【でんのうせんきばーちゃろん ふぉーす】
ジャンル | 3D対戦アクションシューティング | |
対応機種 | アーケード(SEGAHIKARU) | |
販売元 | セガ | |
開発元 | ヒットメーカー | |
稼動開始日 | 2001年10月 | |
判定 | なし | |
ポイント |
2on2のチームマッチ・カードを用いたデータ記録システムの先駆け ゲーム性の変化でファンの意見が割れる カードを使った各種システムは練りこみの余地あり 筐体周りがシリーズ屈指のオペレーター泣かせ |
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備考 | Xbox360版:2010年12月22日発売 | |
電脳戦機バーチャロンシリーズ |
「電脳戦機バーチャロン」シリーズの三作目。「2vs2」の戦闘がメインとなっており、ゲームシステムは前作から大きく変更された。
通称「VO4」。三作目にして付けられた「4」は、本作を特徴付ける「4人対戦」から取られたものと思われる。また、「4」をあしらったロゴマークの下に「FORCE」と書かれているが、これはスペルミスではなく「力」を意するフォースとかけている。
稼働開始から二度バージョンアップしている。初期は7.5、最終バージョンは7.7。
大規模限定戦争「オラトリオ=タングラム」の開戦より四年。第3プラント「アダックス」を主体とし、限定戦争の主な舞台は火星へと移り始めていた。
火星、見捨てられた紅の星――――
かつてはテラフォーミングなどで人々の注目を集めたこの星もいまや、人々の輝かしい夢の墓場でしかない。火星は限定戦争のスタジアムとして転用され、ことはそれで終わるはずだった。
しかし、火星にて先史文明の遺物「Vクリスタル」が発見され、火星のVクリスタル「マーズ・クリスタル」と、木星の「ジュピター・クリスタル」が共振したことから、物語は大きく動き出す。
企業国家プラントはこれらクリスタルを巡り、熾烈な争いを繰り広げ始めた。しかし、それと同時に、大きな問題が浮き彫りになる。
この二つの結晶体の共振により、ゲートフィールド(異次元への扉)が開いてしまったのだ。そしてその隙間からは、人類に敵対する異界の破壊者「アジム」と「ゲラン」が、侵入して来ることが判明する。
アジムとゲランの実体化を水際で食い止めるため木星に集結せんとするアンベルIV主体の打撃艦隊・フォース。
そして利権と利益の為にしのぎを削る企業国家。
一連の抗争は互いに絡み合い、混迷の度合いを深めていく。
後に「木星継承戦争」と呼ばれることになるこの戦いに、あなたは打撃艦隊フォースの一員として、身を投じることになる。
+ | Select your machine. |
しかし、本作は全てのチャロナーから賞賛されたわけではなかった。
+ | 癖の強いレア機体の代表 |
本作の評価はとにかく極端に分かれている。
奥深い駆け引きを実現した2on2システム、コレクションとしての要素を強めたカードシステムなど、大きく変わったゲーム性は新規ファンを獲得した一方で、拒否反応を示した旧作のファンも多かった。
さらには使用基板価格の高価さによる稼働店舗数の少なさも相まって、後にXbox360に移植されるまでは過去作と違ってそれなりの知名度を獲得することにも失敗しており、ここからバーチャロンシリーズの衰退期に差し掛かったと評するファンも多い。
とは言え、良くも悪くもバーチャロンというゲームの方向性、世界観やデザインを明確に決定付けた作品であり、プレイヤーの好み次第でいとも簡単に神ゲーにもクソゲーにも転ぶ、非常にクセの強い作品であると言えるだろう。
確かに言えるのは、本作がアーケードゲームの新時代を切り開いたということである。
カードを用いたデータ記録にチーム戦など、初代バーチャロンが3D対戦アクションゲームの礎を築いたように、本作から後世のアーケードゲームに受け継がれていった要素は多い。
9年越しのXbox360への移植や10年以上続くプラモデルシリーズの展開など「愛されている作品」であることには間違いなく、単なる「調整不足のゲーム」に留まらない魅力は持ち得ている言えよう。
稼働開始から大分経った現在では稼働している店舗も少なくなり、有名シリーズのうち一作でありながら知る人ぞ知る希少ゲーと化していた事情もあって新規参入を望むプレイヤーはある程度の出費と覚悟が必要となっていたのだが、2010年12月、9年の時を経てXbox360に移植された。
ひと足早く移植されていたオラタンに続き、フォースを愛していたチャロナーたちも感動の涙を流したのである。
(詳細は外部リンク参照)
ちなみに本作がSEGAHIKARU基板採用作で唯一家庭用移植されたゲームとなっている。
ただし日本以外でリリースされなかったためか、前2作と異なりXboxOne以降の後方互換機能には対応していない。
2019年にはプレイステーション4のダウンロード専売のオムニバスソフト『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』に収録された。360版がベースとなっているが、ミッションモードなどが削除され対戦に特化した形となっている。
これら移植版に関しては「機体もカラーも自由に選べる」事がら、アーケード版の不評点はある程度緩和されている。
ただしゲームバランス自体がAC版と異なる事に関しては相変わらず賛否両論だが。
*1 近年の作品でこのシステムを採用しているのは『戦場の絆』くらいであろうか。プレイ筐体とセンターモニターがわかれているゲームとしては『アイドルマスター』『クイズマジックアカデミー』が挙げられる
*2 風林火山の初出は武田信玄の軍旗に描かれたものであり、平景清が活躍した平安時代からは300年以上後の話である
*3 360版では予約特典「フェティッシュ解放コード」の使用により胸パーツの大きさを変更できる。
*4 360版ではBGMを「光吉」に設定することでマイザーステージのBGMをボーカル版に変更できる
*5 COMの出来が良すぎるとヌルゲーになってしまう、非常にデリケートな問題でもある。
*6 例えば「テムジン747Aで空中攻撃を多用すると747F、地上ターボ攻撃を多用すると747Hが出やすい」など。
*7 何故かアファームドJAのみターミナルで見られる機体スペックでは近接能力が上がっているが、実際にはそんな事は無い
*8 変身は13カウント持続し、解除後は9カウントジャンプ不能。変身中は一切のダメージを受けないが、変身解除時に変身中に受けたダメージを一気に受ける。
*9 時期や店舗設定にも拠るが、乗り換えるには次回の機体支給が通知されるまで相応の回数分ゲームをこなさなければならない
*10 本作以外で採用されたゲームは、『消防士 BRAVE FIRE FIGHTERS』『プラネットハリアーズ』『ナスカーアーケード』などと計6作のみと同社の基板の中で非常に少ない。
*11 後述のXbox360版においては、これらの必須テクニックの解説と練習できるチュートリアルがシリーズで初めて実装された。
*12 祖師ヶ谷大蔵の「アミューズメントOZ」(現:タイトーステーション祖師ヶ谷大蔵)等