ソニックと秘密のリング
【そにっくとひみつのりんぐ】
| ジャンル | ハイスピード体感アクション |  
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| 対応機種 | Wii | 
| メディア | Wii用12cm光ディスク 1枚 | 
| 発売・開発元 | セガ | 
| 発売日 | 2007年3月15日 | 
| 定価 | 7,329円 | 
| プレイ人数 | 1人~4人 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 周辺機器 | Wiiリモコン、ヌンチャク対応 | 
| 判定 | スルメゲー | 
| ポイント | Wiiの特性を活かした他にないソニック ソニックにおけるスルメゲーの代表格
 Wiiでも屈指の
腕筋破壊ゲー
 ストーリーの出来もかなり好評
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| ソニックシリーズ | 
 
概要
Wiiに初進出した、『ストーリーブックシリーズ』と呼ばれる新しいソニックゲーム。通称『ひみリン』。
Wiiリモコンを横持ちし、傾けや振りを用いてソニックをアクションさせていく実にWiiらしいゲーム。
アラビアンナイトの世界に呼ばれたソニックが、悪の魔神であるイレイザー・ジンと戦う。
ソニックにスキルを付随して強化していくカスタマイズ制度や、ゲージを消費して使用する「スピードブレイク」、「タイムブレイク」のアクションが特徴。
ストーリー
ある日、読書をしていたソニックがうっかりうたた寝をしていると、本の中から突如小さな妖精・シャーラが現れた。
彼女は、消されていくアラビアンナイトの世界を救って欲しいと懇願、それに応じたソニックはシャーラの主人となり、アラビアンナイトの世界に飛び込む。
アラビアンナイトの世界を消していたイレイザー・ジンに出くわしたソニックだったが、一瞬の隙をつかれて呪いをかけられてしまう。
彼を倒さない限り、アラビアンナイトが救われないばかりか、自分の命をも危うい。
しかしそんな状況にも動じず、アラビアンナイトの不思議な世界を満喫しながら、世界の危機にソニックは立ち向かっていく。
特徴
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本作独自のアクションとして、ゲージを消費して使用する「スピードブレイク」「タイムブレイク」がある。
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「スピードブレイク」は、制御は利きづらいが超高速で走ることが出来る能力。後のブーストとは違い本当にかっ飛ばすので制御しづらいが、気持ちよくステージを飛ばすことが可能。
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「タイムブレイク」は、時間を一時的に遅くする能力。鉄球が無数に浮かぶ地点などを潜り抜ける時に有効。
 
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Wiiリモコンによる独特の操作。
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今回のソニックはWiiリモコンを横持ちで使用するが、前進はなんと
リモコンを前に傾ける
という仕様。
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後退は内側にリモコンを傾ける、ブレーキは1ボタン、ジャンプは2ボタン、ホーミングアタックはジャンプ後リモコンを振る、となっている。かなり独特な操作方法だが非常に新鮮で体感的な操作感が味わうことができ、慣れればかなり楽しくはなる。
 
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カスタマイズシステム。
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ソニックはステージクリアの成績に応じて経験値を習得することが出来、レベルがあがると装備出来るスキルの上限が上がり、新しいスキルなどを習得できる。
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スキルを習得することで、ソニックのスピードの底上げなど様々な能力を付随出来る。スピードアップ系のスキルを装備しまくるなど偏った設定も可能。
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それ以外にも様々なスキルが用意されており、ソニックの冒険をサポートする。
 
評価点
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これまでのソニックにはない新鮮さを提供しつつ、スピード重視のゲーム性を維持している点。
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最初こそソニックの走力は遅いが、レベルをあげてスキルを追加していくことで驚くべきスピードを実現可能。その速度は後のHDソニックのブーストと同等かそれ以上と言っても過言ではない。
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さらに今作独自のブーストシステム「スピードブレイク」は、後のブーストとは異なる爽快感ある走りっぷりを見ることが出来る。
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Wiiリモコンの操作は独特ながら、慣れればこれまでにない新鮮なものとなっており、いつの間にか自分の肌にマッチングしているというユーザーが多数。
 
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近年稀に見るストーリーの良好さ
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この頃のソニックはストーリーの壮大さや複雑さを緩和していく時期にあり、『ソニック ワールドアドベンチャー』以降のような控えめなシナリオが多くなっていた。
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その時期に、この秘密のリングは一昔前の洋画吹替のような会話のテンポの良さ、台詞回しにセンスを感じるものがあり、普通に楽しめるようになっている。
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「俺は、薄汚いネズミなんかじゃない。ちょっとすごいハリネズミなんだよ」というセリフは本作の名言としてあげられることも多い。
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ソニックのレギュラーキャラ達は、アラビアンナイトの世界の住人として登場するが本人ではなく、「ソニックの仲間によく似た別人」という設定になっている。
 
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良質なアラビアン調のBGMの数々。
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主テーマソング『Seven Rings In Hand』を始め、アラビアンな雰囲気なボーカルソングがステージソングとして流れ、ゲームの雰囲気を盛り上げる。
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ノーボーカル曲も軒並み好評。特に『レビティテッド ルーイン』のBGMはボーカルソングに負けず劣らず評価が高く、ステージの駆け抜けていく娯楽性と合わさって完成度が高い。
 
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ステージ数が多く、やりごたえがある。
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ミッション系のものもあるが、それらの多くはタイムアタックとしてプレイしても楽しめるものが多い。
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もっとも、タイムアタックで使用されるのは主にゴールに到着するだけのミッションであるが。
 
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ステージ演出やギミックも良好で、まるでインディ・ジョーンズになりきったような仕掛けが楽しめるなど、演出面はかなり優秀。
 
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ゲスト声優が地味に豪華。
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シャーラ役の中原麻衣氏は、丁度ブレイクがピークに達したくらいの出演だった。
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敵役のイレイザー・ジンはベテランの江原正士と盤石なキャスティング。
 
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やりごたえのあるボス。
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一筋縄では行かない強力なボスが多く、台詞回しと相まってボス戦もかなり楽しめるものとなっている。
 
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本作限定のパワーアップ・ダークスパインソニックのデザインは良質。
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なお、公式で靴などを脱いだ姿を披露したソニックは、このダークスパインソニックが初めてと言われている。
 
問題点
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操作感と相まって、難易度はやや高め。
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後半は特にトラップが多く張り巡らされており、何度も死んでかなりの回数のやり直しを強いられる。
 
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Wiiリモコンによる操作でかなり疲れやすい。
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常に腕の筋肉に力を入れることになるため、他のゲーム以上に腕への負担がかかる。
 前腕部だけやたら筋肉痛になるという奇妙な疲労感は、本作をプレイした人間の多くが体感したことだろう。
 
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Wiiのソフトであることを考慮しても、グラフィックへのこだわりが薄い。
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OP・EDムービーこそかなり美麗だが、ゲーム画面はそれとは正反対に画質がかなり低く、ソニックがのっぺりとしている。
 後のWii版『ワールドアドベンチャー』『カラーズ』と比較してしまうと余計に気になってしまう。
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今回のソニックは口がモデリングされておらず、ゲーム画面では表情に乏しい。
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反面、ストーリーにおいてイラストで進行していくパートに関してはさほど問題ない。
 
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レベルをあげないと、ソニックの走行速度が遅すぎる点。
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一部動画でもあがっているが、初期のレベルのソニックとやりこんだ末のソニックとでは雲泥の差がある。その差たるや同じゲームとは思えないほど。
 
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最終戦におけるソニックの攻撃音が弱々しい。
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せっかくダークスパインソニックのデザインが良質なのに、暴走したイレイザー・ジンを攻撃する時の音が「ポコッ」と布袋を相手にしているような音になる。
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リモコンを振りまくっての攻撃アクションはなかなか楽しいだけに残念な点である。
 
総評
Wiiらしさを前面に押し出した、非常に独特な雰囲気を持つソニックである。
最初こそ足が遅いため、ソニックなのに遅すぎると思ってゲームを投げてしまう人も多かったようだが、やりこめばこれまでのソニックにはない疾走感を楽しめるゲームである。
余談
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「ダイナソージャングル」の恐竜のグラフィックは同社のアーケードゲーム「古代王者 恐竜キング」がベースになっている。
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ただし、実際には生えていなかったと思われる棘がところどころ追加されている。
 
その後の展開
そこそこ好評だったためか、続編として『ソニックと暗黒の騎士』が発売された。
しかしこちらはソニックの肝ともいえる疾走感をやや犠牲にしたゲーム性となったため、賛否が分かれる内容となり、必ずしも絶賛されるゲームではなくなってしまった。
最終更新:2023年01月06日 22:10