応型で、依然として『公式ハンデ』の扱いを受けている。ただし前作と違いゲームシステムに制約はなく、近接性能は707系と比べても遜色ない。

  • アファームド-J系列 5機種
    • JはジャガーのJ。前作のアファームド・ザ・バトラーをベースにした中量型で、近接戦闘に特化した機体が多い。
    • バトラーとコマンダーの武装をそれぞれ受け継ぐtypeC・A、ロケットパンチを備えたtypeG、足技に特化し脚にチェーンソーを仕込んだtypeMなど、熱い機体が揃う。
  • アファームド-T系列 4機種
    • TはタイガーのT。前作のアファームド・ザ・ストライカーをベースに発展した重装タイプ。
    • 大口径ロケットやミサイルポッドなどの支援系の武装を持った機体が多く、実質的にはVOX系やライデン系と並ぶ重量級の機体。

  • マイザー系列 3機種
    • 可変機構を持つサイファーの後継機種。打撃力よりも手数に重きをおいた機体が多い。機体コンセプトが本作の戦闘スタイルとマッチしており、評価は高い。
    • 変形技が魅力のΔ(デルタ)、重装備の強攻型Η(イータ)と、ロマンも十分。豊富な支援武装を持つΓ(ガンマ)は人気と実力を兼ね備える強機体。
  • スペシネフ系列 3機種
    • 「地上機動力に優れた軽量級」「武器は基本的に単発で一撃の重みを重視」という機体特性は前作とほぼ変化はないが、前作で一機にまとめられていた武装が分化し、各機体のバリエーションとして独立した。
      バランス重視の基幹機種「罪」、攻撃性・タイマン性能に寄った「戦」、オラタン時代の左ターボ武器の「相手の武器を封印する」特殊効果に特化した「終」と、何れも個性的。
    • 基幹機種である「罪」と発展機の「戦」は各地のゲーセンでレアリティに見合わない戦果をたたき出し、強機体の代名詞となった。
  • 景清(カゲキヨ)系列 マイザー、スペシネフ系からの派生機、5機種
    • 侍をモチーフにした新型機。景清とは勿論あの平景清のことだが、機体バリエーションのコードネームは何故か『風林火山』*2
    • いずれも射撃の手数が少ない代わりに、隙の少ない挙動と強烈な近接性能を持つのが特徴。高いポテンシャルを秘め、使い手次第では手のつけられない強さとなることも。モチーフから来る人気も高い。

  • VOX(ボックス)系列 9機種
    • 前作のVOK(ボック)系列譲りの対応性の高さを発揮し、全系列中最大のバリエーションを持つ。ドルドレイ、ドルカスもこの系列に編入された。
    • 各種ミサイルを装備した前作のグリス=ボックの後継機である「Dan」「Danny」、前々作のドルカスの武装・特性を受け継いだ「Joe」「Jane」、ドルドレイの後継機「Bob」など、様々な武装バリエーションを取り揃える。武器も電磁警棒やロケットハンマー、送風機のようなレーザー銃、チェーンソーや鉈など機体ごとに個性的で、果ては4門の巨砲を携え、キャタピラ状の脚部に換装した超火力重視タイプの「Tetsuo」、脚部をホバークラフトに換装し地上での機動性を重視した「Mariko」など、同じ系列とは思えないほど異なる外観・性能を持った機体が多い。
  • ライデン系列 6機種
    • こちらもスペシネフ同様、前作で一機種にまとめられていた各種武装がバリエーションとして独立・分化した。
    • ライデンの代名詞とも言えるレーザーを装備したE型に加え、電磁ワイヤーで動きを封じるD型、接近戦に重きをおくA型など、VOX系列ほどではないがバリエーション豊富。

  • バル系列 6機種
    • 機体選択時、唯一『上級者向け』と警告がされるほどの異色の機種。両手や機体各部のビットを切り離すオールレンジ攻撃を軸にしたトリッキーな戦術が持ち味。
    • これに加え、女性型の派生機種や四脚型などのバリエーションでさらに色物化が進行している。

  • フェイ=イェン系列 4機種
    • 前作からより女性的になり、カフェなどのウェイトレスを意識したデザインになっている。今でも賛否分かれるデザインではあるが、機体としての人気は高い。
    • OMGの頃のフェイをモチーフにした機体や大剣を振り回す機体、果てはモチーフそっくりそのままのおぼんをもったバリエーションも存在。
  • エンジェラン系列 3機種
    • 今作では唯一、味方に対して治療や回復などの行動が行える系列。お馴染みの氷龍召喚を中心に多様な援護武装を持ち、相方との連係が肝になる。
    • ライデンレーザーすら防ぐミラーを放つ「慈愛」、氷柱を繰り出す「治癒」、ウイングボール(通称オパオパ)を飛ばす「慰撫」が登場。
  • ガラヤカ フェイ、エンジェラン系からの派生機
    • どう見ても魔法少女、もとい幼女です。本当にありがとうございました。
    • 極端に低いダウン耐性を始めとする不思議な特徴が詰まった機体で、慣れるまでは逆にプレイヤーを振り回す癖の強い機体。

  • ざっと57機。さらに「指揮官機」「カラーバリエーション」などを加味すると570以上のバリエーションがあることになる。さらには1Pから4P、どの席に座るかでカラーが変化することも加えるとそのバリエーションはまさに天文学的な数にのぼる。
    • 公式では発表されていない隠しカラーバリエーション(通称「シークレットカラー」)も存在する(セガは公言していない)。さらにはフェイ=イェンとエンジェラン、この2系列にはカラーや装備とは独立した『胸パーツ(ソーラクス)』のバリエーションが存在する*3

操作、戦闘システム関連

  • 操作はバーチャロンの基本フォーマットに準ずるが、複雑すぎた前作からは大幅な簡略化が図られ、チーム戦を意識したバランス調整がなされている。例を挙げると…
    • 全体的ゲームスピードの低下。移動速度だけでなく旋回速度も大きく低下し、相手を正面に捉える事も難しくなった。
    • Vアーマー、及び左ターボ攻撃の廃止。しかし特徴的だった一部の左ターボ攻撃は、機体装備の違いという形で残された。
    • 近接戦闘の仕様変更。クイックステップとしゃがみ近接が廃止され、レバーとの組み合わせで通常の近接攻撃が回り込みながら出せるようになった。ほか、アッパー近接が追加されている。
    • レーダーが追加。敵の位置をリアルタイムで把握することが可能。
    • レバーとは独立した指示ボタンの追加。味方AIに指示を飛ばしたり、チーム同志の意思疎通に用いる簡易チャットの為のボタン。
    • ほかにも、ボム系攻撃の弱体化、一部機体への空中ダッシュ近接攻撃の実装、ダッシュスライド攻撃の廃止などがある。
  • 戦闘は2vs2で、戦闘前にチームを組むプレイヤーのどちらかがチームのリーダーになる。リーダーが撃破されるとチームは敗北する。
    • 僚機が破壊されると相手チームへの妨害電波を出しながら機体は機能停止してしまう。この際擱座した機体の周囲にフィールドが発生する。リーダーがこのフィールド内に入ることで僚機にリーダーの体力を分割し、復活させることが出来る。
      • レスキューダッシュという特殊動作で状況を問わず仲間の方向にダッシュしていき、この状態で仲間に触れると体力を均等にシェアすることが可能。全ての武装ゲージを消費してしまうリスクが伴うが、行動をキャンセルしての緊急回避にも使える。


特徴のまとめ・その他評価点

  • 当時珍しかった「チームバトル」という要素をいち早く組み込んだVO4は瞬く間にアクションシューティング業界に新風を起こし、多くのファンが殺到した。今でこそ珍しくないチームバトル主眼のゲーム内容だが、当時はハードの性能の制約などの問題から実現が難しく、ゲームバランスの調整などの問題もあり、数は少なかった。後のゲームに大きく影響を与えたことは言うまでもない。
    • カードを用いた画期的なゲーム内容なども好評で、多くのプレイヤーが各々の機体を見せ合い、コレクションに興じた。
  • 「敵リーダーを2機がかりで追い回す」「わざとロックオンを外してマニュアル射撃を行う」などの、チームバトルならではの新たなセオリー、戦術が多数考案されるようにもなり、対戦の奥深さは更に増した。一対一では不利な相手でも、連携や戦術によってはどう転ぶかわからないのである。
    • 2on2であるというゲームの特性上、自分からは見えない敵機からも容赦なく攻撃を受ける。勿論、逆に隙を見ては仲間へ援護を送ることも重要。レーダーやロックオン警報、武器の発射音などに注意する必要が出来た。
  • 簡略化された操作と低下したゲームスピードにより、初心者を受け入れる間口が広くなり、多くのパイロットが限定戦争に新規参入。オラタンを敬遠していた一見さんが流入する形となった。
  • バリエーション豊かな機体はそれぞれに特徴があり、単なるバリエーションに終わらない。同じ機種でも武装が変われば特性ががらりと変わり、武装が一つ違うだけで、全く違う戦闘スタイルが生まれる。勿論「どれとどれを組み合わせるか」というパートナーセレクトも重要。
    • デザインもかなりカッコ良く、今でも模型のイベントなどでガレージキットが販売されるほど。
    • プラモの老舗ハセガワからはプラモデルシリーズが発売中。稼働開始から10年が経過した現在でもシリーズが続いていることからも人気の高さがうかがえる。
  • シリーズの伝統であるBGMは本作においても変わらず好評。旧作で用いられた音楽のアレンジも随所に用いられている。
    • 中でもマイザーステージのBGM「conquista ciela」は、「日本一歌のうまいサラリーマン」ことセガサウンドプログラマー「光吉猛修」氏が担当するボーカル曲まで制作された(最も「歌詞自体はノリでつけた」と作曲者が語るように、マイザーのテーマというよりはアファームド、ライデンに相応しい熱い曲に仕上がっているのだが)*4
    • また、同社のガンシューティングゲーム『ガンブレードN.Y.』のBGM「United Nations H.Q.」「Midtown Night」が、それぞれと「515 Hours」「Cry For You Lost Rainbow」と改名した上でアレンジされて使用されている。

賛否両論点

しかし、本作は全てのチャロナーから賞賛されたわけではなかった。

  • ゲームシステムそのもの
    • 前述の通り、本作ではオラタンの追加要素の多くが廃され、ゲームスピードも大幅に鈍化した。機体ごとの武装が系列機種ごとに分散され、一機当たりの攻撃バリエーションが減少した点に難色を示したオラタンファンも多い。結果、オラタンを好んでいたファンからは「こんなの続編じゃない」「遅くてやってられない」「機体が多くてまどろっこしい」と敬遠され、親フォース派と親OMG・オラタン派にファンが二分されることになった。
      • もっともオラタンのゲームデザインそのままで「いつ視界外から攻撃が来るかわからない」2on2バトルを行った場合、まずプレイヤーはゲームについていけなくなる。オラタンで頂点に達していた「初心者お断り」の風潮も更に加速するであろうことは間違いない。
      • 武装の細分化も2on2システムを考慮したものであろう。流石にオラタンライデン2機、グリス・ボック2機といったコンビを相手にするのは無理がある。
      • 特に苦しくなったのがバル系列。ERL設置がターボ攻撃扱いになったせいで、オラタンどころかOMG並に攻め手を持っていかれる事に…。
    • 基本ゲームシステムが2on2であるという事で、一人プレイでは必ずCOMが同行する。昨今の協力前提のゲームと同様、僚機COMの不出来さがそのままゲームの難易度に直結し、運次第で戦況が絶望的になる事がざらにある。対戦モードは仕方ないが、通常の一人プレイではストレスになりやすい*5
    • 相変わらず初心者泣かせの中ボス。
      • 初代バーチャロン(OMG)で悪夢を振り撒いたヤガランデが再び登板。その暴力的な制圧力は本作も健在で、機体や運によっては中級者でも落とされてしまう。対処法さえ熟知すれば突破は難しくないとはいえ、初心者が対処法を学ぶ暇もなく瞬殺されてしまう不親切設計は相変わらず。ここで脱落してしまうプレイヤーも少なくない。
  • 機体・グラフィックスの路線変更
    • 登場VRの描写はさらに進化しているが、デザイン面ではOMGやオラタン時代から大幅な路線変更がなされており、やはり親フォース派と親OMG・オラタン派で評価は分かれた。特徴としては鋭利な棘などの突起物やパーツ接合面の強調などが目立つ。カラーリングもより鮮やかになった。
      • オラタンテムジンが初登場時にヘビーユーザーからあれこれ言われたように、今作のテムジン747も「歌舞伎」をイメージした機体各部のラインが論議を呼んだ。
      • シリーズ通じてチャロナーの特異点である女性型機体の進化が凄まじい。光輪を冠するエンジェラン慰撫指揮官機はともかく、どう見てもウェイトレスのフェイ=イェン、どう見ても魔法少女のガラヤカと、より一層好みが分かれる事態に。
      • 「U-ta」「Mariko」「Tetsuo」等、VOX系列の個性的すぎる機体名も「ダサい」「いや、これはこれで」などと話題となった。
    • 本作ではプレイヤーが「戦場に赴く一兵卒」としてはっきりと描かれるようになり、支給されるVRのデザインも、量産機・各部のユニット化などのイメージがこれまでより強く打ち出されている。同じ系列の機種が大幅に増加したこともあり、これまでの(どちらかというと)ヒロイックなイメージに慣れていたファンから戸惑いの声があった。そもそもバーチャロンの世界にはガンダムのような「主人公機」は存在しないのだが、「一兵士としての」演出が強化された分、その点も強調されてしまったと言える。
      • テムジン747、VOX系列の使い回しぶりは逆に感心するほど。基本部分は同じでここまで変わるのかと思わせる。
      • マイザー、フェイ=イェン、エンジェラン系列は手持ち武器以外に殆ど変化が無く、一見では分かりにくい。
    • 2on2というゲームの性質上、視認性・状況把握のしやすさを優先して攻撃エフェクトが簡素化されている。機体速度と同じくやむを得ない変更ではあるが、結果的に「地味」になってしまった感は否めず、この点を苦々しく思うオラタンファンも。

システム面の難

  • 機体支給
    • 機体支給はほぼランダムであり、欲しい機体を手に入れる為にはいつ出るかもわからないランダムな機体支給を待つしかなかった。現在使用している機体が再度支給される事もある。
    • 現在でもファン間では機体出現の法則性に関する噂が飛び交っているが、確定的なものはどれ一つとして存在せず、どれも「体感」の域は出ない。一応「テムジン系列はテムジン系列、女性形系列は女性形系列にのみ進む」など「機種毎にどの系列に進むか」は固定されているのだが、後述する指揮官機やカラーバリエーションの仕様もあって、思い通りの機体を手に入れるのは非常に難しい。
    • 性能や武装に明確な特徴がある機体ならまだいいが、VOX-JoeとVox-Jane、テムジン707Jとテムジン747Aなど「確固たる強みが見出せないレベルの実質的な上位/下位互換」すらも普通に存在し、機体支給の問題に伴って水増し感を高めてしまっている。また、全機体に存在する指揮官機(指揮官用の飾りのついた機体で性能変化はほぼ皆無*6)もその感を強めている。
    • 欲しい機体までの道程をさらに遠ざけるのが、カラーバリエーションの仕様。本作では単なるカラーバリエーションでも『別機体』として扱われ、個別に支給される。「呼び出しがかかったのでターミナルに向かったらただのカラバリ支給告知だった」ということも少なくない。
      • しかも厄介なのはこのカラーにも派生種があり、レアリティもきっちり存在するということ。比較的手に入りやすいスペシャルカラー4種はまだしも、それ以上のレアリティを持つレアカラー及びシークレットカラーを狙うのは困難を極める。もちろん、「好きな機体を好きなカラバリに染めたい」なんて話は夢のまた夢である
    • 派生機体にはレアリティが存在し、高レアリティの機体はそれこそ一部ネットゲームのレアアイテムにも匹敵するレア度を持つ。あまりに出ないので『都市伝説』『本当は実装されていない』などの憶測・ジョークが飛び交う事態に。こういった仕様が目指す機体を手に入れるための道をより暗鬱としたことは言うまでもない。
      • CPU戦では敵として頻繁に現れておきながら高レアリティという機体も。今でもネットオークション等ではレア機体のカードが高額で出品されている。
    • 「レアリティの高い弱機体・玄人向け機体」も存在する。公式的なネタ機体なのかもしれない。
      + 癖の強いレア機体の代表
    • テムジン747T、10/80adv
      • 装甲を極限まで切り詰めた747型テムジンと、市場で現在も出回っている2世代前の機体(の強化型)。どちらもレスポンスが良く、各種動作の硬直も少なく動かしやすい。特に10/80は地上での機動力ならテムジン系トップクラスだが、どちらもマイザー以下の装甲の薄さがネック。
      • 747Tはその装甲の薄さがとにかくネックであり、おそらく全機体中最薄。その薄さたるや、何らかの耐久力補正(近接補正など)がかかっていない状態でライデンのCW(レーザー)かターボCWを食らうと即死する。この冗談のような装甲値のためにガチ戦では「事故のリスクが高すぎる」という理由で使われない。
      • 加えて、何故かTRWの隙が747Aと比べて大きくなっており、撃つのに多大なリスクが伴うハイリスク武装になってしまっている。
      • それだけのリスクを背負っているのならさぞ機動性に優れているのだろうと思えば、実は速度自体は基幹機種である747Aから変わっていない。あくまでターンのレスポンスやキャンセルの硬直が短くなっただけである。
      • しかし747A自体スピードが速い部類の機体であるため、キャンセルの軽快さが合わさることで機動性に慣れるとまさに別次元の機動性を発揮する。特にVターンのレスポンスの速さは全機体屈指のレベルで「オラタンを思い出す」というプレイヤーも多い。この為ネタ戦では「慣れると楽しい機体」と言われ結構人気である。
      • 10/80は近接性能に秀でるものの、どうしても火力に欠けるのでジリ貧になりやすく放置もされやすい。前作から引き続き「公式ハンデ」扱いを受けている故の低性能と認識しているファンも多いが、その動かしやすさは一部上級者に評価されており、タイマンではテムジン747A以上と評するプレイヤーもいる。
    • アファームドJ(T) TypeX
      • ガスマスクをあしらった頭部、拡声器の様なリング・ランチャーなど、外見からして特異な機体。レーダーに映らないステルス機構を搭載しているが、ステルスが機能するのは停止・歩き中のみでダッシュ・ジャンプ・攻撃などであっさりレーダーに映る。武装の癖も強く打撃力に欠け、装甲もアファームド系列の中では薄い方なのが弱さに拍車をかけてしまっている。
      • 機動性に優れるJXは使い手次第では対戦にも耐え得るが、TXは大きな当たり判定と、JXに比べ貧弱な武装から弱機体という評を覆すには至っていない。
        • ステルス搭載機には他にVOX-U-taが存在する。こちらも似通った難点を持っているものの、独特の武装によってJX同様一定の評価を受けている。
    • ライデン512N1、512N2
      • 脚部ブースターユニットによってライデンとは思えない機動性を獲得。しかし当たり判定に見合わない軽装甲バーティカルターン封印という致命的弱点を抱えている。ベース機同様に援護機として活かそうと考えると、硬直や被ダメージのリスクがリターンと見合わないケースが多い。 援護機なのに『逃げを重視して立ち回らないと強みが出てこない』と評される。
      • この2機は全機体中屈指のレアリティを誇り、あまりのレアリティに『運という実力を持った一握りのエースだけが搭乗を許される』とまで言われた。
    • ガラヤカ
      • 機動力は少女型らしく高めだがダウン耐性や耐久値が飛び抜けて低い。他の機体が耐える攻撃でもすぐノックバック、ダウンしてしまう。攻撃性能は高いが相手によってはそれを生かせない、極端な機体。
      • しかし攻撃面に関しては優秀であり、機動力もあるため回避さえしっかりできていれば戦える。また特定の条件を満たすことでシリーズお馴染みのボスキャラであるヤガランデに変身し、一定時間操作できるというこの機体だけの特徴も持つ。実戦ではヤガランデ変身はあまりにもデメリットがでかすぎるのでまず使われないのだが…*7
      • この機体も最上級のレアリティを持つため、ゲーセンでもその姿を見ることは殆ど無かったという。
  • カード・その他システム関連
    • カード自体は後のゲームにも影響を与えるなど評価されているが、本作で活用するシステムそのものは練り込み不足が指摘されており、評判は非常に悪い。
    • 特に、カード1枚につき保存できるのは1機のみであるため、「この機体は自分に合わなかった」からといって前の機体に戻したり別機体を試すことが出来ないという点は、カード度数の問題と合わさって批判が噴出した(時期や店舗設定にも拠るが、乗り換えるには次回の機体支給が通知されるまで相応の回数分ゲームをこなさなければならない)。同じ機体が支給された時の失望感にも拍車をかけている。
      • 様々の機体を使い分けるために沢山カードを作る手もあるが、当然ながら戦績や階級、勲章は全て別人扱いになってしまうし、カードの出費も嵩んでしまう。また、他系列の機体も(一部例外を除いて)支給されないため、異なる系列の機体を使いたい場合もやはり新規にカードを作らなければならないなど、プレイヤーの情報やIDの登録が形骸化してしまい無意味なものになってしまう。
    • カード度数も30と、多いように見えて少ないこの回数がファンに出費を強いた。回数を使い切ったカードはAIカードとして再使用はできるものの、お世辞にも上手く機能しているとは言い難かった。
    • たびたび指令される特殊ミッションだが、内容の大半はプレイヤーに条件制約を課しただけのただの強制的な制限プレイでしかなかった。新たな機体やステージが追加されるわけでもなく、しかも機体支給通知より頻繁に届くため非常に鬱陶しい。
    • 因みにこれらカード関連の問題については現在ならAime・バナパス化でほぼ解決できるのだが、勿論当時は専用ライセンスカードを使用するゲームの黎明期でありまだ現在のような技術など存在しなかった為、ある意味仕方ないとも言うべきであろう。
  • 筐体について
    • 使用筐体は当時高価なSEGAHIKARUのみであり、アップライト筐体が存在せず大型筐体のみであった。ターミナルと大型筐体の両方を必要とすることもあり、このためセガ系列店か大型のゲームセンターでないとなかなかお目にかかれなかった。
    • 地方のプレイヤーはわざわざ都心に出向かなければならず、プレイヤーが一部の店舗に詰め掛ける事態に。2on2という性質上、交流の場としての側面は大きくなったが、これに伴って常連が延々台を占拠する、大声奇声を発するといったゲームセンターにおける負の側面も目立つようになった。フォースではプレイヤーの急速なマナー悪化が特に際立つと言われている。
    • ゲームスピードの低下の影響か前作オラトリオ・タングラムよりは随分ましになったが、それでも相変わらずレバーの損傷度は高い。ガチャガチャ動かすのが基本であるゲームなので仕方ないが、店舗泣かせの現実である。



ゲームバランスと対戦環境についての変遷

  • 機体バランスは悪くはないにしろお世辞にもよいものとは言えなかった。フォースの機体は「軽量・中量・重量級」という機体カテゴリに大分されるが、同一カテゴリ内でのバランスがイマイチなのである。
    • 「同じような仕事をするならもっと強い機体がある」という傾向が強い。特に「三強」と呼ばれた重量級・中量級・軽量級それぞれのカテゴリを代表する機体群(「VOX-Jane」「テムジン747A」「マイザーΓ」)は、一時期は対戦でこれらの機体が混ざっていない方が珍しいというほどに使用率が高かった。各カテゴリでそれぞれその3機がもっとも安定して強いとされたためであるが、その陰で重量級のアファームドT系、中量級のアファームドJ系、軽量級のエンジェラン系などが食われがちになった。
  • また、特に稼働初期は「全機が鈍化 & 攻撃手段弱体化」というシステム変更によって機動力が高い軽量級に攻撃が当たりにくくなり、機動力の差を埋められない重量級がジリ貧になりがちであった。「ワンチャンスに一発当てるゲーム」というセオリーが極まったフォースでは機動力の方が火力より遥かに重要であるとされ、あまりの「回避ゲー」ぶりに上級者からは「上手いヤツが避けるゲームではなく、下手なヤツが当たるゲーム」と評されていた。
  • しかしやがて対戦環境が煮詰まり、様々なテクニックの研究が進みプレイヤーの腕が成熟するにつれて、対戦環境は「依然として回避ゲーではあるが、食らう時は食らう」といった様相へ変化していく。例え軽量級であっても、移動方向を読まれたり僅かな硬直を撃ち抜かれれば被弾は避けられないし、逆に重量級であっても上級者には生半可な攻撃で致命傷(=重量級の火力をもってしても挽回できないほどのダメージ)を与えることはできないからである。したがって低火力軽装甲の軽量級は以前ほどの脅威とはならなくなり、重量級も復権を果たした。
    • 攻撃力が高い機体は相手に警戒されやすい分「敵の注意を引く」という仕事は(いるだけで)ある程度果たせることになるが、火力不足の機体では放置されやすく、相方への集中攻撃を止められずに敗北してしまいやすいため、本来は火力の高い重量級こそが2on2向きであるという見方も存在する。
  • 以上のことから、現在では「回避ゲーが一周して攻撃面に秀でた機体が強い」とでもいうべき状況にあると言える。超火力と引き換えに機動力に激烈なハンデを抱えた「VOX-Tetuo」を交えたチームが近年の大会で上位の成績を残していることも、これを裏付けているだろう。
    • 「Tetuo」の例を見てもわかるように、立ち回りは難しいが決して「重量級は使えない」ということはない。強力な武装と平均以上の装甲・機動力で最強機体とも評される「VOX-Jane」を中心に、絶大な瞬間火力でプレッシャーをかける「ライデン512E1」「ライデン512E2」、継続火力に優れる「ライデン512A」「VOX-Mariko」、重装甲の格闘機「VOX-Bob」など、対戦で実用的な機体も多い。
  • 先に述べた通り、本作の2on2システムを駆使すれば、個々の機体相性差を覆すことのできる可能性は歴代作よりも遥かに大きい。「機体の組み合わせから戦いは始まっている」「戦術や連携次第でどうとでも転ぶ」「機体性能よりプレイヤーの性能が重要」と言うプレイヤーも多い。とはいえそれはユーザーの工夫・研究による部分が大きく、基礎設定の段階から大なり小なりの差が生じてしまう調整には「もう少し何とかしてほしかった」と言わざるを得ないだろう。
  • その他ゲームバランス
    • オラタンと比較して、特に命中率が下がった事で「削りあいの戦闘」という伝統にさらに拍車がかかった。店舗設定にも因るが、システムに慣れた中級者であっても対COM戦でタイムアップ決着になる機会が多いというバランスには流石に疑問符がつく。
    • 初心者へのハードルが低くなったと書いたものの、勝利を掴み取るに要求されるテクニックの種類はかなり多い。歴代シリーズでも様々な必須テクニックが存在したが、本作の対戦をフルに楽しもうとするならばより多くのテクニックの習得が求められる*8。中級者以上のレベルになるとこれらの技術を習得していなければお話にならない。「機体性能よりもプレイヤー性能が重要」とはよく言ったものである。
      • 前述したとおり、2on2の特性上、視界外の敵機からも容赦なく攻撃を受けることになる。ある程度システムに慣れていなければ対応は難しい。
  • なお後に移植されたXbox360版では、登場機体こそ同じだが対戦バランスはアーケード版とはかなり異なっている。一口で言えば、機体の武装の誘導性や射角補正などが全体的に強化されており、通信対戦特有のラグ等の影響もあってか攻撃を当てやすい、食らいやすい傾向が強い。
    • これにより初級者でも攻撃が当てやすくなり対戦ゲームとしての難易度が下がったこと、武装強化により弱機体とされていた機体の多くが対戦で実用的になったことなどが評価された反面、強化され過ぎではないかと思われるほどに回避が困難な武装(スペシネフ戦のアックスウェーブ等)の存在や、「展開がどうしてもダメージレースになりがちで、フォースらしい駆け引きや連携、回避戦の醍醐味が薄れた」と、こちらも賛否両論の声が飛び交っている。

総評

本作の評価はとにかく極端に分かれている。
奥深い駆け引きを実現した2on2システム、コレクションとしての要素を強めたカードシステムなど、大きく変わったゲーム性は新規ファンを獲得した一方で、拒否反応を示した旧作のファンも多かった。
さらには使用基板価格の高価さによる稼働店舗数の少なさも相まって、後にXbox360に移植されるまでは過去作と違ってそれなりの知名度を獲得することにも失敗しており、ここからバーチャロンシリーズの衰退期に差し掛かったと評するファンも多い。
とは言え、良くも悪くもバーチャロンというゲームの方向性、世界観やデザインを明確に決定付けた作品であり、プレイヤーの好み次第でいとも簡単に神ゲーにもクソゲーにも転ぶ、非常にクセの強い作品であると言えるだろう。

確かに言えるのは、本作がアーケードゲームの新時代を切り開いたということである。
カードを用いたデータ記録にチーム戦など、初代バーチャロンが3D対戦アクションゲームの礎を築いたように、本作から後世のアーケードゲームに受け継がれていった要素は多い。
9年越しのXbox360への移植や10年以上続くプラモデルシリーズの展開など「愛されている作品」であることには間違いなく、単なる「調整不足のゲーム」に留まらない魅力は持っていると言えよう。

現在では稼働している店舗も少なくなり、新規参入を望むプレイヤーはある程度の出費と覚悟が必要となっていたのだが、2010年12月、9年の時を経てXbox360に移植された。
ひと足早く移植されていたオラタンに続き、フォースを愛していたチャロナーたちも感動の涙を流したのである。
詳細は外部リンク参照


余談

  • 半年前に登場した『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン DX』が影響し、世間的には「知る人ぞ知る作品」の域を出ることが無かったのが悔やまれる。原作の知名度や操作系のシンプルさ、出費など、比較してしまうと分が悪いが。
    さらに余談になるが、開発の始まった時期はこちらのほうが早かったという。とはいえ半年早く、連ジと同時に稼働開始していたとしても、それはそれで悲惨なことになっていただろうが…。
  • Xbox360版は上述の通り対戦バランスに賛否両論あるものの、オプションでBGMをOMGやオラタンに変更可能であること、限定版には(MARZを含めた)全作品のBGMを収録したCDやシリーズを総括したブックレットが付属されていること、発売年がシリーズ15周年の節目にあたることから、作り手とプレイヤーのバーチャロンへの愛で生まれた作品とも言えるかもしれない。
  • シリーズ・BGMともに根強い人気を持つシリーズだが、意外にも『maimai』にはサウンドエフェクトのみで楽曲収録は無く、2016年冬に『CHUNITHM AIR』にて『In the Blue Sky '01』(テムジンのテーマ)が収録された。
  • 一部店舗ではやはり4台通信筐体がネックだったのか、強引に2台(つまりはツイン筐体1台)で運営する店もあった。しかし、改造キットの無かったフォースを2台2台で分けるとターミナルが片方の店には無い、という事態に陥る。それを、毎日時間を決めて、「片側をターミナルモードにする」という強引な手法で営業を行っていた。*9
    • 実は、フォースはテストモードで「ゲーム」←→「ターミナル」と切り替えられ、カードリーダーも問題なく機能する。フォースの登場した次期はアーケードゲームが大型化する初期の頃で小さな店舗は「大きなものは物理的に難しい、でも話題作が無いと潰れる」の瀬戸際であった故の涙ぐましい努力である。

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